5話 美少女転校生の可愛すぎる妹
五十嵐灯里は牛尾悠香を先導しながら五十嵐灯里の家に入った。すると、中から幼い女の子が五十嵐灯里のところに走ってきた。
ボブショートの短めの銀髪、宝石のように綺麗な黄色い瞳、すごく可愛い顔、全く日焼けしていない白い肌、幼稚園児くらいの大きさの体という、可愛い過ぎる女の子だ。
「お姉ちゃ~ん! お帰り~! 待ってたよ~!」
幼い女の子は帰って来た五十嵐灯里の前に行って五十嵐灯里を上目遣いで見た。
「ただいま~葵美~」
五十嵐灯里は幼い女の子を抱き上げてそのまま抱っこした。幼い女の子は五十嵐灯里に抱っこされると、嬉しそうに笑みを浮かべながら五十嵐灯里に抱きついた。その時、幼い女の子は五十嵐灯里の後ろにいた牛尾悠香に気づいた。
「……誰~?」
「牛尾悠香だ。君は魂のセイクリッドアビリティを持っているな?」
初対面の牛尾悠香にそんな事を聞かれた幼い女の子は困ったような表情をして、
「お姉ちゃ~ん。この人なに~?」
と五十嵐灯里に聞いた。
「悠香ちゃんだよ~! 私の大親友で~、最愛の人だよ~!」
「えっ!!?」
幼い女の子は突然、ショックを受けたような表情をした。五十嵐灯里を抱くのを止めると、五十嵐灯里の顔を見た。五十嵐灯里はクエスチョンマークを浮かべているような表情だ。
「お姉ちゃんの最愛の人はボクじゃないの~!? ボクはお姉ちゃんが最愛の人なのに~! お姉ちゃんの事誰よりも大好きなのに~! 愛してるのに~!」
幼い女の子は涙目になって五十嵐灯里に言う。五十嵐灯里はそんな幼い女の子にニコッと可愛い笑顔を向けた。
「葵美の事は大好きだし~、愛してるよ~! でも~、私が1番大好きで愛してるのは後ろにいる悠香ちゃんなんだ~!」
五十嵐灯里にそんな事を言われた幼い女の子は即効で大泣きした。
「うわ~~~! お姉ちゃんがとられた~! 変な人にとられた~! どろぼ~う!」
幼い女の子は五十嵐灯里の腕から降りると、牛尾悠香の前に行って牛尾悠香の体をポカポカ叩き始めた。
「お姉ちゃんを返せ~! どろぼ~う! どろぼ~う!」
「わかった返す。てことで叩くのやめろ」
ぼんやりした表情で言い返した牛尾悠香。そんな事を言った牛尾悠香に対して五十嵐灯里は頬をぷくーっと膨れさせ、牛尾悠香の隣に行って、牛尾悠香の左腕を掴んだ。
「むぅ! 返すって言わないでよ~! 私は悠香ちゃんのものだから絶対他の人のものにはならないよ~!」
「おいやめろ灯里の妹が怒るぞ」
牛尾悠香の言った事は当然ながら当たっていた。幼い女の子は叩く力を強めて牛尾悠香の体をポカポカ叩いた(強めているとはいえ、ポカポカしてるだけなので威力はかなり低い)。
「牛尾悠香嫌~い!! お姉ちゃんを返せ~!! お姉ちゃんはボクだけのものなの~!! お姉ちゃんとボクは愛し合ってるの~!!」
「2人で愛し合っていれば良い! 2人の愛にあたしは介入しないぜ!」
牛尾悠香はそんな事を言うもんだから、五十嵐灯里は今の幼い女の子と同じような表情になった。
「もう!! 私は悠香ちゃんと愛し合いたいの~!!」
「これじゃ埓が明かねぇ!!」
牛尾悠香は大声をだして2人を驚かせた。2人はかなりヒートアップしていたため、驚いた事で少し落ち着いた。2人が落ち着いたのを確認した牛尾悠香は五十嵐灯里に言う。
「灯里! あたしを愛し合いたいんだったらそうしてもいい! だがな! 妹とも愛し合え!」
「え~それじゃ浮気――」
「恋人じゃないから浮気じゃねぇ!」
「……は~い」
五十嵐灯里はしぶしぶ牛尾悠香の言った事を受け入れ、幼い女の子は五十嵐灯里に抱っこされた。抱っこされた幼い女の子は可愛らしい笑みを浮かべた。
牛尾悠香と五十嵐灯里と幼い女の子は五十嵐灯里の部屋に入った。
