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氷河

後悔を背負う未熟さを、愛する者に救われていた。

絶対的安らぎで、未熟な後悔をを包んでくれていた。

私はその温もりと香りで満たされて、眠りながら泣いていた・・嬉しくて。


翌朝爽やかに目覚めた、蘭が胸の上にいた、笑顔の寝顔が可愛くて暫く見ていた。

静かに腕を抜き、蘭を枕に乗せて、洗面所に行った。

歯を磨き、鏡を見ると唇にほんの僅かに、口紅の跡があった。

《蘭可愛いな~、もったいないな~》と思ってニヤニヤしていた。

『えい!』と声に出して気合を入れて、顔を洗った。

朝食にトーストとスクランブルエッグとベーコンを焼いて、レタスとみかんを半分に切ったのを皿に並べた。

「おはよう、なぜだろう背中合わせは、良く寝れる」と蘭がニヤして洗面所に消えた。

朝食を準備して、蘭を待っていた。

「半分みかんが、素敵」と満開で笑って、2人で朝食を食べた。


『これを今回の最後にする、蘭、本当にごめんなさい』と真顔で頭を下げた。

「よし」と満開で微笑み、「そしてありがとう、本当に嬉しかった」と笑顔で言った。

「あんな事、リアン姉さんかユリカ姉さんにしか、しないだろうから」と蘭がニヤした。

『もちろん、その2人にしかしないよ』と笑顔で返した。

「リアン姉さんの話す顔に、嫉妬した、そんな時間を過ごした事に」と小動物で舌をだした。

『蘭とリアンは本当に似てるね、昨日再確認したよ』と笑顔で返した。

「あんたの女なんだろ、リアン姉さん」とニヤニヤで来た。

『言葉のあやだよ、そう言うしか、なかったんだよ』とニヤで返した。

「でもリアン姉さんに似てると言われるのが、私への最高の褒め言葉だよ」と満開の笑顔を出した。

『リアンもそう言ったよ、蘭が似てるって言われる事がってね』と笑顔で返した、蘭の満開が咲いていた。


『自分だって、豊兄さんと腕組んだくせに、俺も嫉妬した』とニヤで言った。

「そりゃ~、組んでみたいでしょう、あの男なら」とニヤニヤで返された。

『やっぱり、わざとか、ユリカもそう言ってた』とウルで返した。

「豊君には嫉妬なんかしないくせに、分ってるんだから」とニヤで返された。

『正解』と微笑んで、蘭の笑顔を見ていた。

「カスミに自慢するのを忘れてた、悔しがるぞ~あ奴は」と蘭が楽しそうに微笑んだ。

『あなたの幸運に嫉妬したって、言われるよ』とニヤで返した。

「楽しみ~」と言って満開になった。

蘭を見送り、朝の仕事をして日記を書いた。


その日の最後に、こう記している。

【絶対に忘れてはいけない。

 蘭の震えも、そして心を引き裂かれた、あの涙を。

 ユリカの痛い涙も、その心が感じた不安も、最後まで抱かれながら守ってくれた事も。

 そして、あのマリアの両手ペチも・・・絶対に忘れてはいけない】


バスで出かけて、若草通りを歩いて、開店準備をしているカスミを遠くから見ていた。

エプロンをして、ミニのワンピースで可愛いカチューシャを付けていた。

輝いていた20歳の圧倒的美を見せつけながら、通行人に笑顔を振り撒いていた。

《確かに凄い戦力だな、あの笑顔だけでも》と思って、声をかけずに背を向けた。

「明日も見に来いよ~、嬉しいから~」とカスミの声がした。

振向くと輝きの中にカスミの笑顔があった、私も笑顔で手を振って別れた。


靴屋を覗き、蘭に手を振って、ローズに歩いた。

少し黒雲の多い、空気の重い日だった、しかし私は快晴の気分で歩いていた。

突然腕を組まれた、昨夜と同じ着物を着たミチルママだった。

『脅かさないで下さいよ~、気が弱い少年を』と微笑んで言った、ミチルも艶やかに笑った。

私は多分この行為は、海竜との一件を聞いたな思っていた。

