表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

魔王me―異世界魔王ライフ―

凩組のゴショウさんです。

今作から頑張って真面目に書いていきます。

よろしくどうぞ。


人は死ぬとどこへ行くのか?

その答えを今知った。


真っ白な空間。それが答えだった。


25歳。男、独身。


人の言うとおりに育ち

人の言うとおりに働き

人の言うとおり生きた。


クソつまらない人生が突如

原因不明の病気で幕を下ろした。

そして、ここにいる

ただ、これは特例のことなのかもしれない。なぜならば


「原因不明っていうか、まぁ私がやったんですけどね!」


真っ白な羽を付けた天使?に、ケタケタ笑いながらドヤ顔で殺した宣言されたからだ。


「あああ、おこらないで、おこらないで。ちゃんと理由があるんですぅ〜」


「ほう。ききましょう」


天使?は、一変して困った表情で話始めた。

正座までし出した。


「実はですね、最近とある世界で恐ろしい魔王が召喚されつつあるんですよ。」


魔王。うっわいきなりファンタジーじゃん。


「流れ的に、死んだ人を転生させて勇者にしよう、とか良くある話?」


「そうそう!」


なるほど。

しかしそれならひとつ疑問がある。


「何故死んだ人でなく生きてる俺を殺して呼んだの?」


当然聞かなくてはいけない部分である。


「それが・・・」


天使は泣きながら俺にしがみついてこう言った。


「転生させた人みぃんな魔王倒せる気配がないのよ!!」


・・・まぁ、その答えは予想はできたよ。


「エルフとか獣人とか!人間離れした女の子にメロメロで修行しなかったり!」


おぉ、そんな女の子がいるのか、期待しちゃうぞ。


「無謀な挑戦して死んじゃったり!」


せっかく転生したのに無茶して死ぬなんて馬鹿なやつもいたもんだ。


「魔王召喚までもう時間ないの、誰かが死ぬのも待ってられないくらい!もうこの際ね、急遽つまんなそうに生きてる人を殺して無理やり最強の能力とか持たせて転生させてしまおうってなったわけなんです!」


「そんな無理やりなことして大丈夫なの?」


「お気に入りの世界が滅ぶよりマシだもん!とにかく、こうやって話してる時間も惜しいんです!能力については説明書を手に持たせておくから、向こうに行ってから読んでください!じゃぁ行きますよ!?」


体が光に包まれて徐々に消えていく。


「え、まって今すぐ!?」


「時間ないって言ったでしょ!ちゃっちゃと鍛えて倒してきてね、その後はその世界で幸せに暮らしていいから!」


「そんな急に、ちょっなにこれ体消えてる!怖い怖い、わぁぁあぁぁ!!」



俺の意識はそこで途切れた。













周りには奇妙な赤い光。

赤いローブを着用した怪しげな人々がゆらゆらと炎の揺れるろうそくを手に俺を見ている。

顔は、見えない。


途端に、ザッと音を揃えて一斉に跪いた。


「大魔王様!大魔王様ーッ!!」


口々にこう叫んだのだ。


異様で不気味な雰囲気にこちとら滝汗だよ?ここどこだよ?大魔王様ってなに?俺のこと?ていうかお前ら誰!?


そんな俺の疑問をよそに、周りの人々はササッと二塊に分かれ、道を作った。

呆然としていると、1人の娘が開けられた道を歩いてきた。しかも、超絶美少女。目も髪も薄いピンク色。腰まである長い髪。細くスラッとした体つきだが背は低く、高校生・・・いや、中学生?といった年齢だろうか。


「生贄にございます!どうぞ、お好きな様に!」


・・・え?好きにしていいの?こんな可愛い子を?いいの?俺だって男だ、そんな事言われると・・・


そこで、今更ながらあることに気がつく。

体が動かない。というか、体が無い。

というのも、俺は意識と聴覚、視覚があるだけで、他には何の感覚もなかったのだ。


俺は光の球体になっていた。

それは輝かしいものではなく、どす黒く吸い込まれそうな不気味な光。


なにこれ?


聞こうにも、言葉も出ない。

目の前にこんなに可愛い女の子がいるのに・・・好きにしていいと言われているのに何も出来ないだと?こんなの生き地獄じゃないか!あんまりだよ!餌のお預けをくらってる犬じゃあるまいし!

ええい、せめて女の子からこっちに来てくれ!


そう言うと俺の体?光?が大きくなったのを感じた。


次の瞬間、女の子の体がグンッと俺に引き寄せられた。


「きゃっ!?」


突然の出来事に悲鳴を上げる女の子。あまりにいきなりだったので踏ん張る隙もなく俺にぶつかった。




..





・・・どうなった?

頭が痛い・・・


・・・・・・・・・。


頭、頭が出来たのか?


俺は痛む頭を抑えた。

ふわりと柔らかい髪の毛が手をくすぐる。

・・・・・・もしや?


そう思い、髪の毛をつかみ目視する。


薄く、長いピンク色の髪。胸・・・は、なくはない。何より決定的だったのは、エレファントがないことだった。


・・・そう、俺は生贄の女の子に乗り移っていた。


「・・・まじか」


可愛い声でそうつぶやくと周りがざわついた。


「おぉ!憑依なさったぞ!」


「さすが大魔王様!」


「大魔王様!大魔王様ーッ!!」


そう言ってまた俺を囲いペコペコと土下座する男達。

今の状況だけ見ると、可愛い女の子を崇拝する奇妙な集団になっているぞ。


「大魔王様ってなに・・・ん?」


質問しようとすると足に何かが当たる。

『最強の能力説明書!絶対読んでちゃっちゃと魔王倒してね☆』

と書かれた本だった。

そう言えば俺魔王を倒すために勇者に転生させられる予定だったんだよね?

冷静になって現状を分析する。


どうやら俺はなんの手違いか

勇者ではなく魔王に転生したようでした。


あれ、これって俺が世界滅ぼさなけりゃ問題解決?







決めた!

俺、魔王の女の子になって異世界エンジョイします!





魔王討伐を目論む勇者、続々登場します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