表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/454

決別

何に対しても、決別する事が難しい。

心に残さない事は、不可能である。

別れを決めた心を持ち続け、挫折も後悔も連れて進む。

無意味な時間ではなかったと、いつか思える時が、必ず来ると信じたい。


熱が上がりだした幻想の宴を、蝶達のリクエストを聞きながら見ていた。

その日も10時前には満席を向かえた。

マダムが言っていた、連続満席記録にあと6日と迫ってきた。

「4番の若者3人組、険悪・注意」と千夏さんが言って来た。

『了解、危ない感じ?』と聞いた。

「うん、チェック急いだ方がいいかも」と微笑んだ。

『了解』と笑顔で返した。

リンさんに報告して戻ると、ユメが待っていた。


『何でしょうユメ姉さん?』と聞くと。

「昨日言えなかったから、母さんと仲直りできたよ」と嬉しそうに笑った。

『それは、良かったですね』と笑顔で返した。

「うん、あなたの話通りにしてね」と笑って戦場に戻った。


「6番エコーじゃないと吸わないらしい」と頬を膨らまし美冬が言った。

『エコーか~、すぐ行ってきます』と頬を膨らまして返した。

「よろしく、カスミが2回で四季は0かね」と微笑むから。

『四季は皆幸せそうだから、出番無しです』とニッで返した、美冬は笑顔で戦線復帰した。


私はタバコ屋に走り、カズ君に渡し戻ると、ハルカが休憩していた。

『疲れてるんじゃないの?』と声をかけた。

「まだ、慣れないからね」と微笑んだ。

『少しさぼってていいよ』と笑顔で返した。

「ありがとう、でも満席記録いくね~」と私を見て言った。

『凄い事なんだね』と聞き返すと。

「うん、3年振りの更新だからね」と笑顔で言った、私はハルカを見ながら。

『無理すんなよ、休みあまりないんやから』と言った。


「ねぇ、今度映画に付き合って」とハルカが言った。

『いいよ、俺でいいのかな?』と笑顔で聞き返した。

「あなたじゃないと駄目なの」とニッと笑った。

『第一段階は完璧なんだけどね~』とニッで返した。

「下ネタ苦手」と舌を出した。

『そこが可愛いんだけどね』と笑顔で言った。


「2番の若者が土下座して、やらせろって言う」又きたと思いながら。

『やめとけって伝えて、土下座は大切な人のためにするもんだって』と言って振向いた。

「分かった、言ってくる~」とカスミが笑顔で、小走りに戻った。


数分後。

「8番のおじさんが寝物語するから泊めてって言う」きた~と思いながら。

『やめとけって伝えて、私には死ぬまで寝物語してくれる人がいるからって』と言って振向いた。

「分かった、言ってくる~」と満開笑顔で、蘭が小走りに戻った。

当然応用編が4篇あった。


11時半まで熱は冷めなかった。

終焉を迎えた時は蘭と7人衆は、疲れ果てて10番に座っていた。

サクラさんを送っても、まだ蘭と7人衆が座っていて、蘭が満開で手招きした。

「さ、報告して」とニヤッとした。

「初めての飛行機と、5時間ぐらい手を繋いで」カスミが笑顔で続けた。

「天神抱っこが2km位だった」とカスミが言った。


「お礼は」蘭は笑顔で頬を膨らまして言った。

「あっ、忘れてた」とカスミが私を向き、私の両手を掴んだ。

「よかったね、蘭姉さんのが触れるぞ」と言って引き寄せた。

「あっ、カスミ」と蘭が言った時には、私の手はカスミの豊満な胸の上に置かれていた。

『えっ!』私はあまりの事に固まっていた。

「まだかな?」とカスミが不敵に微笑んだ。

私は慌てて手を離して、恐る恐る蘭を見た。


「なぜすぐ離さない」と笑顔で睨んでいる。

『気が動転して』と頭をかいて照れた、蘭が私の前に立ち。

「んっ」と胸を張った。

『んっ、て言われても』と困っていた。

「生涯一度のチャンスかもしれないよ」と蘭が微笑んだ。

『そうならないように、頑張るために・・とっとく』と笑顔で返した。

「うん、カスミのは忘れてね」とニッとして、「着替えよっ」と笑った。


「本当にありがとう、蘭姉さんとこ追い出されたら、我が家に転がり込んでいい権利を授与する」とカスミは笑って言って、蘭と並んで歩き出した。

「あんたは、もう」と蘭がカスミに言って。

「今夜ぐらい喧嘩していいですよ」とカスミが蘭に微笑んだ。

「喧嘩なんてしないよ」と蘭が満開で微笑んで返した。


「伝説以上になってきたな~」と千秋が言って。

「でも2回ぐらい揉んだよな」と美冬が言い。

「いえ、5回は」とユメが言って、全員が私を見て、笑顔で控え室に戻って行った。


私がTVルームに戻ると、マダムとユリさんと松さんとハルカがニヤニヤしていた。

『見てましたね』と照れた。

