充実
記録を更新して燃え尽きてはいけない、常に気持ちの余力は残す。
そうしないと止まる、記録も・・前を目指そうとする心も。
踊り子がいない情熱の舞台で、女優達が全員が主役だと笑っていた。
観客の男達は支払う金額と、費やす時間に満足してると言うように、皆笑顔だった。
私がマミを迎えに行くと、マミはフロアーを凝視していた。
もう圧倒はされていなかった、楽しそうな挑戦者の横顔だった。
マミと裏階段を下りて、通りに出て驚いた表情を作った。
『大変、いやらしいお店のスカウトマンが、可愛い子を物色してる~』とマミをニヤで見て、手を出した。
「私、可愛いからこわ~い」とマミがニヤで手を繋いだ。
『マミ姉さんは、出身はどこ?』と歩きながら笑顔で聞いた。
「私、宮崎市だよ・・ちょっと田舎だけど」と笑顔を返した。
『あぁ、そんな感じだね』とニッで返すと、「どんな感じなのかな~」と笑顔で可愛く睨んだ。
『初恋の切ない』まで言うと。
「それ私には大切な言葉だから、茶化さないの」と私の脇腹を抓った。
『大切なの、嬉しいな~』と本心を言って、マミの笑顔を見ていた。
「あなたがチャリで通う所よ」とマミがニヤで私を見た。
『青島っ子か、憧れやな~』とマミに微笑んだ。
「何も無いけど、海が有るからね」とマミが微笑んで返した。
『波の音と、潮の香りだけで充分だよ・・俺蘭に拾われなかったら、多分今は青島で野宿してるよ』とマミを見た。
「旅行者の女子大生の宿とか、レディーサーファーの家を泊まり歩くとかしてるよ」とマミが楽しそうに笑った。
『マミ姉さん、泳げるの?』とニヤで聞いてみた。
「当然、小さいときから海が公園みたいなものだもん」と微笑んだ。
私はマミの水着姿を想像して、マミを見てニヤニヤしていた。
「こら、またよからぬ想像してる~」と笑顔のマミに優しくぶたれながら、魅宴の裏階段を上った。
『マミの水着、必ず見てやる』とニヤを全開で手を振った。
「むりだよ~、誰に頼まれても見せないよ~」と笑顔で舌を出して、マミが手を振った。
ユリカのビルの下で、塔を見上げていた。星空があった。
《ユリカ元気か、後でまた会えるね》と囁いてPGに戻った。
PGの客は6割位になっていた、指定席に座ると美冬が笑顔で歩いて来た。
屈んで胸の谷間を強調しながら、手招きをした。
『素敵なサービスや~』と美冬の耳元に囁いた。
「まだ新情報ないよね~」と笑顔で囁いた、『いらないだろ、美冬』と真顔で見た。
『相手に1つだけ後押しをしておいたよ』と私を真剣に見る美冬に。
『学歴の差を気にしていたから、俺なんか中1で蘭に挑戦するんだよって、言っといた』と最後は至近距離の美冬に囁いた。
美冬は可愛い女子大生になって笑顔を返した。
『確かに同じ店の者同士付き合うのは、駄目かもしれないけど・・気持ちを確かめるのは、悪くないと思うよ』と美冬を見て微笑んで返した。
「うん・・私が勇気を出せって事ね」と強い瞳で笑顔を見せた。
『がんばれよ、俺が告白される相手なら・・美冬からなら嬉しくて泣くよ』と笑顔で返した。
「うん・・出来るだけ長くそこに座っていてね、皆そう思ってるよ」と笑顔で言って、楽しそうに銀の扉に消えた。
私は嬉しくて、美冬の背中を見送った。
「美冬、なんかあったのか?」とカズ君が後から聞いた、私が振向くと。
心配そうなカズ君の優しい顔があった、《間違いないな、手のかかる人達やな~》と思っていた。
『子供にしか言えない悩み、好きな人と付き合える状況じゃないけど』私の真顔の言葉を、真剣な目でカズ君は聞いていた。
『美冬が気持ちを伝えるだけでもしたいって、俺が男なら気持ちだけは伝えるのに』と真顔を崩さないで言って。
『俺は常に別れと残り時間を背負っているから、イライラする、踏出さないで誤魔化す男は』と微笑んで。
『美冬が可愛そうだよカズ君、誰かにとられていいの?』とニヤで言った、カズ君の最高の笑顔があった。
「お前は最高だよ、俺の方から必ず伝えるよ」と笑った、私も嬉しくてカズ君を笑顔で見ていた。
カズ君の背中を見送ってる時に、終演を迎えた。
今夜はバタバタと控え室に皆が急いだ、四季の千の付く3人組が来て。
「美冬の囁き魔法の事情聴取後で3人でするから」と千夏が笑い。
「楽しみやね~」と千春が言って扉に消えた。
「ありがとう」と千秋が微笑んだ、私も微笑みを返して千秋を見送った。
10番席に一人で座るカスミを見つけて、笑顔で歩み寄った。
『どうしたカスミ、充電切れたのか?』と意識して笑顔で言った。
「リアン姉さん所に行くのに、充電中」と少し疲れた笑顔で返して。
「充電抱っこしてくれ」とカスミが美しく微笑んだ。
その笑顔が可愛くて、カスミを見ながら笑顔で抱き上げた。
『カスミ遠慮しないで、いつでも充電抱っこ要求しろよ』と言いながら、ゆっくりと扉に歩いた。
「ありがとな、本当にありがとな」と耳元に囁いて、「で、固いんかい」と不敵を出した。
『柔らかいよカスミは、胸も心も』と言って微笑んで返した。
至近距離のカスミは圧倒的美しさを主張しながら、可愛い笑顔を見せた。
