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ゼロマキナIF -始まらない物語-  作者: Deino
001話 崩壊の始まり
2/48

001話-01 始まりの頭痛

 人の命より大切なものなどあってたまるか。命から生じる、絆、愛、それらより大事なものなど、あってたまるか。


 命は一度失ったら取り返しがつかない。時間は過去には戻らない。どんなに会いたいと願っても叶わない。叶わないんだ。


 残された人は、失った人は、残りの人生をその穴を空けたまま過ごさなくてはいけない。代わりなんて見つからない。その穴が風化したり、小さくなることはあるだろう。でも、埋まる事は無いんだ。ぴたりとはまる形なんて、失った命しかないんだ。


 だから、だからウチは許さない。その大切な命が失われる事象を。そんな現象を。それが災害ならさ、どうしようもない事ならしょうがないけどさ、そうじゃないなら──人為的なものなら、ウチは許さない。命より大切なものなんて、無い。例え今の生活に不満があって、より良い生活を手に入れるための作戦なんだったとしても、そこで失われる命があるなら、ウチは全力で止めてやる。


 例えこの世界が望んだ開拓であっても、民衆の総意だとしても、止めてやるよ。



 ……だって、親といられる方が幸せだろ? 親だって、そのはずだろ?

 なぁ、ミカヌー。



挿絵(By みてみん)


   * * *


【《クロムシェル》内部 戯級ぎきゅう階層】


挿絵(By みてみん)


「おやおやっ、エロ本見っけ♪」


 探索開始から約三分でウチはお目当ての物を見つけた。いや、これだけが目当てではない。目当てではないが、目当ての品の一つには変わりない。


「ふふーん。ウチからエロ本を隠し通そうなんて、超甘いぜ古代人」


 ウチは昔から性欲が強いみたいで、やたらと下ネタ方向のパラメーターだけが突き抜けていた。エロ本探しもその類にもれず、むしろ本領発揮と言っていい。

 そう、たとえ古代人だろうとウチからエロ本を隠すことはできない。



 古代人、だろうと。



(読めなくはないな)


 ウチがエロ本を探してたのは自分の部屋でも、友人の部屋でもない。何ならそもそも部屋ですらない。

 巨大な機械構造物、間隙鋼外殻≪クロムシェル≫の中にある滅びた≪集落≫、その廃墟であった。



 滅びた集落の廃墟でエロ本を見つける。エロ本などと軽い言葉を使っているがこれはれっきとした資料だった。すでに風化しており触れたそばからくずれかけた、ぎりぎり読める書物。


 探索家志望のウチはよく宿舎を抜け出してはクロムシェルに潜り、様々な資料を探り求めていた。両親がそうだった様に。

 ……言うて興味あるのはエロ方面ととある情報だけだけど。今日はエロ本見つけられたし当たりの部類だろう。


(まぁ本来は、ウチは軍兵を目指す軍学徒なわけだけど)


 形式上軍兵にならざるを得ないだけで本当になりたいものは探索家。探索家になるためには軍兵にならなくてはいけないのだ。だからこの探索欲求は抑えようがない。本来は違反であったとしても、クロムシェルに潜ってしまう。

 ウチはそんな事を考えながら目前のエロ本を観察していた。しかしこの本──


(よくも無事に残ってたもんだよ)


 この辺り一帯の階層は≪戯級ぎきゅう階層≫と呼ばれる危険区域、≪回帰機構≫の循環端末が管轄管理してるはずの階層だ。

 しかしながらこの紙媒体の書物が回帰機構に消去される事なく残っているという事は、はるか昔、ここに集落を構えていた文明は回帰機構を無力化する技術、あるいは不干渉を約束させるだけの交信技術を持っていたという事になる。

 そして文明が滅んだ後もその技術だけが止まる事なく起動し続け、文明の名残を保存していたのだろう。とても高い技術を持った集落だったはずだ。


 まあ、まずはともあれ。


「エロ本、拝読させて頂きます!」


 丁寧にめくれば辛うじて読めそうな書物を読もうと思ったその時──



「──エロ本じゃねーよ。ド阿呆が」



 背後で聞こえた音に思わずビクっと体がのけぞる。振り向くと見慣れた顔が。


「なんだエムジか。脅かすなよー」



挿絵(By みてみん)



