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ゼロマキナIF -始まらない物語-  作者: Deino
IF7話 救世主は世界しか救わない
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IF7話-06 救世主が救う世界

挿絵(By みてみん)



「軍監査警察だ! 全員動くなよぉ?」


 突如として天馬ドッグに現れた部外者達に、虚灯うらかしの面々は虚を突かれる。特に一番驚いたのは虚灯のトップ、連隊長こと御劔だった。


「平依存?」


「ご指名ありがとう御劔ちゃぁぁぁん。そうだよ俺だよ。平依存さんだよぉぉぉ?」


 内なる愉悦を隠せない声で、平依存は天馬ドッグに集結していた虚灯達に告げる。


 平依存。この男は第二分司令内、軍監査警察のトップ。所属は陸羽だが警察という都合上、陸羽街抗をまたぎ軍全体を調査、検挙する権限を持つ警察だ。

 その平依存が、秘密裏に行われていたはずのアルマ奪還計画、その始動目前の場に現れたという事実。御劔景織子には無視出来る内容では無かった。

 御劔をはじめ、他の頭の回転が早い虚灯のメンバーには緊張が走る。


(《死霊喰らい》め……どこで情報をかぎつけて来た?)


 御劔は思考を巡らすも答えは出ない。平依存は通称《死霊喰らい》の異名で忌み嫌われている軍人だ。些細な情報をかぎつけ、それこそ死体すら平気で漁り、獲物を捕まえに来る。どこで、かぎつけた?

 いや今は原因を探している場合でもない。現状への対処をしなければ。平依存が何をもってこの場に現れたのか、その意図を。

 しかしそれは他でも無い平依存の口から語られる。


「危険思想及びネブルを危機にさらす計画を立ててるらしなぁ御劔ちゃんよぉ。虚灯のみなさぁぁぁん? 裏はとれてるぜ? 俺がこの時をどれだけ待ち望ん──」


「先輩話ながいっす。さっさと本第いきましょう」


「あーもうロコモネ! 悲願がようやく叶ったんだからこれくらい」


「ロコモネ氏に賛成だ。平依存、はやく令状を出せ」


 と、平依存の言葉を遮る人物が二人。一人目は平依存の秘書、ロコモネ・ペントリー。アルミドラージ種という武術にたけた好戦的な種で、頭部に角が一本生えている。橙子達アリゴル種とも違うその角のいでたちと好戦的な姿勢から、ネブルではしばしば「鬼」と例えられている種族だ。しかし問題はもう一人の方。


(何で、未納淘汰が、ここに?!)


 ネブル最強の第二街抗換装士。彼の登場に御劔は動揺を隠せない。



「……ぐ、未納淘汰街抗換装士は相変わらずお堅い様で……。はぁ、はいこれね。令状。お前ら全員ネブル反逆罪で逮捕する。十七委員会の決定ですよ。はいはい」


「先輩テンション低いっすよ空気読んでください」


「お前が本第行けっつったんだろうがロコモネてめぇ上司に向かっ──」



 ガツン。とそんなやり取りを繰り広げるに平依存達に対し、御劔とナジェージダの攻撃が繰り出される。御劔は判断したのだ。令状、そして十七委員会、これらの持つ意味を。

 恐らく作戦は全て筒抜け。この場で逮捕されたら全て計画が終わりだ。だから時間稼ぎを。なぜなら──




 シーエさえ、特異個体と技巧端末さえやってくれば、状況は一変するのだから。




 天馬の操作盤には未だ虚灯のメンバーが待機している。戦闘員と思われる鬼の少女と淘汰、二人を押さえておきさえすれば、このドッグには特異個体がやってくるはずなのだ。

 その作戦自体は筒抜けでも、脅威を伝える事は十分できる。ネブル内に映像を中継する準備も出来てる。法律上一時的に逮捕はされるだろうが、世論が味方に付けばこっちのものだ。

 御劔の意図を察したのか、ナジェージダも攻撃に参加する。


(問題はどれだけ時間稼ぎできるかだけど)


 二人共歴戦の猛者。常人なら即殺されるほどの格闘術を持つ二人だが……今回は相手が悪い。


(鬼の少女、予想以上に強そうね)


 御劔は足技の達人だ。しかしその蹴りはいとも容易く避けられる。そして更にまずいのが。


(未納……淘汰)


 ナジェージダの攻撃も一切当たっていない。にも、拘わらず。



「……この俺に、抵触したな?」



 低く鋭い声が響く。音量は決して大きくもないのに、何故か場にいる全員が凍り付く様な、低く鋭い声が。

 瞬き一瞬。次の瞬間にはナジェージダは地面にたたきつけられ、気を失っていた。彼は夬衣守だけではなく、対人格闘に置いても右に出る者はいない存在だ。ネブル最強の名は伊達ではない。

