舞台
幼き頃に描いた夢を持ち続け、強い意志で成し遂げ。
その描いた物に色付けをしている、華やかな色だけでない。
影にも色を塗る、光がさすようにと・・・。
夏の朝、窓から侵入してくる爽やかな海風に吹かれていた。
「なにしたの?」優しく囁く声が聞こえる、夢の中の蘭の声だと思っていた。
「なにしたの?」又響いてきた、私には画像が浮かばない。
「なにかしたの?」・・「クスクス」と周りに誰かいる気配、私は少し覚醒し目を開けた。
蘭の顔が目の前にあった。
「動くな」息がかかるほど近かった。
「この状況を、説明しなさい」と微笑んだ、唇が触れそうに近い。
私の額と蘭の額は完全に合わさっている、蘭は私の腕枕の中にいる。
タオルケット越しに、上半身は密着していた。
『分からない、多分蘭が近くにきたんだと・・・』動こうとすると。
「まだ、カスミどう思う?」と聞いた。
「酔って寝てる女を襲うとは、犯罪だね」と笑った。
「まぁ、いけない子だこと」とユリさんも楽しんでいる。
「やっぱり、酷い」と蘭が微笑んだ。
『微笑むなよ、唇が触れそうだから』と必死で返した。
「しどい」と頭の上からマリアの声がした。
『マリア誤解だよ、俺はマリア一筋だから』とマリアに訴えた。
「チャー、しどい」と上から覗きこんで笑ってる、皆が笑い蘭が離れた。
するとマリアが私の横に入ってきて、腕枕に寝転んだ。
「ねんね」と言って目を閉じた、私は又動けなくなった。
「絶対に勝てない相手だ」と蘭がマリアを見ながら笑った。
「マリアには妬かないんだ?」とカスミが笑った。
蘭とカスミは洗面所に歩きながら。
「妬くわけないでしょ」蘭が笑顔で言い。
「いやいや、蘭姉さんはわからん」とカスミが返して、笑っていた。
ユリさんが遅い朝食を作ってくれ、皆で食べていた、マリアもご機嫌だった。
「しかし、中学生にしては腕力あるね」とカスミが微笑んだ。
「暇があると、腹筋や腕立て伏せしてるから」と蘭が言った。
「体、凄いよね~」と蘭が見た。
『覗いてたの』と照れた。
私はその当時身長170cmあり。
空手をしていて【ブルース・リー】に憧れていたので、体を鍛えていた。
腹筋は綺麗に割れ、胸の筋肉を動かして、友に自慢をしていた。
「
隣の部屋から男がハァハァ言ってりゃ誰でも覗くよね」と蘭がハルカを見た。
「怖いもの見たさで」とハルカも微笑んだ。
「でも、掃除も食器洗いも朝食も作ってくれるから。役に立つよ」と蘭が微笑んだ。
「欲しい」とカスミが不敵に微笑んだ。
『カスミの所に行ったら、洗濯もするよ』と笑顔で返した。
「よろしく、匂い嗅ぐなよ」と笑った。
「蘭姉さんのは、しないんだ」とハルカがニッとした。
『蘭は少女のように恥ずかしがり屋さんだからね』とニッで返した。
「あら、意外ね~」とユリさんも楽しそうに微笑んだ。
「絶対、伸ばしたり、素材の研究したりしそうだから」と蘭が私を見て微笑んだ、4人が笑った。
「そういえば、夏休みの宿題は?」とハルカが聞いた。
『したこと無い、俺の担任年寄りで心臓弱いみたいだから、俺が宿題なんか提出したら死ぬよ』と笑顔で返した。
「でも、成績悪くないだろ」とカスミが言った。
『悪くないよ、負けず嫌いだから』と笑顔で返した。
「チマチマ日記書いてるしね」と蘭が微笑んだ。
『読むなよ』と笑顔で言った。
「いつか、見せてね」と蘭が満開で微笑んだ。
『号泣するぞ』と微笑んで返した。
「楽しみ~」と満開になった。
「リストじゃねーのか?意地悪されたとかの」とカスミが不敵を出した。
『それもある、カスミNo1だよ、さすがだね』とニッで返した。
「昨夜の胸の感触、たっぷり書いとけよ」と蘭を見た。
「消せ、記憶から」とカスミを見て舌を出した。
「ここに居るだけで、勉強になる」とハルカが呟いた、皆の笑顔があった。
ユリさんにお礼を言って、蘭と帰った。
2人で蘭の部屋の模様替えをした。
コーヒーで休憩してると。
「1つだけ言っとくね、昨日の言葉響いたよ、私は好きじゃない人と一緒になんかいれない」深い目で私を見ている。
「そして、合鍵返せって言わないよ、だからそんなに苦しまないでね」と微笑んだ。
『ありがとう、苦しくなんかないよ、少し寂しかっただけ』と少し照れた。
「だから、添い寝してあげたでしょ」と蘭が満開で笑った。
『やっぱり、蘭がきたんだ』と笑顔で返した。
「うん、本当に安心できて、気持ちよかった」と笑顔で言った、嬉しかった。
『今日の予定は?』と話題を変えた。
「あなたを送って、美容院に行ってくる」と満開で笑った。
『また、可愛くなるんだ~』私も笑顔で返した。
「うん、女は男で変わるんだよ」と満開で微笑んだ。
『俺、昨日給料出たから、今夜食事に行こうよ』と誘った。
「嬉い~、同伴ですな」と笑顔で茶化した。
『高いものは無理だぞ』と笑顔で返した。
「すご~くいいとこに連れて行くね」と満開で微笑んだ。