 先ほどまで隣の区画を探索していたウチの相棒、エムジが戻ってきた。ウチは軽く手をはためかせて応じるも……


「なんだ、とはご挨拶だな。別に俺も、お前の期待にそいたくて生きてるわけじゃねーよ」


 とぶっきらぼうに返される。ぐすん。まーしゃーない。切り替えていけ。



「んでエムジ、これがエロ本じゃないってほんとか?」


「表紙をよく見てみろ。この集落での≪プランティングレビュー≫にあたる書物だよ」


「ぷらんてぃんぐれびゅー?」


 聞きなれない言葉に首をかしげるウチ。



「有機生命体の子孫繁栄にまつわる技術や規格、指南や指導をまとめた文献の総称だよ。繁殖要項書とも言うな。探索家志望ならそれくらい知ってろ」


 いやまぁウチ、探索家志望ではあるけどエロとアルマ関連以外特に興味ないし……。



「どれ、俺にも読ませてみろ」


 エムジは散らばる瓦礫を足でどけ、ウチの隣にしゃがみ込む。距離が近いですありがとうございます。

 でもそんなウチには目もくれず、エムジはエロ本のページをめくった。



「──ふむ。図から察するに、俺らの集落、ネブルの水準には劣るが精子保存技術までは確立していたっぽいな」


「ふーん」


 子孫繁栄にまつわる書物とか学術的な言い回しをされると途端に性的ドキドキ感がなくなってしまう。ぶっちゃけ冷める。

 ──ぺらぺらめくられるページには見慣れない基底言語と共に雄と雌がまぐあう図、精子の図等が記載されていた。



「ま、もっとも俺らネブルの水準で比べるのは卑怯だがな。ネブルの技術水準はクロムシェル内でも群を抜きすぎてやがる。繁殖面でもネブルの≪統合生殖≫にかなうシステムなんざねーだろうな。兎にも角にも、総括すりゃ有機生命体は今も昔も、繁殖には難儀してたって事だ」


 エムジが難しい言葉を並べながら演説を続ける。正直ウチにはよく解らん。そんなことよりも──



「──ていうかさ、きいてよエムジエムジ。ウチ凄くね? 探索開始早々でさ、こんな重要文献見つけちゃうなんて、センスありすぎ。やっぱり探索家の才能あるよな?」


 演説が途切れるタイミングを見計らってウチは言葉を挟んだ。ただエムジに褒めてほしくて。


「いやぁ。生まれながらの才能ってやつ? 遺伝って怖いわー。この調子でいけば、将来は父さんみたいな立派な探検家に──ぜふぇぁ?!」


 だが現実は非情である。褒められるどころか残忍な平手打ちがウチの頬に放たれた。しかもご丁寧に往復で。

 なぜ唐突に平手打ちされたのか全く解らん。



「い……痛すぎるんですけど……?」


「褒めてやったんだよ、感謝しろ」


「んな痛烈なスキンシップの文化圏があるか!?」


「スキンシップじゃねぇ、しつけだよ」


「なるほど! ウチは犬か! 酷い! 泣いてやる! 差別だ!」


「違う、分別だ」


「ゴミか?!」


 いやいやお前、酷いにもほどがあるだろうよ。ウチはエムジに顔を近づけながら「あとが残ったらどうするんでせう?」と迫ってみるが……まぁエムジは通常運転。どこ吹く風である。



「はぁ……エムジ。お前に容赦がないことはこの17年、よーく知ってるよ」


「ふん、シーエ。お前に節操がないのだって昔っから俺は、よく知ってるさ」


 そう言ってお互い苦笑いを浮かべる。なんだかんだウチらって、ずっとこんな感じだよなー。



(まぁその関係も、結構心地いいっちゃ心地いいんだけど)



 でも痛いのは苦手である。そこは断固主張し続けているが一切伝わってる節が無い。何故だ。



 ウチとエムジは幼いころからずっと一緒に暮らしている、いわば家族の様な存在だ。血はつながっていない。つながり様もない。

 エムジがウチの事をどう思ってるのかわからないが、ウチはエムジの事が大好きだった。



「てかよ、シーエ」


 エムジは話題を変える。


「戯級階層にまで探索など、本当に大丈夫だったのか? 明日は大事な実習だか訓練だと聞いていたが?」


「ん? よく知ってんね、アルマでの実習だよー。むしろだからこそ、今日の午前は全面休講で、軍学徒のウチらはがんくび揃えてお暇ってわけなのさー」


「お暇ねー……。はしゃぐのはいいが、無断で違階層探索してんがバレたら洒落にならん。御劒みつるぎ真屡丹ましばにに怒られるのは何故かいつも俺なんだぞ?」


「知ってる。故に我、余裕なりンゴハァ!?」



 くっそ思いっきり殴られた。ノータームで来やがったこいつ。



「──次調子に乗りやがったら、アゴごと外すぞ公衆便女」


「ひぃえ……」


 普通に目が怖い。全く、ウチも徹頭徹尾容赦ない相棒を持ったものだよ。でも──


(文句言いつつも探索に付き添ってくれるエムジは優しいなぁ……)