 未納家、ネブルを統べる種族の片翼の中でも飛びぬけた天才。元々アリゴル種の人間、特に未納家の人間は優秀な人間が多いが……淘汰のそれは次元が違っていた。



「もう、先輩は弱っちいんだから奥で隠れててくださいよ」


 御劔の前には平依存の部下であるロコモネ・ペントリーが立ちはだかる。戦闘中だというのに呑気に上司と話をしながら。



「皆逃げろ! ここは私が引き付ける!」


「ざぁぁんねん御劔ちゃん。全ての出口は封鎖済みだぜぇ? お前らはここで終わりだ」


 そもそも天馬ドッグへと続く扉は少ない。先ほど突破した扉以外にも、全ての扉の外には武装した陸羽の警察が待機していた。この場を脱出するのは絶望できだろう。だからこそ──


(早く来い、シーエ!!)


 御劔は祈りながら戦う事しか出来なかった。



「糞がぁぁぁ」


「そろそろうるさいです。オバサン」


「虚灯には街抗の人間も多いと聞いたが、街抗換装士まで混ざってるわ、恩師が首謀者だわ……。俺は失望したぞ。規律を守らない人間に、此処で暮らす権利は無い」


「ちいぃ!」


 逃げようとする御劔だが、多勢に無勢。戦力差がありすぎる。結局、虚灯のメンバーは、全員その場で捉えられた。シーエが、救世主が登場する前に。



「糞がぁ! 何故だ! 何故計画がばれた! 平依存!!!」


「あーそれは簡単だよ」


 平依存はじっくり溜めてから──





「お前たちの秘密兵器、技巧端末シーエちゃんが全て教えてくれたぜぇ?」





 と告げた。

 その言葉を聞いた御劔の顔は、驚愕と怒りに震えていて。



 ──救世主は始めから、この場に来る気など無かったのだ。



   * * *



挿絵(By みてみん)


「ふぅ」


 ウチは目の前に転がるモグラ式を眺めながら作戦が無事成功した事に安堵していた。モグラ式が派手に荷電粒子砲をぶっぱなしまくるので、辺りは火の海だ。


「これ以外に特異個体はいなそうだな?」


 モグラ式がウチを追ってネブルまでやってきても怖い。ここで撃破出来て良かった。……しかしバニ様特性固有機《変態宣誓》。その能力はすさまじかったな。


「モグラ式は大型の部類だけど……大型を一人で撃破出来るとか、ウチマジで名実ともに街抗換装士じゃん」


 まぁその役職とももうすぐおさらば。今後は平依存さん達と協力しつつ、ウチは陸羽側の防衛兵器になる。


「さて、ベンザ達の元に帰るか」


 今頃班員達は天馬にいるだろう。もしかしたらもう降下してるかもしれないが、平依存さんのさっきの通信聞く限りまだ天馬は動いてない。あ、つかそうだよ。


『平依存さーん』


『はいはいシーエちゃんなにかなぁ?』


『作戦うまく行ったんでアナタの財産の半分をウチに下さい』


『どこのゲームのラスボスだよそれ?! そんな約束してねぇよ?!』


『あはは冗談冗談。ホント平依存さんからかいがいがありますね。リアクションが一々面白い』


 これはエムジの気持ちもわかるというものだ。ウチのリアクションは彼にとってさぞ面白かった事だろう。


『特異個体は撃破しました。周囲に別個体も見当たりませんし、今天馬は安全ですよ』


『んっじゃ降下させるかい?』


『いや、ウチの班員と合流してからお願いします。電力もばかにならないし。着いたらまた連絡しますねー』


『はいはいはい。今夜は打ち上げしようなシーエちゃん。うまい酒が飲めるぞぉ?』


『え、平依存さんのおごりで?! ご馳走様です!』


『何でだよ!!』


 と、愉快な警察のトップと通信を終了し、ウチは帰路に着く準備を始める。目の前にはモグラ式の死体。



「ネブルの為には、コイツのデータも取っておいた方がいいんだよなぁ」


 虚灯が逮捕されたとはいえ、街抗は無くならない。民衆へのガス抜きや資源採集のためにも街抗は必要だ。となれば未知式であるこのヱレームの情報は、死人を減らす情報になるのだ。


「ネットワーク端末まで観察したいけど、触ると起動しちまうからな……。表面のデータだけでも少し拾うか」


 と、ウチはフィラメンタに入る準備をした。目の前に鮮やかな空間が広がっていく。その時だった。



「……な?!」



 ウチは何者かに、刃物で、斬りつけられた。



   * * *



「何が起きた?!」


 現在ウチはアルマ上のフィラメンタにいる。周囲にはヱレームは一切いなかったのだが……フィラメンタにはいた。何者かが。何者なのか、ヱレームなのかすら良く解らない、何かが。


