転生
外面は内面を映し出す、外をどんなに飾ってもすぐに限界がくる。
内側を飾れと言う、心に確かな宝石を持てと・・・そうすると瞳が輝きを増す。
それに勝る、装飾は存在しないと。
入道雲が見守る道を歩いた、家を出て一週間経っていた。
TVルームに帰ると、ユリさんが帰ってきていた。
ハルカも来て、3人娘のお絵かきを見ていた。
「おかえり、マミちゃん楽しそうだったわね」とユリさんが微笑んだ。
『見てました』と照れた。
「走って追いつく所から、タクシー止めてアイと徳野さんと」と薔薇で笑った。
『やばいな~』と頭をかくと。
「やばいことしたんだ?」とハルカが笑顔で突っ込んだ。
「大ママが路上で、あんなに笑うのを始めて見たわ」とユリさんが微笑んだ。
『ハルカの悪口を少々』と笑顔で言ったら。
「なんですって~」と笑顔で怒った。
「不思議な奴だってあの徳野さんが関心してたわ」とユリさんも楽しそうに。
『微妙な感じですけど』と言ったら。
「勿論、褒め言葉よ」ユリさんが薔薇で微笑んだ。
「お前、もうこの辺じゃ大変な事になってるぞ」とマダムがニッと笑って、。
「昨夜のあれと、大ママとそんな事をしたら」と笑った。
『大ママって凄いんだね』と暢気に言ったら。
「幸せな奴じゃわい」とマダムが笑って、ユリさんとハルカも笑った。
お昼ご飯を皆で食べてると。
「昨日の刑事さんがね、豊君に感謝状でもって電話したらね」ユリさんが楽しそうに。
「まだ悪いこともしたいので、辞退しますて言ったそうよ」と微笑んだ。
「一課の刑事に向かって言いよったって、刑事さん嬉しそうに言ってたわ」ユリさんも嬉しそうに。
「本物だって言ってね」と薔薇の笑顔を見せた。
『遠いな~』と呟くと、「凄いな~」とハルカも呟いた。
『ハルカ姉さんと同じ17歳だよ』と言うと。
「えっ!」と驚き、「私もがんばろう」と微笑んだ。
「ハルカ、今夜から正装の制服着なさい。フロアーサービスを始めるわよ」とユリさんが言った。
「分かりました」ハルカは少し緊張したように言った。
『サイン出すから見落とすなよ』とハルカを見て笑った。
「私がいないと何も出来ないくせに」と舌を出した、ユリさんもマダムも笑っていた。
夕方蘭から靴屋が土曜で忙しく、遅れると連絡があった。
7時過ぎにカスミが私の指定席の所に来て。
「蘭姉さんは?」と笑顔で聞いた、美しく輝いていた。
『今夜は少し遅れるらしいよ』と笑顔で返した。
「そうなの」とがっかりした様子だった。
『今夜からユリさんのへルプだろ、気合をいれなさい』と笑顔で言った。
「そうなのよ~、嬉しくて蘭姉さんにお礼言おうと思って」と微笑んだ。
『ハルカには仕事で見せてって言ったよ』と笑顔で言うと。
「うし、気合入れます。先生」と妖しい瞳で微笑んだ。
『うし』と笑顔で返した。
「おはよう、今夜からは全て私に繋いでね」とリンさんが笑顔で言った。
『俺に言ってくるのは重要じゃないでしょう』と答えると。
「逆よ、ボーイさんには言いにくい事が重要なの」と微笑んだ。
『了解、がんばります』と笑顔で返した。
いつもより早く女性が集まり始め、10番席に座った。
ユメもウミも少し緊張気味に座った。
ユリさんとマダムが来て、ミーティングが始まった。
ハルカは、ボーイと同じデザインの制服を着て座った。
「皆さんに報告があります」とユリさんが切りだした。
「私も少し反省しました、どこかで自分で線を引いていました」全員静かに聞いている。
「少し自分の価値観を押し付けてたところがありました」静寂の中。
「これからは皆さんに、自分の感性でやって欲しいと思います。
昨夜、蘭の予想もしない提案で気付きました。
競ってほしいと、同じ時間拘束され仕事をするのなら。
競いなさい、確かに指名とかも大切ですがもっと深い部分で競い合いなさい。
そして楽しんで下さいその大切な若い季節を・・どうでしょう?」
最後は全員を見て、薔薇で微笑んだ、全員の笑顔があった。
