表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
363/454

      【冬物語第三章・・悪意の門⑮】 

乳児という存在は圧倒的である、人間の本来の姿なのだろうか。

その癒しは何に響くのだろう、記憶の奥底なのだろうか?


他の部屋より暖かな乳児室に、天使の笑い声が響いていた。

生後2週間の乳児は、目を開いて黒く美しい瞳を見ていた。


マリは喜びで少し震えていた、感性の鋭すぎるマリは生後間もない昌平で何を感じたのだろう。

昌平の瞳を優しい笑顔で見ながら、ベッドの方に歩いた。


マリが優しく慎重に昌平をベッドに寝かせた、マリは昌平を笑顔で見ていた。

私はアイカをベッドに寝かせた蘭に、モモカを渡して寿子に挨拶した。

蘭もマリも寿子に笑顔でお礼を言って、乳児室を出て勉強部屋に歩いた。


突然、爆発的なユリカの波動が来た、私もモモカも驚いた。


「由美子が・・リンダさんと、ルミに出会った・・あの2人は異次元を見せる」とマリが二ヤで言った。

『なるほどね~・・それも見たかったな~』と私は二ヤで返した。


「ルミの由美子に対する影響力って・・どんな感じなんだろ~」と蘭が呟いた。


「引っ張るんですよ~・・それも強い力で。

 ギューって感じで、心の中のロープを引っ張ります。

 私もギューをしてもらいました、素敵な感じで~す。

 モモカ・・まだまだ力が弱いから、自分で引っ張れなくて。

 それなら良いよって、ルミちゃんが言ってくれて。

 1本だけ・・引っ張り出してくれました~、由美子ちゃんのが楽しみです。

 由美子ちゃんは、沢山持ってますから・・自分で頑張ってましたから。

 今回は・・心の動きですね、由美子ちゃん出来るようになります。

 モモカ・・嬉しいな~・・由美子ちゃんと、お話ができます。

 今度・・沙紀ちゃんが、モモカの絵を描いてくれるから。

 それで・・3人で遊べるのです・・ルミちゃんが、引っ張ったから。

 由美子ちゃんが・・気付きましたね、ルミちゃん凄いな~」


モモカは独り言のような、春風の囁きで言った。


蘭は立ち止まり、マリはモモカを凝視して、ユリアの波動がニコちゃんだった。

制御の利かない強烈なユリカの波動が、何度も何度も押し寄せた。


『そうなんだ~・・モモカ、良かったね』と私はモモカの言葉には凍結しないので、笑顔で言った。

「コジョは変ですよね~・・絶好調なのに、緊張して~」とモモカが私に笑顔で言った。

『そうだよな~・・好調だと、裏を読むんだよ』とウルで返した。


「それは小さな好調でしょ?・・今は、沙紀ちゃんが準備した絶好調ですよ・・沙紀ちゃんが、絵で描いた好調です」とモモカが笑った。

『そっか・・ありがとう、モモカ・・俺も楽しむよ』と笑顔で返した。


「はっきりと理解した、モモカとマリアの世界は・・境界線の内側にある」と蘭が満開笑顔でマリに言った。

「そうですよ~・・モモカとマリアは、別の世界です」とマリがモモカに二ヤで言った。


「マリちゃん・・まだまだですね~・・世界なんて区切りをして」とモモカがルンルン笑顔で返した。

マリはハッとしてモモカを見て、笑顔になって頷いた。


勉強部屋を廊下から覗くと、マチルダが子供達に囲まれて輝いていた。


「素敵な人だな~・・子供達で回復してる、疲れないんじゃなくて・・回復するんだ~」とモモカがマチルダを見て言った。

「そうだよね、モモカ・・マチルダもリンダも、素敵な人だよ」と蘭が満開笑顔で言った、モモカは蘭を見上げて笑顔で頷いた。