「鼻から上が、無い?」


挿絵(By みてみん)


 ウチは慌てて自身の形態を変形させる。フィラメンタ内では自分のデータは自由にいじれる。慌てていたためか、夬衣守装着時の姿ではなく、夬衣守と合体したみたいな見た目になった。


(でも不思議と、このフォルム落ち着く……)


挿絵(By みてみん)


 三年前に見た映像の中でもウチは、下アゴを無くしそこから無数の歯を生やしていた。この歯が敵の弾避けに役立つと夬衣守にも採用されているが、今のウチは三年前の映像の様に直接歯が生えた状態だ。

 何故だろうか、この姿に懐かしさを感じる。


(ヱレームの防衛部隊か?)


 それはそうと眼前敵が問題だ。アルマでフィラメンタに入るのはこれで二度目。ヱレームは機械だし、躰を持たない防衛プログラムが存在していても不思議は無い。が──


「……は?」


 頭の無い謎の存在──仮に無頭とでも呼ぼうか──達は、周囲に存在するクラウドを切断していた。このクラウドはおそらくヱレームのための軌道基盤。ウチが触ると違法端末と言われて弾き飛ばされるアレ。それを、壊している?


「……味方?」


 可能性はある。ウチだって恐らく元はヱレームなのだ、どこかの集落が改造した。確証は無いが、可能性としては高い。

 ならこの無頭達もとてつもなくヱレームの研究が進んだ集落が開発した、自動クラウド破壊プログラムという可能性も……。

 しかし


「……やっぱそうなるよなぁ!!」


 クラウドを壊すということは、その攻撃の矛先はウチにも当然向く。クラウドの種類や放出してる端子の種類は違えど、ウチはクラウドを作れる存在だ。彼女ら──性別あるのか? 女性の見た目してるけど?? まあ彼女らの標的になっても何ら不思議では無い。


 ウチは無頭からの攻撃を掻い潜り、フィラメンタから脱出した。周囲には、先ほどと同じ地形のアルマがひろがっていて……。



「謎は、増えるばかりだな」



 危険と共に。これ以上、ウチからアルマへの干渉は控えるべきだろう。

 ウチが死んだら悲しむ人がいるんだ。死にたいとは、思ってるけどさ。



 * * *



 しばらく進むとベンザ達と合流出来たので、一緒に天馬で降下を開始する。作戦通りなら、恐らくこれが最後に見るアルマだ。


「綺麗だな」


「ですね」


 無邪気な返事を返してくるベンザ。君には悪い事をしたかもしれないね。街抗の悲願であるアルマ奪還を、ウチは潰したんだから。でもさ、ウチはベンザにも死んでほしくないんだよ。奪還計画なんて、成功するはずがないんだ。


 今回のウチの計画は平依存さん達以外には伝えて無い。街抗の面々は学長やナジェの逮捕に驚くだろうが、真相は闇のままにする予定だ。じゃないとウチが機械ってバレちゃうしね。

 街抗内に混乱は生じるだろうが、しばらくすれば組織というものは体制を立て直す。新しい学長が付き、別の有能な人間が現われたら街抗換装士になり、そうやって街抗は続いていくのだ。客寄せパンダとして。


(ネブルの民には、希望とガス抜きが必要だからな)


 本気の街抗の方々には申し訳無いが、有機探索網の存在もある。以前より安全性もアルマの探索率も向上するだろうし、ウチが言いさえしなければむしろ士気向上になっていくことだろう。


(救世主がいる事実なんて、ほぼ誰も知らないんだから)


 アルマの景色を見ながら、閉じられていくハッチの元、ウチは思った。


挿絵(By みてみん)



   * * *



「どういうことなのシーエちゃん! 説明して!!」


 帰宅早々、バニ様はとてつもない勢いで詰め寄って来た。まぁそうなるわな。

 時刻は昼。相変わらずアルマとネブルの時間はズレている。


挿絵(By みてみん)


 平依存さん達軍監査警察による検挙は無事終了し、虚灯は全員逮捕された。後ほど平依存さんと共に投獄されてる元学長に会いに行く予定だが、まずは当事者でありながらも逮捕を免れたウチの家族への説明をと、ウチは研究室まで足を運んでいた。


「一言では説明しにくいんだけど……簡単に言うと学長がアルマ奪還計画をしてた裏で、ウチが虚灯撲滅計画を進めてました。てへぺろ」


「てへぺろじゃないわよ!! 何でそんな事したのよ! それに──」


 バニ様は少しためて


「何でアタシだけ逮捕されてないのよ!!」


 と叫ぶ。それも当然の主張だろう。


「質問が二つあるから順に答えていくな。一つ目は簡単。虚灯が危険だと思ったからだよ。バニ様も学長の計画聞いた時驚いてたろ? 特異個体をネブルに入れるなんて、危険すぎる」


