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      【冬物語第三章・・悪意の門⑬】 

他人を想うとはどういう事だろう、愛するとは何なのだろう。

その答えは出ない、だからこそ楽しいが付随している。


快晴の空の下の、乾いた空気の中にいた。

生命の基本に触れる言葉を聞いていた、女性達も沈黙して考えていた。


《死を意識して生きるのは、人間には絶えられないのだろうか?》と私も考えていた。


「やめて下さいよ~・・それが本当の猫の感覚かは分かりません。

 沙紀姫様が描いた、沢山の本物の猫達と触れ合って感じた事です。

 俺は物語上の猫ですよ、それも空想の・・長靴なんて履いてる。

 基本的なモデルは本物の猫ですけど、こんなに手足が長いし。

 2本足で立ってるし、猫の世界じゃ異端児です。

 ただ猫の言葉が分かるだけです・・それと気持ちが」


ハチ公は沈黙に耐えられなくなったのか、おどけながら話した。

その必死さが可愛くて、女性達も笑顔になった。


「しかしエース・・ハチ公の言葉を、全員に伝えるだけでも大変だね~」とリアンが二ヤで言った。

『大丈夫・・重要な話しは録画したから、それを見せるから・・嘘が発覚した時には、本人にも見せるからね』とハチ公を見て二ヤで言った。


「嘘なんて言わないよ、サタンには通用しないって知ってるから」とハチ公に二ヤで返された。

『良い心がけだね・・言っとくけど、俺は猫の瞳も何となく分かるよ』と笑顔で返した。

「知ってるよ・・俺に憧れてる名前が有るの、読んだでしょ~?」とハチ公が言った。


『生意気に・・試験を出したんだな、ハチ』と二ヤで言った。

「あっ!・・省略した、俺の大切な名前を」とハチ公がウルで言った。


『知らなかったのか・・ハチ公の正式な名前は、ハチだよ』と二ヤで言って門の方に歩いた。


「ユリカさん・・本当ですか?」とハチ公がウルウルで言った。

「残念ね・・本当よ」とユリカが爽やか二ヤで言って歩き出し。

「フー公・・行くよ~」と蘭がニヤニヤでフーを読んだ。


「公って・・そんな感じの言葉なんだ」とハチ公が立ちすくみウルで言った。

「良いじゃないか、ハチ・・お前はハチの生き方に憧れたんだろ」とリリーがハチ公の肩を掴んで二ヤで言った。

「うん・・俺は、ハチ公・・名前がハチ公だから」とハチ公が笑顔に戻り歩き出した。


フーは蘭に呼ばれて、蘭に駆け寄った。

蘭がフーを満開で抱き上げると、フーは何度も蘭の胸に横顔を付けた。

そして隣のリンダに手を伸ばした、リンダが笑顔でフーを抱いた。

フーはリンダの胸に横顔を付けて、納得した笑顔になってスリスリした。


「あ~!・・フー、私の胸じゃ物足りないのか?・・マキが刀を抜く気持ちが分かったよ」と蘭がワナワナと震えて言った。

フーは蘭を微妙なウルで見た、女性達は大爆笑に入った。


「フー・・そのドンマイウルは、どんな意味だ・・言ってみろ、ドンマイなのか?」と蘭が満開ウルで言った。

「ドンマイ・ラン」とリンダが楽園二ヤで言って、蘭を追い越して行った。


「マチルダ・・リンダは性格が可愛くないよ」と蘭がマチルダに満開二ヤで言った。

「やっと気付いてくれましたか~・・完璧にライバルと認められましたね、蘭姉さん」とマチルダが二ヤで返していた。

蘭は最強満開笑顔で頷いて、マチルダと歩き出した。


私達は半分以上砂に埋もれた、巨大な石の門の前に立っていた。


「砂を取り除くのだけで、大変そうだね~」とアイコが私に二ヤで言った。

『ヨーコの力の見せ所だね』と二ヤで返すと、女性達が笑っていた。


「小僧・・さすがに遠隔じゃ疲れたよ、後で病院に行くだろ?」とルミがウルで言った。

『ユリカ・・リンダとルミの紹介を頼める?』と私はユリカに笑顔で言った。

「もちろん・・ルミちゃんにも会いたいし、英会話が出来た方が良いでしょ」と二ヤで返された。


『お願いね・・俺は蘭とマチルダとマリで、施設に行って来るよ。

