ファンタジーから、現実へ。
僕は、生きた。
これから連なっていく数々の人生の中に、飛び込んでいく決意をした。
それが何を意味するのか、それがどこへ向かって行くのかは分からない。
ただ、これからは生きよう。
そう、思った。
ーーー
明日はどこへ行こう。
そう考えて生きることが多かった。
明日があるかどうかもわからにクセに。
のんきだった。
ただ生きることに無防備で、何をしても散漫で、何にも集中できなかった。
それが迂闊であると同時に、僕の人生を大きく変えてくれていた。
一日は長い。
一日は短い。
相対性理論で言われているように、自分の考え方で一日の長さなんて変わってくる。
なのにそれを無防備に垂れ流していた。
後悔しても遅い。
気づいたなら、動かなくてはならない。
戻ってこない。
戻ってこないんだ。
動け、動け。
明日は、来ないかもしれないんだ。
今日、動け。
今、動け。
今、生きろ。
今、表現しろ。
今、駆け出せ。
今、信じろ。
今、愛せ。
今、今。
今がココにあることは間違いなかった。
でも、苦しみや憎しみがそれを感じさせないようにしていた。
どうして。
どうして後悔しなくちゃならないんだ。
こんなに、頑張ってきたのに。
おかしいじゃないか。
頑張ったんだ。
だけど、間違っていた。
間違っていた、というよりも、勘違いしていた。
助けてほしい。
ここから、踏み出すために。
ここから、羽ばたくために。
僕は、僕は、生きている。
生きているから、どうしても伝えたい。
生きている自分を、知ってほしい。
ここにあるのは、ただ、それだけの思い。
何も求めなくていい。
何も必要としなくていい。
ただ、生きているだけでいいはずなんだ。
そう教えられてきたじゃないか。
なのに、そうはいかなかった。
なぜなのだろう。
誰も、真実は教えてくれなかった。
生きているだじゃダメだ。
役に立て。
金を稼げ。
何かしろ。
何かしろ。
何かってなんだ。
おかしいじゃないか。
言っていることと、求めていることが違うじゃないか。
どっちが正解で、どっちが正しいの。
教えてくれ。
教えて。
嘘つきだらけなのか。
違うって、知ってる。
ーーー
これが、僕の、物語の、始まりだった。