「それはアタシも思ったけど、でも安全性は何度も検証したじゃない」


「問題はその計画実行のタイミングだけじゃない。虚灯の思想だよ。アルマ奪取を第一に考えてて、ネブルの民を置き去りにしてる。いや、ネブルの危機を利用すらしてるね。あの思想の元計画を進めてたら、いずれどこかでネブルは不幸になる」


「それは……アタシも少し感じてたけど……でも景織子ちゃんは人が苦しんで喜ぶ様な人じゃないわ! 虚灯の皆だって!」


「それはウチも知ってるよ。大半はアルマを手に入れて、自由を手に入れて、この狭いネブルの嫌な生活や差別から解放されたいって気持ちで動いてるんでしょ? 上層部への不満こそあれ、別に人の不幸を願ってる訳じゃないのは知ってたさ」


「じゃあ何で……」


「手段と目的が、逆だからだよ」


 ウチの一言で、バニ様は反論しなくなってしまった。恐らくバニ様も心の内では気が付いていたのだろう。虚灯が、狂っていると。


「アルマを手に入れるのはネブルの人々のためのはずなんだ。街抗の目的もそのはず。でも虚灯はアルマを手に入れる事を第一に置いてて、ネブルを利用してる。逆だ。元々は差別の無い世界や広い大地への憧れだったかもしれない。でも今は、彼等はただのアルマ狂いだ。あの思想はネブルを破滅へ導く」


「……全員が全員、そうではないわ」


「解ってる。バニ様も違うと思うしね。バニ様から見て、本気でネブルの為を想って虚灯に属してたメンバー教えてよ。刑を軽くしてもらえるように陸羽側に頼んでみるから。あ、ウチ実は今十七委員会とも内通できる立場で、結構融通聞くんだ」


「……そうじゃない子達、景織子ちゃん達の刑はどうなるの?」


「それは司法次第だけど……死刑にしない様には言ってある。誰かが死んだら誰かが悲しむしね? 特に学長はバニ様の旧友だから、そういう結果にはしたくない。ただ、危ない行動を止めたかっただけだ。待遇の良い無期懲役をウチは期待してるね」


 うつむくバニ様。彼も虚灯のメンバーだった。学長を始め友人も多くいたろう。バニ様には本当に酷い事をしたと思っているんだ。でもさ、ウチは彼等を、虚灯を、見過ごせなかったんだよ。



 人の命より大切なものなどあってたまるか。命から生じる、絆、愛、それらより大事なものなど、あってたまるか。


 命は一度失ったら取り返しがつかない。時間は過去には戻らない。どんなに会いたいと願っても叶わない。叶わないんだ。


 残された人は、失った人は、残りの人生をその穴を空けたまま過ごさなくてはいけない。代わりなんて見つからない。その穴が風化したり、小さくなることはあるだろう。でも、埋まる事は無いんだ。ぴたりとはまる形なんて、失った命しかないんだ。


 だから、だからウチは許さない。その大切な命が失われる事象を。そんな現象を。それが災害ならさ、どうしようもない事ならしょうがないけどさ、そうじゃないなら──人為的なものなら、ウチは許さない。命より大切なものなんて、無い。例え今の生活に不満があって、より良い生活を手に入れるための作戦なんだったとしても、そこで失われる命があるなら、ウチは全力で止めてやる。


 例えこの世界が望んだ開拓であっても、民衆の総意だとしても、止めてやるよ。



 ……だって、親といられる方が幸せだろ? 親だって、そのはずだろ?

 なぁ、ミカヌー。



 戦死者を沢山見て来た。悲しむ家族を沢山見て来た。虚灯がアルマ奪還に取り掛かれば、多くの人が死ぬ。勝てる見込みも無い作戦に、多くの街抗が使われる。中には救世主という存在に踊らされて浮かれて入隊するネブル民もいる事だろう。そんな事、させてたまるかよ。

 あの日、3年前のあの日、ミカヌーのお母さんから感謝されてウチの中の疑念は確信へと変わった。人は人と寄り添う事が幸せなんだ。それを揺るがす計画なら、止めるのがウチの、救世主としての役目だ。