 とか思っちゃうウチ。我ながらチョロイン。



「まぁそれはさておきいてだ、シーエ」


 エムジは再び話題を変えた。


「わざわざこっちの区画まで戻ってきてやったのは他でもない。ちょっくらお前を呼びに来たからだ」


「ん? ウチを?」


「そう」


 ぶっきらぼうに言い放ち、エムジは扉どころか建て付けごと壊れた玄関へと歩き出した。


「どこに行くんだ?」


「隣の区画で、超面白いもんを発見した」


「マジで! なんぞ!」


「内緒だ」


「内緒か! ならしょうがないな!」


 エムジがウチを呼びに来てくれたというだけでともかく嬉しい。元々テンションは高い方だが、今はいつも以上だ。



「拝ませてやるからついてこい」


「いく! 超ついてく!」


 ウチは先導するエムジの後ろを、親子アヒルのようにテチテチと追いかけた。アヒルなんて遥か昔に絶滅しており文献でしか読んだことがないが、たぶん今のウチに似ているのだろう。



 玄関を出た先にはほの暗い廊下が続いていた。どこからか弱い光源が降り注ぎ、ゆらゆらと不気味な光を演出している。雰囲気は廊下というよりもウチらの住まう集落、ネブルの下水道や廃工場といった具合だ。

 壁には無数の配線や配管がまるで血管の様に張り巡らされており、さながら巨大生物の内面の様な雰囲気を出している。鼻に着く錆びた鉄の匂いだけがここが有機物の中では無いと主張していた。


 使用を放棄され回帰機構の管轄から外れたクロムシェルの階層路など、どこもこんな調子である。



「なーなー、超面白い物ってなんぞー?」


「内緒だっつってんだろ、ぶち飛ばすぞ」


「そんなすぐ殺そうとしないでよ」


 ウチはその辺に見つけた小石を蹴って遊びながら、エムジとの会話を続ける。



「ヒントを出すなら、しゃくだがお前が喜ぶもんだよ」


 しゃくなんだ……悲しいが声には出さないでおく。でもとりあえず喜ぶものと聞いたのでテンションはあがる。


「まじか! え、じゃあもしかしてもしかして新しい《悠久文献》とかか? いや、アルマに関する貴重な情報とかでも嬉しいし……あ《救世主》の手掛かりとかなら万々歳だぜ?」


 ウチが探索で見つけたい物を、エロ本以外で羅列してみた。のだが……


「全て残念。お前が今まで一度たりとも見た事無い物だよ」


「閃いた! 蜘蛛の巣だろ!」


「ハズレだ。てか、蜘蛛の巣で喜ぶ女ってどうなんだよ……」


「えー。だってだって『蜘蛛』は数千年前に絶滅してんだぜ? 巣が残ってたら大発見だろー」


 確かアヒルはもっと前だったか。エロとアルマにしか興味無いと言ったが、ウチは虫も好きです。はい。頭にフナムシの髪飾りつける程度には。



「ともかく、着くまで予想でもして楽しんでろ」


「うん、わかった。予想する、超予想する」


 内容は全く解らないが、ワクワクは止まらない。だってあのエムジがウチが喜ぶ物と言ったんだ。期待はおのずと膨らむ。

 ……しかしウチが喜ぶものって何だろう? もしやこの集落の人達が使った自慰グッズか! ……いや、エムジに限ってエロ方面は無いな。無い。



(しっかし、ずいぶん大っきな集落だよなー)


挿絵(By みてみん)


 見上げると天井が見えない程の大きな縦穴が開いており、節々には先ほどウチらが出て来たようなドアが付けられている。

 多くの人が生活していた名残が今も残っているのだ。



「なぁエムジ、この集落で生活してた奴らってさ、皆どうしちゃったんだろう?」


「どうだろうな」


 エムジは少しそっけなく答えた。


「いくつか推理のしようはあるが、単に繁殖に失敗し絶滅したか。あるいは回帰機構に消去されたのか……いや、集落跡が残ってんだし、回帰機構の仕業はありえねーか。滅びる理由なんて、ありすぎてわかんねぇな」


「そっか。でも滅びるくらいならネブルまで逃げてくりゃ良かったのに」


 エムジはウチの言葉を聞くと少し間を開けて──



「それだけはありえねぇよ」



 と呟いた。何でだ?