 モモカが明日で良いって言ったけど、少し気になるから。

 マリが一緒の方が心強いし、モモカも蘭に会いたいらしいから。

 それに・・施設の子供達に、マチルダとの出会いのプレゼントをね。

 お願いね、マチルダ・・マリ・・リャン』


私はニヤニヤで言った、蘭の最強満開が咲いた。

マチルダも、輝く笑顔で返してくれた。


「ルミちゃん、迎えに行こうか?」とユリカが笑顔で言った。

「いえ・・父が暇そうなので、大丈夫です・・ユリカさんの事なら、時間は分かりますから・・お先に失礼します」とルミが笑顔で言った。


全員がルミに笑顔で声をかけて、手を振って見送った。

ルミは大きな石の影に入って、そのまま消えたようだった。


「凄い体力と、精神力だな~・・遠隔でこんなに長時間、まだまだ遠いな~」とマリが呟いた。

「遠隔は疲れるよね~」とマチルダが笑顔で言って。

「はい・・でもお2人は、海外からでも入れるから凄いです」とマリが笑顔で返した。


『よし・・年明けに、神殿の調査に来よう・・出来るだけ自分のイメージに入れて、少し時間を取るから・・それで沙紀を迎えに行こう』と笑顔で言った。


「了解」と全員が笑顔で答えて、思い思いの場所で集中していた。


私はフーを抱いて、ハチ公とジープに戻った。

モニターで沙紀を探すと、ログハウスの庭にいた。


沙紀はログハウス風に、可愛い馬小屋と車庫を作って。

少し離して可愛いログハウスを、もう1件建てていた。


元々あったログハウスに【ハチ公】、新しいログハウスに【フー・サー・シー・スー】と表札が出ていた。


そしてもう一件、大きな屋根で守られた建物を作っていた。

中には柔らかそうな干草が敷き詰められていた、そこにボンビと母親が寝転んでいた。

中庭の真中に、美しい湧き水が噴出す水のみ場が有った。

共有スペースに、木製の大きなテーブルと椅子が出ていた。


ハチ公が嬉しそうな笑顔で、目を潤ませてモニターを見ていた。

フーはパンパンとモニターの乗る机を叩いて、喜びを表現して。

妖精達は3人で抱き合って泣いていた、私は笑顔で喜びの中にいた。


シオンはボンビ親子の側で、ニコニコちゃんで親子と話していた。


『シオン・・もうすぐ帰るね』と平原でシオンと沙紀に無線機を渡してたので、無線で言った。

「は~い・・沙紀ちゃん、本当に素敵ですよ~・・エースは変化を探して下さいね~」とシオンがニコちゃんで言った。


『頑張って、全部探すよ・・沙紀ありがとう、ペプラの神殿に着いたよ』と沙紀に言った。

「はい・・嬉しいです・・由美子ちゃんも、喜んでますね」と沙紀が無線で返してきた。

『うん・・沙紀、ありがとう』と笑顔で返した、沙紀も笑顔で備品を作っていた。


『ユリア・・秘密の会議をする、良いかな?』と二ヤで言った。

《了解》とニヤニヤの強い波動が来た。


『妖精3姉妹・・1つだけ教えて』と出来るだけ優しい笑顔で言った。

「何でも良いですよ、小僧ちゃんを信じる事にしました・・守ってくれたから」とスーが笑顔で言った。

『ありがとう、嬉しいよ』と私は嬉しくて笑顔で返した。


妖精3姉妹が私の正面のモニターに座り、私の左にハチ公、右にフーが座った。


『妖精3姉妹は・・フーとあの神殿の門を入ったの?』と笑顔で聞いた。


「もちろん・・私達はフーといつも一緒ですから」とサーが笑顔で言った。

『簡単に入れたの?・・妖精だって、沙紀姫様は当然・・生命として誕生させてるよね?』と驚きながら笑顔で返した。


「はい、そうです・・神殿の門は、フーが簡単に開けたんです。

 開け方は分かりません、フーはただ押しただけの感じでした。

 私達は入れるか分からないから、3人でフーの肩に乗っていました。

 何も傷害は無かったですよ、自然な感じで入れました」


シーが笑顔で言った、私は笑顔で頷いた。


『中はどんな感じだったの?・・詳しくはいらない、感じだけで良いよ』と笑顔で言った。


「神殿の続きですよ、でも壊れてない・・美しい庭園です。

 美しい花が、沢山咲いていて・・暖かくて、良い香りがします。

