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      【冬物語第三章・・悪意の門⑭】 

心の中の原色の七色、それは自然が作り出す虹のイメージ。

地球の自然の営みが見せてくれる、幻想的な架け橋の色である。


私は他人を自分の中に描く時は、特別な存在を省けば、その人のイメージを七色に色分けする。

その中で、中々出会えない色が存在する。


快晴の青空の下、美しい深緑の森が広がっていた。

カード柄の道をジープが駆け抜けていた、中からは笑い声が響いていた。


「完璧な突破口が見えました~・・必ず遠隔で入る」とリリーが高速リングの笑顔で言って。

「沙紀ちゃんは凄いな~・・凄く良く分かる話だった」とアイコが笑顔で言った。


「段階の時の勝利品が、挑戦のドア・・奴も素敵な事が出来るよな~」とリアンが笑顔で言って。

「エースの勝利だった・・エースはアバウトな内容を要求した・・だから奴には選択肢があった、素敵な解答だったね」とユリカが嬉しそうに言った。

「紳士協定・・この言葉が響いたんでしょうね、だからドアを残した」とマチルダも嬉しそうに言った。


ジープはログハウスの前に止まった、女性達がその光景を見て笑顔で降りた。


沙紀は完璧な世界で作り上げていた、女性達は笑顔で見ていた。

フーが沙紀に抱きついて、ハチ公と妖精達が笑顔でお礼を言っていた。


「素敵でしょ~・・素敵なんです~」とシオンがニコニコちゃんで言った。

「素敵だよ・・本当におとぎの国だね・・この大型モニター以外は」とナギサが笑顔で沙紀に言った。


庭の共有スペースの真中に、大きな板状のモニターが備えられていた。

私はその薄さに驚いた、沙紀は自分で改良を加えていた。


その時代は液晶など開発途中の夢の品物だった、TVもモニターも箱型の時代だったのだ。

沙紀は次の段階で紙のモニターを出す、それをシズカが見た時に感動していた。

沙紀は丸めたり折り畳んだりする、持ち運ぶ為のモニターを作り出した。

現代でもそれには追いついていない、沙紀はエミに習っていた・・発想するという楽しみを。


「はい・・お家の中にも小さいモニターが有ります。

 小僧ちゃん・・これを握って、自分の目をイメージして。

 そうすれば・・小僧ちゃんが起きてる時には、このモニターに映るから。

 小僧ちゃんの見てる物が映るよ、恥ずかしい時には切れるから。

 おトイレもお風呂も大丈夫・・見せてあげてね、素敵な世界を」


沙紀が笑顔で赤い棒を差し出した、私は笑顔で受け取って目を閉じた。

自分の目をイメージして、視界をイメージして切った。


目を開けると拍手が聞こえた、モニターに私の視界と同じ映像が出ていた。

不思議な感覚だった、私が頭を動かすと、モニターの映像も動いた。

女性達が興味津々で見ていた、私も楽しくてグルグルと動かした。


「この世界で入れれば良いの、トイレとかお風呂とか・・それとこの世界。

 ここで映すと何か変でしょ、それと【オフ】って心で言えばすぐに切れるよ。

 そして【オン】って言えば戻るから、誰かと喧嘩する時は切ってね。

 それと・・下ネタ言う時も、ハチ公ちゃんがすぐ覚えるから。

 まぁ・・美由紀ちゃんがいるから、駄目だろうけどね」


沙紀が笑顔で言った、女性達が爆笑していた。


『ありがとう、沙紀・・素敵だよ』と言って、モニターの設定をした。

《トイレ・お風呂・おとぎの国・ベッド》をとりあえずオフにした。

モニターは消えていた、私は沙紀の凄さを何度も感じていた。


「沙紀・・この白い扉は!・・何?」とリリーが慌ててフーの家の横から飛び出してきた。