「集落同士は不干渉が鉄則だ。もし移民を受け入れれば、人同士で共食いが始まっちまう。資源も生活区域にも、許容量が決まってるんだから」


「でも──ネブルは昔から、移民を受け入れてるよ」


「そう。──だがなシーエ」


 エムジは再びため、ゆっくり諭す様にウチに言う。



「手前の常識が共通認識だと妄信するのは、有機生命体の悪い癖だぜ。ネブルの事情を知らない外野からすりゃ近寄って反撃されたらたまんねぇ。クロムシェルを彷徨ってた方がはるかに安全さ」


 自分の常識を妄信する……か。


「そーいうもんか」


「そういうもんだ」



 ウチらや他の集落が住むクロムシェルとは、大雑把に言うと階層構造の超巨大建造物だ。メガストラクチャーなどと言われたりもする。

 誰が、何の目的で、いつ建造したのかも分からなければ、建造物全体がどれくらいの規模なのかも把握しきれてない、途方もなく巨大な建造物……。

 ──いや、そもそも本当に建造物なのかも定かではない。ただはるか昔からそこにあったために、誰一人その起源を知りうる術を持たないのだ。


 『神が作った』などとのたまう者もいれば、『偶然生じただけの自然現象』と唯物論で語る人、果ては『あるからこそ、あるのだ』と哲学で締めくくる者もいる、いわば『この世』や『世界』と同意義の存在。


 現時点でウチらが住む……正確には所属するネブルという名の集落。そのネブルの軍が調査し判明したことは『ネブルの下300km地点まで階層構造が続いている』という事くらい。それよりの下層は謎の液体で水没しており踏み込めず、文字通りの未知である。

 横幅に至っては『果てを見つけ次第戻る』と言い残し旅立った《探索委員会》が、過去17回の派兵で一度も返ってこないため、考察の余地も無かった。


 ……探索委員会。ウチの両親が所属していた、今は無きネブルの部隊。ウチは両親の意思をついで探索委員会に入りたいのだ。入りたい、のに……


(もう無いんじゃぁな……)



 そうなると道は一つしか残って無い。軍兵になってアルマを、クロムシェルの上に存在する世界を探索する。そもそも両親の夢もアルマの探索だった。探索委員会が無くなった現在、その役割は軍が担っている。ならばウチは軍兵になるしか探検家になる道は無い。


 そんな事を考えながらウチはふと横を見る。いつもと変わらないクロムシェルがそこには広がっていた。どこまで行ってもクロムシェルはクロムシェルなんだな。しかし──


挿絵(By みてみん)


「およ?」


 目を逸らした際に奇妙な部屋を発見した。透明なフィルムでで出来た手のひらサイズのパックが、無数に吊るされた小さな部屋だ。


「なんだろこれ」


 パックの中には赤黒い睾丸サイズの玉が入っており、風化した形跡があるもののかろうじて原型を留めている。

 ウチは右腕に装着された時計状の装置を操作し、無数のパックのうちの一つに光を照射した。


『──未登録物質──』


 数秒後、無機質な音声が帰ってくる。



「おい、寄り道すんじゃねーよ」


「あ、ごめんごめん」


 戻ってきたエムジに叱られる。かと思いきや、意外と興味を示してきた。



「面白いもんでもあったか」


「ううん。気持ち悪い変なブツブツが沢山あった」


「ただの鏡じゃねーか」


「? ……っ!」


 こいつぶっとばしてくれようか。一応ウチも? 変態とはいえ性別は女なんだぜ? しかも思春期まっさかりの17歳! スキンケアの類は怠った事無いし、そのおかげが肌はきめ細やかだと自信がある。変なブツブツ呼ばわりされる筋合いはない。


 ……とわいえ、喧嘩の勝算は限りなく零に等しい。ちくせう。



 網目状に続く錆びた通路を何度か曲がり、進む事20分弱。ウチらはがらんどうになった部屋へとたどり着いた。クロムシェルでは大変珍しい高さ15mを超える広々とした空間、三階層ほどぶち抜いたサイズの大広間だ。

 先ほどの集落も天井は高かったが入り組んでいた。それに対し、こちらはとにかく空間が広い。



「これを、見て見ろ」



 ウチは驚き、息を飲む。しかし驚いたのは空間の広さにでは無い。

 聖堂の様に筒抜けの空間の中心に、瓦礫に紛れ、まるでまつられる様に横たわる── 一機の機械の死骸を見つけたからだった。



挿絵(By みてみん)



「すげぇだろ。──無機思考体ヱレームの残骸だよ」


 得意げにつぶやくエムジの言葉が、耳からすり抜ける。普段のウチならエムジの言葉がすり抜けるなんてありえないのだけれど、今は状況が違いすぎる。


 全長3m。多足類の節足動物と人間を掛け合わせた様な異形の外見。人など一瞬でひき肉に出来そうな凶悪な刃が設置された左腕。

 しかし機能停止してから既に気の遠くなる年月が経過しているのだろう。全身を覆っていた装甲は錆付き剥がれ落ち、神経細胞の様に全身に張り巡らされた電子コードや微細な歯車がむき出しになっている。

