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称号

それが難しければ難しいほど、覚悟が要求される。

代償は大きいかもしれない、失う事を恐れては・・得ることはできない。


真夏の深夜、楽しい時間が過ぎていた、誰もが笑顔で語り合っていた。

ユリカが楽しそうに四季達に話していた、四季は嬉しそうな輝く笑顔をユリカに向けていた。

蘭とリアンがユメ・ウミコンビとハルカ・マミコンビの中で笑顔で騒いでいた。

本当に楽しそうだった、私は見てるだけで楽しかった。

私の隣には大ママと、ユリさんが鎮座して楽しそうに話していた。

「で、お願いはなんでしょう?」と大ママが私を笑顔で見た。

『金曜日、昼間マミちゃん貸して下さい。ユリさんたちと、海水浴に子供連れで行くので』と微笑んで返した。

「なんだいそんな簡単な事かい」と大ママが嬉しそうにに笑った。

「ありがとね、マミの事気にかけてくれて」と大ママが笑顔で私を見た。

『マミちゃんの水着姿が、見たいんです』とニヤを大ママに出した。

「じゃあ、私の頼みも聞いてくれ」と大ママもニヤで返してきた。

『怖いな~、引抜かも』とユリさんを見てウルを出した。

「危ないよ~」とユリさんも薔薇で微笑んだ。大ママも笑顔を私に向け。

「マミがPGの研修を終わる日に、マミの源氏名を付けてくれ」と大ママが微笑んだ。

「まぁ、素敵な話しですね」とユリさんも私に微笑んだ。

『了解』と私は簡単に笑顔で返事をした、実はもう自分なりのイメージで考えていた。

「そうか、もう決まってるのか・・聞きたいな~」と大ママが探りを入れた。

『それは駄目です、でも自信作があります』と笑顔で答えて、『絶対にマミにも、内緒ですよ』と念押しした。

「了解、楽しみやな~」と大ママが笑顔で返した。


『お姉さん達も、ここに座ったら』と私は少し離れた所で待機する、ローズの3人に声をかけた。

「えっ」と3人が見た、『大御所も取って食べたりはしないよ・・多分』とニヤで返した。

大ママもユリさんも笑顔で、招いた。3人は嬉しそうに、緊張して座った。

大ママとユリさんが、楽しそうに話しかけ盛り上がっていた。リアンがやってきた。

「お前は、本当のエースだよ・・ありがとうな、彼女達がどれほど嬉しいか」と獄炎で耳元に囁いた。

『一人じゃ大変なんだよ、大御所2人は』と言って、笑顔で返した。

リアンが笑顔で戻り、代わって美冬が来て。

「さっきの事、ユリさんに話したいの。BOXまで誘ってくれない?」と耳元で囁いた。

『了解』と言って、蘭を見て【チェンジ】のサインを出した。蘭は【OK】と笑顔で答えた。


『ユリさんBOXお願いします』とユリさんに微笑んだ、ユリさんも微笑んで頷き蘭と交代した。

私はユリさんと立って、美冬に目で合図を送った。美冬も立って、BOXに歩いた。

3人で奥の小さなBOXに座った。ユリさんを奥に、向き合って美冬の隣に私が座った。

「ユリさん、実は私・・・」美冬が真剣にユリさんに切り出した。

カズ君を好きだということを、正直に話した。

「絶対に私がPGに在籍してる時には、深い関係になりません」と最後はそう言った。

「話してくれて本当にありがとう、美冬・・あなたが自分に正直に選んで。

 在籍中にそうなっても、私はあなたの見方ですよ。素敵な事だと思います。

 ただ、あまり話は広がらないように、興味本位で話す人もいますからね。

 自分の気持ちに正直に生きて欲しい、私はただそう思っています」そう言って薔薇で微笑んだ。

「本当にありがとうございます、本当に嬉しい」と美冬は嬉しくて泣いていた。

美冬が落ち着くのを待って。

「美冬ちゃん、ウミちゃんと変ってくれる?」とユリさんが囁いた。

「はい」と言って笑顔で席を立った。


『俺も出ときましょうか?』とユリさんに聞いた。

「あなたは、居てちょうだい。その方がウミが楽でしょうから」と薔薇で微笑んだ。

ウミが少し緊張した顔で、席についた。

ユリさんがウミの後ろの誰かを見て、薔薇で微笑んで頷いた。私には分っていた誰なのか。

「緊張しなくていいのよ、金曜日にお昼空いてるかしら・・3人娘を海水浴に連れて行きたいの」と言ったユリさんを、ウミが最高の笑顔で見た。

