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星の髪飾り

 あれから沢山のドレスを見せてもらい、Aライン以外のドレスも着ていった。

着ていくたびに「とても綺麗です!」「お似合いです!」と褒めていく事にこしょばゆくなってきたので。10着で止めておいた。我ながら⋯買いすぎかもしれない。


気乗りはしないが、気づけばもうそろそろ時間になってきた。


いや、過ぎてない⋯?


「あ。あの…今何時でしょうか?」


今日が何も無い日なら問題ないが、14時はもう着ても仕方ないくらいかかっている。

もしかして父は勘違いしている?いや。今日だと認識していたはずだ。

その焦りが伝わったのか、ショーさんはニコッと笑って。実は…と話しだした。


「ここのオーナーが、国宝の魔術師なんですよ。沢山の貴婦人が時間を気にせず買い物が出来るように、この店だけ時間が止まっているのです。」


「え!?そんな事が出来るの!?」


「ええ。私達も最初は驚きました。勤務時間通り仕事を終えたら、帰宅した時間のままだった…なんてあるんですよ。ある同僚はそれを活かして、自分の時間を存分に費やせる!と喜んで働いている人も少なくないとか。」


「ヘェ~!」


さすが魔法があるゲーム世界!嘘っぽい気がしてしまうのは、やっぱり現実世界の名残が強すぎてしまうせいだ。嘘を言う顔をしてないから、本当に時間が止まっているのだろう。


「じゃあ、じゃあ⋯またお菓子とかも食べれる⋯?」


つい食い意地が、口から出てしまった!言ってから「はっ!」とさせられ恥ずかしい思いをした。

それでもショーさんは笑うことなくニコッとして「では新しいのをお持ち致しましょうか」と快く言ってくれた。


「い。いいの?」


「はい、もちろんです。次はどうしましょうか?」


「じゃあ!ハーブティーで!」


⋯⋯

⋯⋯⋯。


 その後ボサボサと傷んだ髪の毛を手入れしてもらい、ネイルまでつけて、ここにきて初めてのメイクまで。


どうして今までないまま生活出来たのだろう。


生き恥晒しながら、学園生活まで生きていたのだと改めて考えたらゾッとしてしまう。

今は10歳だけど、17歳までメイクも出来るだろうかと不安になった⋯


「⋯⋯⋯⋯とても、美しいです。グレース様」


ショーさん?


何やら落ち込んだ。意味ありげな言い方をされた気がした。全身をうつす鏡の前には私が映り、ショーさんは死角にいたので、顔をみることない。

な、なにか。言った?


「グレース様お疲れ様でした。コチラ、プレゼントです♪」

「へ?わ…!きれいなヘアアクセサリーだ!」


急に貰ったのは銀で作られた星型の美しいアクセサリーだった!ショーさんがスルッと髪の毛につけてくれた時には、ショーさんの顔はいつもの顔だ。

気の所為だったんだと安堵したと同時に、まさかこんな素敵な物をプレゼントしてくれるとは思わず、嬉しさで一杯になった。

このヘアアクセサリーとドレスで、昨日とは比べ物にならないくらい。私は見違えれた!


「ありがとうございます!とても素敵なサプライズですっ!」

「気に入って頂けて良かったです。」

「はい!ありがとうございます!」

「ふふ………」


 私は嬉々と思わず父と妹のいる場所へと小走りで向かっていった。2人はアフタヌーンティーを嗜み、ミルキィの服が着ていた時とは違う服に変わっていると気がつく。


アフタヌーンティーの最後のお菓子(私も同じ物、マシュマロチョコタルト)を頬張ろうとしていたところを一声で止めて、2人は私を見て目を丸くさせた。


「へ、あっ、おねえさま?」


(はん、とんだ間抜け面だな。ミルキィ)

「ええ。どうですかお父様。似合いますか?」


柄にもなくお上品にスカートを持ち上げて、お辞儀してみる。しれ伏せっ!(笑)


ーーーなんてね。


鼻で笑ってしまったけど。わざわざここに連れてきた父にお辞儀するなりして、さっさと流して、家に帰るだろうと思った。


しかしーーー


父の反応が思っていた反応とはかけ離れていた。怒っているんじゃなくて、笑っているんじゃなくて。


()()()()()()()()()


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