 腕も片方もげ落ちており、配線が千切れて伝導体が露出している。


 時の嘆きが聞こえる崩壊具合だ。



「し、死んでんのか?」


「生死の概念定義は俺にゃ難しいが、自律知能は機能してねぇっぽいな。駆動系統も流石に錆ついてどうしようもない」


「ほぇー……ヱレームの死骸か……」


「はん。どうだ、感服したか?」


「うん……本物なんて初めて見たよ……」


 いやもうマジで感服した。こんなもの見られるとは思わなかった。ウチが探索で発見したいこと、知りたいこと、それはエロ、アルマ関連、そして……ヱレームについて。


 ヱレーム……無機思考体と漢字表記されるそれは、≪ネットワーク端末≫と呼ばれる特殊な部位が備わった、自立機械の総称だ。無機物と電子により生じた回路を脳とし、無機物と電力で生じた機構を躰となす、彼らは機械であって生命に限りなく近い機構を備えているのだと、昨今のネブルの学者は唱える。


 唱える──というのも、ヱレームと呼ばれる機械群が、何処でどのように生まれ、どのように生息し、何のために存在するか、何一つ解ってないからである。捕獲したヱレームの死骸から研究し、知りえたわずかな情報を元に考察を深めるしかないのが現状だった。


 生物的機構──生物の定義はウチは詳しく無いが、少なくとも機械でありながら最低限の自律知能を獲得し、強靭な肉体を持ち、高度な自己修復機能を備える彼らは、限りなく生物に近い機械であると教わっている。



「しかもエムジ。こいつ、ネブルの文献には載ってない≪未知式≫っぽい……。少なくとも探索委員会の書庫には載ってなかったから、きっとネブル創生以前に絶滅した個体だよ……」


「お、おう。そんなすげぇやつだったのか」


「凄い……、凄すぎるよエムジ。サンプルとして持って帰れたら、無断脱階層の叱責どころか褒められるレベル……」


 ウチのは感動っぷりに、エムジが『まんざらじゃない』的な表情を浮かべている。こいつこの凄さよく解って無いな?



「なぁ。す、素手で触ってもいい?」


「噛んだりしねぇよ。てかもう動かねぇって」


「違くて、その保存状態とかそんな視点的に……。一応エムジの発見物ですし」


「好きにしろ。俺にそっち方面の興味は無い」


「やたっ!」


 ぴとり。冷たい感触が指を通して伝わってきた。冷たい。温度だけではない、ただの機械にも関わらず、まるで心まで冷たくなっているような感覚だ。

 眼球代わりの色式学観測装置が二機、スリットからこぼれ落ちコードでぶら下がる様に垂れている。くすんだレンズにウチの顔が歪んで映り込んでいた。


「ん、何かここ、書いてあるよ」


 指でなぞると埃の間から文字らしき記号列が覗いた。



挿絵(By みてみん)



「ん……? うぐ、見た事無い絵……いや記号かな?」


 言語配列どころの騒ぎじゃない、そもそも文字なのかすら半別出来ない謎の造形の羅列が鉄の体に刻まれている。

 恐らく言語だとは思うが、出だしの『A』との図形などは人が立っている絵の様にも見えなくも無い。

 そんなことを考えていたら──



「──アロイジウス、L20003 -Von-eine -NodnolGS」



 流ちょうに語りながら、エムジが近づいてきた。



「長ったらしいが、れっきとした文字列だな。意味までは分からねぇが」


「やっぱ文字列だったんだ……。なら名前かもしれない。ヱレームって群れで行動するんだけどさ、実は一機一機、個を識別する識別名称を獲得してるんじゃいかって、父さんの著書に書いてあった。アロイジウスちゃん、ってとこかな」


「機械風情が名前とはねぇ……」


「てか、よく読めたなエムジ。こんな基底文字列、ウチ初めて見たぞ。きっとヱレーム同士の間で交わされる交信文字列の類だよ」


「ん……ああ。真屡丹のやろうが研究してる文献に、似たようなのがあったんで覚えてただけだ」


「え? ちょ、そんな文献あったっけ?」


「はん、第二居住区のラボにあんだよ」


「あ、ずるい! ウチにはあのラボ、入っちゃダメって言ってんのに!」


「日頃の行いの差だな、悔いろ」


 うぐぐ……日頃の行いと言われた時点で少し納得してしまった時点で何の反論のしようも無いのだろう。しゃーないのでウチは再びヱレームへと向き直った。



「──でも納得いかないよ」


「は? お前の日頃の行いはクソだろうが。それとも何か? 俺のせっかくの大発見にケチでもつける気か?」


「いやいやどっちも違くて……むしろ逆、エムジの発見にケチどころか箔を付けたいんだよ」


「?」


「クロムシェルの内部にヱレームがいるのが納得出来ないって事。≪ネットワーク端子≫なんて遍満してるわけ無いのに」


「……どういう意味だ?」


 眉をひそめるエムジ。いやいやお前、バニ様の元で色々手伝ってて今の言葉解らんのかよ。

 でも知ってる事を話すというのは気持ち良い。ウチはテンション高めに語りだした。


「ヱレームってさ、空気中のネットワーク端子を、脳のネットワーク端末で摂取しないと死んじゃうんだよ」


 エムジの眉はますますひそまった。うまく伝わってないなこりゃ。



「簡単に説明するけど、クロムシェルの構成外殻はさ、ネットワーク端子を完全遮断する未知の物質で出来てるんだよ。ネットワーク端子ってのはそうだなー、ウチら有機生命体でいうところの酸素に近いかも」