哲夫が私達を見て、マチルダを促した。

マチルダは立って又来ますと笑顔で言って、子供達が笑顔で頭を下げた。


正面玄関で子供達の笑顔に見送られ、私達は施設を出た。

私は玄関を出た場所で、マチルダにモモカを渡した、モモカはルンルン笑顔で桜の下のベンチに誘った。

玄関前に哲夫がいたので、哲夫にモモカを頼んで3人で車を目指した。

マチルダの大切な出会いを、邪魔したくなかったのだ。


車の中で、蘭の楽しそうなモモカとの話を聞いていた。

10分ほどして、マチルダが輝く笑顔で帰ってきた。


「マチルダ・・添い寝の必要ないんじゃない?」と蘭が満開二ヤで言った。

「それは絶対に必要です・・添い寝で、完全に復活します」とマチルダが二ヤで返した。


蘭が満開笑顔で頷いて、夜街に向かい走り出した。

マチルダはモモカとの話はしなかったが、私達3人は大切な春風の囁きだったと感じていた。


「帰って来る度に、新しい素敵な出会いがある・・そして素敵な物語も、本当に嬉しいです」とマチルダが笑顔で言った。

「ここで暮らしてる、私達でもそうだよ」と蘭が満開で返した。


年末の静けさを感じる町並みを、黒いケンメリが走っていた。

私はモモカの言葉で、ピースが揃うのを心から楽しんでいた。


マリを家に送り、笑顔で手を振って別れた。

赤玉駐車場に車を止めて、TVルームに入った。


勝也が来ていて、TVルームの奥には扉が出来ていた。

私はその奥の事務所スペースを見て、ニヤニヤを親父に出した。


「良い感じだろ~・・このビルは作りがしっかりしてるよ」と親父が笑顔で言って、マチルダと蘭の横に行った。


「マチルダ・・少し疲れが取れたな」と親父が笑顔で言った。

「はい・・施設の子供達のおかげで、楽しい時間を過ごしました」とマチルダが輝く笑顔で返した。

親父も笑顔で頷いて、職人さんに塗装の指示を出してTVルームを出て行った。


3人で話していると、レンとハルカとマキが来た。


「ハルカ・・明日の迎え、10時で良い?」と蘭が満開笑顔で言った。

「もちろん、お願いします」とハルカが笑顔で頭を下げた。


「2人で、リンダとマチルダを空港で見送ろうね・・リンダが年末に、小僧が泣くのは見たくないらしいから」と蘭が満開二ヤで言った。

「そうですよね~・・それにどっちを抱き上げて良いか分からずに、ウルウルを出しますから~」とハルカが二ヤで言った。

私は当然、ウルウルで反撃していた。


「エース・・律子母さんが、お泊りしてって言ったけど・・大人数で大丈夫なの?」とレンが笑顔で言った。


『あぁ・・それは問題無いよ、広いだけの大工の家だからね。

 別棟に大広間があるから、布団も有るし・・30人は楽に泊まれるよ。

 律子の親戚が多いし、年に何度か施設の子供を全員招待するからね。

 元旦は、限界ファイブと中1トリオにマリ、カレンとレンとケイコ。

 それにユリカとリアンと蘭とシオンと、アンナ親子と沙紀は決定済みだよ。

 このメンバーで寝れるならね、女子高の修学旅行みたいに。

 ルミの門に、限界ファイブと中1トリオを挑ませるし。

 退屈したら・・フーと遊んでよ、仲間も増えたから。

 それにスペシャルゲストの、4ヶ月の乳児も来るから。

 哲夫とモモカも夕方まではいるだろうし、楽しいと思うよ』


私は二ヤで言った、レンの嬉しそうな笑顔が出ていた。


「聞いてしまった~・・帰る心が揺らぐじゃない」とハルカがウルで言って。

「私もだよ~・・言わないでよ、楽しそうだな~」とマチルダがウルで言った。


リアンとシオンが来て、ユリさんがマリアと来た。