 奥に大きな芝生の庭があって、それを奥に進むと・・丸い建物があります。

 その建物の奥に、もう1つの大きな門があって、そこはフーでも無理でした。

 フーは丸い建物に入って、眠り姫様を呼んできました。

 眠り姫様が歩いて出て来て、言葉を聞かせてくれて・・私達は嬉しかった。

 でも・・今まで2回だけです、眠り姫様が出て来られたのは。

 フーはその日が分かるみたいで、その前の日にはここに来ます。

 素敵な場所ですよ・・でも奥の門は、怖い感じです」


スーが楽しそうに表現してくれた、私は意識して笑顔で頷いた。

強烈なユリアの波動だけが、何度も押し寄せた。


『ありがとう・・この話は誰にも内緒だよ、眠り姫様の為にね』と笑顔で言った。

妖精3姉妹とハチ公とフーは、笑顔で強く頷いた。

《了解》という強いユリアの波動がきた。


私は笑顔で銃を倉庫に入れて、おやつにクッキーを出してみた。

5人はニコニコちゃんになって、ハチ公が細かく砕き、妖精達も笑顔で食べていた。

フーはポロポロとこぼしながら、夢中で食べていた、私は自然に笑顔になった。


私はハチ公とフーの分のジュースを出し、小さな皿に少しだけジュースを入れた。

妖精達は長いストローを出して、美味しそうにジュースを飲んでいた。


『ハチ公・・帰りにも、竜巻があるのか?』と笑顔で聞いた。

「帰りは無いよ・・砂漠も狭い感じ、すぐにおとぎの国に着くよ」とジュースを飲みながら、ハチ公が笑顔で言った。


『そうだろうね・・座標が入らない、次元が違うんだな・・竜巻で入るしかないんだ』と私はレーダーを見て呟いた。


女性達がワイワイと賑やかに入ってきた、私は冷えた缶ジュースを手渡した。


「何?・・凄く美味しい、リアルな感じ」と蘭が一口飲んで笑顔で言った。

「ほんとね~・・美味しい」とユリカが笑顔で言った。


「小僧も段階が上がりましたから、常時自分の世界に棲む生命を感じて。

 由美子の2つ目の挑戦に食を設定して、自分の感覚を上げました。

 それを後押ししたのが、フーの蜂蜜ですね・・小僧は味までイメージした。

 フーが喜ぶように、味まで入れました・・それが訓練になりましたね。

 沙紀は絶対にそれを提案したと思います、イメージを描く最強の少女が。

 小僧に提案した次のレベルですね、絶対に由美子の為の準備です」


マリがジュースを飲んで、笑顔で言った。

女性達が驚きながら、笑顔になって頷いた。


「さてと・・帰りも竜巻なのか?」とナギサが私に二ヤで言った。

『無いんだって、すぐにおとぎの国に入るよ・・俺もレーダーで確認したけど、ここは次元が違う・・入る時は必ず竜巻なんだよ』と笑顔で返した。


「了解・・次の目的地は?」と蘭が満開笑顔で言った。

『ログハウス・・ハチ公とフーと妖精3姉妹の家』と二ヤで返した。


女性達がモニターを見て、沙紀とシオンとボンビを確認して笑顔が溢れた。

蘭が運転席に座り、ナギサが助手席、ハチ公が真中に座った。

女性達も席に着いて、ベルトを締めると走り出した。


「それでは聞きましょう・・ハチ公の感じた、リアンの境界線の感想を」とユリカが二ヤで言った、女性達が興味津々光線を発射した。

ハチ公は振り向いて女性達の注目を浴び、当然ウルを出した。


「俺はマキ姫様を一瞬で好きになったから、部屋でずっと見てたんだ。

 モニターって言うの、絵が映る機械・・凄いよな~。

 それが沙紀姫様の世界にも有るんだ、小僧が伝えた最高の機械だよ。

 沙紀姫様はその存在を、あの暗い世界で感じて・・カプセルの中で作った。

 俺達は驚いたよ、TVは前から有ったけど・・同じ物しか映らないし。

 俺とフーと妖精達は、同じ場所で暮らしてた。

 シンデルラ姫とか、人間として生み出された人と・・動物達は分けられた。

 全員・・別の素敵な世界で、いつもは暮らしてるんだよ。

 俺とフーと妖精達は、特別な部屋で暮らしてたんだ。

 その部屋はリアルと呼ばれる世界を描いてた、だからTVも有るんだよ。

 

