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      【冬物語第三章・・悪意の門③】 

再会を望んでも、その時を待つ事がある。

時が満ちれば再会が訪れる、そう思う関係の人がいる。

貴重なのだろう、そう思える相手の存在が。


中1トリオとマリを連れて、TVルームに荷物を置かせた。

4人を連れてフロアーに向かうと、お洒落した5人娘が笑顔で女性達に囲まれていた。

中1トリオもその中に入り、女性達の笑顔も増していた。


すし屋のバーカウンターが出ており、私は顔馴染みのすし屋の大将と挨拶をして厨房を覗いた。

沢山の料理人の中に、久美子と笑顔で話すミノルを見つけた。

ミノルは焼き鳥を焼いていた、私はミノルと冗談を言ってから受付に歩いた。


フロアーに立食用の料理が並べてあり、フロアーの奥に絨毯が敷かれていた。

絨毯の上には長テーブルが出ていて、客席も開放状態で準備されていた。

PG・魅宴・ゴールドの3店のボーイも揃うので、今までにない大人数なのだ。


「エース・・ここに一緒に立ってて・・私達は全員の名前を知ってるか、自信が無いの」と受付のマキがウルで言って、ヨーコもウルを出した。

『じょうがないな~』と私は二ヤで言って、自分の分の会費をヨーコに支払った。


私はマキと受け付けに立って、訪れる女性達やボーイに笑顔で挨拶していた。

女性達の集まりが早く、ワイワイとフロアーは賑やかだった。


キングが勝也と和尚と来て、その後ろからユリカがリンダとマチルダと来た。


「リンダ姉さん!マチルダ姉さん!」とマキが驚いて言って、ヨーコが慌てて2人を見た。

「マキ・ヨーコ・・ステキダッタヨ・・ウレシカッタ」とリンダが楽園笑顔で言って。

「本当に2人ともありがとう、幸せな時間だったよ」とマチルダも輝く笑顔で言った。

2人は嬉しそうな笑顔で挨拶をしていた、フロアーの静寂が伝わってきた。


私は凍結していた、きちんと化粧をしたリンダを初めて見ていた。

その美しさに鳥肌が立っていた、ユリカが私を二ヤで見ていた。


リンダが2人分の会費を支払い、ユリカが自分の分を笑顔で支払ってフロアーに向かった。

女性達の歓声が聞こえて、始まる前から熱が高かった。

マチルダがリンダを和尚に紹介して、ユリカと蘭が2人に勝也を紹介していた。


マキが嬉しそうに受付から見ていると、北斗とミチルが瞳を潤ませて入ってきた。

その後ろから、律子が和服のツネ婆さんと哲夫を連れて入ってきたのだ。

マキは少し照れた笑顔で挨拶して、ヨーコが嬉しそうにツネ婆さんに挨拶した。


『哲夫・・沙紀も含めた6人娘をよろしくな』と私は笑顔で言った。

「了解です・・ご招待ありがとう、でもモモカが怒ってたよ~」と哲夫が笑顔で返してきた、私はウルで返した。


次のエレベーターが開いて、大ママとミコトが降りてきた。

大ママは動けずに固まっていた、ミコトは大ママ表情に驚いてこっちを見ていた。


『婆さん・・声かけないと、固まってる女帝がいるよ』とヨーコと話してるツネ婆さんに二ヤで言った。

ツネ婆さんは振り向いて、シワシワ笑顔を大ママに向けた。


「飛鳥・・何してるんだい、堂々と私の前に出れない理由でもあるのかい?」とツネ婆さんが笑顔で言った。

その言葉で大ママが駆け寄って、ツネ婆さんに抱きついた。


「嬉しくて・・ご無沙汰してます、マダム」と大ママが泣きながら言った。

「相変わらず、泣き虫だね~・・良く頑張ったね、飛鳥・・ヨーコを頼むよ」とツネ婆さんは大ママを見て笑顔で言った。

「はい・・厳しくやります・・ヨーコにもマキにも」と大ママは笑顔で返した。

ミコトがツネ婆さんに挨拶して、ツネ婆さんはミコトを見て嬉しそうな笑顔を出した。