 だって、今までだって、数多くの集落を守ってきたはずなんだから。



「……なら、何でアタシは逮捕されて無いのよ…………」



 か細い声でバニ様が問う。


「アタシだって、虚灯のメンバーなのよ? 危険性は感じてたし、無謀と思う事もあったけど……それでも計画に乗ってたの。アタシだって同罪じゃない。何でアタシは──」


「ウチがバニ様を好きだからだよ」


 ウチはバニ様の疑問を遮った。とてつもなくワガママで、幼稚な理由で。


「大好きだから。家族だから。ただそれだけ。逮捕されたらバニ様の人生は一生牢獄だ。そんなの嫌だったから、バニ様を裏切った」


「……シーエちゃん」


 平手打ちが飛んできた。……バニ様の目は怒りに燃えている。そりゃそうだよな。嫌われ、ちゃうかな。


「副次的な理由としてはアルマのためにバニ様の頭脳が必要ってのがある。あとエムジ修理もね。検挙のタイミングには虚灯が終結してなきゃいけないから、それは特異個体が出現した時しかないと平依存さんと話してたんだけど……たまたまバニ様が研究室にいてくれて良かった。学長と一緒だったら別行動になるまで特異個体と戦闘して無きゃいけなかったから」


「アタシが聞きたいのは、そんな話じゃないわよ……」


「虚灯ってほら、メンバーが解りにくいじゃん。各地に潜伏しててさ。だから一斉検挙するには全員が天馬ドッグを占拠してる時じゃなきゃだめだったんだよね。まぁ取り逃しもいるかもしれないからまだ油断出来ないけど、大体は大丈夫だよ。バニ様はこれからもここで研究を──」



「そんな話聞きたくないって言ってるでしょ! 裏切者!!」



 裏切者。バニ様の怒号はウチの言葉を遮る。解ってた。こうなる事は解ってたよ。



「アタシも自首してくるわ。虚灯の計画はもう壊滅。虚灯が罪というなら、アタシも受けなきゃ平等じゃない」


「……ウチが機械だって言いふらしたりしないの? そうすれば効率的にウチへの嫌がらせとが出来るよ?」


 また飛んでくる平手打ち。強化骨格だから痛みは無いが……心は、悲鳴を上げている。解ってた。でも、でもさ、バニ様を逮捕なんて、させたくなかったんだよ。


「残念だけどバニ様、あなたは逮捕されないよ。陸羽側とは話を付けてる。バニ様はこれからも名誉研究室長だ。ネブルの為に尽力してほしい」


「アタシがそれを受け入れるとでも思うの?!」


「……ネブルの人々のために、バニ様の力をつかってあげて。たのむ」


 ウチは土下座して懇願した。逮捕しなかった理由は完全なウチの主観だが、バニ様の天才的頭脳がネブルの役に立つのも事実なんだ。

 AI開発は良いところまで来ている。うまく行けばネブルの土地問題や摘果問題も解決できるんだ。そのプランは以前バニ様にも話していて、高評価をもらってる。バニ様がこのまま研究を続けてくれれば、アルマは手に入れずともネブルの生活はよくなり、差別も減るのだ。

 ……アルマ奪還には叶わないけど。まぁそれは叶わない夢であり計画だから、比較する意味も無い。夢は叶わないから夢なのだ。


 土下座したウチを見下ろし、肩を震わせるバニ様。彼の言葉が出てくるまで、ウチはずっと地面に額を当て続けた。

 ……土下座しててもバニ様の様子伺えるって、土下座の意味低いなぁ。今のウチの躰には多数の取り付けられてて、全方位確認が出来るから。



「アタシはとても怒ってるわ、シーエちゃん」


「……知ってる」


「そしてとても悲しんでるわ。何で相談してくれなかったのかって。相談して止める道もあったのに」


「解る。でもバニ様は、バニ様の知るネブルを想う虚灯メンバーは止まったろうけど、止まらない人の方が多いのが虚灯だ。ウチが協力的でない姿勢を見せる事で、変な疑念が生まれたら彼等はまた潜伏し、ネブルへの脅威は消えない。ウチの安寧も訪れない」


「……でしょうね。合理的なアナタならそう考えるでしょうね。多数の修羅場をくぐって来た、救世主なら」


「ああ。もう滅ぶ集落を見たくないんだ。これからはウチが、陸羽の兵器として全力でネブルを守る。ウチがいればネブルに侵入しそうなヱレームは退治出来るから」


「そう……」


 と、バニ様が告げたとたん、全力で蹴り上げられる。バニ様脚力すごいな……強化外骨格を吹っ飛ばすなんて。ウチの躰は宙を舞い、壁に激突する。


「……痛い」


「嘘つきなさい。痛覚無いくせに」


「いや痛いよ……胸が、痛いよ……」


 ウチはいつの間にか泣いていた。


「知ってたよ。このやり方をしたらバニ様に嫌われるって。でも、ウチは、バニ様大好きだから……だから、逮捕できなかった。ウチの勝手なワガママで、ウチは大好きな家族を裏切ったんだ」