ユリカがリンダと来て、女性達が仕事が休みの開放感で盛り上がっていた。


私はマリアを抱いて、立ち上がり眠りに誘っていた。

「えーしゅ・・すこしだけ・・ちょっとだけ・・まりあも」とマリアが天使ウルで言った。

『マリア!・・ウルも覚えたの、可愛いな~・・負けたよ、少しだけだよ・・4番目のマリア姫』と笑顔で言った。

マリアは最強天使笑顔で返してくれた、私も笑顔で座った。


「4番目のお姫様ですか・・楽しそうですね」とユリさんが薔薇の笑顔で言って。

「それは素敵な世界ですよ・・ユリ姉さんも、来年のお楽しみに~」とリアンが二ヤで言った。


「リアン姉さん・・それ以上は・・実家に帰る心が揺らぐから」とハルカがウルで言って。

「リアン、私もです・・それでなくても、律子姉さんと祝いたいのに」とユリさんも薔薇ウルで言った。


リアンとユリカはニヤニヤで頷いた、シオンとレンが笑顔でマリアを見ていた。


『マリア・・白いドアを作ったから、そこに来てね』と笑顔で言った。

「あい・・ここにもどあ~」と天使全開で言った。


「私は凍結しません・・少し感じました、モモカとマリアの世界を」と蘭が凍結する女性達に二ヤで言った。


私はその言葉を二ヤで聞いて、マリアに笑顔を送って目を閉じた。

私が白いドアを出すと、すぐにマリアが手を繋いできた。

私はマリアを連れて、ドアを開けた。


目の前にには、おとぎの国の全員がワクワク笑顔で待っていた。

私は天使全開のマリアを連れて、おとぎの国に入った、マリアの天使はそれまでの最強を示していた。

マリアは駆け寄ったフーに抱かれ、ハチ公に抱き上げられて芝生の場所に行った。


私はテーブルの椅子に腰掛けて、嬉しそうなマリアの天使全開を見ていた。

マリアの周りに全員が集まり、マリアも一人一人の頬に両手を当てて挨拶をしていた。


「確かに同じですね・・マリア姫はモモカ姫と」とハチ公が私を見て笑顔で言った。

『そうだよね・・重なるよ』と笑顔で返した。


ハチ公は笑顔で頷いて、マリアの天使を見ていた。

白馬が2頭で私の前に来た、私は笑顔で白馬の瞳を見ていた。


『そっか・・2人とボンビのお母さんには、名前が無かったね・・今度素敵なの考えとくよ』と笑顔で言った。

白馬は大きく首を振って、ボンビの母親も私にスリスリをした。


《確かに、心の休憩場所だね》と心に囁いた、ユリカのウルの波動が来た。


私はマリアの楽しげな声を聞きながら、城の横にカード柄の滑走路を作っていた。

可愛いデザインの格納庫作って、古い型の可愛い飛行機を収納した。


マリアを迎えに行って、天使全開のマリアを抱き上げた。

マリアは笑顔で手を振った、全員でドアの前まで見送ってくれた、私はドアに入り映像を切った。


私が目を開けると、マリアは眠りに入っていた。

全員の視線が私を見ていた、私はウルで返した。


「マリアのあんなに楽しそうな笑い声は、初めて聞きました」とユリさんがウルで言って。

「ふ~・・限界が来るところだった」とハルカがウルで言った。


『マリアにとっては、最高の場所ですからね』と笑顔で返して、マリアを見ていた。

「それでは・・マリアが眠ってるうちに、私も出発しますね」とユリさんが立ち上がった。

一人一人が年末の挨拶をして、私はTVルームの入口で待っていた。


女性達に見送られ、私はユリさんと駐車場に歩いた。

マリアを車に乗せると、ユリさんが律子にと言って、伊勢海老の入った木箱をくれた。

私はお礼と年末の挨拶をして感謝を伝え、薔薇と天使の乗った赤いZを見送った。


