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      【冬物語第二章・・心遊び①】 

記憶を引き出そうとすると、不必要な物が付随してくる。

視覚的な映像にも、不純物が含まれる事がある。


シズカの説明で静寂が訪れていた、私は蘭の満開とユリカの笑顔が嬉しかった。


「とんでもない奴等だ、それで流したのか・・それも深い意味を忍ばせて」と北斗が嬉しそうな笑顔で言った。

「本当に素晴らしい、1句流しですか~・・1句ずつ検証したいですね」とユリさんが薔薇で微笑んで、女性全員が笑顔で頷いた。


「まず親の沙織・・冬の日は、息の白さに、寒さ知る・・良いよね~、それも指定は【息】だし」と大ママが笑顔で言った。


「ここで【知る】というキーワードを認知して、【息】という指定を入れる」とリリーが言って。

「そして瞬時に秀美が詠んだのが・・吐く息に、鼓動を感じ、恋を知る・・素敵だよ~」と蘭が満開で微笑んで。

「ここでの秀美の指定は、優しさを出して【恋】だったね」とナギサがニヤで言った。


「ナギサ姉さん、それは違います~・・秀美は優しくないです~。

 私は鼓動の【鼓】か【動】で設定して、作ってました~。

 それをまさかの【恋】を指定されて、慌てました~・・ひどいです~」


美由紀がウルで秀美に言った、秀美はニヤで返していた。


「そんなに深い駆け引きなの!・・怖いな~」とホノカが驚いて言って、女性達が驚いていた。

「それを受けて、想定外の美由紀が詠んだのが・・知る恋の、上がれぬ段に、時を知る・・凄いな~」と千春が笑顔で言った。


「そして指定は、難解な【段】だったね・・ヨーコは焦ったね」とリョウがニヤで言った。

「そうだね~要するに、難しい語句を指定すると面白いんだね・・ヨーコは【段】だったから、必死だったね」とミコトが微笑んで。

「それでも瞬時に纏めた・・石段の、重きを感じ、汗を知る・・リアルで素敵だ~」とミサキが笑顔で言って。


「そして指定は、難解の切り替えしで・・【重】・・これも難しい」と小夜子が笑顔で言って。

「しかしそれを完璧に、感動的に詠んでみせたね・・本当に素晴らしかった」とサクラさんが笑顔で言って。

「そう・・マキ、見事だったよ・・身重なら、足元を見て、道を知る・・響いたよ~」と北斗が笑顔で言って。


「そして指定は、【道】でなくて【足】だった・・恭子は一瞬ニヤを出したよ」とリアンが獄炎で微笑んで。

「想定してたとしても、見事だった・・足早に、過ぎ行く時で、今を知る・・素晴らしい」とユメが笑顔で言って。

「そして指定は、シズカのこだわり続ける・・【時】だった・・ニヤ振りだったね」とカスミが不敵で言って。

「そしてシズカが、想いを乗せるんだね・・刻まれる、時に刻んで、我を知る・・お見事」とセリカが流星で微笑んで。


「そして揃います、言葉のアイテム・・【息】【恋】【段】【重】【足】【時】【我】を使って、知る詩を詠む・・無理です~」とシオンがニコちゃんで言って。


「絶対に無理だ・・じっくり考えても、出てこない」とハルカがウルで言って。

「7語使用しての、57577で完成させる・・確かに無理だよね~」と大ママが笑顔で言って。


「それをいとも簡単にやってのける・・それも素晴らしい詩にして」と千鶴が微笑んで。

「それもシズカが言ったように、【我】から入る・・まさにプロ」とアイコが私にニヤで言って。

「我が恋まで出たら、後は流れるようだった」とネネが真顔で言って。


「脳が考えてないレベルでしたね・・素敵でした」と後から久美子が微笑んで。


「久美子・・そっか~・・世界記録で走る時か」とウミ笑顔で言って。

「脳はいちいち指令を出さない」とカレンが美少女笑顔で言って。

「脳が指令を出せるのは・・考えてるレベルだった」とケイコが嬉しそうに微笑んで。


「脳の介入をさせずに、瞬時に詠んだ詩が。

 我が恋は、重き時にて、足もとの、息吹の中に、段階を知る。

 確かに凄い、到達した・・達人のレベルです」


ユリカが爽やか最強笑顔で言った、私はこのユリカの言葉が1番嬉しかった。