「つまり、酸素が無くて息が出来ないってわけか」


「酸素が足りなくて脳が機能しない、のが正しいかもな。なのにこのヱレームはさ……どうやって、ネットワーク端子が一ミリも遍満してないクロムシェル内部までたどり着いたのって話」


 ヱレームはクロムシェルの外部、つまりアルマにのみ生息する外来種だ。いや──クロムシェル外部でしか活動出来ないため、本来なら外来種になる事はあり得ない。侵入することが不可能なはずだから。



 だからこそ、だからこそ有機生命体は、クロムシェルの内部に集落を構えているというのに。



「可能性としてはこの集落の人が、クロムシェルの外部、アルマまで赴いて捕縛して、ここまで持ち帰ったとか考えられないけど……だとしたらこの集落はアルマで戦う技術を手に入れてたって事になる。それは凄い事だよ。凄い事だけど……正直、この集落程度の技術であり得るとは思えない」


 この集落をバカにしたみたいな口調になってしまったが、決してそんなことは無い。本当に、クロムシェル外部で戦う──いや、外部にたどり着くという事は、それほどまでに生半可な事象じゃないのだ。戦うとなれば、なおのこと。



「なるほどな……シーエ、理屈は大体は理解した。確かに整理してみりゃ不可解な事だらけだな。……しっかし、ずいぶんと饒舌に語るもんだなシーエ。興味とは既に才能である、か。お前に教えられるのは恥だし、癪だが、まぁ勉強になった」


「おやおや!」


 なんかクッソ珍しい言葉がエムジから出たぞ?


「おいおいおいー、そんなに褒めるー? えー褒めちゃう?」


「……」


 何かエムジが『しまった』みたいな顔してるがきっと気のせいだろう。それよりも喜びをかみしめる方が先決だ。


「嬉しいなー。ウチ、エムジにそんな褒められたら有頂天やし。──惚れてまうぞ?」


 もう惚れてるけど。でもまぁ、エムジはいつも通りの反応なわけで。


「もしもし陸羽けいさつですか、目の前に恥部を露出した変態が」


「ウチの恋心は卑猥物か?! いやまぁ確かに露出は生きがいですけど!!」


 ウチは17歳の恋する少女なわけだが、どういうわけか同年代の女子に比べて性欲が高い方だった。しかもその性欲というのも一般的なエロさとはちょっと違い……

 まぁ要するに露出狂なんです。ウチ。理由は解らんがそういう性癖なんだから仕方がない。



 という事でさっそく。



「やめろ、ベルトをたくし上げるな」


 ベルトのみで隠されていた下半身を露出してみる。


「眼福か! ほら眼福って言えよ!」


「夢に出たらうなされる」


「ウチの下半身はホラーでせうか?!」


 おかしいな。多少うぬぼれは入るかもしれないが、ウチの外見はそこそこ行けてるはずだ。ウチの常識では美少女の裸は男性に需要があるはずなのだが……悲しいかなエムジにも、軍学徒の仲間にも一切需要がないのだ。


 と、不満そうな顔をしていたらエムジに怒られた。



「いいかげん黙れ、しまいにゃ脳天を唐竹からたけ割りにするぞ」


「──へん! やれるもんならやってみそ! すぐ暴力に訴えるんだなお前は。小さい頃から芸が少ないな! 殴りたきゃ殴ってみろよこの暴君野郎! だけどな、暴力をぶる度にお前の心は汚れを知りそして──」


 言い終わる前に脳天に容赦ない手刀をもらう。視界にほとばしる閃光。こぼれ落ちる間抜けな嗚咽。ひでぇ。



「こ……こここ……こうも! こうも気安く女を叩けるものぞ?!」


「女? どこに女がいるんだ? ん? んんー??」


「へー!? じゃあ?! あなたの大切な人は男なんですか?! ウチの大切な人はホモだったんですか?! ホモなんだ知らなかったなぁー! へー! ホモなんだへぇー!! へぇーーー!!!」