TVルームに戻ると塗装工事も終わっており、女性達が帰る準備をしていた。


『ハルカ・・今年はありがとう、来年は18だね・・勝負の年の挑戦場所を、無数に用意するよ』と笑顔で言った。

「ありがとう・・エースに出会えたから、今年デビュー出来たよ・・挑戦場所をよろしく、由美子の次の段階も」とハルカが笑顔で返してくれた。

『了解・・お姉さんに会えるの、楽しみにしてるよ』と笑顔で返して、全員でTVルームを出た。


ハルカを乗せたマキのバイクを見送って、3台の車に分かれて、ユリカのマンションを目指した。


夕暮れの町並みは、静かにたたずんでいた。

残り1日の年の瀬に、新年を迎える準備が着々と進んでいた。


ユリカのマンションに着くと、私はシオンが待つキッチンに引っ張られた。


「今夜・・お鍋にしてね、リンダとマチルダの為によろしく。

 リンダの体を温めないと、夜の海で寒いといけないからね。

 材料はこれのどれを使っても良いから、土鍋の大鍋を用意したから。

 味付けは任せるよ、みんな楽しみにしてるからね」


ユリカが爽やか笑顔で言った、私も笑顔で頷いた。

食材は大きな蟹に、新巻鮭・高級牛肉・鶏肉・貝類・にアワビやホタテまであった。

野菜も全てが揃っていた、私はワクワクでスペシャル鍋を作り始めた。


シオンに野菜を切ってもらい、見たこともない大きな土鍋を火にかけた。

昆布で出汁を取り、鶏肉を入れて、順番に材料を投入しながら煮込んでいた。


「ホタテはどうします?」とシオンがニコちゃんで聞いた。

『シンプルに、バター炒めにしよう』と笑顔で返した。


私は蟹の頭部と足をばらし、頭部は鍋に入れて、足の作業に入った。

間接の半分の殻を綺麗に外して、皿に盛り付けて、シャブシャブ用にした。

鍋からは良い香りがし始めた、シオンはホタテのソテーをしていた。

ワインを隠し味に投入して、ニコニコちゃんで味をみていた。


リビングの女性達は交代で風呂に入って、くつろいで笑顔で話していた。

ホタテのソテーが終わったシオンを、風呂に入らせた。

リンダは夜の海に行くので、風呂には入ってなかった。


私はリビングのテーブルに、コンロを置いて準備した。

鍋の味見をして、ニヤニヤで食器の準備を始めた。


シオンが風呂から上がってきたので、女性達が食事の準備を始めた。

私は大鍋をコンロに持って行き、コンロの火を点けた。

リアンが高級なシャンパンを持ってきていて、それを全員に注いだ。

私は二ヤで鍋の蓋を取った、女性達の笑顔が溢れた。


「素敵な出会いのあった、19○○年に感謝して・・乾杯」とユリカが笑顔で言って。

「乾杯」と全員が笑顔で言って、グラスを合わせた。


私は大好評の鍋の味に、ニコちゃんになって食べていた。

女性達が鍋に入れるとパッと身が開く、蟹の開花シャブシャブに感激していた。


「しかし・・何をやらせても、楽しい物を作るよな~」とリアンが笑顔で言って。

「カニノハナ・・カンドウシタヨ」と隣のリンダが楽園笑顔で言った。


『漁師直伝だからね・・俺は勉強家です』と笑顔で返した。


「シズカちゃんが言ってました、エースは週1で晩御飯作ってたんですよね。

 創作料理を家族に試してたんでしょ、退院祝いの献立の練習用で。

 それが無くなったのが1番淋しい、シズカちゃんはそう言ってました。

 小児病棟を退院する友達は、エースの手料理で退院祝いしてたんですね。

 エースは退院という言葉が好きなんですよね、次の段階に進むから。

 退院できない子供達を、沢山見てきたからですね。

 エース・・必ず・・由美子ちゃんの退院祝いをやりましょね。