沙紀がその方向に歩いたので、女性達が全員駆け寄った。

フーの家の横の大きな木の幹に、白い扉が作られていた。


「ヨーコちゃんの【ここにもドア】です、イメージの入口です。

 みなさんも遠隔の挑戦をするんですよね、このドアをイメージすれば簡単です。

 このお家の場所だけ、イメージに綺麗に入れれば・・絶対に入れます。

 全ての部分を入れようと思うと、難しいんですよね。

 だからそのドアを作りました、遠くから入る入口です。

 それで入るのに慣れていけば・・どんどんこの世界が広がります。

 私がこの場所の絵を描いて、今度プレゼントしますね。

 私もご飯を沢山食べて、少し走ったりして・・体力を付けます。

 皆さんも遠隔での挑戦で、ここに来て・・フーと遊んで下さいね。

 フーは淋しがりやさんですから・・よろしくお願いしますね」


沙紀は笑顔で言った、ユリカが沙紀を抱きしめた。


「アリガトウ・サキ・・コレデハイレルヨ」とリンダが笑顔で言って。

「最高だよ、沙紀・・必ず入って遊びに来るからね」と蘭が満開で微笑んだ。


「遠隔で入れるんですか!・・遊びに来れるんですか?」とシオンが叫んだ。

「そうだよ、シオン・・自分の世界にそのドアを描いて、その外側にこの場所を描けば入れるよ」とリアンが二ヤで言った。


「最高です・・絶対にシオンは入ります」とシオンがニコちゃんで言った。


「シオン姉さんは、今でも入れます・・あとはドアの開け方だけですよ。

 シオン姉さんの記憶力って言うか、写真に残す力は凄いですよね。

 静止画なら・・完璧な世界が残ってますよね、それをイメージに置き換える。

 その方法さえ分かれば・・ドアは絶対に開きます、もう一歩です。

 それにシオン姉さんは・・陸上競技者ですから、体力は充分ですね」


マリが少し俯きかげんの、笑顔で言った。


「ありがとう、マリちゃん・・大切なヒントだったよ」とシオンがニコニコちゃんで返した。

「小僧じゃ心配ですから、今の私は体力が無いし・・シオンさんが出来れば、安心ですから」とマリが笑顔で返した。


シオンがニコニコちゃんで頷くと、フーがシオンに駆け寄った。

シオンがニコちゃんで抱き上げた、フーは扉を指して笑顔になった。


「はい・・フーちゃん達に、シオンが会いに来ますね」とシオンがニコちゃんでフーに言った、フーは何度も頷いた。

「私も必ず出来るようになる・・遊んでもらいたい、疲れた心を」とリリーが高速リングの笑顔で言った。

「そうなんだよね~・・私達が遊んでもらうんだよね」とユリカが笑顔で言って。


「最高の心の休息場所ですね・・絶対にやる、それがリアルで全力を出せる方法だと思うから」と蘭が満開笑顔で言った。

「そうだよね・・絶対にそうだ、この場所で休息出来れば・・リアルで全力を出せる」とナギサも笑顔で言った。


「私は体力だけだ、最高の心の休息場所は確保した」とマチルダが二ヤで言った。

「マチルダ・・ズルイ・・ハンソク」とリンダが楽園二ヤで言って、マチルダも二ヤで返した。


女性達が2件の家を嬉しそうに見て周り、私は車庫に律子のミニクーパーと、恭子の原チャのモンキーを入れた。

小さな車でイメージしてたのは、それしか無かったからだ。


『ハチ公・・まだ乗るなよ、今度教えるから』と嬉しそうなハチ公に言った。

「今夜だね・・グリーン姫と来るんでしょ」と笑顔で返された。

『お前たちが仲良くしてればね、まぁ・・俺の見る物で楽しみな』と笑顔で言った。

「楽しみにしてるよ・・良い所で切らないでね」と二ヤで返された。


『お前・・歳は幾つだよ?』と二ヤで返した。

「永遠の3歳だよ・・人間の歳で言うと、俺の方が先輩だよ」とニヤニヤで返された。