律子がフロアーに誘い、大御所達がフロアーに入った。


そして次のエレベーターで登場する、静寂を作り出す男が来る。

沙紀が私に駆け寄り、私は笑顔で抱き上げた、その後ろを沙紀の父親と母親が歩いてきた。

マキもヨーコも父親を見て凍結した、メモの絵画を思い出したのだろう。

両親のいない2人は、必死で涙をこらえていた。


「小僧・・緊張するよ、こんな盛大なパーティーは初めてだから」と沙紀の父親が笑顔で言った。

『駄目ですよ・・注目の的になりますから、メモの絵画のモデルさんは』と二ヤで返した。

「そっか!・・それがあったな~」と父親は気付いて笑顔でマキの前に立った。

マキと笑顔で挨拶を交わし、2人分を支払っていた。


「本当は嬉しいんですよ、昨夜・・沙紀の大きな変化を感じたから、感謝を伝えに来ました」と沙紀の母親が笑顔で言った。

『伝えられる方ですよ・・皆、沙紀に感謝してます』と笑顔で返して沙紀を降ろした。


3人がフロアーに入ると静寂が訪れた、沙紀の父親は照れて頭をかいていた。

沙紀は嬉しそうに父親の表情を見ていた、ユリさんとユリカと蘭が近寄り、目を潤ませて挨拶をしていた。


私が招待客リストを見ると、仕事で遅れる豊以外が揃ってた。

私は豊の分を立て替えて、マキとヨーコをフロアーに入れた。


フロアーの入口から、その荘厳な景色を見ていた。

美しい女性達と、開放感のあるボーイ達が笑顔で立っていた。


銀の扉の前に小さなステージが組んであり、大ママが立っていた。

大ママが簡潔に開宴の言葉を告げて、ユリさんが薔薇で乾杯の挨拶をした。

全員笑顔で乾杯して、大宴会がスタートした。


キングと和尚と勝也と徳野さんが3番に沙紀の父親を誘って座り、その横の2つのBOXをボーイ達が占領していた。


マキとヨーコが皿に取った料理を運び、勝也がキングにヨーコを紹介した。

ヨーコが緊張気味に挨拶すると、和尚が何かを言って爆笑が起きていた。

限界ファイブがBOXの料理をボーイ席に運んでいた、シズカが1番楽しそうだった。


恭子も久美子も楽しそうな笑顔で対応して、お酒の乗った台車を運んでいた。

男達が楽しそうに酒を作りあい、笑顔で盛り上がっていた。


女性達は立食の雰囲気を楽しむように、全員笑顔で立って話していた。


「この雰囲気で、どこに入れば良いんだよ」と後ろから豊が言った。

『ジンの隣が空いてるよ、同席はPGのボーイさん達だから・・冷やかされるかも』と二ヤで言って、豊を案内した。

ジンとPGのボーイが嬉しそうな笑顔で豊を招きいれ、豊も笑顔でジンの横に座った。


私はそれで一安心して、マリアを探した。

マリアはマチルダに抱かれて、天使全開を出していた。

マリアが私の視線に気付いて、両手を私に伸ばした、私は笑顔で歩み寄りマリアを受け取った。


「マリアはエースの方が良いのね?」とマチルダがウルで言った。

「ご飯と寝る時は、私でもエースにはかないませんよ」とユリさんが薔薇で微笑んだ。


私はマチルダに二ヤを返して、マリアを抱いて6番の子供席に向かった。

私を見てエミが立ってマリアの食事を取りに行ってくれた、私はアンナの横にマリアを抱いて座った。

沙紀は哲夫とレイカに挟まれて、楽しそうに食事をしていた。


10番ではツネ婆さんを囲んで、マダムと松さんと律子とフネと大ママに北斗が座って話していた。

松さんが嬉しそうで、マダムも笑顔が出ていた。


女性達もフロアーの半分を占拠する、絨毯の上に座り食べながら笑顔で話していた。

リンダの横にシオンがいて、反対側に蘭とナギサとアイコが笑顔で座っていた。

リンダも含めた23歳カルテットで、リリーとネネを笑いの種にしてるようだった。