カスミを扉に見送り、TVルームに戻って。サクラさんをタクシーに見送った。
皇帝ルックに着替えてマリアを抱き、マダムと松さんとマリアの乗るタクシーを見送った。
ハルカが迎えに来て、TVルームのメインスイッチをoffにして、自分のメインスイッチをonにした。
着物姿のユリさんの横を、蘭に強く腕を組まれながらローズリップを目指した。
8人衆がその後ろを歩き、まるで大奥の行列のようだった。
「おっ、やっと本命と腕組みか」と呼込みのドンの佐々木の爺さんが、ユリさんに挨拶して私に突っ込んだ。
『やっと辿りつきました』と笑顔で返すと、蘭が優しく脇腹を突いた。
「佐々木ちゃん、また情報よろしく」と蘭が佐々木に微笑むと。
「蘭ちゃんの頼みは必ずまもるね~」と皺だらけの顔で嬉しそうに笑っていた。
「今夜は最高の楽しい宴会になりそうね」とユリさんが私に悪戯っ子を出した。
『なん~だユリ、妬いてるのか~』とニヤで返すと、「相当に」と薔薇笑顔で返された。
「お願い、ユリさんとのそういう絡みはやめて、返せないから」と蘭がニヤで私を見た。
後の8人衆の笑い声に押されて、ローズリップに着いた。
ユリさんが最初に入ると、ローズの残っていた3人の女性が緊張した顔で。
「ようこそ、いらっしゃいました」と深々と頭を下げた。
「お世話になります」とユリさんも返礼して。
「楽しみたいので、堅苦しいのは抜きでお願いできる」と薔薇の笑顔で3人を見た。3人の嬉しそうな顔があった。
8人衆が入り、「すごー~い」窓の外の夜景を見ていた。そこに奥からリアンがやってきた。
「ユリ姉さん、いらっしゃい・・うれし~」とリアンがユリさんに飛びついた。
8人衆は一気に緊張して、リアンを見て全員深々と頭を下げた。
「もう、ユリ姉さんが言ったでしょ、堅苦しいのは無しって」とリアンが微笑み、8人衆も緊張が解けた。
「もう少しで揃うから、夜景でも楽しんでて」と8人に笑顔で言って、蘭に手招きをして何か囁いた。
蘭が私にニヤニヤで手招きをした、私が歩み寄ると。
「合鍵の姉さんのお迎えよろしく、ウルトラマンと同じ時間しかやらないよ」と強烈なニヤで蘭が囁いた。
『ウルトラマンは短いよ』とウルで言うと。
「カラータイマー点滅するよ、早くしな」と笑顔で背中を押した。
8人衆が窓際で楽しそうに笑う声を聞きながら、表に出ようとするとドアが開いた。
大ママとマミが入ってきた、私を見つけて大ママが抱きしめてくれた。
大ママを8人衆が確認したのか、店内が静寂に包まれて緊張感が伝わった。
「最高の贈り物をありがとう、私は絶対あんたを忘れない・・羊水・・心に響いたよ」と言って笑顔を見せた。
『じゃあ後で大ママ、お願い聞いて?』と笑顔で返した。
「私に出来る事なら、何でも言っていいぞ」と笑う大ママを見ながら。
『大ママにしか出来ないから、後でよろしく。お使い行ってきま~す』と笑顔で大ママに言って、マミに全力のニヤを出した。
「あっ、しまった~」と笑顔でマミが言った言葉を無視して、扉を開けた。
「なんだい、固い事は抜きだよ~」と8人衆に話しかける大ママの声が聞こえていた。
私がユリカ店のビルのエレベーターを待っていると、扉が開き4人の女性とユリカが下りてきた。
『姫、お迎えに参りました』と笑顔でユリカを見た。
「うん、ご苦労」と爽やかに笑って、バッグをを差し出した。
私は頭を下げて恭しく、両手を出して受け取り。
『行きましょう、姫』と言って手を出した、ユリカはニヤを出して腕を組んできた。
「お疲れ様でした、ママ」と4人の美しい女性がユリカに挨拶した、不思議そうな顔で。
「お疲れ様、気をつけてね」とユリカも笑顔で返し、向かいのビルに腕を組んで歩いた。
夜の蝶達が帰る時間で、ユリカを見ると皆頭を下げて挨拶した。ユリカも都度返礼した。
『イメージじゃないけど、さすが水のユリカ』と真横の可愛いユリカに微笑んだ。
「自分でも、イメージじゃないよ」と爽やかに笑い、舌を出した。
《可愛い、確かに可愛い》と思っていた。
ユリカと腕を組みローズに入ると、又8人衆が緊張して立ち上がった。
『固い事は抜きだよ、楽にしな』と私が得意のマダムの真似で爆笑を取り、緊張をほぐした。
最高の笑顔が溢れていた、楽しい宴会の幕が今上がろうとしていた。
蘭とユリカは見つめあい、どちらも嬉しそうに笑顔だけで会話していた。
窓から見える夜景は、輝きを放っていた。充実感の中にある女優達を照らすように。
最高の夏物語は終わらないと、輝く女性達を見ていた。
遥かなる薔薇の世界で、羊水の揺り篭に揺られ、獄炎の炎に焼かれながら。
青い炎に包まれていた、最高の気分だった。
私はどんなに無視をしようとしても、やはり時間を背負っていた。
常にその重圧との戦いをしていた、自立できない限り蘭と離れて暮らさねばならない。
その現実は無視できなかった、そしてこの宴会で違う答えを見つける。
最強の教師達に囲まれて、道を発見する。
過酷だが登れと、背中を押される。
愛されながら・・・。