五十嵐灯里と牛尾悠香は五十嵐灯里のベッドの上に座り、幼い女の子は五十嵐灯里の膝の上に座った。
「騒がしくしてごめんね悠香ちゃ~ん。この子は葵美。五十嵐葵美って言うんだ~。悠香ちゃんは知ってると思うけどセイクリッドアビリティは魂だよ~!」
「その魂のセイクリッドアビリティではどんなことができるんだ?」
「邪魔な奴の魂を地獄に落とせたり~、魂に呪いをかけて苦しませる事ができるよ~?」
「……うん」
牛尾悠香は五十嵐灯里に闇があることを感じざるおえなかった。ニコニコしながら恐ろしい事を言う五十嵐に少し恐怖した。
五十嵐灯里は五十嵐葵美に、
「ほら~、葵美も悠香ちゃんに挨拶~」
とニコッとしながら言った。
「……お姉ちゃんはボクのだもん! 牛尾悠香になんか渡さないも~ん!」
五十嵐葵美は牛尾悠香を一瞬見ると、すぐにプイッと顔をよそに向けた。
(葵美はかなりのお姉ちゃん子だな。こんなに好きって言ってるのに灯里は葵美じゃなくてあたしを好きとか言ってる。ちょっと可哀想だな。……魂でできる事は無いかな? ……ん!?)
牛尾悠香は何かを閃くと、よそを向いている五十嵐葵美の方を向いた。
「葵美。灯里の事が好きなら灯里の魂を魅了したらどうだ?」
牛尾悠香の言葉に五十嵐葵美は反応して牛尾悠香の方を見た。
「み、魅了?」
「そうだ。魂を魅了されたら魅了してきた人にメロメロになるだろ?」
「……お~!!」
五十嵐葵美は目をキラキラさせると立ち上がって五十嵐灯里の少し大きめの胸(Dカップ)を触った。だが、五十嵐灯里は焦るような表情になった。
「悠香ちゃん! 葵美になにを教えてるの~!? 私は悠香ちゃんが1番好きだから魂を魅了されたところで……」
「それはどうかな? セイクリッドアビリティは強力だからな。抗えないぞ」
五十嵐葵美のセイクリッドアビリティの効果はすぐに出た。五十嵐灯里は頬のピンク色が濃くなり、目に小さなハートが出てきた。そして、五十嵐葵美の顔をうっとりした表情で見た。
「あ……おみ……」
「なに? お姉ちゃん」
「チュ……チュー……しよ?」
「うん!」
五十嵐灯里と五十嵐葵美は互いの唇を重ねた。
「「ちゅ……ん……ちゅぅ……あ……んん……」」
そのまま舌をなめ合い、過激な声と音をたてている。2人共、トロンとした目になって、お互いの唇を合わせ続けた。美少女姉妹のディープキスである。
牛尾悠香はその光景を見て思った。
(葵美め。まだ子供なのにこんなキスできるのか。……可愛い美少女がこういうことしてるとなんか尊いな)
五十嵐灯里と五十嵐葵美がディープキスをしている時、部屋の扉が空き、五十嵐灯里の母親が入ってきた。
「みんなぁお菓子は……フフフ……悠香ちゃんだけで良さそうね」
五十嵐灯里にそっくりな五十嵐灯里の母親は五十嵐灯里と五十嵐葵美のディープキスを見るとニコニコして部屋を出ていった。お菓子は牛尾悠香だけで良いというのは、五十嵐灯里と五十嵐葵美はとびっきり甘い物をなめているからである。ちなみに、五十嵐灯里の母親と牛尾悠香は五十嵐灯里が小学生の時に会っているため、五十嵐灯里の母親は牛尾悠香の事を悠香ちゃんと呼ぶ。
午後6時過ぎ。五十嵐灯里の家の台所で牛尾悠香と五十嵐灯里の母親はセイクリッドアビリティの事や五十嵐灯里と五十嵐葵美についての話しをしていると、五十嵐灯里が顔を真っ赤にして牛尾悠香のところに来た。
「悠香ちゃ~~~ん!! なんで葵美にあんな事言ったの~!?」
「灯里を誰よりも愛している葵美のためだ」
「もうっ!! 私は悠香ちゃんを誰よりも愛してるんだから~!! 葵美とチュッチュしまくったところで変わらないんだから~!!」
五十嵐灯里は牛尾悠香をポカポカ叩いた。五十嵐灯里の母親はその様子をニコニコしながら見ていた。