 かといってバニ様ごと逮捕してても、結局はバニ様含めた虚灯を裏切った事には変わりはない。学長の計画を危険と判断した時点で、ウチのバニ様との縁は切れる運命だったんだ。


 大好き……大好きなんだよ……。

 あぁ、つらいなぁ。つらいなぁ……。好きな人に嫌われるのって、好きな人を傷つけるのって、つらいなぁ。


「ごめん、ごめんねぇバニ様……ごめん……でも」


 ウチは泣きながら、バニ様の目を見て訴える。


「バニ様の技術が、AIが、ネブルに必要なのは事実なんだ。そこだけは、ウチのワガママじゃなくて本心だ。バニ様は虚灯の中でも危険度はかなり低い。研究室にいても無茶な革命はしないで、ちゃんと研究だけを続けてくれる。だから、必要なんだ」


「……」


 バニ様は答えない。


「……ごめんね。もう、行かないと」


 いくら謝っても許される事など無いだろう。ウチは立ち上がり、涙をぬぐう。そろそろ平依存さん達との待ち合わせの時間だ。行かなくては。


 もう、この研究室に来ることはないのかな? エムジは、ミカヌーはどうなるだろう? まぁバニ様は優しいから、嫌いになるのはウチだけだろうし二人の心配はないか。ウチがエムジ修理に携われなくなるだけか。

 つらい、なぁ……。



「シーエちゃん!!!」



 と、研究室から出て行こうとした折、バニ様から声を掛けられる。どうせつらい事言われるって解ってるのに、声を聴けるだけで嬉しく思ってしまう自分がいて……。

 いくら嫌われたって、もう声が聞けないエムジとは違い、バニ様生きてるから。虚灯の計画が実行されたら、最悪バニ様も死んでしまうから。

 だから嫌われてでも、ウチはバニ様を、守りたかったんだよ。


 なのに──


「バニ様?」


 ウチはバニ様に抱きしめられていた。意味がわからない。どうしたのバニ様。なんであなたが泣いてるの?


「アタシはシーエちゃんを許さない。今回の件は一生恨み続けるわ」


「……」


「でもね──」


 バニ様はウチの前に回り込み


「アナタを嫌いになんて、ならないから。ずっと大好きよ。裏切者でもね」


 そう言われ、ウチは研究室の外に叩き出された。え、今、何て……


「バニ様?」


 研究室の扉は閉められ、返事が帰って来る事は無かった。


「あああ……あああぁぁぁぁぁぁ」



 有難う。有難うバニ様。

 ウチは研究室の扉の前で、しばらく泣いた。



   * * *



「遅いよシーエちゃぁぁぁん」


「マジすみません!」


「うわーシーエさん目ぇ真っ赤ですね。真屡丹さんと何かありました?」


「そりゃもう沢山。でも丸くおさまりました」


「名誉研究室長だけは逮捕しないでくれっていうシーエちゃんの要望、聞いた俺に感謝してよぉ?」


「はい。だから打ち上げおごって下さいね」


「何でだよ??! これさっきも言ったよ!」


「ごちっす先輩」


「おめぇも何おごってもらう気満々なんだよロコモネ!」


 と、少し遅れて平依存さん、ロコモネさんと合流したウチ。ウチがバニ様の所に行っている間に虚灯の身柄は陸羽に拘束され、今は一時的な牢屋に捕縛されている。


 本来ならここから先は陸羽の仕事。平依存さんの仕事はあくまで捜査と検挙なので、残りは司法の役割なのだが……


「さぁぁぁぁて、革命派のトップがどんな顔でいるのか、拝みにいきますかぁ」


 とやたらノリ気な平依存さんの提案で逮捕直後にも関わらず元学長への面会を強行する運びとなった。うん。性格悪いね。

 まぁこの性格の悪さ、物事に勝利して敗者を煽りたい欲が強すぎるからこそ、平依存さんは有能なのだけれども。

 勝つためならどんな手段も択ばず、良い意味でプライドも全く無く、あらゆる手を講じて相手を追い詰めていく警察。犯罪者にとっては厄介この上ない存在だろう。


 軍隊内にも犯罪者はいる。むしろその地位の高さを利用して悪さを企てる人間は一般人より多いかもしれない。陸羽にも街抗にもそういった輩はいるので、軍監査警察の存在は重要だ。現在の犯罪率の少なさはこの死霊喰らいこと平依存さんの存在あってこそである。眼を付けられたら最後、逃れることなどできない。



