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XYZ
「……ひでえ悪夢だ、早く覚めてくれよ」
見渡す限り岩と砂が広がっていた。狂気的なまでの日差しがじりじりと思考を奪っていく。
(暑い……熱い……あつい……)
どれだけ彷徨い歩いただろうか、もはや何を目指していたのかすら思い出せない、ただ歩みを止めてはならないと脚を動かし続けた。
「……ぁっ」
気力だけで歩いてきたが、もう限界だったようだ。
一度座り込んでしまうともう何の気力も湧いて来なかった。
「もうダメか……」
死ぬにしてもこんな何もない場所で死ぬのは嫌なので、座り込んだまま、岩の陰に身を押し込む。
ここは地面も熱くない、小石が背骨に当たって痛いし、砂まみれで気持ち悪いが文句はない。
(なんで……こんなことになったんだけっなぁ)
視界が暗くなっていくなかで投げ出していた疑問が頭の中に返って来ていた。