『それじゃあ、この世界の最高責任者は・・お前だよ、ハチ公兄さん』と笑顔で返した。

「了解です・・絶対に守りぬくよ」とハチ公は真顔で返した。


『よろしく・・安心してるよ』と笑顔で言って、女性達を集めた。


女性達をジープに乗せて、私がカウンタック乗った。

おとぎの国の住人達に、全員笑顔で手を振って入口を目指した。


すれすれの低さを感じるカード柄の道が、飛び込むように視界に入ってきた。

《オン》と心に二ヤで囁いて速度を上げた、ワクワク顔のハチ公が見えるようだった。


管制室で女性達を確認して、映像を切った。

私が目を開けると、楽しそうな女性達の笑顔が有った。

時間はまだ11時5分だった、リアルの時間経過は2時間だった。


「とりあえず・・今後の予定を決めようね」とユリカが笑顔で言った。

全員が笑顔で頷いた、私は沙紀を抱き上げて話していた。


「今夜は・・リンダとマチルダ、それに蘭とエース・・そしてリアンとシオンが泊まるよね?」とユリカが二ヤで言った。

「良いのか!・・嬉しいね~」とリアンが極炎ニカで言って、シオンがニコちゃんで頭を下げた。


「リンダからのご招待だよ、シオンとゆっくり話したいらしいよ」とユリカは真顔でリアンに言った。

「ありがとな、ユリカ・・嬉しいよ」とリアンが笑顔で返した、シオンの最強ニコちゃんが咲いていた。


「よし・・ナギサは飛行機何時なの?・・今年は京都に帰るんでしょ?」とユリカが笑顔で言った。


「はい・・今からリリーと帰って、準備します。

 カスミと3人で飛行場に行って、私が京都でカスミが福岡ですね。

 そしてリリーが母親を迎えて、カスミの車で帰ります。

 ユリカ姉さん、リアン姉さん・・本年はお世話になりました。

 来年もよろしくお願いします・・久々に、京都の冬を楽しんできます」


ナギサが笑顔で頭を下げて、リリーも笑顔で挨拶をした。

ナギサとリリーがリンダとマチルダと笑顔で挨拶をして、送ると言ったシオンと出て行った。


「それじゃあ・・リアンはシオンと1度帰るよね?」とユリカが笑顔で言った。

「うん・・そうするよ」とリアンが笑顔で返した、ユリカは笑顔で頷いて私を見た。


『シオンが帰って来たら出ようか、お昼は別々にしよう。

 ユリカが・・リンダと沙紀を乗せて、病院に行ってね。

 沙紀のお母さんが、1時に病院の由美子の部屋に迎えに来るから。

 蘭の車は・・マチルダとマリと俺で、施設に行ってくる。

 その後・・PGに行って、鹿児島に帰るユリさんに挨拶するよ。

 改装工事の状況も確認したいし・・他の予定は、リンダと夜の海だけ』


私は笑顔で言った、ユリカも笑顔で頷いた。


「私達もPGに行くよ・・私もユリ姉さんに挨拶したいから」とユリカが笑顔で言った。


シオンが帰ってきて、私は沙紀を抱き上げた。


『沙紀・・お正月待ってるね、本当にありがとう・・今年は沙紀と由美子に出会えて、嬉しい年だったよ』と笑顔で言葉と温度で言った。

《私もだよ・・小僧ちゃん、ありがとう・・沙紀も嬉しい年でした》と沙紀が返してきた。

私は笑顔で沙紀を見て蘭に渡した、蘭も笑顔で沙紀に話していた。


私は沙紀のリュックと紙のケースを用意した、マチルダとマリが沙紀に笑顔で話していた。

全員でユリカの家を出て、私はマリと後部座席に乗った。


「駄菓子屋の前を、まだ海の方に走るんだよね?」と蘭が振り向いて言った。

『施設はね』と二ヤで返した。


「お昼は任せなさい・・穴場のお寿司を食べさせます」と蘭が満開で微笑んだ。

マチルダもマリも嬉しそうな笑顔だった、私は橘橋の上で河口を見ていた。


「波が気になるのか?」とマリが聞いた。

『今夜は大丈夫だよ・・それに実はベストな日なんだ・・年末がね、釣り人も漁船もいないから』と笑顔で返した。