「手伝ってくれますか?」と薔薇で微笑んだ。

「はい、私でよければ・・嬉しいです」とウミが最高の笑顔で返した。

「よかった~、そしてあなた達は本当に幸せですね・・最高の時代に生きています」とユリさんが席を立った。

そして予想通り、ユリカが来て爽やかな笑顔で深い目をして座った。


『ウミ、何も考えないで・・ユリカに子供の時の楽しい話をして』とウミに笑顔で言った、ウミは私を見て頷いた。

『ユリカの言葉だけを感じればいいんだよ、後は楽しい思い出だけをね』とウミに言って、ウミの手を優しく握った。

ウミは楽しく話して、ユリカの返答を聞いていた。そして涙をポロポロ流したが、終始笑顔だった。

ウミが落ち着いて、ユリカの笑顔を見て。

「凄い・・・楽になりました。本当にありがとうございます」と可愛い笑顔でユリカに言った。

『ユリカ、本当は疲れるんじゃない?そういうのやると』と私は心配になり真顔で聞いた。

「TVの見すぎ、私は意識して何もしてないよ」と深く爽やかに笑った。

『じゃあ、もう一人いい?』と笑顔で聞いた。

「もちろん、カスミちゃんでしょ」と可愛く笑った、ウミにカスミに呼んでくれと頼んだ。


カスミも少し緊張して座って、ユリカを見て微笑んだ。

『カスミ、何も考えないで・・モデルの時の自慢話をユリカさんにして』とカスミを見た、カスミは真剣に頷いた。

『ユリカの言葉だけを感じて、モデル時代の楽しい事だけ考えて』と言ってカスミの手を握った。

「私は16でモデルになりました」とカスミが言ったとき。

「本気で言ったの?」強かった、子守唄が強く響いた私が驚くほど。

カスミは人一倍感受性が強かったので、強烈な反応だった。

ユリカを見つめたまま、その場で動かずに大粒の涙を流した。

大粒の涙は後から後からあふれ出した。

しかしユリカはやめなかった。

「さっきの自分が行ける所まで行くと、言ったのは本心?」と完全なる羊水の揺り篭にカスミを入れた。

「本心です、やろうと思っています」とカスミも涙を気にする事もなく、真剣にユリカを見て言った。

「頑張ってほしい、あなたなら絶対にできるよ」とユリカが微笑んだ、深かった。

隣にいる私でも深い安心感に包まれ、完全なリラックス状態になっていた。

カスミはただ輝く瞳から涙を流していた、止め処なく涙が溢れていた。

カスミが落ち着いて、ユリカを見た。目の輝きは完全に復活の強さになっていた。

ユリカが立って手を出して、カスミと2人でBOXを後にした。


私は一人残り、夜景を見ていた。向かいのビルのユリカの店が暗く映っていた。

そして気付いていた、【行ける所まで行くと言ったのは本心?】と言ったユリカの言葉。

あれは俺にも言ったのだと、ユリカが問うたのだと。

ユリカの感性なら、俺が残り時間ばかり気にしてることを、感じたんだと思っていた。

そして【頑張ってほしい、あなたなら絶対にできるよ】と言ってくれたんだと。

ユリカの店の暗い窓に映る、ネオンの反射を見ていた。後の女性たちの、笑い声を聞きながら。

《逃げる考えは捨てよう、蘭を愛する事だけ考えよう、それがどんなに難しく辛い道でも》と思って席を立った。

戻ると全員が大きな円になって、笑顔で話をしていた。私はその笑顔を離れて見ていた。


時計が2時半を回った時、ユリさんが立って全員を見た。

「私は今夜本当に幸せな時間を過ごしました、ここにいる全員に感謝します。

 そして3ヶ月に1度は、こういう会を開きましょう。もちろん全員参加で」と微笑んで。

「あなたもですよ」と私を見て薔薇で微笑んだ、強い言葉だった。

「四天女は今夜あなたに称号を送ります、【最後の挑戦者】と言う」とユリさんが真剣に私を見た。

「もう一度私達に夢を見せてください、私達がどこかで諦めた夢を。

 あなたが本気なら、必ず辿りつけると私達は全員思っています。

 ここに全てを使い果たし、眠る最高の副職もそれを望んでいます」と言ってユリさんが薔薇で微笑んだ。

蘭は幸せそうに眠っていた。全員が私を優しく見ていた。


『諦めない・・諦める事ができない。蘭という存在だけは』とユリさんに真顔で返した。

ユリさんもが薔薇で微笑みのまま、全員の暖かい目があった。嬉しかった。