「ホント先輩は性格最悪っすね」


「ウチも思います。糞野郎だって。そこが好きなんですよねー」


「それ褒めてるの?! けなしてるの?!」


「褒めけなしてます」


「意味解んねぇし!!」


 ウチらは雑談しながら陸羽の人間に案内され、元学長が投獄されている仮の牢屋に案内される。

 ちなみにウチが平依存さんを気に入っているのは本心で、彼の糞だけど芯がぶれない姿にはある種の強さと美しさを感じる。糞だけど。ぱっと見ただの小物だけど。あとめずらしくウチが弄り役にまわれるという点もポイント高い。


(糞なのは、ウチも同じか……)


 同属の匂いがするから、好きなのかもしれない。


挿絵(By みてみん)


「つきました。こちらです。まだ取り調べ前ですのであまり刺激しない様宜しくお願い致します」


「はぁぁぁい♪」


(あ無理だこれ)


 陸羽の方の苦労を心でねぎらいながら、ウチは目の前に投獄された元学長を眺めた。



(とんでもない拘束方法だなおい)


 牢屋には全裸にされ、手足をはりつけにされた元学長がいた。いや、彼女は常に髪の毛を服にしてるから全裸ではあるのだが、今は戦闘の際に髪がはだけたのか色々丸見えである。


(エロさは皆無だけど。動物園のライオン見てるみたいな気持ちだけど)


 動物園もライオンも映像は浮かんでこないけどね? でも何か雰囲気は知ってるんだわ。



「……何をしに来た、シーエ」


「おいおいおいおい御劔ちゃん、俺の事は無視かい? 君を検挙したえらーい俺の──」


「答えろシーエ!!」


「聞けよ!」


「先輩空気読んでください」


「俺が悪いの?!」



 ……まぁこの場をセッティングしたのは平依存さんなので平依存さんが悪いのは事実だけど……。まぁそうだよな。怒りの矛先はウチに向くわな。



「平依存さんの付き添いですよ。元学長。今回の検挙はほぼウチの功績なので」


「俺ぇ! 俺の功績ぃぃぃぃぃ!!!」


「んで平依存さんがワガママ言ってたんで、しょうがなく着いて来ただけです。ウチがこの場にいる意味は特にありません」


「あれ無視?! これ無視の流れ??」


「「うるさいです」」


 ウチとロコモネさんにはもられ、しゅんとする平依存さん。あ可愛い。まぁ彼と元学長の話はウチとの話が終わってからさせてあげよう。



「……いつから、裏切るつもりだった」


「三年前、貴方の計画の真相を知った時からですよ。虚灯危険だなって、思っただけです」


「ふざけるな!!! アルマがいかに重要か、ネブルの記憶を植え付けられたお前なら解るはずだろ!! アルマを手に入れなければネブルは変わらないんだよ!!!」


「ああ、あの記憶ですか。あなたの幼少期の。残念ながら、貴方の思考とウチの思考はリンクしなかったみたいですよ。変える必要が無いと、思っちゃいました」



 ウチが街抗換装士になったあたりで聞いた話だ。ウチに入れられた偽の記憶は、元学長の幼少期をベースにしているのだと。

 つまり、ウチの両親は学長の両親なのだ。ウチが感じた悲しみは学長が感じた悲しみ。ウチらは17年、同じ人生を歩んだようなものだ。


(頭痛がなけりゃ、その思いのままアルマ目指してたんだろうけどな)


 両親の夢をかなえたい。救世主を探したい。それはそのまま元学長の夢でもあった訳だ。その夢の重さは同じ記憶を持つウチも十分理解してるが……。ウチには、守れなかった人の数が多すぎる。名前も顔も声も思い出せないけど、胸に空いた無数の穴は「「「やめろ」」」と声を荒げている。夢を追うより愛する人と共にいろ。少しでも長い時間、大切な人の側に……。ウチには、もう、エムジがいないけど。


「アルマを手に入れれば全てが変わるんだ!! 何故それが解らない!」


「解りますよ。手に入れればね? でもそれにどれだけの犠牲が出るんですか?」


「革命に犠牲はつきものだ! 皆死の覚悟を持っている! 何の問題がある!」


「そりゃ当人たちはそうでしょうけど……残された人はどうですかね? ウチは人が悲しむ姿を見るのは好きじゃない。不要な戦いは避けるべきだ。逃げるべきだ」


「腰抜けめ……」


「それにアルマ奪還は本当に可能ですか? ウチは何度か危険性を訴えましたけど、全部スルーだったじゃないですかあなた」


「お前の! 技巧端末としての力をもってすれば可能性はいくらでもある!!」


「あくまで可能性じゃないですか。失敗したら犠牲だけ出るんですよ? 最悪ネブルの位置がヱレームにばれる事だってありゆる。ネブルに引きこもって、ウチが防衛を担当した方がよほど安全だ」


