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黒雲に覆われる天空が夏の陽射しを遮っていた、重たい空気を炎と水が軽くしていた。

両極である事を楽しむかのように、互いを認め合う2人を見ていた。

その会話に澱みは無い、全てを理解してこそ成立つ世界だった。


「ちなみにユリカの段階は、上がってるのかな?」とリアンが獄炎ニカで私に聞いた。

『絶対に急がない、それが一番大事だから、あんまり進むと俺が寂しいし』とニヤで返した。

「昨夜ここを出た西橘で抱きしめられて、強く抱きしめ返して、そのまま抱っこで上まで上がった」とユリカがリアンにVサインで微笑んだ。

「うそ!そこまで進んでるのか」とリアンが笑顔で驚いた。

「なんか自然に抱き返せたよ」とユリカが爽やかに微笑んだ、私は本当に嬉しかった。

「怖くないのか?」とリアンが真顔で聞いた。

「他の人は分からないけど、エースなら目の前で裸になれそう」とユリカがニヤでリアンに返した。

私は飲んでいたコーラを吹き出しそうになるほど、驚いてユリカを見た。

「それで、触らせないって修行をさせようかと」とユリカが私にニヤした、リアンが唖然とした顔でユリカを見ていた。

『その修行は自信なし・・無理です』とウルウルで返した。

「あなたなら、で・き・る・わ」と可愛い爽やかニヤで返された。

「どう責任取るんだい、淫乱ユリカになったじゃないか」とリアンも最強獄炎ニカで来た。

「淫乱・・憧れの響き」とユリカが両手を合わせ、天を見るようなポーズで返した。

『憧れだけにしときなさい、3年早い』と笑顔でユリカを睨んだ。

「はい、先生・・3年後にはよろしく」と爽やかニヤで返された。

「3年後でもエースは16歳だぞ、ユリカはいくちゅかな?」とリアンがユリカに最強ニカを出した。

「私は永遠の20歳よ・・ね~」とリアンにニヤして、立って私に手を出した。

『そうだよ、ユリカは俺が追いつくまで永遠の20歳だよね~』と私も手を握って立ち上がった。

「7年後・・考えたくない」とリアンが獄炎ウルを出していた。

「リアンが、ユリ姉さんみたいになれてるかしら?」とユリカが私にニヤをした。

『それは想像できませんわ』と特訓中のユリさんの真似をしてみた。

リアンとユリカの大爆笑の笑顔を見て、《そろそろいいかな》とニヤしていた。


エレベーターに2人で乗り、リアンに手を振って別れた。

「少し早く出たの分ってる?」とユリカが微笑んだ。

『もちろん、どれがいいのかな?』と微笑んで返した。

「運動不足でしょ、あれがいいの階段上るやつ」と嬉しそうに可愛く笑った。

『了解、頑張ります』と笑顔で返した。

ユリカのビルの裏階段に行き、ユリカを抱き上げた。

『しっかり掴まってろよ、ユリカ』と笑顔で言うと。

「充電して、昨夜相当使ったから」とニヤで言って、強くしがみついた。

上り始めると、ユリカは圧倒的静けさで、吐息だけが首筋から感じられた。

私はゆっくりと登り、ユリカの香りを楽しんだ、何も考えずに足元だけを確かめた。

登りきると流石に少し汗をかいた、ユリカが顔を上げて。

「意外と男臭いのね」と爽やか笑顔を出した。

『嫌なの男臭いの?』とウルで聞いた。

「そんな事無いよ、それが嫌じゃない自分が嬉しいの」と爽やか全開で微笑んだ、ユリカの元気な瞳が嬉しかった。

私はユリカを優しく降ろし、昨日の事をもう一度謝ろうと思った。

「もういいよ、私も本当は嬉しかったのよ」と言って爪先立ちで頬にキスしてくれた。

私は嬉しくてニヤニヤ全開だった。

「口紅付けてないから、ご心配なく」とユリカがニヤした時にエレベーターが着いた。

ユリカに手を振って別れて、エレベーターの中でもニヤニヤしていた。

《やっぱり蘭とユリカは別格だな~と思って、カスミの貰った事無い》と贅沢な事を考えていた。


TVルームにはハルカとレンと久美子だけだった。

「何か良いことあったでしょう?」とハルカにニヤされた。

『教えない、ハルカも教えなかったから』とニッで返した。

「リアンさんにキスされたな」とレンがニヤできた、久美子が笑顔で見ていた。

『そんなに簡単には貰えません』とニヤで返した。

「でも驚いた~、あんなに情熱的な外見の人、初めて見たから」と久美子が微笑んだ。

『内面はもっと熱いよ、怖いくらい』と微笑んで返した。