「気が弱いの~、可愛いわね」とその笑顔の艶やかな美しい顔に、見惚れていた。

しかし、その目の光がどこか出合った頃の、カスミのような拒絶の光を感じていた。

『いけませんね~、朝帰りは』とニヤで返した。

「そんな色っぽい事最近無くて、寂しい限りよ」と私を見て艶やかさを強めた。

『俺、未経験だから優しく教えて下さい』とニヤニヤで返した。

「いいよ~、今回のお礼なら、それ位の価値があるわ」と艶やかニヤを出した。

『怖いんですけど、夢中になりそうで・・氷の瞳が』と微笑んで感じたままを口にして、ミチルを見た。

その言葉でミチルが私を見た、その氷の瞳を見て背中に何かが走った。

寒さでも冷たさでもなかった、得体の知れない温もりを感じた。

ミチルは私を見つめたまま動かない、その氷の奥の確かな光を見ていた。

絶対的に高い位置に存在するであろうミチル、その地点にしか存在しない氷河の輝きを見ていた。


「よし!いいでしょう・・ユリが言って事に嘘は無かったね」と前を見て言った。

『初めて会いました、同世代でユリさんを呼捨てにする人を』と少し驚きながら、ミチルを見た。

「同学年で、夜街デビューも同じだし、仲良しなのよ」と私を見て妖艶に微笑んだ。

その言葉で確信した、相当の高い位置に存在する者だと、溶けない万年雪の上にいると。

『ここだけの話しですよ、誰にも絶対内緒ですよ』と私はミチルの目を見て微笑んだ、ミチルも楽しそうに頷いた。

『ミチルママの方が、5歳は若く見えますよ』と耳元に笑顔で囁いた。

「あなた、良い子ね~私の店もフリーパスにしてあげる」と妖艶ニヤできた、瞳は氷の輝きを放ちながら。

『ラッキー、ちなみにお店は』と笑顔で返すと、名刺を出して渡された。

『このビルTOP3のビルで、最上階ですか?』と笑顔で聞いた。

「そうよ、あなたはTOP3最上階を完全制覇よ、おめでとう」と妖艶に笑った。

『遊びに行きます、妖艶な氷の謎が知りたいから』と真顔で言ってみた。

「いいわよいつでも、但し覚悟してね、今までの経験は通用しないかもよ」と腕を離し微笑んだ。

『俺の称号知ってます?』とニヤで聞いた。

「もちろん、最後の挑戦者・・素敵な称号ね」と妖艶なまま、氷の瞳で私を見ていた。

『称号を貫くには、避けては通れぬ人だと思ってるんですけど』と真顔で瞳を見ながら言った。

「楽しみに待ってるわ」と妖艶笑顔で背中を向けた。

その背中を見送りながら、《世界は広いな~楽しみだな~》と思って見送った。


ローズに着いて、昨日開かなかった重たいドアを押した。

ドアは開き、中に進むとリアンが昨夜と同じ位置に座って、獄炎の笑顔で迎えてくれた。

「蘭に、キッス怒られなかった?」と全開ニカで来た、私はその復活した炎が嬉しかった。

『蘭はリアンを信じてるから、リアンのした事を怒ったりしないよ』と笑顔で言いながら、昨夜海竜が座ってた場所に座った。

「なんか、本当に泣かすの趣味やろ」と微笑んだ。

『リアンが元気になったから、俺はそれだけで満足だよ、かなり反省はしたけど』と真顔で返した。

リアンは私の目を見て、炎を強めて獄炎で微笑み頷いた。


「ユリカ来る前に、満タンになるまで充電して」と可愛いリアンを出して微笑んだ。

『可愛いリアン出すなよ、本気になりそうだから』と微笑み立ち上がって、リアンを抱き上げた。

「嘘つき、蘭以外眼中にないくせに」と微笑みながら、首に回した腕に力を入れてしがみついた。

リアンが静かだった、情熱で常に闘う姿勢を見せる心が、静かに休息していた。

「あんたは、何も聞かないんだね」とリアンが囁いた。

『終わった事だし、過去は聞きだす事じゃないし、俺は今のリアンが大切だと思ってるから』と囁いてかえした。

「やっぱり、趣味だろ・・そんなに見たいか私が泣くの」と囁いた、優しい響きだった。