オヤジ席にはリアンとユリカの最強コンビが、オフモードで座り笑顔を作っていた。

勝也がターゲットのようで、勝也はウルと二ヤを交互に繰り出していた。


マチルダは幻海とスナックの女性達に囲まれて、得意の話術を披露していた。

私はエミからマリア用の皿を受け取り、マリアの食事をさせていた。


「エースって、こんな大人数の場面では・・はしゃがないよね~」とエミが二ヤで私に言った。

『エミ・・俺の行動の研究をするのは、やめなしゃい』とウルで返した。


「さすがエミ・・良く気付いたね~。

 小僧はこんな場面では裏方に回るんだよ、地区の宴会でもそう。

 周りの状況を読むのが好きなんだよ、そして盛り上がらない人の側に行く。

 そしてその人を盛り上げるんだ・・最強の宴会マシーン。

 老人達は小4の小僧をそう呼んだんだよ、怖いだろ~。

 小僧は盛り上がる場所には興味が無い、盛り上げる事が好きなんだ。

 そして絶対に意識を切らないんだ、今の状況ならマリアが1番下だよね。

 マリアを中心に子供に対する意識を切らない、それがエミ達が感じる安心感。

 だから母親達がくつろげるんだ、それを作り出すから・・最強なんだよ」


哲夫は二ヤでエミに言った、私は哲夫の成長を感じて嬉しかった。


「それを継承した哲夫兄さんも、凄いです~、素敵です~」とエミが笑顔で美由紀言葉で言った。

「エミ・・俺に対して、美由紀姉さんの真似はやめなしゃい」と哲夫がウルで返した。

ミサとレイカが哲夫の顔を見て笑っていた、アンナも笑顔で見ていた。


私は女性達の状況を見ながら気が付いた、中1トリオがいなかった。

私が探そうとしてその時だった、爆笑がボーイ席から響いてきた。

女性達がその方向を見て、全員二ヤを出した。

私が恐る恐る振り向くと、中1トリオが間隔を空けてボーイの間に座って、接客遊びをしていた。


3人の負けず嫌いが発動していて、会話の流しが早かった。


「いやですよ~・・可愛いなんて言われたら照れます~・・どこでも言うんでしょ、遊び人ですね~」と秀美がゴールドのボーイに笑顔で言って。

「そうなんですか!・・いつも危険な店で遊んでますね~・・遊び人ですね~」と沙織が魅宴のボーイに笑顔で言って。


「それはいけませんね~・・PGでしょ、あそこは危険ですよ~。

 なんせ蘭とナギサのコンビがいますから~・・危険です~、怖いです~」


美由紀がカズ君にウルウルで言って、ボーイ達の爆笑を煽っていた。

蘭とナギサはウルウルで返していた、私は呆然とその光景を見ていた。


「あれが称号試験にレベルを上げると言った・・答えなのか?」とシズカが二ヤで言って。

「それも蘭とナギサコンビを肴にしてる・・怖い」と恭子がウルで言って。

「美由紀1人でも怖いのに、どうして3人も揃うんだ」とマキが二ヤで言って。

「秀美もそうだったの・・美由紀が呼び寄せたのね」とヨーコがウルで言って。

「きっと美由紀は狙ってるよ・・マキに対抗して、不思議の国の女王という称号を」と久美子が二ヤで言って、女性達にも爆笑が起こっていた。


私はご機嫌マリアと食事をしながら、宴会の楽しそうな女性達を見ていた。

話す輪の流れの変化が速くなり、蘭がリンダとシオンを連れてオヤジ席に入り。

ユリカがリアンにツネ婆さんに紹介して、笑顔で横に座った。


律子が沙紀の母親と絨毯に座り、若手の女性達と笑顔で話していた。

アイさんサクラさんコンビも、若手女性に囲まれて笑顔で話していた。


ジンが豊を誘って降りてきて、中堅の女性達が中1トリオと交代した。

ボーイ達は自分の店の女性が入ったので、ウルで迎えて笑いが起きていた。


ボーイ席の真中で、ミコトと千鶴が話の流れを作り、それにリリーとカレンが被せて。