「それでは今夜は閉宴にしましょう」とユリさんが全員に微笑んだ。

帰り支度を始めた、ユリカに。

『ユリカ、ありがとう・・強く響いたよ』と微笑んだ。

「お礼を言うのは私だよ、またゆっくり話そうね」と爽やかに笑った、私も嬉しくて笑顔で返した。

「さっ、大きな荷物の人は先に帰りな」とカスミが私に微笑んだ、強く輝き優しかった。

私はその場で、全員に頭を下げた。

蘭の肩掛けのポシェットを、私が掛けて蘭を抱き上げた。

「肩掛けポシェットの蘭?・・最初から計画抱っこだね」リアンがニカを私に出して。

「帰る事が全く心配ないなんて、蘭は幸せね」とユリカが私をニヤで見た。

私は大切な蘭を抱き、笑顔でローズを後にした。


タクシーに必死で乗り、アパートを必死で開けて。蘭をベッドに優しく寝かせて。

『ふ~』と一安心を声に出して、蘭を見た。楽しそうな微笑を浮かべて眠っていた。

テーブルに蘭の書置きがあった。

【添い寝よろしく、明日の朝9時に起こしてね】と書いてあった。

《可愛い計画的犯行だな》と蘭に近づき、体を優しく揺すりながら。

『蘭、化粧落とさないと・・お化けになるよ~』と優しく耳元に囁いた。

「おばけ、怖い」と蘭が目を開け、ウルをしていた。

私は優しく抱き上げて、洗面所で支えた。蘭はフラフラのご機嫌状態で、化粧を落とした。

ベッドに戻ると、用意してあった上着の長いパジャマを、すっぽりと被って微笑んだ。

「ぬげにゃい」と笑顔ですねた。

《もし試されてるのなら過酷な試験だ》と思いながらニヤニヤして頷いた。

私は電気を消して、カーテンも閉めて真っ暗にした。


蘭の吐息を頼りに近づくと、蘭のトロンの笑顔が暗闇に少し確認できた。

『スペシャルサービスで脱がせてやるから、絶対に大きく動くなよ』と蘭に優しく囁いた。

「エッチだにぇ~」と蘭は少しだけ揺れながら笑っていた。

私はスーツのジャケットを脱がし。ブラウスのボタンを慎重に、探りながら外した。

《ブラは無理だ》と思いながら、《スカートはどうする》と自問自答していた。

『蘭、立っちできまちゅか?』と微笑んでみた。

「できゆよ~、りゃん23ちゃいだかや~」と言ってゆっくりと立ち上がった。

立つと長いパジャマで膝までが隠れた、私は蘭を支えながら緊張して手を入れスカートを脱がした。

蘭を座らせて、一息つくと。

蘭が暗闇でガサゴソと動きパンストを脱いで、パジャマの下を穿いたようだった。


『ねんねしといてね、すぐくるからね』と蘭に優しく言って、ゆっくりと寝かせた。

「みゃだ・・みゃだ・・みゃだにゃにょ」と蘭が催促する声を聞きながら、カーテンを開け。

蘭のスーツをハンガーにかけて、ベッドに戻り目覚ましを8時30分にセットした。

蘭の横に行くと、泣き虫蘭の時間になっていた。腕を蘭の首に通し、引き寄せて。

『泣かないでいいよ、側にいるから』と耳元に囁いた、蘭は私のTシャツを引っ張って涙を拭いていた。

「りゃんのそばにいりゅ?」と私の胸に囁いた。

『今夜決めたよ、俺がチャリで頑張ればいいだけなんだよ。そんなに遠くないから』と蘭の耳元に囁いて。

『蘭、心配しないで・・学校に行っても蘭の側にいるよ』と優しく囁いた。

「うん、うん、うん、」と蘭は3回言って、私の胸に顔を付けて眠りに落ちた。

夏の朝の匂いが漂って来ていた、私は残りを数えなくなっていた。

親父に謝る覚悟が出来た。蘭を守るために、寂しい想いをさせないために。


私の生家から蘭のアパートまでは自転車で、普通に走っても20分程度だった。


私が感じていた重圧は、時間でなく親父に対するものだった。


親父に蘭との事を説得など出来ないと、最初から諦めていた。


《誠意と策略》と思いながら、決意は固まっていた。


《俺も常識の外に自ら進んで出よう、リアンやユリカのように》


その事により何を失っても構わない、蘭を得るのであればと強く思った。


『蘭・・最後の挑戦者が、最高の挑戦者だと教えてやるよ・・四天女に』と優しく囁き。


蘭の額にキスをして、蘭を抱きしめて眠りに落ちていった・・・。



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