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月夜譚 【No.101~No.200】

橋のある風景 【月夜譚No.133】

作者: 夏月七葉

 澄んだ川面を跨いだ橋は、二つの町を結んでいた。石造りの立派なその橋は、雨の日も雪の日もそこに佇んで、何十年もの間人々を見つめ続けてきた。

 もしも橋に意思があったなら、何を思うのだろう。壊れた部分は丁寧に直してもらい、時折乱暴に歩かれることもあったが、二つの町に大切に扱われてきた橋だ。人間のことを悪くは思わないだろう。

 しかし、きっと愚かだとは考えていることだろう。

 かつて透明な水の中を魚が泳いでいた川は淀み、小魚一匹すら見られなくなった。毎晩休みなく灯された橋の外灯の大半は割れ、陽が暮れるとこの辺りは闇に沈む。

 荒廃した景色に、今は人の影はない。

 それは些細な衝突だった。それが日増しに大きくなり、最終的には町の間で戦争が起こったのだ。

 人間を滅ぼすのは、人間だ。それを目の当たりにした橋は、今もただそこに佇み続けてる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短いストーリーに、いろんな人間の愚かさ、賢さが感じられました!
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