『いいから、少し目を閉じてお休み・・リアン』と優しく囁いて返した。

静かなリアンを抱いていた、リアンの温もりを感じていた、その暖かさを。


「もう、限界でしょ~、これ以上はリアンが制御利かなくなるから」とユリカの声がした。

振向くとユリカが爽やかな笑顔で立っていた。

「ユリカの意地悪、少し早いぞ」とリアンがニカで言った。

「あなたの心の揺れが、いけない方向になりそうだったからね~」と爽やかニヤを出した。

「ユリカ、ありがとう」とリアンが微笑んだ、ユリカも微笑んで頷いた。

私はリアンを降ろしながら、その親友の世界を見ていた、素敵な2人を。

「しかし、あなたも休息をしない男だね~」とユリカが私に腕を組み言った。

『どれの事かな?』と気付きながらニヤで聞いた、ユリカが腕を組んだまま私の隣に座り。

「ミチルママに決まってるでしょ」と爽やかに微笑んだ。

「いよいよそこか~、そうだよな」とリアンも向かいで獄炎で微笑んだ。

『俺の感じた事は、間違ってなかったんだね』とユリカに笑顔で聞いた。

「うん、避けては通れぬ相手よ」とユリカも微笑んで返した。

「がんばれよ、最後の挑戦者」とリアンも優しい炎で言った。


「私、気付いたと思うけど、海竜が嫌いじゃなかった」とリアンが用意してくれた、豪華なステーキの出前を食べながら言った。

「彼がヤクザじゃなくて、もう少し優しさの出せる人なら、付き合ってたと思う。

 でも駄目だった、その時に駄目なら取り返しは出来ないの。

 だからせめて、私が自分自身で海竜との決着をつけたかった。

 でも彼は変らなかった、強引さも非情さも、本人の本質はそうじゃないと知りながら。

 最後まで駄目なら、梶谷さんに相談しようと思ってた。

 あんたの解決策に感動したよ、そして私に謝った海竜を見て嬉しかった。

 あんたは自分を信じなさい、海竜を少し観察しただけで、あれだけ引き出せる。

 その自分の力を、私は本当に感動したよ・・多分海竜も感謝してると思うよ」

リアンが最後は獄炎で微笑んだ。


「私もそう思ったよ、海竜って人、自分で自分の制御が利かない状態だったよ」とユリカが私を見た。

「あなたが思った案外気が合うかもは、間違っていないよ」と爽やかに微笑んだ。

『ヤクザじゃなければ、又会いたいと思ったよ』と私は2人に笑顔で返した。

「望月さんと仲良しのくせに、よく言うよ」とリアンが笑顔で突っ込んだ。

『あの人は別だよ、俺の中じゃ男として今、トップクラスだから』と微笑んで返した。

「1番は?」とリアンがニカで聞いた。

『もちろん、キング・・圧倒的1番だよ』と笑顔で返した、リアンとユリカの笑顔があった。

『俺は最近行動を起こす時、最後にキングの真似をする、何でもね~よってそれで落ち着くんだよ』と少し照れて言った。

「私の羊水を聞いて、梶谷さんが来た時の笑顔が忘れられない、そして私に良かったねって言った言葉も」とユリカが嬉しそうに笑顔で言った。

「今の夜街の平和は、梶谷さんと望月さんの大きさで出来てるんだって、大ママが言ってた」とリアンも嬉しそうに笑っていた。

私は炎と水に囲まれて、楽しい時間を過ごしていた。

キングを想いながら、どうやったら辿り着けるのかと思っていた。

その本物の男に、ただ憧れていた、大きな優しさに。


氷のミチルの瞳はやはり忘れられなかった、その何かを隠した妖艶さも。


ユリさんと別の世界に棲む、違う進化をした種族を。


しかしこの時の私は、完全に誤解していたその世界を。


氷の女神 ミチル・・根底にあるのは。


氷河の温もり・・極寒に存在する本物の優しさ・・・。

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