 そうすれば、この箱庭で長く生きていける。終わりはいつか来るだろう。でもそんなもの、どの集落にだって来るわけで……下手な作戦に出るよりも悲しみは減らせるはずなんだ。


「完全に保守派の考えだなシーエ・エレメチア。何故だ! 何故そうなった!!」


「救世主としての記憶を部分的に思い出したからですかね? ウチはただ守りたいだけなんですよ。今すぐ動かないとネブル滅びるとかなら話はちがいますが、こんな巨大で安定した集落、クロムシェル中探したって滅多に無いでしょう。なら欲をかかず、ここを守るべきです」


「堕落した保守派め!! 上層部の腐敗した連中と同じ考えか!!」


 元学長は吠える。なるほど、磔にされてるのはこのためか。ただ普通に牢屋に入れてただけなら、最悪牢をぶち壊しそうな勢いだ。


「何をもって腐敗と言うかは解りませんが……たぶん同じ考えですね。少なくとも十七委員会の方々とは気が合いました」


「あの腐れ脳みそ共とだと?!」


「彼等は方法は違えど、皆ネブルの事を考えていますよ。あなたと違って」


「私が、ネブルの事を考えてないと?」


 ここにきて元学長は勢いが止まる。自覚が無かったのか。まぁおそらく、そうなんだろう。狂人は自覚が無いからこそ狂人なのだ。



「ウチとエムジが発掘されて、クロムシェルで動くヱレームの存在を知って、あなた、はしゃいでましたよね?」


「……」


 黙ってはいるものの、鋭い目つきはウチを殺そうとでもしてるように崩れる事は無い。


「アルマを手に入れるのは、ネブルの人々を幸せにするためですよね?? でもあなたは、ネブルに不幸が来るからアルマを手に入れられると、ネブルの危機を利用しようとした。手段と目的が逆転してる。ネブルを真に思うのであれば、あの発言は出ませんよ」


「……」


「ウチはあの時点から、あの映像を見た時点から、あなたに、虚灯に不信感を抱いてたんですよ。素直にそれを十七委員会に相談したら、同じ意見でしたよ? あ、平依存さん達陸羽は街抗への因縁とかいうどうでもいいくだらない理由であなたを検挙したがってましたけど」


「おいいいいい! くだらないって酷くない?!」


「いつ喋っていいと?」


「俺、立場、上! シーエちゃんは特殊な立ち位置だけど、俺の方が、役職は、上!!」


「で?」


「おおおおおおおい!!」



 元学長が黙ってしまったので平依存さんとの愉快な会話を再開する。なんつーかホント、弄りがいがある人だなこの人。


「……か」


 と、どうでもいい茶番をしばらく繰り広げてたら元学長が何か口を開いた。


「保守派共を、許せるのか」


「ウチは今保守派ですよ」


「生きてる事に何の疑問も持たず、ただ産まれたついでに生きてる奴らが、そのまま上にのし上がって、この腐った豚箱の中でへらへらしてる、そんな事実、許せるのか? 産まれた種族が違うだけで、待遇に差のあるこの世界を。目の前に、手が届く所にアルマが、自由があるのに」


「手が届くなんてのは妄想ですよ。あれは攻略不可能だ。それに何でしたっけ? 産まれたついで生きてる奴らですっけ? それの、何が悪いんですか? 人は、有機生命体は、産まれて生きて子孫を残し次に繋いでいくよう遺伝子にプログラムされた存在ですよ。生まれたついでに生きて、子を成し、死んで行く。それの何が悪いんです?」


「お前は! 救世主じゃないのか!!! 私の、私の両親の探していた、救世主じゃないのか!!! アルマを取り戻してくれるんだろ! 人の心を持った機械が! なあ!!!! 私達を救ってくれるんだろ!!」


「そうですよ。でも私達を救うって、具体的に何を救うんです? あなたの野望? よりよい未来? リスクを冒してまで? ウチには記憶がありませんが、他の集落でウチがアルマを目指したのはそれしか選択肢が無かったからです。こんな、恵まれた集落、見た事無い」


 穴の住人も皆叫んでいる。こんな世界で暮らしたかったと。


「ウチが救うのは世界です。ネブルという、人々が生きるこの世界。愛する人が死なない、この世界。だから──」


 ウチは元学長に背を向け、この場を退出する。もうこれ以上、この人と話す事も無い。




「救世主は、世界しか救わないんですよ」




 最後の捨て台詞は、元学長の心にどう刺さったのだろうか。彼女の反応は平依存さんの下卑た笑い声でかき消され、聞く事は出来なかった。


 ウチは一人、世界ネブルへと戻る。エムジのいない、世界へと。




「救世主は世界しか救わない」

救世主とは、世界とは。

是非ともゼロマキナ本編未読の方は読み比べて、貴方の答えを探してみて下さい。

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