Ⅱー43
「……スプリンガーさん、何が起きたの、ですかね」
「海原さん、能力で解るだろ?攻撃だよ、領域とか界の類いの、な」
「……ですが、これは可笑しいです。……理屈が理屈として成立していない、まるで“術者一人の解釈が現実や事実を無視して全て正しい“的な、状況ですよね」
「術者の認知が全て系の攻略は術者の心を折るのが定番だが……反論事象を能力で全部無下にして無視している。領域や界以上を常時出せる奴じゃないと問答無用で処理される」
「なら何故私達は大丈夫なのですか?」
「俺が色々とやっているからね……はぁ、ルドの嫁とかがほぼ表に出て来ないのは避難させていたからだな、これは」
「……何故私達はこの領域か界が展開される前に気を失ったのでしょうか」
「……術者一人の認知が全てなら、世界中の奴を捕らえたと認した結果、疑似的に全員精神だけ捕らわれた、とか?」
「……うっわっつまり、他人の妄想に囚われた様な物ですかね、これ」
「……只のありふれた妄想を領域や界で限定的に実現する……なら脱出に成功したとしても、妄想の中から忘れ去られる形で事実抹消されて無かった事に成るコースか」
「私達はいわゆるタルパって言う精神体に成っているのですかね?」
「……アレを人の身でやるなら自分の脳を仮想人格とシェアする必要が有る。敵を実際にタルパとして無理矢理脳内に大量に招くのは現実的じゃ無い。まあ、今回はその器が領域や界なのだろうが」
「……それ、脱出の為に領域や界を壊したら私達も死にません?」
「壊しても意識が元の体に戻るだけ、な、はず。どうにかするからそれはまあ、良い。……只、碌でもない妄想が現実に成っているのは目に見えている。ちょっと試してみるか」
「……試すって何を?」
「術者一人の認知が全て正しいと成るなら術者が認識不足な部分は全てカウンターに成るはず」
「……私達が只の妄想の為に造られた身体ならそんな物通す訳無いですよ」
「只の妄想ならそうだな。だが、これは妄想ではなく他所から精神体を引っ張って来ている。通らないと妄想するのは勝手だが、そもそも領域や界の外の物を持ち込んで居るのだから、他所から持ち込まれた分だけ対処を通す余地がある」
「……なら色々とやってみますか」
其処で辺りに大量の長いベロが生成され、此方を舐めようとして来ました。
「術者はペロリストだったか、まあ、まだマシな部類とは言え、さっさと此処を脱出するぞ」
そう言うとスプリンガーさんは大量のベロを爆破して道を拓きます。
「とは言え、何処に行きます?」
「この領域や界の端。術者自身の撃破は無理だから、無理矢理外に出る」
「解りました。じゃあ、行きましょうか」
能力の構築のイメージとしては色々な媒体を使って妄想へ実際に本人の精神の一部を取り込んでどうこうしてる感じ。
言い換えると妄想に現実を捻じ込む能力、かな。