盛り上がった所に、最強銀河カルテットが入って、ボーイ達も楽しそうだった。


哲夫とエミがTVルームで子供を遊ばせると言ったので、私はマリアを抱いて連れて行った。

哲夫に鍵をかけるように言って、哲夫に任せてフロアーに戻った。


ジンの横に座り、豊とジンと話していると、限界ファイブが二ヤでやってきた。


「ジンさん・・お久しぶりです、相変わらず素敵ですね」と恭子が笑顔で言って。

「ね~・・歳を重ねる毎に素敵になりますよね~」とシズカが笑顔で言った。


「2人はどうしてここに?・・シズカと恭子!・・それにマキちゃんとヨーコちゃん・・まさか、限界カルテット?」とジンが驚いて言った。


妹の飛び降りの時に、病院でジンに出会ったのはシズカと恭子だけだった。

ジンは当然その時にはマキとヨーコを知っていた、そして今妹の話が繋がったのだろう。


「残念ながら・・そうです」とマキがウルで言って。

「大きな声で言わないで下さいね」とヨーコがウルで言って。

「全員知ってるでしょ・・ジンさん以外は」と久美子が二ヤで言って、5人で笑っていた。


ジンが豊を真顔で見た、豊は笑顔で頷いた。


「エース・・黙ってたな、俺はお前に大きな借りがあったんだな。

 そうだよな、あんな事が出来る少年なんて・・滅多にいないよな。

 エース・・左手を見せろよ、俺は礼を言わないといけない」


ジンは私を見て笑顔で手を出した、私も笑顔で返して左手を出した。

ジンは私の左手の甲を見ていた、そして私に笑顔を向けた。


『ジン・・礼なんていらないよ、俺は女神が好きだったからしただけだよ』と笑顔で返した。

「1度だけ言わせてくれよ・・ありがとう、エース・・今わかって、最高の喜びだよ」とジンが笑顔で返してきた。


『女神は元気ですか?』と笑顔で返した。

「あぁ・・医学部入試に取り組んでるよ、前向きに・・自分の意思でね」とジンが笑顔で言った、私も嬉しくて笑顔で頷いた。


「良かったですね、ジン」とユリさんが薔薇で微笑んで、シズカの横に座った。

「はい・・ユリさん、繋がるんですね・・全ては繋がるんですね」とジンは笑顔で返した、ユリさんは薔薇で頷いた。


ユリさんの隣に、勝也と和尚が座り、豊が勝也をジンに紹介した。

豊はジンの人材派遣の構想を勝也に話し、ジンは勝也の反応を見ていた。


「それは面白いね、ほぼ2年後が目安だな・・楽しみにしてるよ」と勝也が笑顔で言った。

「建設関係でも、必要とされるのでしょうか?」とジンが真剣に勝也に言った。


「建設関係というか・・職人なら欲しいよ・・この話しは豊の方が良いだろう」と勝也が豊を見た。


「はい・・俺もジンさんの人材派遣を聞いて、凄く興味を持ちました。

 俺が今勤めてる整備工場の社長は、従業員の独立を喜びにしてます。

 凄い事なんですけど、ベテランになると独立するから大変な面もあります。

 常に若手が現場を支えてる感じで、それが技術の習得を加速はさせますが。

 でも現場はやっぱり柱が欲しいんです、精神的な支柱という感じの。

 自分で徹底的に追求して、それでも原因を見つけ出せない時があります。

 そんな時に相談できる、職人と言われる存在が欲しいんです。

 仕事の無い素晴らしい職人さんはいます、でもそんな人は職安には行かない。

 匠レベルになる人は、どっか人間関係が苦手で・・組織では働けない。

 そんな人が沢山いると聞いた事があります・・本当にもったいない。


 技術は直に目で見て感じないと理解できないんです、特に匠レベルは。

 組織の一員にならなくても良い、会社がそう考えれば出来ます。

 匠レベルの人は絶対に伝えたい、俺はそう思っています。

 そんな人材を探したい、うちの社長も常日頃からそう言っています。