「そっか~・・静かな海なんだ~、良いな~」とマチルダが言った。

「マチルダは、台風前のベストな日に行ったでしょ・・マンタちゃん」と蘭が満開ウルで返した。


「忘れられないんです・・マンタの泳ぐ姿を。

 海を見ると思い出します、あれから船に乗ると・・ずっと甲板にいますね。

 でも・・今日は本当に嬉しかった、心の休息場所って聞いて。

 それを沙紀は感じていて、表現できる最大級の方法で教えてくれた。

 本当に嬉しかったですね・・沙紀は、私達の心の疲れを心配してる。

 そう思いましたよ・・沙紀は既に見据えてますね、来年の挑戦を。

 頑張ろうね・・ハチ公、お前は絶対に門を開けろよ」


マチルダが振り向いて、私を見て二ヤで言った。

強烈な波動が爆笑していた。


「新しい、楽しい遊びが出来ましたね~」とマリが二ヤで言った。

「食べ過ぎるなよ、フー」と蘭が信号待ちで振り向いて私に叫んだ。


3人が笑って、私はウルウルを出していた。

噂の名店の握り寿司を4人でニコちゃんで食べた、蘭がご馳走してくれた。

そして施設に向かった、蘭はハイテンションで面白話をしていた。


私は施設の裏の駐車場に車を止めさせて、4人で歩いて正門に向かった。

桜の木が見えると、ルンルン笑顔が駆けてきた。

蘭は立ち止まり、モモカの笑顔を見ていた。


モモカは蘭に駆け寄った、蘭は最強満開笑顔で抱き上げた。


「蘭さんですね・・私はモモカです、よろしくです」とモモカがルンルン笑顔で言った。

「会いたかったよ、モモカ・・嬉しいよ」と蘭は満開笑顔で返した。


「モモカ・・分からないの、嘘じゃないのに本当じゃないの。

 それが思いやりって言うの?・・どうしてかな~。

 なんで人は好きなのに、喧嘩するのかな~・・淋しいのに。

 素敵な海のお兄さんは・・それを感じると淋しいのに。

 好きなのに・・人はどうして喧嘩をするのかな~」


強烈だった、囁きでない・・完全な春風の問いかけだった。

私は凍結する蘭を、桜の木の下のベンチに座らせた。

蘭はモモカを見ていた、モモカは癒しの笑顔で蘭を見ていた。

強烈な波動が何度も何度も押し寄せて、桜の木の下の2人を包んでいた。


『マチルダには後で紹介するよ・・入ろう』と笑顔で2人を誘って、施設の正面玄関を開けた。


玄関を入った場所に、小3の悪ガキ2人組がいて、マチルダを見て凍結していた。


「大変だ~・・一大事だよ~・・チャッピーが、金髪のお姫様を連れてきた~」と2人が大声で叫びながら、中に走って行った。


私はマチルダを二ヤで見た、マチルダは嬉しそうな笑顔だった。

子供達が続々と駆け寄って来て、嬉しそうな笑顔でマチルダを見ていた。


『全員・・勉強部屋に集合、本物の英語を聞かせてやる・・哲夫、マチルダをよろしく』と哲夫に笑顔で言った、哲夫は笑顔で頷いた。


「は~い」と子供達が全員笑顔で返事して、勉強部屋に駆け出した。

マチルダが輝く笑顔で哲夫と手を繋ぎ、廊下を奥に歩いて行った。


1人残って、真由子が笑顔で立っていた、私はその笑顔で少し安心した。


『真由子も行って来い・・俺とマリが会って来るから』と笑顔で真由子に言った。

「うん・・ありがとう、名前は愛香ちゃんだよ」と真由子が笑顔で言った、私もマリも笑顔で頷いた。


廊下の奥に施設の寿子がいたので、笑顔で頭を下げた、寿子は口の動きで《よろしく》と伝えてきた。

私はマリと並んで乳児室を目指した、突然マリが私の肩を掴んだ。


「黄色のピース」とマリが俯いて、少し震えながら言った。

私は久々のマリの無意識の震えの提示を聞いた、優しくマリを抱きしめた、強烈な波動が何度も来た。