 TVに映るのは・・沙紀姫様が1番好きな番組なんだ、子犬の物語。

 それしかTVには映らない・・モニターが現れた時には、全員飛び起きたよ。

 それに映ってたのは、小さな空飛ぶ可愛い女の子・・マリアちゃんだった。

 俺達は興奮して・・見入ってたよ、何の番組だろうってね。

 そして見ていく内に、妖精達が気が付いたんだ。

 沙紀姫様が、今いるリアルな世界で見てる物が映ってるってね。

 沙紀姫様はいつも俺達の事を考えてくれるんだ、本当に優しい人なんだ。

 沙紀姫様が、この世界にいない時の事まで考えてくれる。

 モニターの説明を、カプセルの中で小僧に聞いたんだよね。

 沙紀姫様はそれを自分なりに応用して、俺達の世界に作ってくれた。

 だから俺とフーと妖精達は、ずっと沙紀姫様が見てる物を見てきたよ。


 俺達は全員知ってるんだ・・銀河の奇跡も、5人娘も・・もちろん由美子も。

 限界ファイブも、中1トリオも・・沙紀姫様が関わってる人は全員ね。

 そして俺達の世界に遊びに来てくれた、マキさんが来てくれたんだ。

 フーは感激して、マキさんの側でずっと見ていたんだ、妖精達と。

 そして大好きになったんだよ、モニターで好きになってたから。

 フーはマキさんが1番好きだった、それは見てて分かったよ。

 そのマキさんが来たんだから、フーはずっと付いて回った。

 マキさんがこの世界で1人になったのは、あのグリーン姫の家だった。

 フーはマキさんと出会える喜びで、我慢できなくて蜂蜜を食べた。

 鉄の馬の上で、妖精達が駄目だって言ったのに・・我慢できなかった。

 それほど嬉しかったんだよ・・大好きな人に出会えるからね。


 そのマキさんが、境界線で止まってた・・浮いてる感じだって言ったよね。

 その言葉を聞いて、フーは境界線の上に座ったんだよ。

 こうするんだよ・・そう教えてたんだ、フーの出来る最大の表現で。

 そしてマキさんは出来たよね、あの方法は俺には理解出来なかったけど。

 その時に知ったんだ・・人間は境界線の上で、浮いてる感覚になるんだって。

 普段は見えてないから、踏んで歩くけど・・見えると浮いた感覚になる。

 それを知って・・俺は嬉しかったよ、人間も優しいんだって確信できた。


 今日の8人の挑戦を見てて、俺は本当に嬉しかった・・優しさを感じて。

 俺は・・照れるけど・・沙紀姫様のリアルの世界で、憧れの母親を見つけた。

 ずっとその人が母親なら、どんなに素敵だろう・・そう思ってた。

 それが炎の女と言われる・・温かい人間、リアンさんなんだ。

 リアンさんは、俺の思ってる以上の・・素敵な人だった。


 境界線の上で・・リアンさんは、浮いてる感じのまま歩いたんだよね。

 浮いてる感じを受けてるのなら、それが大切な事だと感じて。

 優しく・・足が触れないように、静かに歩いたよね。

 素敵だったよ・・俺はそれで分かった、爪を隠せる本当の理由を。

 猫の俺達が爪を隠せる能力を得たのは、境界線を傷つけないように。

 そうなんじゃないかと思ったよ・・ありがとう、リアンさん。

 俺は本当に嬉しかった、ずっと見てきた女の人達が・・優しくて。

 マキさん・マリさん・リアンさん・ユリカさん・蘭さん。