「しかし、カスミをどこまで進化させるのかね~」と松さんが私を見た。

『元々持っていて、隠れてただけですよ』と笑顔で返した。

「あなたがいてくれて、本当によかった」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

『ラーメン食べに行っただけです』と照れた。


「私の時も、付いてきてくれる?」とハルカが真顔で言った。

『勿論、たとえ蘭が駄目って言っても、ハルカ姉さんが心から望むなら、どこでも行きますよ』と返した。

「いつでも休んでいいぞ」とマダムも真剣にハルカを見た。

「はい、少し考えようと思います」と強く言ったハルカを。

マダムもユリさんも松さんも、優しく見ていた。


「マダム、今夜ハルカ借りていいですか?」とユリさんが微笑み。

「蘭が明日靴屋休みで、蘭とカスミを招待してるので」と薔薇の笑顔で言った。

「ありがとうなユリ、頼む」とマダムも笑顔で言った。

「ハルカ、あなたはカスミから聞くべきです・・あなた達が本当の仲間になるためにも」とユリさんは優しく微笑んだ。

「ユリさん、ありがとうございます」とハルカは頭を下げた。


「遅くなりました~」と蘭が入ってきた、その後ろをカスミが続いた。

「ユリさん、ご招待ありがとうございます」とカスミが頭を下げた。

「ゆっくりと、くつろいでね」とユリさんは微笑んだ、カスミは嬉しそうに笑顔で答えた。

「マダム、ハルカを」と蘭がマダムを見た。

「行くよ、ハルカも」とマダムが蘭を見て。

「蘭、長くいてくれよ頼むから」とマダムが笑った、蘭も微笑みで返した。


タクシーに乗るマダムと松さんを見送ると。

「ハルカ私と行こう、車があるの」とカスミが言った。

「え、嬉しいカスミ姉さんの車って興味ある~」とハルカが笑顔になった。

『意外だから、心の準備しとけよ』と私が突っ込んだ。

「そのイメージ捨てろって言ったろ」とカスミが私を不敵で見た。

『鉄が走るかね~』とニッで返すと。

「3回揉んだくせに」と笑って、ハルカと赤玉駐車場に歩き出した。


「振り返らない方がいいかも」とユリさんも楽しそうな声が聞こえた。

『怖い』と言いながら振向くと、蘭が笑顔で睨んでいた。


ユリさんの家に着いて、私はマリアをベッドに寝かせ、寝顔を見ていた。

カスミとハルカが来た音がして、リビングに戻った。

カスミとハルカが洗面所に行き、ユリさんと蘭で準備をしていた。


皆が揃い乾杯をした、笑顔で始まった。

最初はお客の話で盛り上がり。

私はユリさんが特別に用意してくれた、味噌カツ丼の美味さに感動していた。


「蘭姉さん、ありがとう」と突然カスミが話し出した、和尚に話した歴史を。

ユリさんとハルカに伝えるために、そして過去と決別するために。

ただ一度も涙も震えも無かったのが、私には嬉しかった。

そして今日の決別の話まで来て、隣に座る蘭が、私の頭をヨシヨシしてくれた。


「本当にありがとう、ずっと手を離さないでくれて、抱き上げてくれて」カスミは私を優しく見てる。

「そして、演技でも土下座までしてくれて、あんなに人が通る所で・・初めてだった、自分の内側を抱かれた気がしたよ」と輝く笑顔を見せた。

私は何も言えず、照れていた。

ユリさんと蘭とハルカの笑顔が嬉しかった。


「あなたのあの姿は、絶対に忘れないよ」とカスミが微笑んだ。

『良かった、俺これで良かったのか分からなかったから』と微笑で返した。

「今回は豊君と違うやり方を選択しましたね」とユリさんが私に微笑んだ。

『うん、心にずっとあの牛乳ビンの萎れかけた花があった・・お前のやり方を見せろって、ずっと見ていたきがする』と言ったら、蘭が抱きしめてくれた。


「私が豊君と見つめ合ったとき、多分私が今まで出会った中で。

 一番喧嘩とか強いんだろうと思った。

 でも全く怖くなかった、目がそう言った。

 怖くないよ、何もしないよって・・優しかった。

 だから、嫉妬した・・嬉しくて」と笑った。


『カスミ1つ抜けてたぞ』私はカスミを見てニッをして。

『鉄が飛ぶのが信じられなくて、震えてたろう』と笑った。

「飛ぶか、どう考えても無理だ」と笑った顔は輝いていた。


「私も、皆さんに聞いて欲しい事があります・・・」ハルカが前を向いて、あの集中した時の顔で言った。


飛び立つ時が来た、巣から出てパタパタと練習していた小鳥が、今遥かなる大空を見た。


数年後【奇跡の姉妹】と言われる、妹になるための、最後の扉を開くために。


開かねばならない事を、輝く姉が教えた、そこを目指すのならと。


扉の中で待つ、薔薇と青い炎を見るために・・・。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