ユリアとユリカの緊張を感じて、マリが二ヤになって顔を上げた。


「小僧・・最初はお前1人が良い、お前の判断に任せる」とマリが強く言った。

私は笑顔で頷いて、乳児室の扉を開けた。


乳児室は暖かく、ベビーベッドが2つだけ置かれていた。

私はどっちの乳児なのか、一瞬で感じた、陽だまりをイメージしていた。


私は笑顔でベッドを覗いた、無垢な乳児の可愛い顔を見て自然に笑顔になった。

やっと首が座ったばかりだろう、瞳が大きな可愛い乳児が私を見ていた。


その瞳は強く意思を示していて、私はすぐに理解して乳児の手を握った。

私には経験があった、瞳の強い意思に心が躍っていた。


「アイカ、駄目だろ~・・真由子は心配性なんだから、赤ちゃんらしい演技をしないと~」と私は言葉と温度で伝えた。

意識して幼児に話すレベルで、アイカのプライドを保たせた。


私は関口意志に紹介された、天才と呼んだ○○とアイカを重ねていた。

それほどまでに、強い意思を乳児で持っていた、それが孤児になって開花したのだと思っていた。


《あなたが、小僧?》と温度でしっかり返してきた。

『そうだよ、俺が噂の小僧で~す』と二ヤで返した。

《悪い噂のね・・真由子姉さんとモモカ姉さんの間では、悪い方が多いよ~》と返してきて、アイカが笑顔になった。


二ヤに近い乳児の笑顔だった、私は驚きを必死に隠していた。

生後4ヶ月程の乳児が、表現力の豊富な言葉で返して来たのに驚いていた。

そして私はマリの無意識の提示に賭けた、乳児が私の反対側を目で追っていたから。


『アイカ・・ユリアだよ、可愛いだろ~』と笑顔で言った。

強烈な波動が何度も来て、アイカは無垢な笑顔になった。


《モモカ姉さんに聞いたよ、本当に可愛いな~》とアイカが温度で返してきた。


『アイカ・・退屈なのか?・・乳児で寝たきりなのが』と二ヤで聞いた。

《退屈だよ~・・私、変なんでしょ・・4ヶ月で、こんな感じでいるの?》とアイカが真顔で返していた。

私は久々に乳児の真顔を見て、自然に笑顔になっていた。


『演技で良いから、意思を表現するって約束するなら・・寝てても出来る、楽しみを教えてやるよ』と二ヤで言った。

ユリカの波動が、何?何?ときて、ユリアは沈黙の波動だった。


《小僧ちゃんの言うことなら、面白そうね・・面白かったらやるよ、約束します》とアイカが返してきた。

『了解・・ちょっと待っててね』と笑顔で返し、廊下を覗いた。


マリが窓際に立っていたので、二ヤで手招きした。

私は笑顔でアイカを抱き上げた、里美も少し笑顔が出ていた。


『アイカ・・この人がマリ、マリの同調に入る・・マリがユリアと誘ってくれるから、出来るよね』と笑顔で言った。

爆発的な波動が何度も押し寄せた、ユリカの興奮を感じていた、マリは驚いて私を見た。


《同調?・・誘われたら、行けば良いのね?》とアイカが返してきた。

私は笑顔で頷いて、マリを椅子に座らせてアイカを抱かせた。


マリは抱いた瞬間に感じたのだろう、アイカもマリに抱かれて笑顔になった。


『マリ、沙紀の扉だよ・・ユリア、状況でフォローしてね』と笑顔で言った。

マリはそれで笑顔になってアイカを見た、ユリアの《了解》の波動が来た。

《何?何?》のユリカの強い波動が、連続して来ていた。


《黄色のピースかどうか、確かめる・・生後4ヶ月での同調で、後で報告するね》と心に囁いて、強烈な波動を確認した。

私は椅子をマリの横に置いて座り、マリの肩に手を乗せた。


『それじゃあ、行くよ・・ここにもドアだよ』と笑顔で言って目を閉じた、すぐにドアが出てきた。

私はドアを開けて、フーの家の横に出た、ハチ公が笑顔で拍手をしていた。