 全員で・・笑顔で・・手料理でやりましょうね」


シオンがニコちゃんで言った、全員が笑顔で頷いた。


「フー・・よだれが垂れてるよ」と蘭が私に満開二ヤで言った。

「ハチ公もですね~・・駄目ですよ」とマチルダも私に笑顔で言って、全員が気付いて二ヤを出した。


「やばいよね~・・いよいよエースに話をする時は、嘘は言えなくなったね」とユリカが笑って。

「モトモト・・イエナイケド」とリンダも笑った。


「エース・・1つ聞くけど、なぜリンダ姉さんに・・温度の伝達を使わないの?」とマチルダが笑顔で聞いた。

ユリカがリンダに通訳して、リンダも二ヤで私を見た。


私はリンダの両手を握った、そしてリンダを笑顔で見た。


『それはお互いにだけど、2人とも挑戦者だからだよ。

 俺はもちろん英会話が出来ないし、リンダも日本語が完璧じゃない。

 リンダは確か6ヶ国語が堪能らしいけど、日本語はまだまだだよね。

 だから俺の存在が・・宮崎の仲間の存在が貴重だと思う。

 訓練になるからね・・挑戦者ならそう考えるんだ、俺はそう考えるから。

 言葉が通じないけど、心を通わせる事ができれば・・自信になるよね。

 リンダやマチルダは、言葉の通じない国にも行くんだから。

 当然、そこでは挫折感も無力感も感じる・・それは仕方ない。

 俺は感じる事は大切だと思う、自分に感じさせとくんだ。

 俺は・・昨日の忘年会で何も言わなかった、蘭とナギサとアイコが語ったから。

 23歳の仲間の言葉が素敵だったから、だから何も言わなかった。


 でも・・俺は大切なリンダには、俺の考えは全て伝えるよ。

 だからこの話は、夜の海で温度で伝えようと思ってた。

 でも・・今伝える・・そして夜の海で、回復してやるよ。

 俺はリンダに対しては、挑戦者のメッセージ以外は・・他の方法を模索する。

 それにより・・俺の英会話の上達も、飛躍的に上がると考えてる。

 俺は最後の挑戦者として、最後の挑戦者に贈るメッセージだけを温度で伝える。

 俺は自分で勝手にそう決めた、リンダを追いかけると誓った時に。


 リンダ・・俺は挫折感や無力感を感じた時に、本気の二ヤを出す。

 自分の目指した方向が間違ってなかった、その提示だからだよ。

 ヒトミの最後のメッセージだから、俺はそう確信してる。

 俺はヒトミを自分の中に見送る時に、夜の海で無力感を感じた。

 その時に蘇ってきた、ヒトミの言葉が・・矛盾の中に鍵がある。

 その言葉が蘇ってきたんだ、だから無力感を感じて分かった。

 これこそがヒトミが言ってた矛盾だと、感じさせられてる矛盾なんだと。

 確信的にそう思った、俺の中の何かが・・無力感を感じさせてる事に。

 それは諦めに続く想いだから、それを俺に感じさせてる・・そう思った。


 今日の竜巻でもそうだったよね、危険を感じさせる物だからこそ、入口なんだ。

 境界線もそう、違和感や恐怖の映像を見せられる・・だからこそ入口なんだよ。

 それを感じたら、ニヤを出して・・見~つけたって思えば良いんだ。

 今回は届かなかったけど、絶対に次回がある・・そう思って良いんだよ。

 生命は絶対に繋がっている、だから巡り会う・・諦めなければ巡り会う。

 無力感こそが道標、まだ可能性があるという・・大切な道標だよ。


 どんな事にでも、無力感を感じたなら・・人間には可能性がある。

 そう記されてる、・・感じされられてる、無力感こそがその提示。

 【矛盾の中にこそ、鍵がある・・奴はそこにしか隠さない、ただの回路だ】

 これがヒトミのメッセージ、自分が死んだ時に俺に気付かせる。