 ナギサさん・アイコさん・リリーさん・シオンさん・ルミさん。

 そしてリンダさんとマチルダさん・・全員、本当に優しかった。

 俺達は嬉しかった・・沙紀姫様に選ばれた、俺とフーと妖精達は。

 今・・嬉しいがいっぱい出てる・・ありがとう、来て良かった」


ハチ公は感情的になってたのだろう、目に涙を溜めて強く言葉にした。

女性達は喜びで泣いていた、私は沙紀の優しさに感動していた。

揺れる車内でリアンが最強の炎で立ち上がり、蘭は車を止めた。


リアンはハチ公に歩み寄り、優しく抱き上げた。


「ハチ公・・ありがとう・・私の憧れの人の言葉を使うよ。

 やっと使える・・最初がハチ公に対してだから、嬉しいよ。

 ハチ公・・私を母さんって呼びなさい、私はそれが嬉しい」


リアンが強烈な炎を上げて、優しく律子の台詞を使った。


「ありがとう・・リアン母さん」とハチ公はそう言って照れたのか、リアンの胸に顔を埋めた。

「嬉しいよ、ハチ・・本当に嬉しい」とリアンは優しく言って、強く抱きしめていた。

素敵なその光景を見て、女性達は泣いていた。


「小僧・・沙紀は知ってね・・そしてヒトミと計画してたんだね」とマリは涙の二ヤで言った。

『やられたね・・沙紀は準備してた、それも最高の準備を・・イメージの世界で勝負する、最強の兵器を作ってたね』と二ヤで返した。


「ハチ・・さぁ、話しておくれ・・沙紀姫様がいる場所じゃ聞けないから・・ハチとフーと妖精達は、何を感じてきたの?」とリアンが笑顔で言ってハチ公を降ろした。


「俺は・・1年前に生み出された、沙紀姫様がリアルで7歳の時に。

 沙紀姫様は、俺だけは・・本物の猫をモデルに、自分のイメージで描いたんだ。

 だから俺だけは特別みたいで、沙紀姫様の世界の中のリアルな部屋で暮らしてた。

 沙紀姫様が入ってきて、物語を作り始めると・・俺はその手伝いをした。

 外の世界・・リアルと言われる世界の事は、何も分からなかった。

 沙紀姫様の、お父様とお母様の声しか聞こえなかった。

 そして聞こえてきたんだ・・俺は本当に驚いた、その声が俺の部屋に響いてきた。

 小僧の声だよ・・温度と言われる小僧の声だった、俺の部屋にだけに響いた。


 《何か好きな事があるでしょ?・・俺は沙紀と同じ病気の子を沢山知ってるけど。

  みんな何か好きな事があったよ・・沙紀は何が好きなのかな~》


 忘れもしないこの言葉だった、沙紀姫様は嬉しくて固まってた。

 俺は沙紀姫様に叫んだんだよ、沙紀姫様の嬉しいを感じて嬉しくて。


 【沙紀姫様・・絵を描く事だって、伝えるんだ~】


 必死で叫んだんだ、沙紀姫様は気づいてくれて・・【描くこと】

 そう恥ずかしそうに言ったんだ、その後の展開は皆さんがご存知の通りです。

 俺はこないだの深海の世界は全て見た、沙紀姫様が見てたからね。

 その時に見て・・泣いたよ、メモの絵画を見て・・泣きました。

 嬉しくて嬉しくて・・沙紀姫様のお父様は知ってたから、嬉しかった。

 暗い世界以降は、映像と言われる物で見てました。

 今日、マリさんに聞きました・・モニターにどうやって映すのか。

 凄いですよね・・それを考える人間も、沙紀姫様も・・凄いです」