ケンメリを、デパートの前で降りた。
白のスリムパンツと、白いシャツを買ってPGに行った。
TVルームには、マダムとハルカが話していた。
いつもと違う雰囲気なので、マリアを抱いて散歩に出た。
中央通りまで出ると、怪しい風俗の呼び込みの、マコト君がもう通りに出ていた。
『おはよう、マコト兄さん』と声をかけた。
「おう、おはよ子守か」と笑った。
『遊んでもらってます』と笑顔で返した。
「誰の子供?」と聞いた。
『ユリさん』と言ってニッをした。
「なんだって」と歩み寄り、「お菓子なにがちゅきでちゅか?」と笑顔で機嫌を取った。
「マコト、なにさぼってんだい」と大ママが笑顔で立っていた。
「おはようございます」と慌てて深く頭を下げた。
「おはよう、大変だね昼から」と大ママが言った。
「大ママが、俺の名前知ってる事が嬉しいです」と緊張気味に言った。
「見込みありそうな奴は覚えてるよ、がんばりな」と言って、私の所に歩いてきた。
マコト兄さんは、嬉しそう立っていた。
『おはよう、大ママ』マリアを抱いていたので浅く頭を下げた。
「おはよ、エース」と言いながら、マリアを抱いた。
大ママはマリアを抱くと、人が変わったような笑顔になると思って見ていた。
「お前にだけ言っとくけど、PGの若い子が男とかなりもめてたらしいよ」と私を見た。
『やばい感じなのかな?』と聞き返した。
「男がたちの悪そうな奴だったって、別れ話だろうね」と言いながらマリアを返した。
「店の者には、その子も言い難いだろうからね」と大ママが微笑んだ。
『ありがとう、気にかけとくよ何も出来ないけど』と笑顔で大ママを見た。
「また、うちにもおいでよ」と言った大ママを見送った。
マダムの条件が頭に浮かび、ユメかウミかな~と思っていた。
TVルームに帰ると、マリアは眠っていたので、ベッドにそっと寝かせた。
誰もいなかったので、TVでも見ようと思ってたらユメとウミが来た。
「おはよう」と小さい声で言った。
『大丈夫ですよ、マリアは好きな時にしか起きないから』と笑顔で返した。
「あとで、抱かせてもらおう」とウミがマリアを優しく見ていた。
『さっ、やりますか』と笑顔で2人に言った。
サインを教えてもらっていると、エミ・ミサが来た、ウミが嬉しそうに遊んでいた。
この2人も、本当に優しいんだと思って見ていた。
「これで、終わりあとは覚えるだけよ」とユメが微笑んだ。
『がんばります』と微笑んで返した。
2人はエミ・ミサとしばらく遊んで帰っていった。
ウミが帰りに、マリアの寝顔を見て残念そうだった。
ミサがお昼寝したので、抱き上げてベッドに寝かせた。
エミの勉強する隣に座った、割算もかなり進んでいた。
「サイン覚えた?」と少女の笑顔で聞いた。
『覚えるのはまだ』と笑顔で返した。
「私も欲しい、チャッピーとのサイン」と少し照れた、おませめと思いながら。
『手をこうやって胸において』とエミの手を胸に当てて。
『エミが辛い時、どうしても悲しくて涙が止まらない時、寂しい時はそうやって俺の名前を心の中で叫ぶんだ』エミは私をじっと見てる。
『そうしたら、エミおいでって必ず聞こえるから』と言って微笑んだ。
「うん」とエミは少女の輝きで頷いた。
十数年後、エミが国境無き医師団に、参加するのを見送りに行った。
搭乗窓口で振り返り、このサインを私に示した。
強い瞳は輝きを増し、自分が見てきた全ての挑戦者に恥じぬよう、凛として立っていた。
戦いの舞台は、不遇な環境におかれている子供達の笑顔のために。
命をかける覚悟で微笑んだ、私は両手を広げ。
『皆、待ってるから必ず帰れ』と叫んだ。
《えみ、おいで》と心で叫びながら。
松さんが来て、フロアーに行ってハルカを探した。
予約表を見ていた。
『昨日、エコーの人がいて焦ったよ』と声をかけた。
「まぁ珍しい」と微笑んで返した。
「明日、9時に宮崎駅集合」とハルカが微笑んだ。
『了解、決めたら早いね』と笑顔で返した。
「カスミ姉さんなんか、その足で飛行機に乗るのよ」と返してきた。
『ライバルだもんな』と笑顔で返した。
「そうなりたいと、本気で思ってるよ」と強く微笑んだ。
『ハルカ姉さんにだけ話すけど・・・』大ママから聞いた話をした。
「私の知ってる限りでは、美冬姉さんだけ」と真剣に返した、私には意外な名前が出た。
「四季で話してるの聞いた事がある」そう教えてくれた。
『そっか~少し見とくよ』とハルカを心配させないように、笑顔で言った。
【四季は幸せそうだから】と言った時の美冬の微笑を思い出した。
自虐的じゃなかったかと、思っていた。
幻想のフロアーは、今夜の舞台を用意していた。
女優達の登場を、待ちわびるように。
女優達は顔を変え、姿を変えてやってくる、まるで仮面舞踏会のように。
誤解も、偏見も、批判も、全て受け入れる覚悟で。
それが高い金を取るプロの仕事だと、俯かず前を見て歩くために。