「エースにまた礼を言わないとな、四天女と呼ばれる人にこんなに早く会えて」とレンが笑顔で言った。

『いずれ会えたよ、レンならね・・俺は相当レンには期待してるから』と微笑んで返した。

「了解、がんばるよ」と可愛く笑った。


時間になり久美子がレッスンを始めた、レンとハルカと予約確認をした。

「そうそう、お祭りの話聞いた?」とハルカが私に聞いた。

『もしかして、美人コンテスト?』と聞き返した。

「そう、大ママもユリさんも渋々承諾したって昨日話してた」とハルカが微笑んだ。

『そっか~、リアンとユリカが話してるのは聞いたけど、見せ物みたいで嫌だと言ってたよ』と真顔で返した。

「私だったら絶対に嫌だな~野次とかあるだろうし」とハルカも真顔だった。

「PGは20歳~24歳って誰を出すか、エースに決めさせるってマダムが言ってたよ」とレンが私にニヤした。

『考える必要なし、酔った客を黙らせる程の、最終兵器を出す』と微笑んで返した。

「なるほど~、勝ちに行くんだね」とレンがニヤで言った。

『当然、PGの名に賭けて、魅宴や他の店には負けれん』とニヤニヤで言った。

「あとはあなたの交渉次第だけど、なんか簡単にOK取りそうね」とハルカもニヤした。

『私にまかせてもらいますわ』とユリさんの真似を試してみた。

ハルカもレンも大爆笑で、久美子がこっちを見て笑っていた。

「ちょっと、絶対それも禁止だからね」とハルカが脇腹を押さえて笑い。

「絶対、本人の前でやるなよ」とレンも止まらぬ笑いの中で言った。

《完成した~》と私は拳を握っていた。


タバコを買いに出て、ユリカのビルで立ち止まり、見上げた。

最上階の上の空には、黒雲の勢力が増していた。

《ユリカ~本当に嬉しかったよ、また貰えるように頑張るね~》と囁いてタバコを買い、帰りに見上げて。

《ユリカあのね、本当は口紅付いた方が嬉しいかも~、ユリカ無理するなよ~》と囁いて帰った。

自分担当の最終チェックをした、久美子が初めてジャズを弾いていた、私は座って聞いていた。

《生演奏のジャズピアノ、最高の贅沢だな~》と思って目を閉じた。

久美子が奏でるジャズの淋しげな調べが誘ってくれた、瞑想の画面には蘭の泣顔が浮かんできた。

《2度と泣かせたりしないから、蘭・・笑って》と呟いていた。

久美子が弾き終わって、TVルームに行くのに追いついた。

『最後の曲何ていうの?』と笑顔で聞いた。

「サマータイムだよ、どうだった?」と微笑で返してきた。

『凄く好きだった、久美子ジャズも良いね~』と笑顔で返した。

「好きなの、クラッシックだけやると精神的に疲れるのよ」と言って。

「ここなら堂々と弾けるから嬉しくて、学校じゃ人目を盗んで小さくだから」と笑顔を見せた。

『どんどんやってよ、ジャズも他のも』と微笑んでTVルームに入った。


TVルームにはマダムとユリさんとマリアが来ていて、レンとハルカがおやつの、たい焼きを食べていた。

『ひどい、先におやつ食べて』とマリアの寝顔を確認して、ハルカを笑顔で睨んだ。

「久美ちゃんの演奏聞きながら、寝てたから起こさなかったのよ」とハルカがニヤした。

『一流の選手は瞑想して集中を高めるんだよ、それに久美子が眠い曲弾くから』とニヤで返した。

「その変わり身は、伝説通りね」と久美子がニヤで私を見た。

『可愛い久美子ちゃん、たい焼き俺の分も食べる?』とウルで言った。

「あら、その話聞きたいわ、もしかして貸しかしら?」とユリさんも薔薇ニヤで私を見た。

「まだ貸し状態です、次で1つ出します」とニヤで私を見た。

「いくつ位あるの?」とハルカがニヤで聞いた。

「私が知ってるだけで、15は有ります」と久美子がニヤで言った。

「楽しみだね~」とハルカがニヤニヤで私を見た、私は全開ウルで久美子を見ていた。

「ヨチヨチ、久美子お姉さまって呼びなさい」と可愛いニヤで返された。

『久美子お姉さま、可愛い久美子お姉さま』とウルウルで言って、皆に笑顔で見られていた。


「お祭りのイベント、本当にカスミちゃん大丈夫と思ってるの?」とユリさんが真顔で聞いた。

『今のカスミなら絶対大丈夫だと確信しています、そしてもう一段上がるんじゃないかと思ってます』と真顔でユリさんに返した。

「あなたがそう言うのなら安心ね、当然当日は側にいて下さいね」と薔薇で微笑んだ。

「カスミ姉さんまた一段上がるのか、怖い」とハルカが言った。