ハチ公は笑顔で言った、私は本当に嬉しかった、自然にニコちゃんになっていた。

女性達に笑顔が溢れ、蘭はカード柄の道に入った場所で止まっていた。

沙紀の底知れぬ愛情という力を感じて、女性達の笑顔は咲き乱れていた。


「フーと妖精達は、沙紀姫様が眠り姫に出会われて生み出しました。

 そして眠り姫の段階の時といわれる世界で、眠り姫を探した。

 その時にフーは何かを感じてましたね、妖精達がそう言ったから。

 そして沙紀姫様が、ペプラの神殿を作られた・・フーは喜びました。


 マキさんがこの世界に入られた瞬間に、天文台があの平原に飛んできた。

 俺はヒゲで感じました、シンデルラ姫をお城にお送りする時です。

 砂漠の方から、天文台と言われる建物が飛んできた。

 今考えると・・ペプラの神殿の存在を、知られたくなかったのでしょう。

 だから眠り姫様を、あの草原に移したんです・・眠り姫様は挑戦なされてた。


 深海の世界に挑戦する、女性の人達の心を感じて・・一人で挑戦した。

 だからあのペプラの神殿の門の内側まで来られた、本当に素敵な人です。

 それが限界だったそうです、そこで体力が尽きてお休みになられた。

 この話は・・ラピヨン3世に、あの時に聞きました・・話して欲しいと。

 もし小僧がこの世界を奪って・・自分でペプラの神殿に辿り着いたら。

 その時は俺も絶対に側にいるから、話して欲しいと頼まれました。

 それが・ラピヨン3世・・ヒトミ様が未来に出せる、たった1つのヒントだと。

 そう言われました・・沙紀姫様の世界では、女神と言われる人です。

 ヒトミ様とユリア様が、そう呼ばれます・・私達も心を込めて呼びます。

 沙紀姫様が・・辛い時や、悲しい時は・・必ずどちらかが会いに来てくれます。

 女神様に頼まれた・・その光栄な任務を、今完了出来ました」 


ハチ公は最後に私に笑顔で言った、私も嬉しくて笑顔で頷いた。

女性達は感動の中にいたのだろう、ユリカの涙が輝いていた。


「ヒントは貰ったよ、最高のヒントを」と蘭が満開で微笑んだ。

「ならばエース・・今の話はどうするの?」とナギサが振り向いて言った。


『当然・・ヒトミのヒントは、悪意の門をこじ開けて。

 砂漠を渡り、ペプラの神殿に辿り着いた者だけに話す。

 ハチ公もそう思っててくれ、お前は最強の道案内だろ。

 絶対に重要な事は教えるなよ、境界線のヒントも出すな。

 俺も当然見てるけど・・俺は側にいない方が良いからね。

 妖精達もお願いね・・フーは大丈夫だろう。

 フーの言葉を理解できるのは、沙紀とモモカと子供達だけだから。

 その方向でやろう、これは全て眠り姫の為だからね。

 絶対にヒントも教えない・・それが魔法解除への道だから』


私は強く言葉にした、ハチ公は真顔で頷き、妖精達は笑顔で頷いた。

フーはデレデレでナギサに抱かれていた、蘭はフーをウルで睨んでいた。


『最後に・・ハチ公、重要な事だから・・このメンバーで聞くが、お前の1番好きな女性は誰だよ』と二ヤで言った。


「えっ!」と言ってハチ公が固まった。

女性達の強烈な二ヤが出た、ハチ公はウルウルで返していた。