 とか言ってたらさらに殴られた。頬に四連撃、華麗に放たれる拳。ウチの視界は白へと還元される。



「……?? ……???」


 あまりの速さに今ウチが何をされたのか理解が追い付かなかった。


「悪い、流石に殴りすぎた」


「……」


「事実無根の酷い悪口を言いやがるから、ついイラッとして」


「……」


「でもそりゃいくら温厚な俺だって怒るだろ。『大切な人』とか言われたら」


「救いが欲しいッ!」


 そっちかよ! ホモの方じゃなくてそっちかよ!! 流石にこの発言にはウチも説教モードにならざるを得ない。



「ちょっとそこに直りなさいエムジ。いいですかエムジさん。その暴力と暴言は、その、何とかならねぇのですか? そりゃもちろん、本当はただの照れ隠しだって事ぐらいは知っています。おじさん分かってますよ? 『エムジも照れ隠しとか初いやつよのー』ってニヤニヤする時だってちゃんとあるよ? でもさ、流石に限度ってものが──」



 ──無いらしい。腹部に鋭い蹴りが一撃。ウチは唾液をこぼしてのけぞる。



「ばふぉぅ?!」


「おいシーエ。誰が照れ隠しをしてるだと? 隠す事など何もない。お前への好感度など、スカンクの糞と接戦を繰り広げてるくらいだ」


「……いまおなかけった?」


「そもそも俺がお前の側にいるのは所有物を側に置いてやってるに過ぎない」


「……なぁ、今お腹蹴った?」


「そこんところを勘違いして付け上がる様なら、やっぱりしつけが足りないと言わざるを──」


「──なぁ今ウチのお腹を蹴った?!」


「今俺が喋ってんだちょっとは黙りやがれ!」


「こんの腐れ外道が!?」


 流石にウチも頭に血が上り、エムジに飛びかかる。が──



「ッ?!」



 ウチがエムジと仁義なき醜い争いを開始して一秒後、空間全体を唸らす様な皮膚が泡立つ地鳴りが響き渡った。

 直後、地鳴りに遅れて凄まじい激震が一帯を揺らす。立っているのもやっとの振動だ。

 よろけたウチはエムジにキャッチされ、そのまま彼の胸の中で振動が収まるのを待った。



「じ、地震……?」


「ああ、回帰機構の大移動でもあったのかもな。怪我はねぇか?」


「あ、う……うん。ねぇです」


 暴力亭主がよく言うよ……。ウチはエムジの胸から離れ立ち上がる。地震自体は珍しいものではないため、もとより階層路の耐震性はすこぶる高い。

 とはいえ回帰機構の管轄から外れ開発が停止した区画は例外である。階層ごと崩れ落ちる危険性もある。

 この集落は回帰機構の影響を受けていない。管轄から外れている。



「早いとこ戻った方が良さそうだな」


 エムジの提案にウチも乗ろうと思った、その時。




「ぁれ……」




 ぴきぃッ、と。




 尋常じゃない頭痛が、ウチを襲った。





 鈍い痛みがウチの脳みそをねぶり、ウチの視界は明滅する。脈絡のない唐突な頭痛に、ウチは地べたにうずくまり痛みを必死に耐える事しか出来なかった。


 頭が、割れそうだ。痛い痛い痛いイタイイタイイタイ……

 その、痛みと共に──



 ガチリ



 何かがずれる音がした。いや、音ではない、これは感覚だ、何かがずれる感覚……いやそれも正確ではない。ずれたのではない。はまったのだ。戻ったのだ。

 何がはまったんだ? 何が戻ったんだ? この懐かしい感覚はなんだ??


 それと共に何か強烈な違和感が……何に違和感を感じている? 感覚? 記憶? 何かが違う。今までのウチと、17年生きたウチと、何かが違う。



 わけが解らない。妙な感覚に支配され不安になってくる。激しい痛みは続く。

 あまりの痛みにつぶっていた目を開けたその先には──



「シーエ? おい? どうした? 痛いのか?」



 少し心配そうな顔でこちらを見る、最愛の人がいた。無性にこみ上げて来る愛おしさ。何だろうか? 普段からエムジの事は好きだが、今はいつもより強烈に……一瞬痛みを忘れるほどに愛おしい。



 しかしエムジの顔を見て安心したのもつかの間、今度は頭に何かが入ってくる。



『──くせ──れわ──。──ょうおう──』



 ──遠くから声が聞こえる。何なのだ次から次へと。誰の声だこれは。

 痛みのあまり感覚がおかしくなったのか、幻聴を聞いたのか。いずれにせよ、脳裏に不可解な声が流れてから五秒ほどで鈍痛は波が引くように静かに治まった。



「……はぁ……はぁ」



 息が切れている。痛みのせいもあるが、先ほどの違和感の方が大きい。なんと表現したらよいのだろうか。今までのウチとは何かが違ってしまった様な感覚。でもその感覚にはどこか懐かしさがあって……。



「おいどうしたシーエ。いきなりうずくまるなよ。驚くだろ」


「すまんすまん。ウチにも何がなんだか……。とんでもない頭痛がしてさ。何か変な病気とかだったら怖いし、後でバニ様に観てもらうよ」


「ああ、それがいいな。そうしろ。それにしても頭が破瓜でもしたみたいな苦しみ様だったな」


「あ、その言い方面白いな。採用! 頭の生理がつかない、ってね」


 とりあえず軽口の応酬が出来る位には回復した。……あれお前破瓜の痛みに悶える人の様子知ってるの?? え、誰かそういうお相手がいたり?? ん??



