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晴れときどき雨  作者: 蟻
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変わりゆく静穏な日常

「・・・・ちゃ・・兄・・・っば!!」

その声が聞こえた時、俺の耳からヘッドホンが外されていた。犯人は誰であろう妹の枯杷(かれは)である。ちなみに俺の名前は飯ヶ谷悠(いいがやゆう)である。

「どうした?枯杷」

「はぁもうお兄ちゃんゲームするのはいいけど、返事くらいすぐに返してよね」

「ごめんごめんって、んでどうしたんだ?」

「そうそうあのね、携帯のおーえす?のアップデートってどうすればいいの?」

枯杷は中学で学年一の秀才なのだが、電子機器にかなり疎いのである。

「んっとな、歯車のマークしたアプリがあるだろ?それをタッチしてOSのアップデート確認ってのをタッチすれば自動でアップデートされるよ」

「ほんと?ありがと。お兄ちゃん」

枯杷は用事が終わったようで、部屋から出ていこうとしたので、俺もやっていたVRMMOの続きをしようと思ったとき。

「そうだ。あと5分くらいでご飯できるから下に降りてきてねー」

「了解」

基本家にいるのは俺と枯杷だけで母さんは夜遅くまで家に仕事で帰ってこないので、家事は基本的に枯杷がしてくれてるのである。父さんはもう6年前に車の事故で亡くなった。


南風が吹き始める6月中旬の明朝

「こぶらッ!」

別に俺は蛇の名前を叫びたかったわけではない。枯杷が朝起きない俺に蹴りを入れたのだ。

「おはよーお兄ちゃん。そろそろ仕度しないと学校遅れるよ」

「おは、いつも起こしてくれてありがとな」

「別に気にしなくていいよ。朝ごはん下に置いてあるから食べて行ってね。じゃあ私は行ってきまーす」

「気を付けてなー」

枯杷は急ぎ足で階段を降りて行き、家を出て行った。

「ふぅ。俺も飯食って学校行くかー」

俺の通ってる私立梓倭高校(しりつあずさわこうこう)は地元では一番の偏差値を誇っている。しかし中学の頃からすでにネトゲをしていた俺では到底行ける学校ではなかったのだが、この高校は「文化交流」という言葉に弱いらしく勉強はあまりせずとも、ボランティアをしていた俺は運よく合格したのだ。しかし勉強はできないので成績は中の下と留年ぎりぎりなのである。ちなみに、枯杷の通う県立桜花中学(けんりつおうかちゅうがく)も地域上位に入る中学である。

「ふー、食った食った。んじゃあ俺も家出るか」

家を出ていつもの通学路を歩いているとき、6月の中旬頃に似合わしくない飄風(へうふう)が俺の日常を変えていく気がした。。。

To Be Continued

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