私が振り向くと、マリが笑顔でアイカを抱いていた。

マリが外に出てきて、テーブルの椅子に座ると、フーと妖精達とボンビが笑顔で囲んだ。


「素敵~・・何?何?・・素敵~」とアイカが笑顔で言葉で言った、アイカ自信がその声で凍結した。

「喋れるんだよ、アイカ・・どうして歩ける大きさのイメージで、来ないのかな~」とマリがアイカに二ヤで言った。


「嘘でしょ・・それも出来るの?・・もう1回・・お願いします~」とアイカがウルで言った。

「それは無理だけど・・私がハイハイは入れてあげたよ・・フー、初心者にハイハイを教えてね」とマリは二ヤで言った、フーは二ヤで頷いた。


マリが芝生にアイカをうつ伏せで置いた、妖精達がアイカを周りを飛んでいた。

フーがアイカの真横でハイハイをしていた、アイカはそれを笑顔で見ていた。

アイカはフーを真似て、少しずつハイハイをしていた、妖精達が笑顔で応援していた。

ボンビがアイカの目の前で笑顔を出して、《おいで・・おいで》と優しくアイカを呼んでいた。


「私が、黄色のピースって言ったのか?」とマリが真顔で聞いた。

『うん・・由美子の最終段階の、最後のピースかもね・・あの才能』とアイカを見て笑顔で頷いた。

同意の強いユリアの波動が来て、マリも笑顔でアイカを見ていた。


アイカは座ってフーに後ろから抱かれていた、アイカの前に3人の妖精が集まってアイカと話していた。

ボンビも笑顔でアイカの側に座って、アイカの話を聞いていた。


「初めてなんです・・人間の赤ちゃんを感じるのは。

 沙紀姫様は、あまり赤ちゃんと出会う事が出来なかったから。

 それにリアルに存在する人間は、描けてもこの世界には残せませんから。

 それで生み出してくれたのが、あの7人の小人達です。

 あれが沙紀姫様の残せる、人間の幼さの限界だったから。

 私達は嬉しいんです・・人間の本来の姿に出会えたから」


ハチ公は笑顔でそう言って、アイカの元に歩み寄り笑顔で抱き上げた。


「そうなんだよね~・・実在の人間のイメージは残せないよね?」とマリが私に二ヤで言った。

『うん・・俺はヒトミもチサも残せないよ、今でも実在してるからね』と笑顔で返した。


おとぎの国の住人達に囲まれて、アイカは天使の笑顔を出していた。

私とマリもアイカの側に座った、ユリアも近くに座った気がした。


『アイカ・・いつか手伝って欲しい、眠り姫の魔法を解くのを。

 アイカにはその力があるよ、俺がお正月に迎えに来るから。

 もう1度ここに来て遊びなよ、今度はモモカも一緒にね』


私は笑顔で白馬の顔に抱きつく、アイカの笑顔を見ながら言った。


「小僧ちゃん・・約束を守るから、教えて・・寝たきりでも出来る、楽しいこと」とアイカが笑顔で言った。


『アイカはイメージって分かるよね、それを自分の中に描くんだ。

 アイカはまだ、あまり外の景色を見た事ないだろうけど。

 絶対に描けると思うよ・・あの扉と、この場所を描くんだよ。

 扉を描いて・・その中にこの場所を描くんだ。

 そうすれば、必ず出来るよ・・アイカがどこにいても。

 体を動かせなくても、この場所に来て・・大好きな仲間に会えるよ。


 お正月には、生後10ヶ月のイメージで入ろう。

 立っち出来るイメージでね、それが大切な事だよ。

 きちんと体の段階を上る、モモカでもそうなんだよ。

 でも・・心の段階には制限はいらない、言葉だってそうだよ。

 リアルな体が成長すれば、言葉の機能が完成される・・それまでは出ない。

 それは大切な段階なんだ・・でも心の世界では関係ないよ。

 アイカは特別じゃない・・俺は選べれた人間だと思ってるよ。

 アイカ・・意識しないで良いんだよ、それは無意識の記憶なんだ。