 何か急に不安になってきた。不安に……




 不安に。




 エムジと話してるととても落ち着く半面、何故か不安になる。それと共に、謎の申し訳無さも……。さっきまではそんなこと全く無かったのに。何この感覚。


 どうしようもない過ちを犯してしまったような、エムジに何かを謝らないといけないような奇妙な感覚。




 ごめんね。寂しい想いをさせて、ごめんね。残される側は、つらいよね?




「……?」


「どうしたボーっとして」


「あいや……あそうだエムジ、お前確か録画デバイス内蔵してたよな? この辺危険だから帰った方が良いのは賛成なんだけど、ヱレームの死骸は撮っておいて欲しいんだ」


 奇妙な感覚はさっきからぬぐえないが、それと共に妙に頭が冴えている感覚もある。何だろうか、冷静さが上がったとか、そんな感じ?

 今までのウチなら特に心配してくれないエムジに腹を立てたりもしたのだろうが、今は特にそんな事も気にならない。



 やるべきことを、やろう。何をすべきか考えよう。最悪の未来を回避するために。もう二度と間違えないために。



 そんな考えが頭を支配する。最悪の未来って何だし。

 つかエムジから返事がないな。文献に乗ってないヱレームだし、そこはウチへの意地悪とか置いておいてネブル発展のために録画して欲しいんだが。


「エム──」


 出かけた言葉は喉の奥に引っ込んだ。エムジが真っ青な顔をして一点を見つめている。ウチの、後ろを……



 カシャコウ……



 背後から不気味な音が聞こえる。初めて聞いたはずなのに、なぜか聞きなれた音。ウチの脳裏に刻まれた恐怖を掻き立てる、音。


(嘘、だろ?)


 どこで恐怖を刻み込まれたのかも解らない。ウチはこれとは初対面のはずだ。仮想空間での実技訓練では何度もこれのお仲間にはお目にかかっているけど、怖いと感じた事など……。



 ジジジジ……ピーピピピ



 振り返った背後には信じられない光景が広がっていた。壊れたラジオノイズに火花が混じったような音と共にそこにいたのは……



挿絵(By みてみん)



 ピューン、ガガガガ



 ディスクドライブが回転する音の後、モーターが回転する音も加わり、それはゆっくりと、起動を始めた。



 ヱレームが動き始めている。



 数百年単位で使われていなかったはずのさび付いた機構が、ぎしぎしと歪み音をあげ、それでも駆動を開始しているのだ。

 多足類の下半身に人の上半身、異形の構造の機械構造物は鋼鉄の職種がイソギンチャクの様に生える口を開き、確かに産声を上げている。



「おいシーエ……こりゃいったい……」


「まさか……今の地震でネットワーク端子が流れ込んだ……のか?」


 それくらいしか考えられない。いや、だとしてもおかしい。その程度で流れ込んできて、ヱレームが動けるなら、ネブルはとっくに……。

 いや、今考えるべきはそんな事じゃない。起きてしまった事象の理由なんか後で良い。今は、これからどうするか。



 キュイン



 両目の役割を話して居る色式学観測装置が──周囲を認識し始め、ついにウチらを補足した。



(まずい!)



 ヱレーム──彼らのことで唯一にして現在判明していること、それは『機械でありながら生物に限りなく近い機構をしている事』。それも大事なのだが、今はもっと大事な項目がある。




 ──彼らは、有機生命体を、殺戮する。




 その強靭な鉄の躰と、冷酷な鉄の知能を駆使して──



「逃げるぞエムジ!」


「……ああ!」



 ともかく逃げなければ。それが今ウチがやるべき事だ。最悪の未来を、回避するために。


■キャラ立ち絵 シーエ・エレメチア


挿絵(By みてみん)


■キャラ紹介 ※本紹介は本家ゼロマキナの物で、紹介文の内容は頭痛前までのシーエとなります。


挿絵(By みてみん)

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[良い点] わかりやすくてスッと入ってきました [気になる点] あくまでも個人的意見ですが 「脳天からたけ割り」は 「脳天唐竹割り」と漢字表記のほうがいいかもです。 「脳天から、たけ割り」に一瞬空目し…
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