 自分の死を明確に想定した、ヒトミの強いメッセージなんだ。

 自分の死により俺は気付く、自分の死でないと気付かない・・そう想定した。

 ヒトミは死を恐れなかった、体内時計を持っていたから。

 残り時間を提示する、正確な体内時計を持っていた・・俺はそう思う。


 リンダ・・無力感は感じて良い、それは道標だから。

 リンダの感じる無力感は、俺には想像も出来ないレベルだろう。

 でも俺は強く言う・・リンダが好きだから、リンダを大切に想うから。

 リンダ、疲れたら休め・・そうでないと押しつぶられる、奴の罠に。

 無力感を受け止めるだけの、心の力は常にキープしろ・・そうしないと進めない。

 疲れたら・・帰ってきて、リンダの心の休憩場所のこの街に。

 遥かなる理想を追うなら・・バランスが最も大切だよ、心と体のバランスが。

 心のタコメーターを意識してね、絶対にリミット・・レッドゾーンを越えるな。


 リンダ・・カリーの言葉を忘れたのか、カリーの最後のメッセージ。

 カリーが自分の死で、親友のリンダに気付かせた・・命のメッセージ。

 あれを受けて旅立ったんだろ、リンダ・・理想を求める、放浪の旅に。

 あの時に・・カリーに何も出来なかった、無力感を感じたんだろ。

 だからこそ・・リンダは旅立ったんだろ・・それを探して。

 世界中の全ての人に気付いて欲しくて、その波を起こしたくて。

 リンダとマチルダは旅してるんだろ・・リンダ、白い扉に入れ。

 俺の中に・・マリがリンダへのメッセージを残してる。

 昨夜マリがリンダの中のカリーから受け取った、メッセージが残ってる。

 カリーがリンダの疲れを感じて、唯一受け取れるマリに託した。

 大切なリンダとカリーの記憶、それをマリがリンダに見せろと残した。

 蘇らせてやる・・俺には分からない、カリーの命のメッセージを。

 来い、リンダ・・俺が側にいるから・・フーの場所で待っている』


私は真剣な瞳のリンダに、強く言葉と温度で伝えて目を閉じた。

リンダの隣に座るユリカも、マチルダもシオンも通訳しなかった。


私は白いドアを開けてハチ公に迎えられた、私のすぐ後ろを真顔のリンダが入ってきた。

フーが笑顔でリンダに抱きついて、リンダはフーを抱き上げて笑顔が戻った。

私はリンダを大型モニターの前に座らせて、少し後ろに下がった。


私の肩に妖精達が乗って、私の周りにボンビ親子と白馬が来た。

ハチ公が私の横に立ち、リンダの少し緊張する背中を見ていた。


私はマリが残したメッセージを再生した、病院のベッドに座る、痩せたブロンドの少女のアップが映し出された。

目の前のリンダの背中が小刻みに震えた、フーがリンダを必死に抱きしめた。


画面が引いていくと、若いリンダがベッドの横に座りカリーの手を握っていた。


「Rinda・・・・・・・・・・」カリーは必死で言葉で伝えた、リンダはカリーの瞳を見ていた。

映像のリンダは、必死に涙をこらえてるようだった。

私の前に座るリンダは、大きく背中を震わせて泣いていた。

フーは全力の力でリンダを抱きしめていた、リンダはフーに支えられて映像を見ていた。


映像の最後に、リンダはカリーに何かを誓った。

その瞳は強い意志に溢れていて、迷いの無い美しいブルーだった。


映像はそこで少しずつ暗くなり、消えていった。

フーは自分の右腕でリンダの涙を拭いていた、必死に笑顔を出しながら。


「フー」と言って、リンダは笑顔になって抱きしめた。

フーはそれで笑顔になって、リンダの頭をヨチヨチしていた。