「小僧がいるから・・正直に言うけど・・沙紀姫様や俺に、考えるって事を教えてくれた・・その人が1番好きです、シズカさんが」とハチ公は照れながら言った。


「そうくるのか~・・それは納得だね」とリアンが笑顔で言った。

「シズカ姉さん・・多分、泣きます」とマリが二ヤで言って。


「毎日会いたいから、エースが実家に帰る策略を練りそうね~」とユリカが蘭に二ヤで言って。

「シズカを我が家に住ませます・・添い寝がないと、寒くて風邪ひくから」と蘭がユリカに満開二ヤを返して、前を見て座り発車した。


「ラン・・オネガイガアル」とリンダが笑顔で言った。

「何だよ~・・リンダ、遠慮するなよ~」と蘭がルームミラーを見ながら笑顔で言った。


リンダはユリカを笑顔で見た、ユリカも爽やか笑顔で頷いた、女性達は興味津々だった。


「・・・・・・」リンダが二ヤで話し始めた、ユリカも通訳しながら二ヤだった。


「マチルダが年末の最後の国が大変で、かなり疲れてるの。

 私は今夜・・待望の夜の海で充電できるから、大丈夫だから。

 今夜・・マチルダをエースの添い寝で休ませたいの、蘭にしか頼めない。

 蘭・・お願いできるかな・・大丈夫、マチルダは理性があるから」


リンダは終始二ヤ顔で言った、マチルダはリンダを見て輝く笑顔になった。


「もちろん、良いよ・・私もそう思ってた・・マチルダは大丈夫、リンダは怖いけど」と蘭が満開二ヤで返した、リンダはウルで頷いた。

「蘭姉さん・・ありがとうございます、嬉しいな~」とマチルダが私に二ヤで言った。


「マチルダ・・体を休める為だぞ、遅くまでハチ公やフー達と遊ぶなよ」とリリーがウルで言った。

「そっか!・・添い寝にはそれも付随されるのか~・・大至急、お熱にならないと」とナギサが二ヤで言って。

「ユリカ・・その余裕の笑顔は、可愛くないぞ」とリアンがウルで言った。


「ごめんなさ~い・・私がハチ公とフーと妖精達やボンビと、年越しをしますね・・紅白なんて見てられない」とユリカが笑顔で言った。

「強烈に煽りますね~・・マリ、遠隔侵入って難しいの?」とリリーがウルで言った。


「そうでもないですよ~・・要は私の同調が残っていれば、入れます。

 この世界をどこまで鮮明にイメージ出来るのかですね、訓練すれば出来ますよ。

 もちろん、小僧が自分の映像に入ってる時だけですけど。

 ただ・・ルミが言ったように、遠隔は相当に疲れます。

 私はルミのような長時間は無理です、モモカも一瞬ですよね。

 まぁ・・モモカが出来るのが凄い事ですけど、私の同調でもないし。

 モモカは小僧に完璧に同調できます、まるで双子ですよ」


マリは笑顔で言った、女性達は嬉しそうな笑顔で返した。


「シオンに教えると、必死でやるよな~・・シオンとユリカは出来そうだな~」とリアンが二ヤで言った。

「確かにシオンは出来そうだ・・そして体力が上がれば、沙紀は絶対に出来る」とアイコが笑顔で言って。


「ドアを作れば良いのに・・違うのかな~・・俺はその感覚は分からないな~」とハチ公が前を見ながら言った。

『ハチ公・・そう言う独り言の呟きがヒントになるんだ、次の挑戦者から気を付けろよ』と私が二ヤで言った、ハチ公は振り向いてウルで頷いた。

 