「はい」と若手全員で返事をした。
「それでは、最初のシステムを発表します」全員真剣だ。
「まず、蘭本人の指名により、ユメちゃんとウミちゃんが蘭のヘルプ」そう言うと。
「はい」と2人が返事を返した。
「当面、ハルカが一週間フロアーサービスをするので、私とアイとサクラ3人のヘルプを、四季でやってもらえる?」と薔薇で微笑んだ。
「はい」と四季が嬉しそうに、返事を返した。
「少し大変だろうけど、四季のコンビネーションの見せ場ですよ」と微笑んだ。
「がんばります」と4人が目を輝かせて言った。
「そして、私の専属ヘルプをカスミちゃんお願い」と言うと、その妖しい光を放ちながら。
「はい、がんばります」と輝きながら答えた。
「本人がいないので話しますが、蘭が私のヘルプをしたと思ってる人がいたら。
それは誤解です、私がマリアを産む前後8ヶ月間。
蘭とアイで引っ張りました、サクラもいないその時期に。
蘭はPGのヘルプです、その時21歳でした。
昼夜働いて、No1を取りました。
挑みなさい、その姿」
ユリさんの言葉は熱を帯びて、強くなってきた、そして最後に。
「挑みなさい自分自身に、そして全てを受け入れて、素敵な女性になって下さい」
静寂が返事だった、私は蘭の凄さを感じていた。
アイさんもサクラさんも、嬉しそうだった。
「他のバイトの皆さんの中にも、挑戦したい人がいれば行動で示して下さい」静かに。
「今夜、今からPGは生まれ変わります。検討を祈ります」と深々と頭を下げた。
女性全員起立して返礼した。
カスミと四季とユメ・ウミ、そしてハルカの目の輝きが確実に増していた。
「久しぶりにユリのあんな顔見たわ」そうリンさんが呟いた。
『なんか、嬉しそうでしたね』と笑顔で言うと。
「うん、嬉しいのよ絶対ね」と微笑んで受付に戻った。
開店準備が始まり、私もタバコを用意していた。
「たのむで~フロアーマネージャー」とカズ君が来た。
『よろしくお願いします』と笑顔で返した。
「しかし、大変だぜ若手達」とニヤで笑った。
『やっぱり?』と笑顔で聞くと。
「そりゃ、トップ4のお客っていったら重要人物ばかりだから」と微笑み。
「だから、今までお互いにヘルプしていたんだから」とフロアーを見た。
『そうなんですね』と私はその時、事の大きさを知った。
「どや、蘭姉さんと同棲してる自分の凄さを感じたか?」と笑ったので。
『俺、やっぱり凄いですね~』と笑って返した。
「そういうとこ好きや~」と笑顔で持場に戻った。
準備も終わり、いつもの静寂の中女性達が集まりはじめた、蘭は間に合っていた。
ハルカも初めて、その輪の中の一員になっていた。
「今夜も開演しましょう」の掛け声に「はい」のブザーで答えた。
土曜日のその日は、開演30分で満員になった。
最高の舞台で、新しいPGがスタートした。
四季の動きがまずは目立った、そのコンビネーションは、もう完成の域に達していた。
重要人物を先についた方が、その嗜好をサインで伝達できるのである。
なんと、重要人物に対して4回チェンジを見せつけ、笑顔を作った。
飽きさせないそのテクニックに私は関心していた。
そして予想外だったのが、ユメ・ウミの独自のコンビ技。
不良少女の片鱗すら見せずに、少女を演じたり淑女になったり、一瞬にして2人がシンクロする。
蘭も1時間過ぎた頃には安心したのか、私の所に来た。
「ダ~リン今夜暇ね~」と満開で微笑んだ。
『満席ですけど~』と笑顔で言ったら。
「出番なくて、何か食べに行こうか」とニッと笑った。
『凄いねユメ・ウミコンビ』と笑顔で言うと。
「うん、元々凄いのよ」と微笑んだ。
『ハニ~も頑張れよ~』とニヤで言うと。
「はい、ダ~リン」と言って戻って行った。
そしてカスミが、その力を見せ付ける時間が迫っていた。
若い季節を楽しめと言った、ユリさんの言葉を思い出しながら見ていた。
競い合いそして楽しめと・・・
自分自身に挑み、全てを受け入れろと言った言葉が、いつまでも響いていた・・・。