『フーは・・優しさだけで出来てるんだね』と私は笑顔で言った、私の周りの全員が笑顔で頷いた。


「夜の海・・楽しみにしてるね」とスーが私の耳元に言って。

「オキゴンドウちゃんが、見れますように」とボンビが笑顔で言った。

「素敵なんだよ~・・イルカちゃんも、オキゴンドウちゃんも」とサーが言って、全員が笑顔になった。


物語の進行を考えて、リンダとの夜の海とマチルダとの添い寝は後に記します。

大切な場面で再生されるから、その演出を楽しんでほしいからです。


この後、私はリンダと夜の海に出て、イルカとオキゴンドウが迎えてくれた。

マチルダと添い寝をして、おとぎの国の夜空を眺めながら、沢山の話をしました。


翌朝、朝陽で目が覚めて、隣に眠るグリーン姫をチェックした。

カーテンを閉めてリビングに行き、ストーブに陽を入れて、朝食に前夜の鍋で雑炊を作っていた。


蘭が起きて来たので、私は蘭を笑顔で抱き上げた。

そして窓辺まで歩くと、蘭は満開笑顔で川の流れを見ていた。


「なんか・・久々に抱っこされた気がする、ハードで楽しい年末だったね」と蘭が満開笑顔で言った。

『そうだね・・楽しかったから、早かったね』と笑顔で返した、蘭は満開で頷いた。


『蘭・・あのベンチで、声をかけてくれてありがとう。

 俺にはそれが今年の1番の思い出だよ、蘭に出会えたことが。

 蘭・・自分らしくね、実家に帰っても・・最初は実名に戻るなよ。

 蘭でいろよ、そうすれば出来るだろ・・心に従う事が。

 俺は2日にお兄さんに会えるのを、本当に楽しみにしてるよ。

 蘭・・ありがとう、来年も・・末永く・・よろしくね』


私は蘭の満開を見ながら笑顔で言った。


「よし・・最高のアドバイスを、ありがとう。

 当然・・私もあのベンチが、今年の最高の思い出だよ。

 年末の挨拶を今して・・唇の挨拶で、充電を完了して」


蘭は満開で微笑んで瞳を閉じた、私は優しく唇を合わせた。

感謝を伝えるのに、かなりの時間重ねていた。

唇を離すと、蘭が瞳を開けて満開二ヤ二ヤを出した。


「オフって言った?・・興味津々で、ハチ公が見てるよ~」と蘭が二ヤ継続で言った。

『あっ!・・やばい・・見たな~、ハチ』と二ヤで言って、蘭と2人で笑っていた。


全員で朝食を食べて、私は蘭とリンダとマチルダを、駐車場まで見送った。

笑顔で見送る事が出来た、楽園ブルーも、輝くグリーンも復活を示していた。

私は黒い車体が見えなくなるまで手を振った、光に向かい黒い輝きは走り去った。


大晦日が来ていた、急激な変化の波がすぐ側まで来ていた。

私はまだ気づいてなかった、最強コンビの誕生が間近に迫っていた。


モモカとアンナが巡り会う、その日が近づいていた。

2つ合わせて無限を提示する、同級生のお友達・・摩擦率0のコンビ。

身体のアンナと精神のモモカ、その2つが融合すると生まれる最強の姿。

笑いを振り撒き降臨する、天然の歯車・・時の組み込み。


摩擦率0の動き、勝利を否定する存在・・勝者も敗者も存在しない世界。

冬の日の陽だまりの中で、【未踏の到達】と言われるコンビの誕生が迫っていた。


私はユリカの部屋を見上げた、ユリカとリアンとシオンが笑顔で手を振っていた。


リンダに大きな提案をされたシオン、その背中をリアンが強く押した。


私はワクワク気分に変わっていた、ユリカと2人で過ごす大晦日が来た。


今でも忘れ得ぬ・・ユリカと迎える、新年が迫っていた・・。



 

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