「エースが上げてきたのか、凄いよな~本当に」とレンが微笑んだ。

『俺は何もしてないよ、カスミが出し惜しみしてたのを出させただけ』と微笑んで返した。

「でも次の段階は、あなたが希望した物ですね」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

『カスミが美を追求してきて唯一後悔していた部分を、自然に出るようにしてやりたい、それだけです』と照れて返した、ユリさんが私を深い目で見ていた。

「2学期になっても、夜少しは来れますか?」とユリさんが聞いた。

『もちろん、蘭の側にいる為に親父に謝る覚悟が出来たし、蘭に成績も上げると約束したから』

『毎日来て、エミと勉強します』とユリさんに微笑んで。

『マダム、蘭に少しでも自分の稼いだ金を渡したいから、仕事もさせて下さい』とマダムに頭を下げた。

「当たり前や、ここでさせんかったら、魅宴でバイトしそうだからな」とマダムも笑顔で返してくれた、私も笑顔で頭を下げた。

「よかった~、心配してました、あなたらしくない結論を出しそうで」と薔薇で微笑んだ。

『リアンとユリカが教えてくれました、常識の外で良いんだと、それ位の覚悟がいるのだと』と真顔で返した。

「私達はユリカの事は最高点であなたを評価しています、昨夜のユリカを見て嬉しかった、その感性を受入れた姿が輝いていて」と嬉しそうに薔薇で微笑んだ。

『ありがとうございます、そうそう、ユリさんにお願いがあります』と最後はニヤで返した。

「怖いわね~、何かしら?」と薔薇のまま聞いた。


『最後の挑戦者は、その名を貫く為に次は、妖艶な氷の瞳の訳を探しに行きます、許可を願います』と頭を下げた。

「許可します、氷まで分ったのなら大丈夫でしょう、でも手強いですよミチルは」と薔薇で微笑んだ。

「きた~」とハルカが笑顔で言った。

「もしミチルの心が開いたら、私はミチルの友として、特別にあなたに何かを贈ります」と薔薇の笑顔で言った。

「ワシも特別ボーナスを出すよ、ミチルなら」とマダムも笑顔で言った。

『やはり最高難度、氷河の温もり極寒の輝き、吹雪に隠された優しさ、難解なりミチル』と感じたままを言って、ユリさんに微笑んだ。

ユリさんは私を見ていた、久々に見る真剣な深い眼差しで、大切な言葉が来ると思っていた。


「ミチルは敗れたのではない、自らが望んで敗北を選択ました。

 決断の時、人は自らの幸せを選ぶとは限らない、それ以上の愛も存在する。

 あなたの今の表現で、私は心から期待します、挑みなさいそれこそが最後の挑戦者です」


最後は薔薇で微笑んだ。

『やってみます、その万年雪の積もる氷河を目指して』と真顔で返した、ユリさんが嬉しそうに薔薇の微笑を返してくれた。

「深すぎて、ついていけない」とハルカが笑顔で言って。

「ハルカは幸せだよ、こんな練習ロボットがいるから」とレンが笑顔でハルカを見た。

「まぁその位はやってもらわないと、伝説が泣くよね、チャッピー」と久美子が微笑んだ。

「チャッピー、お前が台風桟橋のチャッピーか!」とレンが驚いた。

『レンそれはギリギリセーフだよ、皆知ってるから』とニヤで返して、マダムを見た。

「もちろん、ハルカから聞いたよ」とマダムも笑った。

「私も面白伝説あと2つ知ってるよ、良かった1番軽いの出しといて」とレンが私にニヤで言った。

「あれが1番軽いの、他がどんなに面白いのか想像もできない」とハルカが笑って、皆で笑っていた。


私はユリさんのヒントを必死に頭に入れた、ユリさんらしい難しい表現のヒントを。

そして、マダムまで乗り出した事に、かなり重い何かが有る事も感じていた。

ただ私は先入観を捨てる練習は出来ていた、ユリカという常識外を愛するうちに。

そして、少し自分を信じてみようと思っていた、誰かの言葉でなく自らの感性を。

感じたままに伝えるしかない、その唯一の方法に賭けてみようと思っていた。


このユリさんのヒントに隠された深さに、私は感動する。


そして人を、本当に愛する時の決断に驚愕する。


その深い優しさの引き換えに得た、悲しみに触れ恐怖すら感じる。


愛の選択で得た、氷河の瞳・・・絶対零度・・氷のミチル。








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