Ⅱー12
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一応防衛用の拠点は此処だけではない様ですが、……近場に有ったテレビでスポーツのニュースが流れて居ますね。
「国民性の違いでドーピング上等な国や、戦った相手を勝とうが負けようがとにかく貶す国とかが有るけど、ちょっとしょうが無い面も有るのかな?」
「アメリさん、何故です?」
「実際どうかは知らないけど、勝手な解釈としては前者はドーピングする事がそもそも悪だと思っていないから。後者はそもそも嫌いな相手と喧嘩する言動をスポーツとして正義だと考えて居るから、かな」
「まず、ドーピングを有りにしたら色々と台無しな気がしますがね」
「多分筋肉を付ける為に適切な成分の食事を取るのと同じだと考えて居るのかな」
「……頭痛く成ってきましたね。それに後者は喧嘩する感覚でスポーツをやる、かぁ……スポーツマンシップって何だったのでしょうかね……」
「競技を喧嘩だと考えて居るから勝てばマウントを取るし、負ければどうにかして相手を貶す。そう言うスタンスの国民性って事かな」
「……筋肉造る為の食事をして何故悪いとか言われたら確かにアレですけど、競技としてやるならある程度ルールは護って貰わないと。競技に対する基本的なスタンスが競技対決=喧嘩、……まあ、勝負で有る事は間違いではないので、主張としては解らなくは無いのが何とも……」
「一応トンチンカンと言うほど馬鹿げた行動では無いのがアレかな。モラルとか民度的に至極悪くても、そう言う行動を取ると言う事が解らなくは無い的な意味で」
「何だかアレな話ですね」
「前者は競技の共通のルールを守れ、で、終わる話だから排斥出来るにしても、後者はそれが良いか悪いかは別として、競技へのスタンスの違いってだけだから排斥は難しいかな」
「何だかな……明らかにヤバイと思うのですがね」
「試合=喧嘩、故に喧嘩に付属する行動をする価値観を支持する訳じゃ無いけど、そう主張する人が居るのは解らなくは無い、かな。それがモラルとかスポーツマンシップとか的な意味で良いとか悪いとかは別として」
「……話を変えましょうか。此処に迷い込んだヤバイ奴ってどんな奴が具体的に居ました?」
「能力エネルギーの塊の生命体全般が弱体化した上で獣落ちしてくるから、所有能力数なら馬鹿げた数持ちとかも居たかな。前提条件上雑魚だったけど」
「うわぁ……コメントに困りますね……」
「むしろわざわざ排斥する仕様の世界に構築したのだから臨死処かトドメ刺すまでやって欲しい気もするかな」
「……事故で入った人も仕様で潰してしまうから臨死で済ましているだけで、別に臨死にさせるのが限界、と言う訳では無いかと」
「もしそうなら本当に良いかな……。ん? 雑魚が紛れ込んだみたいだから処置しに行くよ」
「は、はい、行きましょう」
そして私達は紛れ込んだ雑魚を処理に行くのでした。