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先輩

静寂のフロアーに響くカーテンコール、感謝と愛が込められている。

抱き合う母娘は血の繋がりを越えて、深く信じあっていた。

踏出そうとした時に、そっと背中を押して見守った偉大な母にも、涙が光っていた。


少し落ち着いたところで、私が笑顔で切り出した。

『お姉さんに見えますが、ユリさんのお母様の・・小百合さんです』と9人衆に微笑み。

『なにぼさっとしてるのかな、ご挨拶しなさい』とニヤをだした。

「ユリさんには、本当にお世話になっています」蘭が満開で深々と頭を下げ、慌てて皆が挨拶した。

徳野さんもボーイも飛んできて、挨拶をしていた。

マダムがマリアを抱いて来て挨拶をして、マリアを小百合さんに渡した。

小百合さんは本当に嬉しそうな顔でマリアを抱き、マリアは天使全開でこう言った。


「まま」、マリアの言葉に、小百合さんは又涙を見せた。

『小百合さんいけないな~』と私が小百合さんを見てニヤした。

「その笑顔はやめて、怖いから」と私を見て華やかに微笑んだ。

『仕方ない黙っててあげますから、貸しが1つですよ、ユリさんが意地悪した時使います』とニヤニヤで返した。

「いつでもいいわよ、何でもどうぞ、それが守れるなら」と華やかニヤで返してくれた。

『最高の貸しが出来た~』と両手に拳を握り、飛び跳ねて喜んで見せた。

「あ~、どうしてそんなに鋭い、先にとられちゃった」と蘭も満開で微笑んだ。

皆で笑っていた、ユリさんの薔薇の笑顔を見ながら。


「小百合さん3分だけお時間頂けますか」と美冬が真顔で言った。

「もちろん、いいですよ」と小百合さんが微笑んだ。

「最高の人に立会人になって頂きたくて、よろしいでしょうか?」と美冬も微笑んで返した。

「いいですよ、私が立会人って事は覚悟のある事ですね」と小百合さんも真顔で答えた、凛とした美しい姿だった。

「はい」と美冬も真顔で答えた、「わかりました」と小百合さんは微笑んだ。

「私達四人、四季と呼ばれているバイトです」四季が頭を下げた、小百合さんは微笑んでいた。

「そしてこの2人私達の1学年下の、プロ志望のユメとウミと言います」ユメ・ウミが頭を下げた。

「私達は今夜6人で話し合い、全員一致で結論をだしました。

 昨夜レンを見て、今夜のレンの仕事を見て決めようと。

 そして今夜のレンを見て、足りなかった最後のピースが揃ったと思いました。

 私達は学校の関係上、来年4月からは全員揃うのは難しくなります。

 だからこそ、3月までは全力でやりたいんです、心残りを残さないほど燃え尽きたい。

 それには、カスミとレンとハルカを含めた9人のリーダーが欲しいのです。

 そして決めました、それはカスミにしか出来ないと。

 ここで宣言します。

 四季はカスミを認め年齢に関係なく、カスミをこの9人のリーダーに推挙します」

と美冬が最後はカスミを見た、全員がカスミを見ていた。

カスミは俯き震えていた、嬉しかったのだろう。


「あなたがカスミちゃんね、引き受けて貰えますか?」と小百合さんが言った、優しい響きだった。

「はい、本当に嬉しい・・全力で頑張ります、皆さん助けてください」と顔を上げ泣きながら言った。

「分りました、頑張ってね・・私は今証人として聞きました、全力で皆さんが楽しむ事を期待します」と華やかに笑った。

全員でカスミに拍手を送った、ユリさんと蘭は泣いていた四季の想いが嬉しくて。

「そう言う事です、エース」と美冬が私にニヤで振った。

『カスミ、月曜から厳しくいくから、覚悟しなリーダー・・頑張れよ、見てるからなずっと』と真顔でカスミを見た。

「やっぱ趣味になってるだろ、泣かすの」と必死に不敵を出しながら、泣いていた。

