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セイクリッドアビリティ 神様の能力を授かった少女達  作者: イツキヤロ
セイクリッドアビリティオタク編
11/30

10話 美少女転校生の幸せ

 翌日の午前8時半前。牛尾悠香(うしおゆうか)五十嵐灯里(いがらしあかり)は手を繋ぎながら教室に入ってきた。その様子を見た馬田杏樹(うまだあんじゅ)は驚いた表情をしながら、

「どうした悠香! 今日は五十嵐さんと手を繋いだりして!」

と指をさしながら言った。馬田杏樹の言った事に対して、五十嵐灯里は満面の笑みで答えた。


「愛し合ってるからだよ~! 悠香ちゃんは私と永遠の愛を誓ってくれたの~! 何百年も何千年も何万年も愛し合うんだ~!」

「五十嵐さん。そんなに長くは生きられ――」

「大丈夫だよ~! 命のセイクリッドアビリティで不老不死になれば良いんだから~!」

「不老不死って……とんでもねぇ……」


 五十嵐灯里は元気に発言した後、牛尾悠香の頬にニコニコしながら頬擦りした。牛尾悠香も喜んでいる感じだ。馬田杏樹は牛尾悠香に聞いた。


「悠香。五十嵐さんが言ってる事を悠香は受け入れたのか?」

「受け入れたさ! あたしと灯里は永遠の愛を誓った! もう灯里の愛を踏みにじるような事は絶対にしない!」

「……帰った後何があったんだ」






 その日、授業の時間をのぞいて、牛尾悠香と五十嵐灯里はべったりとくっついていた。弁当を食べる時はお互いに食べさせあい、飲み物を飲む時は同じコップで水筒で飲んだ。

 帰りはお互いの片手で恋人繋ぎをした。


 牛尾悠香と五十嵐灯里が恋人のように帰っていくのを見た平井貴音(ひらいたかね)は、

「あの2人なんだか微笑ましいですね!」

と一緒に見ていた馬田杏樹に言った。


「バカップルだろあれ……」

「バカじゃないですよ! お互いに愛し合ってるからこその行動ですよ!」

「そ、そうなのかなぁ……」


 馬田杏樹は理解できないような態度をし、平井貴音は笑みを浮かべながら牛尾悠香と五十嵐灯里を見ていた。






 牛尾悠香と五十嵐灯里は学校からずっと手を繋いだまま五十嵐灯里の家の前に来た。だが、そこにめちゃくちゃいかつい表情をした後藤凡太郎(ごとうぼんたろう)が立っていた。後藤凡太郎は牛尾悠香を発見すると睨み付けながら牛尾悠香に近づいてきた。


「コラー!! てめぇ五十嵐灯里とは関わるな言うたやろ!! 何恋人ごっこしとんじゃごらぁ!! 五十嵐灯里に調子乗らせたらアカンのじゃぁ!! さっさとやめろやその遊びぃ!!」

「後藤凡太郎! お前の忠告は明らかに可笑しかった! それはなぜか? 簡単な事だ。あたしが灯里と縁を切ると灯里は狂ってセイクリッドアビリティを暴走させてしまう! 関わるのをやめる方が危険なのだ!」

「うるせぇ大人しく俺の忠告を聞けぃ!!」

「嫌だね! お前の忠告を聞くよりも! 灯里を愛する方が大事なのだ!」

「何だとぉ!? ぶっ殺してやる!!」

「おっとぉ!! イビルアビリティ教の奴がセイクリッドアビリティの無いあたしに攻撃するのかぁ?」

「知ったことじゃねぇ! 五十嵐灯里に勝てなくてもお前になら勝てる! くらえぇ!!」


 後藤凡太郎はイビルアビリティ教のルールを破り、牛尾悠香に襲いかかってきた。だが、牛尾悠香は余裕の笑みで言った。


「後藤凡太郎! お前ってばかだなぁ! 灯里は危険だから会わないようにしてたんだろ? その灯里はあたしの隣で笑ってるぞ?」

「そんな事知らん!! どうでもいいから忘れた!! 俺はお前をぶん殴る!!」


 そんな事をしようものなら当然、五十嵐灯里が命のセイクリッドアビリティで攻撃するだろう。だが、今の五十嵐灯里はすごく機嫌が良い。だから……、


「うぅ!! は、腹が……」


 後藤凡太郎は腹が急に痛くなった。痛くなったため腹をおさえるが、痛みは強くなっていく。そんな後藤凡太郎に五十嵐灯里は笑顔で言った。


「これは下痢だよ~! 早くトイレ行かないと~……汚れちゃうかもよ~!」

「や、やめろ! 治せ!」

「やだ~! 悠香ちゃんを殴ろうとした奴なんか治してあげな~い!」

「ならトイレよこせ!!」

「や~だよ~! 公園のトイレにでも行けば~? ここからじゃ離れてるけど~!」

「ゆるさん……ゆるさんぞぉぉぉ!! ……うぅ!!」


 後藤凡太郎は腹をおさえながらおぼつかない足取りで去っていった。

 五十嵐灯里は満面の笑みで、

「バイバ~イ二度と来ないでね~!」

と離れた位置にいる後藤凡太郎に言った。


 牛尾悠香と五十嵐灯里は手を繋いで五十嵐灯里の家に入った。家に入ると、五十嵐灯里の母親である五十嵐桜華(いがらしおうか)が出迎えた。


「2人共おかえり!」

「ただいま!」「ただいま~!」


 牛尾悠香と五十嵐灯里は五十嵐桜華に挨拶した後、五十嵐灯里の部屋に入った。そこで、部屋着に着替えてベッドに寝転がった。そして、体のいろいろなところを触るスキンシップをやった。牛尾悠香はくすぐったいからか笑いが止まらず、一方の五十嵐灯里は敏感なせいでエロい声をあげていた。

 そんな様子を五十嵐桜華は部屋の扉を少し開けて微笑ましく見ていた。


 しかし、スキンシップをしている牛尾悠香と五十嵐灯里を五十嵐葵美が放っておくはずは無く、

「いつまでも触りっこするな~!」

と五十嵐桜華が少し開けていた扉を全開し、直進して五十嵐灯里に抱きついた。五十嵐灯里は笑みを浮かべながら五十嵐葵美に言った。


「ダメだよ~葵美~! 私今悠香ちゃんとイチャイチャしてるんだから~!」

「もうやりすぎ~! 今度はボクと~!」

「無理だよ~! もう私は悠香ちゃんだけだから……」


 五十嵐灯里は強気でいたが、魂のセイクリッドアビリティを受けると、

「葵美と触りっこ~」

と五十嵐葵美にあっさり魅了されてしまった。



 追い出されちゃった牛尾悠香は五十嵐灯里の部屋の外に出た時に五十嵐桜華に誘導されてリビングに行った。牛尾悠香と五十嵐桜華は2人でソファーに座ると、話しを始めた。


「悠香ちゃん。灯里がなぜあそこまで悠香ちゃんにデレデレするのか気にならない?」

「ん? それすごい気になる! 小学生の時はのんびりしてるだけの子だったから!」

「じゃあ話すわ! ちょっと長くなるけど良いわね?」

「もちろん!」


 五十嵐桜華は牛尾悠香に五十嵐灯里の話しを聞かせ始めた。

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