分岐点
慈悲の悪魔・・・過去の記録をさかのぼっても、確認された事例は少ない。
姿を見たという冒険者は「あの悪魔は人に化ける」と語った。
彼女は強い心を持つ者を好む。
人の姿になり、世界を旅して、気に入った者を守るのだ。
いつからか彼女は「慈悲の悪魔」と呼ばれるようになっていた。
ベルモット
「漆黒さんが、慈悲の悪魔…?」
漆黒の狩人
「んふふ、ベルモット。貴方のことも気に入ってますよ」
漆黒の狩人がベルモットにウィンクをした。
ベルモットは衝撃のあまり、泡を吹いた。
漆黒の狩人はんふふと笑って私に近づいてきた。
私
「…すごく強いとは思ってたけど」
漆黒の狩人
「いえいえ、私はただ彼らを飛ばしただけ。もうしばらくすればまた襲いに来るでしょう」
私
「そっか」
私は思案した。彼らの強さは、私はおろか慈悲の悪魔でも転移させるのが精いっぱいだ。
次は対策を講じてまた私たちを襲いに来るだろう。
漆黒の狩人
「ステラさんに提案があります」
何かいい策があるのだろう。悩む私を見兼ねてか漆黒の狩人が指を立ててそう言った。
私
「私に出来ることならなんでもいって」
漆黒の狩人
「んふふ、逃げましょう」
まさかの発言だった。やはり慈悲の悪魔を持ってしても彼らの強さは尋常ではないのだろう。だが…
私
「INFINITE ROADはたしかに広いよ。だけど…いつかはきっと」
漆黒の狩人
「ステラさん。あなたは災禍の悪魔からこの世界の歴史について聞いていますか?」
世界の歴史・・・かつてこの世界は地球がある世界とは異なる「もう1つの世界」だった。
そこにINFINITE ROADのゲーム運営会社が押し寄せて世界を奪い取ったのだ。
私
「うん、聞いたよ」
漆黒の狩人
「んふふ…。ではここで1つの疑問が生じます。どうしてINFINITE ROADの世界には端があるんしょう」
INFINITE ROADの地図は広大だ。しかしその広大な地図にも端がある。
私
「…INFINITE ROADは世界の一部しか奪えていない」
漆黒の狩人
「その通りです。そして私「慈悲の悪魔」と「災禍の悪魔」の力を合わせればこの鳥籠から脱出することが出来る…と言ったら?」
その話はとても凄いと思った。だけどそれじゃあ囚われているアジ助はどうなる。突然殺されたファミリアの無念は…!
私
「私の目的はアジ助を助けること!そしてファミリアの無念を晴らすこと!逃げるなんて…」
漆黒の狩人
「その目的はもうすぐ達成されますよ、ほら…」
後ろの方から声が聞こえた。
ベルモット
「もう…何が来ても驚かない…」
メイ
「お父さん!しっかり!」
私が2人の方を見る災禍の悪魔が使っていた巨扉が現れていた。
ギィッと扉が開かれて、1匹の悪魔が姿を現した。
私
「嘘・・・なんで・・・」
涙が、あふれてきた。
私は巨扉から出てきた悪魔をおもいっきり抱きしめた。
わんわんと泣きじゃくる私を、少し驚いた様子の悪魔は優しくなでてくれていた。
ファミリア
「心配をかけてしまったようだな、ご主人」
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パーティーにファミリア(災禍の悪魔)が復帰した!
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