『じゃあ、ゆっくり休んで月曜には輝く笑顔を待っている・・解散』と私が全員にニヤニヤを出した。

「は~い」と言って9人衆が笑い、「月曜3日分の報告会だから、覚悟しな」とカスミが本物の不敵を出した。

控え室に戻る女性達に向かって、ウル顔で。

『カスミリーダー、素敵なカスミリーダー』と叫んだが。

「負け犬が泣いてますね~」とカスミが蘭に不敵をだし。

「リーダー違いますよ、あれは捨て犬です」と蘭がニヤで返して、女性達の笑い声が扉の奥に消えて行った。


「素晴らしい人達が揃っていますね、女性も男性も少年も」と小百合さんが私に微笑んだ。

「私もそれを、本当に喜びに感じてます」とユリさんが薔薇で微笑んだ、私は照れた笑顔で返した。

ユリさんが控え室に入り、マダムと小百合さんの後を、TVルームに向かった。

TVルームでサクラさんと松さんと久美子が挨拶していた。

私はエミを抱いてサクラさんとエレベーターに乗った。

「ありがとう、最高の先生を見つけてくれて、本当に感動したわ」とサクラさんが微笑んだ。

『俺もです、初めて音楽に触れた気がした』と笑顔で返した。

「ミサがあんな笑顔で話してくれたの初めてだったから、嬉しくてね」と嬉しそうに笑い。

「カスミちゃんも明日から来てくれるし、良い事だらけで怖いよ」と微笑んだ。

『カスミは分りませんよ~、関係ないハゲ親父で店が溢れるかも』とニヤで返した。

「それは有り得るね、怖い」と楽しそうに笑った。

サクラさんを、笑顔で送ると。レンと久美子が降りてきた。


「ありがとな、凄いお守り久美子が貰ってたから」とレンが笑顔で言った、私はタクシーを止めて。

『それは梶谷さんにレンから言って、久美子を何かで助けてやりたいって言ってたから』と笑顔で返した。

「泣かすの趣味だな」と笑ったレンと久美子を乗せて、手を振って別れた。

TVルームに戻ると全員揃っていて、この頃からカスミも終了時来るようになった。

私を見てマリアが駆けてきた、抱き上げると頬にキスをしてくれた。

「蘭姉さん、反対側にしないと」とカスミが不敵をだして蘭を見た。

「マリアちゃんは特別です」と蘭がカスミを笑顔で睨んだ。

「マリア、今日ユリカの頬キスを食い止めましたよ」とユリさんが蘭に微笑んだ。

「マリア~、可愛い靴プレゼントするね」と蘭が満開でマリアに言った。

「りゃん」とマリアが天使全開で蘭を見た、「うん」と蘭も満開で答えた。

「マリアなら、最強の守護者だな」とカスミが言って、小百合さんを含めた全員で笑ってTVルームを出た。


ユリさんと小百合さんがタクシーに乗り、マリアを小百合さんに渡した。

蘭とカスミと3人で手を振って送った。

「さて、カスミのリーダー就任祝いでもするか」と蘭がカスミを見た。

「えっ!」とカスミが驚いた、「少しだけね、明日からサクラさんの所でしょ」と蘭が微笑んだ。

「うれし~」とカスミが蘭に飛びつき、腕を組んだ。

「案内しな」と蘭が振返り、笑顔で睨んで私を見た、『どこにでしょ?』と恐々聞いた。

「決まってるだろ、合鍵姉さん」とニヤで微笑んだ、『うん』と言って微笑んで返した。

「合鍵・・持ってるのか!」とカスミが驚いて私を見た。

『愛人だからね』とニヤニヤで返した。

「あんなたわ言、言ってますよ隊長」とカスミが不敵で蘭を見た。

「飲んでやる、やけ酒してやる」と蘭がニヤで私を見た。

『うん』と私も笑顔で返した、「添い寝作戦か~、いいな~」と笑ったカスミを連れて、ユリカの店に着いた。


蘭が覗くと、中からユリカの元気な声がした。

「らん~、カスミちゃんも、うれし~」とユリカが飛んできて私を見た。

「ごめんね坊や、お子ちゃまは入れないの~」とユリカがニヤで言った。

『ユリカ、意地悪1個追加』とウルで返した、ユリカが笑顔で手を出したので繋いで入った。

