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最終話 大切な人
ラスト。葵視点です。
私には大切な人がいる。
同じ職場の新人社員。
想いを打ち明け合い初めての夜を迎え
改めて彼女を愛おしく思う。
性別なんて
まして年齢なんて関係なく。
彼女が傍にいてくれることが
こんなに胸を熱くし
喜びに満ちたものだなんて――
「君に恋してよかったよ」
まだ眠たげな彼女の頬に、短く口づけをした。
一緒に摂る朝食。
さ、食べようかと言おうと思ったら、
ふいに唇をふさがれた。
もうしょうがないな
彼女のはにかんだ笑顔に頬を緩めた。
桜宮です。長い間かかりましたが、200文字という制限の中、物語を紡ぎつづけました。途切れた時期もありましたが、葵と優希の物語に終わりを迎えさせることができました。ありがとうございます。
短編や詩を中心に今後も活動しようと思っています。遅筆ですが、ここまでお読みいただいた方々、本当にありがとうございました。