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【番外編】アルフィナとアンネリ

「……ねー……ねぇね……ねーた」


 将来はお転婆娘確定のアンネリが初めて喋ったのは、調子が悪いのが続き、ぐずぐずと泣いているアルフィナのベッドの上だった。


「ねぇね、いーこ、いーこ」


 撫でるのは出来ないのでポンポンと叩いたのだが、ベルンハルドやアルフレッドは驚く。


「えぇぇぇ! アンネリが喋った!」

「アンネリ? もう一回言ってみて?」

「ねぇね、あにゅ、だ〜しゅき! ねぇね、あんにゅ、いこ!」


 アルフレッドは、アルフィナを抱き上げ微笑む。


「アルフィナ? アンネリがアルフィナを『お姉ちゃん、大好き』だって。『泣かないで』って言ってるよ?」

「アンネリ?」

「ねぇね! いーこいーこ!」




 普段、アルフィナは良くアンネリの頭を撫でて、


「いい子いい子、アンネリ、いい子。大好き!」


と言っていたのを覚えていたらしい。


「ねぇね、いーこいーこ。あーい」

「アンネリ……だいしゅき! ね、ねぇねも、アンネリ大好き!」


 お互い頭を撫でて、アンネリは満足したのか、ハイハイをして、叔父のベルンハルドの元に行き抱っこをせがむ。


「ハイハイ。アルフィナ? 泣かないでいいよ? 疲れたんだから、ゆっくり休んで。アンネリだけじゃなく、皆アルフィナ大好きだからね? 元気になったら、お兄ちゃん達と皆でお出かけしようね?」

「あいっ」

「アルフィナ? 今日はお父様と寝ようね? 無理に頑張らなくていいんだよ? お父様はアルフィナ大好きだからね? それに、無理に頑張っているより、セシルやフェリシア達とニコニコ笑っている、お父様やお祖母様とお話ししてくれるアルフィナでいいんだよ?」


 アルフィナを抱きしめ、あやすようにする。


「大好きだよ。愛しているよ。私の可愛い娘……おやすみ。次目を覚ましたら、気分が悪いのが良くなるからね……」

「おとうしゃま……アユフィナもだいしゅき……」


 しばらくして、アルフィナの寝息が聞こえてきたのだった。




 そしてアンネリのおしゃべりは、アルフィナと叔父のベルンハルドの口癖から始まり、


「はぁぁ……どちて、あにゃにゃえのおにゃにゅななよう! 兄にゅえと母にゅえにょ、ウニャウニャ」

「よく覚えてるね……ベルンハルドの口癖」


ルシアンは楽しげに笑う。




 幼い子供達の成長を、周囲は温かい目で見守っているのだった。

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