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神への道……アーティス

 その頃、妹のアマーリエが結婚したと言う噂が届いた。

 多分、あの美しい赤銅色の髪の男だろうと思った。

 妹は前の結婚は不幸だった。

 今回は心底、本当に幸せになって欲しいと思った。


 アーティスは、身につけている腕輪の中にある神の力を確認しながら、この国にある程度の力が広まっていると日々確認する。

 特に感じるのは地図を見てみると、地図にある村や町の教会……そこには神の力もあるがその力を広げるような人々の信仰心。

 それを一つ一つ訪ねることも考えたが、それよりも、一番強く感じる場所が気になった。




「ここはどこだろう?」


 最初の日、妹の屋敷から宿に戻っていた途中に幾つかの屋敷があり、そこには、門が閉ざされ見知らぬ封がされている。


「奥から魔術師長ルシアン様の屋敷、外交官のルーファス様の屋敷、手前が騎士団長ラインハルト様のお屋敷です。ですが、ルーファス様の愛娘であり、聖女フェリシア様への余りにも理不尽な行為に、お怒りになられた皆様が、屋敷を魔術師に封印して頂いたと聞いております」

「ふーん……」


 見事な屋敷を封じている、いや、この屋敷に勤める者や、住まう者は出入りできる。

 しかし、関係のない人や害そうとする者は、絶対に出入りができないようになっている。

 家の手入れは出来ているのだが……。




 違和感がある。

 いや……。

 感じるのだ!


「この屋敷の地図はないか?」

「それは……公爵家の屋敷なので、そういったものは無理だと思います」


 執事は遠慮がちにいう。


「では、この屋敷で働いたという者は……いや! この国の歴史書のある図書館に案内してくれるように、伝えてくれ!」

「は、はい」


 そう伝えたアーティスは、図書館に許可を得て籠り、調べていった。

 執事や仕える修道士達が心配する程食事もさほど取らず、三つの公爵家の歴史を調べていき、そして、あるページにたどり着き、叫んだ。


「あった! あの場所に、きっといらっしゃる! もうこれ以上間違いはない!」


 立ち上がり喜ぶと、今度は身を清め、執事に伝えた。


「アマーリエの屋敷に行く。今回は、きちんと枢機卿として出向くから正装を頼むよ」

「かしこまりました」


 執事は頭を下げるが、


「ですが、出向く前にきちんと食事をして下さい。お話の途中にお腹が空いたとなっては、恥ずかしいですよ。坊っちゃま」


 老齢の執事は、母国から教会に出向く時に連れてきた者で、忠誠心が特に厚い。

 そして、わがままを言っても、一刀両断である。

 アーティスは素直に頷いたのだった。

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