Ⅱー17
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調整を見ていた化野さんが私に見た感想を告げて来ました。
「僕が見た感じ、海原さんのプレイデータはいわゆるゲームを何回もやったゲーム廃人基準で見た方が良い気がする。能力補正が強すぎて、初見プレイデータ集めとしては成立していないし」
「はは、そうなります?」
「少なくとも初見殺しに一度は引っ掛かる感じで居てくれないとバランス調整出来る物も出来ないよ?」
「……ティソーナさんはどう思います?」
「調整で扱うステージギミックが初心者向けでは無く、低く見積もっても中級者以上向けだから、ある程度は上手い人にやって貰わないとなワケ」
「よかった初心者向けじゃ無い、か。僕が思うに、このまま行っていたら難易度的には鬼畜死に覚えゲーだよ」
「これでも一応手加減しているワケ」
「マジ? それは嫌な予感しかしないね」
「難易度が高いゲームも評価されている物は有るワケ」
「僕はそれを否定しない。けどXRとして自分の身体でやるのだから、鬼畜設定にしたらプレーヤー自身に求める身体能力が高く成りすぎる気がする」
「……それについては難易度を幾つか設定して対応するワケ」
「そうだね、それが良いよ。僕が思うに仮にゲーム性は受けても肉体的や物理的な意味でやれない人が結構な量出そうだし」
「……」
「あの、……ゲーム初心者向け調整かゲーム廃人向け調整かは何方かに振り切った方が客層を明確に掴めると思うのですが」
「両方造った方が幅広く客層を掴めるよ?」
「例えば鬼畜難易度ゲームがやりたいなら○○のゲームを買えば良いな、とか客層に思わせられたらゲーム会社自体に対して一定のファン層は明確に付きますよ。確かに万人受け狙いは捨てる事に成りますが」
「僕が言っている事は難易度に対する趣味趣向と言うより、自分の肉体でやる以上、鬼畜難易度は肉体的や物理的な意味でやれない人が結構出て来るよって話。XRとしてトップアスリートしか出来ないレベルの動きを求めたって大半の人には無理ゲーだし」
「……でも難しいゲーム造る流れなのですがね」
「僕が思うに、ゲームだったら新規の特定動作を使う事を覚えよう、使わなければ鬼畜難易度、使えば丁度良い難易度的な感じが、縛りプレイをするなら勝手にしろと言えるラインかな。いわゆる訓練施設的な役割をするボスだね」
「カジュアル向けにサポート体制はちゃんと造る。高難度好きでそれの使用を縛りたい人は縛れば良い、か、なるほど。なら先の特定回数を被弾したらマップ切り替えの場所は被弾をガードしてくれるシールドを実装して被弾可能回数増やしますか……」
「いいね、そうしよう」
「では、高難度扱いのステージにお助けアイテムを配置して、ですね」
「なら、ステージ毎にノルマを設定してクリア報酬にお助けアイテムを出そうかな。それならお助けアイテムを使わないでやるRTAには邪魔に成らないワケ」
「ふむ、じゃあ……」
追加で更に話し合い調整をしていくのでした。