店には客がまだ3組いて、奥の一番眺めの良いBOXに案内された。

「こんな良い所じゃなくても」と蘭がユリカに笑顔で言った。

「いいのよ~、もう新客入れないから、こんな嬉しい3人組が来たんなら」と笑顔で返した時に、女性がシャンパンを持って来た。

「私から、お祝いなんでしょ」とカスミを見て微笑んだ。

「えっ、どうして」とカスミが驚いた、『どうしてって聞かないの、ユリカには分るの』と私がカスミに微笑んだ。

「そっか」と微笑み立ち上がり、「ありがとうございます」とカスミが頭を下げた。

「もう、いいから、楽しくやりましょう」と言って4つのグラスにユリカが注いだ。

私は4つ有るので、隣で注いでいるユリカにニヤニヤ光線を当てた。

「一杯だけよ」とユリカが笑顔で睨んだ、私はウルで返した、蘭の満開を見ながら。

「じゃあ、蘭、乾杯して」とユリカが蘭を見て微笑んだ。

「カスミ・・約4ヶ月でこんなに成長した子を私は初めて見たよ、レンとハルカが後から見てる」蘭の優しい声に、カスミはもう涙を溜めていた。

ユリカは深い深海の優しい瞳でカスミを見ていた。

「同じ時代を生きる者として、私はカスミに会えて本当に良かった、検討を祈る・・乾杯」と蘭が言って4人でグラスを合わせた。

カスミは一口のみ、グラスを置いて蘭を見て抱きついて泣いた。

「私の方が何倍も、蘭姉さんに会えて良かったと思ってる・・ありがとう」と蘭の胸で泣いていた。

「最近泣き虫に、拍車がかかってるな」と蘭が満開で言いながら、抱いていた大切な者を。


「がんばってね、カスミちゃん」とユリカが微笑んだ、カスミは体を起こし真顔で。

「ユリカさん、ありがとうございます、今夜もこの前の事も・・本当に楽になりました」

「全力でやってみます」とカスミがユリカに涙目で誓った。

「ねぇ、カスミちゃんリアンだけ姉さんって呼ぶと、私寂しいな」とユリカが微笑んだ、カスミが輝きを増し嬉しそうな笑顔で。

「はい、ユリカ姉さん」と笑顔で言って、楽しそうに飲みはじめた。


「あのリアンがね、カスミちゃんとあった日に私の所に来て泣いたのよ、蘭に相棒が見つかったって」と言って、ユリカが向かいの2人を見た。

「リアンにとっても私にとっても蘭は特別なの、蘭が副職としてPGのNO1になった時。

 私達は祝杯を上げて2人で泣いたわ、その素晴らしい後輩を持てた事が嬉しくて。

 そしてずっと私もリアンも気にしてたの。

 このままじゃ蘭は、水商売に心残りを残すんじゃないかってね。

 本当によく来たねカスミ、ありがとう・・そしてありがとう・・蘭」

優しい響きだった、揺り篭じゃなかったが本当に深く優しかった。

蘭もカスミも泣いていた、常に見ていてくれる先輩に巡り合えた喜びで。


私は向かいのビルの最上階のリアンの棲家を見ていた、リアンに会いたくて。

夜街の明かりは陰りも無く、女優と観客を照らしていた。

その小さな世界にある、大きな愛に触れて、私は3人を見ていた。

世代を繋ぐ愛すべき3人に囲まれて、幸せを感じていた。

感謝してもしきれない、偉大なる先輩・・豊兄さんを想いながら。


【最高の副職】の称号はやはり、ユリカが贈っていた。


蘭は謙遜して否定していたが、心からその言葉を大切にしていた。


私がホームでユリカを1人で見送り駅を出ると、蘭が車の横に立ち空を見上げ泣いていた。


私が蘭を抱くと、「寂しくない・・・寂しくなんかない」と私を見て。


「空に話せばユリカ姉さんが聞いてくれるから・・・」と泣きながら満開で笑った。


私は30年近く経った今でも、空に話している。


ユリカが聞いていると、確信しながら・・・。








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