 でも仕事に追われて、社長でもその時間が取れないのが現状です。

 物作りなら各分野でその要望はあるでしょう、問題は受け入れ側ですね。

 受け入れ側が理想を理解できれば、絶対に両者に良い出会いがあります。

 勝也父さんは、自分で職人を3人探し出しました・・絶対的な匠を。

 俺はその人達の技術を見て、素人ですが感動しました。

 人間的には難しいと言われる、職人と呼ばれる人が欲しい。

 これが物作りの現場の正直な声です・・俺達は技術で話したい。

 匠の技術は語りかけてきます、それを感じたいと願っています」


豊はジンを見て真剣に言葉にした、ジンは嬉しそうに聞いていた。


「勝也さん、豊・・ありがとうございます・・俺はまた自分の考えを進ませる事が出来ました」とジンが笑顔で言った。

「何でも提案してくれ・・俺はそれを待っている」と勝也が笑顔で返した、ジンも笑顔で頷いた。


「小僧は匠を2人探し出したよの~・・北斗とアンナを。

 その技術を継承させる才能も探した、リリーとカレンを。

 ユリにでさえ精神的な支えになる、北斗とアンナは素晴らしいよの~。

 小僧の狙いは分かるよ・・小僧はユリの解放を目指すんじゃね」


和尚は酒が入り、ご機嫌二ヤで私を見た。

ジンが驚いて私を見た、勝也と豊と限界ファイブは二ヤだった。


『もったいないでしょ・・最高峰の匠であるユリさんだから。

 PGだけで伝承するのは、夜街全体としては損失だから』


私は二ヤでユリさんに言った、薔薇の微笑で返してくれた。


「東京までの道のりは、私にも挑戦のイバラの道です。

 エースがその設定を望むから、自分もイバラを歩くと言うから。

 私もその道を歩きます・・大切な女性達が見ていますから」


ユリさんは薔薇の笑顔で、和尚を見て言った。


「困難こそが、楽しいんだ・・お前はそう言ったよね、ヒトミの温度を感じた時に」とツネ婆さんが二ヤで言ってユリさんの横に座った。


「ご挨拶に行こうとタイミングをみてました・・ユリと申します、マキを預かれせてもらいます」とユリさんは深々と頭を下げた。

「嬉しかったですよ、ユリ・・ユリを見て、現役時代の娘を思い出して・・本当に嬉しかった」とツネ婆さんが笑顔で返した。

ユリさんの喜びの薔薇が咲いていた、和尚も勝也も笑顔で見ていた。


「やはりツネさんでもそうですか・・俺も梶谷もそう思ってました」と勝也が笑顔で言った。


「真希より今のユリの方が、人間的な厚みがあるでしょう。

 真希は26で引退したからね・・マキとヨーコは感謝すべきだろうね。

 飛鳥とユリとミチルに巡り会えた事に、同じ時代に生を受けた事にね」


ツネ婆さんは限界ファイブを見て、笑顔で言った。

5人が笑顔で頷いて、ユリさんの薔薇も咲き誇っていた。


「さて・・小僧、あと2人の所だけ案内しろよ・・梶谷と徳が踏み出せないで、待ってるようだからね」とツネ婆さんが私に二ヤで言った。

『相当に怖いトラウマが有るんだな~・・2人が、ウルして見てる』と二ヤで返して立ち上がった。

「そりゃ~あるよ、なんせツネさんとマダムは・・梶谷と徳野の心の母だからな」と勝也二ヤで言った。

私も二ヤで返して、ツネ婆さんを連れてキングの席を目指した。


その行動を見て、キングも徳野さんもツネ婆さんに笑顔を向けた。


「がんたれ息子がオヤジになって、2人共安定した良い男になったの」とツネさんが笑顔で言った。

キングは笑顔で返したが、徳野さんは俯いて泣いていた。


「徳・・ようここまで来たね、民さんを支えてくれてありがとな」とツネ婆さんは笑顔で言って徳野さんの横に座った。

「ツネさんのおかげで・・今は本当に良かったと思ってます」と徳野さんは顔を上げて笑顔で返した。