女性達がハッとして、ニヤニヤになった。


「ハチ公・・ドアのイメージを話してね~」と蘭が満開二ヤで隣のハチ公に言った。


「沙紀姫様は繋げましたよね、眠り姫様と絵で繋がってる。

 沙紀姫様は自分の世界に、あの眠り姫様の絵と同じ世界を持ってます。

 それは沙紀姫様から、眠り姫様に会いに行く部屋なんですよね。

 眠り姫様でも、あの絵になら入れるんです・・ドアを手に入れましたから。

 それを小僧がプレゼントしたんでしょ?・・私はそう聞きましたよ。

 眠り姫様の白い世界に、小僧がドアを作った・・眠り姫様は外の設定をした。

 眠り姫様が明確にイメージ出来るのは、沙紀姫様の絵の世界なんです。

 だから眠り姫様は・・ドアの外の世界を、あの眠り姫様の絵の世界にした。

 そこに行けば・・健康な自分でいれるんです、沙紀姫様が全力で描いたから。

 眠り姫様は・・あの絵に入る扉を手に入れた、それが段階の時の意味でしょ?

 皆様が勝利されたから、小僧が最後の勝負に勝ったからでしょ。

 そう聞いてますよ・・あの姿無き人は、約束は守られるんですよね。

 眠り姫様に・・残されたんです、大切な挑戦の扉を・・そう聞いてます。


 沙紀姫様の世界の入口には、全てドアがあります。

 フー以外はそのドアを開けられません、私達は誘われないと入れない。

 その障害を克服するヒントが、あの黄金の門でしょ・・必ずクリアーする。

 あの門の本当の意味が分かれば、絶対に扉を開く事が出来ますよね。

 俺は絶対に扉を開いて、空母と潜水艦に乗る・・乗ってみたい。

 あの沙紀姫様を助けに来た、素敵な2つに乗ってみたい。

 小僧に誘われても行かない、俺は絶対に自分で扉を開けてやる。

 それが今の俺の目標です、だから金の門に挑戦します。


 人間は・・自分の世界に扉を描いて、その外のイメージを入れる。

 沙紀姫様はそうやって入られます・・美しい扉を描いて開けるんです。

 さっきのリンダさんと、マチルダさんの時もそうでしょう。

 扉にお2人の名前を書いて、イメージを探して入られましたよ。

 そしてお2人の世界に感動された、そんな笑顔でしたね。

 絶対に何かを自分に入れてます、そして描かれるのでしょう。

 お2人のドアの内側に、その入れた世界を描く・・全く同じに見える世界を。

 それが自分の繋がりだと・・沙紀姫様が教えてくれました。

 小僧のこの世界に、遠くから入りたいのならば・・自分の世界に扉を作る。

 人間はそうするものだと思っていました・・沙紀様がそうしていたから」 


ハチ公は前を見てさらっと言った、女性達の笑顔が爆発していた。


マリは完全に凍結していた、沙紀のイメージを表現した言葉で聞いて。


私も驚きながら、喜びを感じていた・・完璧な突破口が見えて。


沙紀は話せなかった、自分イメージは表現できなかったのだ。


自分の世界でしか表現できなかった、だからハチ公を私に贈った。


最強の伝達猫、ハチ公を育て上げていた・・いつか旅立たせる為に。


全ては由美子の為に・・悪意の魔法を解くために・・。

 

 






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