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3話 美少女の父親

 2027年5月1日の午前6時過ぎ。

 小鳥遊光紀(たかなしみつき)小鳥遊美樹(たかなしみき)(小鳥遊光紀の母親)、小鳥遊健志(たかなしたけし)(小鳥遊光紀の父親)はそれぞれの荷物を持って月見里友梨香(やまなしゆりか)の父親である月見里裕樹(やまなしひろき)の車の前に集まった。月見里裕樹は小鳥遊光紀の家族が集まったのを確認すると小鳥遊健志に話しかけた。


「健志。友梨香ちゃんと光紀ちゃんのためのデートスポットはちゃんと調べたんだろうな?」

「そんなの当たり前だ。光紀ちゃんと友梨香ちゃんが最高のデートをできる所を調べておいた。裕樹はちゃんと光紀ちゃんと友梨香ちゃんが最高のデートをするための金は用意したのか?」

「当然だ。その額は――」

「1万円か?」

「んなわけあるかっ!! そんな少なかったらろくなデートができないだろ! 50万だ50万! デートするにはちょうどいいだろ!」

「へぇ」

「なんだよへぇって」

「50万で足りるか? 100万の方が良いだろ」

「……それもそうだな」


 その時、小鳥遊光紀が小鳥遊健志と月見里裕樹の間に来て、

「そんなに多くなくて良いから! 5万円くらいで良いから!」

と慌てながら言った。それを聞いた月見里裕樹は驚愕して小鳥遊光紀に言ったを


「光紀ちゃん! なんて事を言うんだ! せっかくのデートにたったの5万だと!? 少ない! 少なすぎる! デートで使う金を少なくしようとするな! 贅沢するんだ! とびっきりの贅沢を!」


 月見里裕樹に続いて小鳥遊健志も小鳥遊光紀に言った。


「光紀ちゃんと友梨香ちゃんは将来結婚するんだ。結婚する前には輝かしい思い出があった方が良いだろ?」

「それはそうだけど……。でもさすがに100万円は多すぎ!!」


 小鳥遊光紀は小鳥遊健志と月見里裕樹に強く言った。だが、月見里裕樹は小鳥遊光紀のそんな言葉を聞かず、

「100万、いや! 500万だ!!」

と調子に乗り始めた。小鳥遊健志も小鳥遊光紀の言葉を聞かずに、

「1000万にするか!」

とかなり調子に乗り始めた。

 だが、そこに月見里友梨香の母親である月見里亜里沙(やまなしありさ)が来て、

「2人共ぉ? 調子乗ってると……しばくよ?」

と少し怖い笑みを浮かべて小鳥遊健志と月見里裕樹に注意した。月見里亜里沙にそう言われた途端、小鳥遊健志と月見里裕樹は揃って謝罪した。慌てていた小鳥遊光紀は一安心した。




 月見里友梨香が来ると、6人は月見里裕樹の車に乗った。一番前が月見里裕樹と小鳥遊健志(運転手は月見里裕樹)、一番前と一番後ろの間が月見里亜里沙と小鳥遊美樹、一番後ろが月見里友梨香と小鳥遊光紀である。


 車が走り出すと、月見里裕樹と小鳥遊健志の父親ペアと月見里亜里沙と小鳥遊美樹の母親ペアは普通に喋っている。だが、月見里友梨香と小鳥遊光紀だけはただ喋っているだけではなかった。小鳥遊光紀は月見里友梨香とのデートプランをたてているのだが、月見里友梨香は小鳥遊光紀がたてたデートプランを聞きながら小鳥遊光紀の体を触りまくっていた。愛情表現のスキンシップである。


「……も、もう……友梨香ちゃん……こんな時まで胸を触らないでよぉ……」


 月見里友梨香は小鳥遊光紀の服の中、さらには下着の中にまで手を入れて小鳥遊光紀の胸を触っていた。


「無理よ。我慢できない。……ねぇ……キスして良い?」

「えぇっ!? ちょっと! ここじゃお母さんとお父さんに見られ――」

「良いの」

「んんっ!!」


 月見里友梨香は小鳥遊光紀にディープキスを始めた。


「「んん……ちゅ……んっ……はあ……」」


 月見里友梨香と小鳥遊光紀はディープキスに夢中だ。分かりやすい音をたてているため、月見里亜里沙と小鳥遊美樹は直接後ろを見て微笑んで、月見里裕樹と小鳥遊健志は音だけ聞いていた。




 6時間経ってようやく目的地に着いた。小鳥遊光紀は月見里友梨香とのデートが楽しみなのかほっぺのピンク色が濃くなっていた。月見里友梨香はそんな小鳥遊光紀を見て、

「光紀。私とのデートがそんなにも楽しみだなんて嬉しいわ」

と嬉しそうに小鳥遊光紀の手を握った。小鳥遊健志は2人に言った。


「とりあえず6時位には戻ってこいよ。ホテルにチェックインしなくちゃいけないからな」


 小鳥遊光紀は「は~い」と言った後すぐに月見里友梨香を連れてデートスポットに行った。残った4人達は小鳥遊光紀と月見里友梨香が見えなくなるまで見ていた後、観光を始めた。




 小鳥遊一家4人のうちの3人と月見里一家3人の楽しい旅行が始まった。


───────────────────────────

 小鳥遊光紀、小鳥遊美樹、小鳥遊健志は月見里一家と楽しく旅行をしている。だが、小鳥遊家に1人だけ留守番。というより、旅行に連れていってもらえなかった女がいた。


 その女は小鳥遊心咲(たかなしみさき)。小鳥遊光紀の姉で、月見里友梨香のもう1人の幼馴染である。小鳥遊光紀と月見里友梨香と違って天才じゃなかった小鳥遊心咲は家族や月見里家の家族、近所の人達から差別されていた。


 その差別により、小鳥遊心咲は旅行に連れていってもらえなかった。小鳥遊光紀と月見里友梨香のカップルにとって小鳥遊心咲は邪魔なのだ。雰囲気が悪くなるので、小鳥遊心咲を連れていくなどできないのだ。

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