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ジュリエットは力持ち  作者: 瑞希
『ヒーロー大作戦』
18/23

『H☆O☆N☆B☆K☆K☆A』

「…ん…………………んんんんんんんんんんん?!?!?!?!!?!!?!」

本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本、本


本ばっか!!!!!!!!


気が付いたら私はとんでもなく広い…っていうか先が見えない馬鹿でかい図書館にいた!

ってか、こんな図書館ないでしょ!

え、じゃ、ここ、どこ?え?え?


「ハ…ハヤテ?!?!

 ハヤテぇぇええええええ!?!!!」


………………………


ハヤテどころか、誰も居ない。

その割りに、図書館は綺麗。

無味無臭?

食べてないけど。


誰も居ないのに、不思議と怖くはない。


とりあえず、周りを見渡してみた。

やっぱり本しかないので、適当に題名とかを眺めてみると、悪魔とか天使とか魔法とか能力って書いてあった。


「……………これはもしや。」

在るには在るが無い部屋なのでは…?!

そっか!

これたぶん、能力レジで作られた空間なんだ!

どんな原理なのかはさっぱりだけど、多分、そういうことだ。

それなら合点がいく。

誰も居ない事も、綺麗なことも、こんなに大きいことも!


「では早速!」

……………まずは、悪魔から読もうとしたが、大きすぎて地面に置かないと読めなかった。


悪魔リビドー

生命が妖に囚われ堕天した姿。

磁界へ向かう。

記憶や理性など、何かを失い力を得る。

その為、魔法を扱える。

更なる力を求め力を持つものを襲う。

憐れな生き物だ。

普通に倒されては生命に成ることはできなくなり、自らも妖となる。

妖の契約印である、刻印を破壊することで、彼らは死ぬが再び生命と成れる。

生きた状態で元に戻す方法はないと考えられる。

リスト

―――――――――――――――――…………



そのあと、すべてのページは恐らく悪魔になったであろう人の名前とかが書いてある。

けど、読めなかった。

読めないようにされてあった。


……………………気を取り直して、天使を読んでみたが、ほぼ同じないようだった。

磁界とかいうのが、魔界へ変わって。

堕天が昇天に変わってただけ。


……………………!


私は、あることに気が付いてしまって戦慄した。

何度振り払おうとしても、どう考えたってこういうことだ。


天使は私達が昇天した姿。

そして悪魔も人間。

きっと…異世界の。

能力レジを使い続ければ――――私達も?


私は、ハッとして妖に関する本を探した。


けれどもその周囲には見当たらない…………………いや、違う。

題名の読めない本が、数冊あるのだ。

………………読めないようにされている?

何故?誰が?何のために?

……………………………知られたくないようなこと?

音澤家が…?


考えを巡らせてみても、妖を知られることが音澤家に不利になるとは思えない。

…そもそも、妖がどういう存在かも解らないのだ。

「敵?味方?」


………………いや、妖と契約したことで悪魔に堕天したということは…敵でも味方でもない?

…そういうことね。

妖は恐らく、私達を含む力そのもの。

私達が器だとすれば、対価というエネルギーを代償として、水という力を器に注いでくれているんだろう。

そして、水が溢れるか、エネルギーが底をつくか、器が壊れるかすると、悪魔か天使になってしまうのだろう。


何事もバランスが大事ってよく言うもんね。

とりあえず、生きている間は無茶しなければ大丈夫そうだ。

死ぬ間際にどうなるかは知らないけど。

…でも、契約すれば一発で強くなれるってことか…。


「まっ、私には必要ないけどね~♪」

あ、そっか解っちゃったかも!!!

エミヤさんとカレンが戦ったっていうのは、たぶん妖だ!

それならリミッターを持てたことも、力が使えたことも納得!


いや、でも、…………何で襲ったんだろ?

契約させるため?

誰と?


…………………………エミヤさんと?


「ありえーる。」

有り得る。

エミヤさんは、たぶん器も大きければエネルギーも大きい。

だから強いんだと思う。

そんなエミヤさんと契約できれば、エネルギーをたっくさん貰える!

…たぶんそういうこと。


正解!っとか誰か言ってくれれば良いのに………。


私はそれからもう一冊だけを読むと、いつの間にか音澤の家で寝ていた。












「はぁ~。疲れた。」

やっと1日が終わりを迎えようとして、私は寝床へ倒れ込んだ。

あの変な空間に居たときも、そりゃ疲れたっちゃ疲れたけど…

それ以上に疲れたのはハヤテの説教だ!

何処にいってたんだ!とか、怪我はしてないか!とか、何があった!とかさ。

ホントそればっかだったよ。

何があったってそりゃ、あんたのとこの家の能力でしょうが!!!って言うね。

ハヤテはまるで知らないみたいだったけど…


「まあ、そりゃそうか。」

ハヤテは血だけで、家とは関係ないもんね。

その姓も冠して居なければ、能力も有していない。

だからこそ、音澤家は滅んだはずだった。


「なのに、エミヤさんが…」

現れたと思ったら、その血は悪魔に侵されていた。

それでも幸か不幸か、音澤の血は崩れることなく、遺憾なくその力を振るっていた。


…………いや、不幸か。


エミヤさんにその意思はないだろうが、悪魔側にその力が渡ったと思われても、仕方がない。

操辻家や柊家の擁護が、一体どこまで通用するのか…


あ、違った。

からさお家も居たんだった。

能力達の多くが持っている“リミッター”

能力の暴走を防ぐためのものだけど…その精製を担っている家系だ。

普通は私達の前へ現れることがないから、その姿を見たものすら少ない。


「…ま、」

私は異端ゼノだから、ふっつーに会ってるけど。

私にとっては普通に優しい人だ。それもダンディー…渋い感じの。


そうだ、大石おおいわ町に行こう。


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