私はキングの横で接客遊びをしていた、美由紀を抱き上げてそのまま絨毯に歩いた。


「嬉しそうだったね・・ツネ婆さん」と美由紀が笑顔で言った。

『うん・・会いたかったんだよね、でも会わなかった・・この時を待ってたんだよ』と美由紀に笑顔で返した。

「私と小僧はそうならないよ・・いつまでも会ってやる、私がその許可を与える」と美由紀が二ヤで言った。

『ありがとう・・美由紀姫』と笑顔で返して、美由紀を律子と話すリンダの横に降ろした。


「ミユキ・・ビジネス・・オワッタカ?」とリンダが笑顔で言った。

「美由紀・・MIYAZAKI No1・・デンジャラスガールです~」と美由紀がニヤニヤで返して、リンダが爆笑した。

リンダを囲んでいた女性達も笑って、女性達が集まってきた。


リンダは秀美を見て笑顔で手招きした、秀美も笑顔でリンダの前に座った。

リンダは秀美のメタル義手を握って、秀美を笑顔で見た。

秀美も笑顔で頷いて、自分で左腕をまくってメタル義手の全容を見せた。


リンダは真剣にその義手を触っていた、嬉しそうなリンダだった。

「アーム、シズカ・・ハンド、ユタカ・・トータル、ラン・ファーザーです」と秀美が笑顔で言った。

「ステキデスネ・・ヒデミ・・アナタノオモイモ」とリンダが楽園笑顔で返した。

秀美が笑顔で返していると、豊の側で爆笑が聞こえた。


「ぜっっっったいダメ~・・マチルダだけは、隣に座ったらダメ~」と恭子がマチルダにウルウルで言っていた。

「ひどい・・恭子、どうしてかな~」とマチルダはニヤニヤで返した。

「何だよ、恭子・・教えろよ」と豊が不思議そうに聞いた。


「それは・・言えない」と恭子がウルで返して、爆笑を煽っていた。

「キョウコ・・カワイイネ」とリンダが大声で言った。


「あ~・・もう一人いる・・姫になれる人が~」と恭子がウルウルをリンダに返した。

「マチルダ・・ネムクナル~」とリンダが二ヤで右手を振った。

「何だか魔法にかけられたように・・急激な睡魔が~」とマチルダが二ヤで言って豊の横に寝転んだ。

女性達はニヤニヤで恭子を見た、豊も察して恭子を笑顔で見ていた。


「和尚王子・・姫が魔法にかけられた、起こしてあげなさい」と恭子がニヤニヤで和尚に言った。

「それは大変な事ぞな・・ワシが全力で起こそうぞ」と和尚が二ヤでマチルダに近づいた。


「和尚様はこれだけ~」とマチルダが起きて、和尚の頬にキスをした。

「人生最良の日じゃ~」と沙織が二ヤで叫んで。

「この寺の300年の歴史で、最も美しい人のおいでじゃ~」とシズカが二ヤ言って。

「美味い草餅でもどうかな」とマキが二ヤで言った。

「和尚・・困ったね~、得意技全部出たよ」とヨーコが二ヤで和尚に言った。


「300年の歴史って、全員に言ってたんですね~・・ひどいです、和尚様」とミコトがウルで言って。

「私には200年って言いました・・100年少ないのはなぜですか?」とセリカがウルで追い込んで。

「で・・事実は本気で誰に言ったの、白状しなよ・・和尚」と勝也が二ヤで言った。


「それは・・ユリにじゃろう、決まってるよの~」と和尚が笑顔で返して。

「逃げましたね、和尚様・・私にはそう聞こえましたよ」とユリさんが薔薇二ヤで返して、和尚がウルウルを出した。

「やった~・・師匠のウルが見れました~」と久美子が笑顔で言って、全員で笑っていた。


「リンダ・・どこからの帰りですか?・・疲れていますね、精神的に」と律子がリンダに言った。

「・・・・」シオンがリンダに伝えて、女性達がリンダを見た。


「・・・・・」リンダはゆっくりと語り始めた、ブルーを深めて。


「中国の友人に招かれて、香港でその友人に会いました。