 アイカはそれを残しているだけ、だから他の子と何も変わらないよ。

 でもね・・アイカには特別な力がある、それは他の仲間には内緒だよ。

 アイカは生後4ヶ月で・・おとぎの国の仲間になった』


私はアイカの笑顔を見ながら、嬉しくて笑顔で言った。

マリの笑顔と、ユリアの優しい波動が包んでいた。


「アイカ姫・・私達はいつでもお待ちしています、アイカ姫が成長する姿が見たいから」とハチ公が優しく言った。

「アイカ姫は、この国で3人目の姫ですよ・・沙紀姫様とモモカ姫様とアイカ姫様です」とボンビが優しい笑顔で言った。


フーも妖精達も笑顔で頷いた、2頭の白馬の目が優しかった。

私は白馬の優しい目を見ながら、イルカの優しい目を思い出していた。


アイカが笑顔で遊ぶのを見ながら、私は車庫の裏にカード柄の道を作った。

アイカが遊び疲れたようなので、私はおとぎの国の仲間に別れを告げて、ドアから入り映像を切った。


「コジョー・・楽しい事してた、モモカは?・・モモカは?」と私が目を開けると、モモカが私に抱きついて言った。


蘭が最強満開で、もう一人の生後間もない乳児を抱いていた。

その横に寿子がいて、アイカを見て笑顔になった。


『ごめんね、モモカ・・お正月に連れて行くから、アイカとね・・みんなには内緒だよ』とモモカに笑顔で言った。

「コジョ・・約束ですよ~」とモモカがアイカの笑顔を見て、ルンルン笑顔で返してきた。

『俺はモモカとの約束は、絶対に守るだろ』と笑顔で言った、モモカも笑顔で頷いた。


強烈で優しい波動がモモカに吹いた、モモカはその方向にルンルン笑顔を向けた。


「安心しました~・・ユリカちゃんとユリアちゃんが、約束してくれたから~」とモモカが波動の方向に行った。

爆発的な大きな波動が、モモカに吹いてきて、モモカはルンルン笑顔になった。


私はモモカを抱き上げて、満開笑顔の蘭の横に立った。

そして蘭の抱く乳児の手を握って、笑顔でチェックした。


「カスミちゃんがモモカに出会った、あの時の子よ・・昌平君」と寿子が微笑んだ。

『アイカと昌平・・良いコンビになるよ』と笑顔で返した。


その時、マリに抱かれたアイカが、キャキャと声を上げて笑った。


「さすがコジョですね~・・意地悪アイカが、やっと笑いましたね~」とモモカがルンルン二ヤでアイカに言った、アイカはウルを出した。

「ウルまで!・・アイカはテツが好きですからね~」と言ってモモカが笑った、私達もアイカを見て笑ってた。


『寿子・・元旦にアイカを預かるよ、次の段階の為にね・・乳児だから良いでしょ?』と笑顔で聞いた。

「小僧なら良いよ、よろしくね・・こっちも助かるよ」と笑顔で返してきた。

強烈なユリカの波動が、ワクワクで吹いてきた。


蘭とマリが、アイカと昌平を交換した。

マリは首が座ってない乳児を初めて抱くのか、緊張しながら寿子のアドバイスを聞いていた。


マリは昌平を抱くと、瞳を潤ませて昌平を見ていた。

その黒い瞳は、優しさに溢れていた・・冬の日の暖かい昼下がりだった。


私は自然に揃っていくピースを感じていた、その彩に喜んでいた。


出会えるのだろうかと思っていた、黄色のイメージ。


心地良い温もりを感じさせる、黄色い色・・陽だまりの色。


冬の日の窓辺から訪れた、陽だまりの少女が笑っていた。


動けないという現実を、明確なイメージで表現してくれる。


大切な存在・・由美子の世界を表現できる、陽だまりのアイカ。


極寒の山頂を照らす、陽だまりのイエローピースが登場した・・。














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