 政治的な抑えが強くなって、民衆の怒りが充満してると言っていました。

 毛沢東が提唱した文化大革命も、理想と現実が離れすぎてるみたいですね。

 中国の人民は模索してるのでしょうね、ただ・・軍部が強いから動けない。

 私はあらゆる国に行って、革命の経緯も色々と感じました。

 革命という言葉は・・言い訳ですよね、流す血に対する言い訳です。

 私は中国には、平和的な穏やかな変化を望んでいます。

 何十年後か先には、中国は国際社会の中心になるでしょう。

 それだけの面積と人口を持っています、ただ・・心配も多くありますね。


 私の最も心配するのは・・中国の今の教育方針ですね。

 競争原理の考え方を間違って教えてる、それを子供達に植えつけている。

 中国には国家の方針として、本来は過度な競争は存在しないはず。

 でも民衆には競争意識を煽る、歴史的な背景で自国を正当化しようとする。

 この上層部の矛盾を、今の国際社会では認めないでしょう。

 でもその人口が作り出す、消費という悪魔が目覚めれば動き出しますね。

 先進国と呼ばれる国が、こぞって中国と貿易関係を結ぶでしょう。

 金儲けの妖怪達は、どんな場所でも入り込む・・目を閉ざして。

 その国の現状を見て見ない振りをして、偽りの豊かさを提案する。

 中国の今の方針で行くと、民衆はそれを間違って受け入れそうで。

 私はその事に不安を感じます・・爆発しないのかと、不安になりますね。

 もしあれだけの民衆が爆発したら、誰にも止められないでしょう。

 世界の平和は中国の平和が基軸、そんな時代も来るような気がします。


 中国政府の最大の汚点は、人種差別にあります・・国家的な人種差別。

 少数民族に対する差別意識、それは強くあります・・国家が誘導してる。

 社会主義国家にあって、国民が差別されるなど・・悲しい矛盾です。

 掲げた理想の根元が腐ってる、そう言わざる得ませんね。

 それに加え、生活的な格差が生じたら・・爆発も有り得ますね。

 国民は知る事になります、時代がもう少し進めば隠せなくなる。

 他国がどういう情勢で、どんな生活をしているのか・・それは知る事になる。

 その時にも・・抑えるのでしょうか、情報も情熱も抑えるのでしょうか。

 私は中国の友人と話しながら、流血の革命だけは避けて欲しいと感じました。

 今までの世界史に無いほどの、大量の血が流れるような気がして。

 同じ国の人間が、血を流し合う・・悲しい歴史が続く気がして。

 大きな国が抱える、ジレンマを感じました・・無力な自分を感じながら」

 

リンダは静かに言葉にした、全員が静かにシオンの言葉を聞いていた。


天安門事件より10年以上前の話である、リンダはその時代でこう言った。


リンダは中国と深い繋がりがあった、リンダの出生場所も香港だった。


今と違い、中国はまだ閉ざされた国のイメージが強かった。


【NYと北京・・どっちの人間が、多くの幸せを感じてるのか・・私には分からない】


リンダは数年後、私の添い寝でそう呟いた。


【幸せって、策略だったね・・私もそう思うようになったよ】


リンダは笑顔に戻り、ブルーを閉じて映像に誘った。


私はリンダの深さに入って、リンダを追いかけた・・見失わないように・・。


12月29日の忘年会を、30数年後の同じ日にUPします。


世界情勢の変化を感じながら、リンダの言葉を追いかけました。


リンダが言葉にした不安は、解消されたのだろうか?


そう自分に問いかけながら、30数年の世界の歴史を感じながら・・。




 






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