「深いよ~・・一瞬にして、この深さに沈める・・春雨の叫びの片鱗だね」とミチルが妖艶笑顔で言って。

「蘭は凍結した・・暫く凍結して、噛み締めてた」とナギサが華やかに微笑んで。


「ユリカですら、凍結した・・ユリカのこだわり続ける。

 心の変換速度という表現・・エースに出会ってそのこだわりが増した。

 エースはユリカに見せ続けるように、変換速度を上げ続けてきた。

 それの1つの極み、到達だったんだろう・・ユリカの背中が震えてた」


リアンが獄炎で微笑んだ、ユリカも爽やか笑顔で返した。


「心を解放しろと言う、偉大なる母の息子・・心の解放すら感じるよ」と北斗が笑顔で言って。

「全てを言葉にして生きてないと、到達出来ない・・命に関わり続ける人間の、心の言葉だね」とアンナが笑顔で言って。


「これは言葉の訓練じゃない・・これは心を表現する訓練、心遊び」とマリが真顔で言った。


このマリの台詞で、女性達に笑顔が溢れた。

私はマリを見ていた、モモカの言葉を受けて集中した中での言葉だった。


《心遊び・・無意識に出た、鍵の言葉だね、マリ》ともう一人の自分で心に呟いた。


「心遊び!・・素敵だよ、マリちゃん」とエミがマリに笑顔で言って。

「心遊び・・本当に素敵な言葉ですね」とユリさんが嬉しそうに薔薇で微笑んだ。


「ねぇ・・カルテットは今のエースのレベルには、驚かないの?」と久美子がヨーコとマキの間に座りながら笑顔で聞いた、女性達の視線が集まった。


「それは・・誰も驚かないよ、調子良いな~って感じだよ」とマキがウルで言って。

「まぁ、そうだね・・集中してるな~って感じだよ」と恭子が笑顔で返した。


「でも今・・プロの女性達の驚きを感じて、凄さを再確認したよね?・・シズカ」とヨーコがニヤで言って。

「したね~、真の感想が言えるのは・・心遊びにまでゲームを引き揚げた、沙織の感想と分析が聞きたいね~」とシズカがニヤで振った。


女性達の視線が沙織に集まり、沙織も笑顔で返した。


「小僧は90%の集中でしょうね・・最後一言に少しの淀みがあった。

 段階を知る・・この部分で微かな迷いを感じました、迷いの淀み。

 小僧なら相当の選択肢があったのでしょう、【段】での変換の選択肢が。

 段階という表現より、もう少しぼかした表現と天秤にかけた。

 それ以外はスムーズでしたね、【我が恋】の始まりは閃きでしょうね。

 それからは自分の恋を想っただけ、小僧はイメージの世界に入った。

 小僧は一瞬で入れる、その事を評して・・達人と呼ばれる。

 小僧は言葉を選択する場面は、常に寺の本堂に正座する映像を出します。

 小3で会得しました・・もちろん、マリちゃんとの出会いがきっかけです。

 私は追求しました、かなりのレベル差をつけられて・・悔しくて。

 小僧はその時に教えてくれました、イメージの世界を作るんだって。


 今MAXレベルに、小僧は本気で挑んだから・・【我が恋は】で入った。

 本堂に正座して、その周りを私達7人が囲んだ・・そう、1対7問答。

 8人で円を作る真ん中に、指定された言葉が浮遊してる感じです。

 我が恋で・・【我】と【恋】はその時点で消えている。

 でも小僧はその浮遊してる文字を見ない、見ると出来ないんです。

 外すために映像化する・・私はこの説明を聞いた時に震えました。

 小僧は小4でミホで確立した時に、こう表現しました。


 外せば自分の心しか残らない、なら想いだけを伝えられる。

 縛りを解くんだよ・・指定されたと感じて縛られる、縛りを解く。

 語句の指定は、記憶という回路に残ってる・・引き出す必要は無いよ。

 俺は引き出そうとすると駄目なんだ、いらない物まで引き出す。

 勝ちたいとか、負けたくないとか・・褒められたいとかね。

 それが心に入ると、出来ないんだよ・・そんな心じゃ、拒絶される。

 ミホには何も伝えられない・・ミホに会いに行けないんだよ。

 俺にそんな想いが入ってる時は、ミホは何も返してくれないから。

 だから・・そんないらない物を引き出す位なら、外してしまうんだ。

 言葉の遊びは・・想いを伝えたいんだよね・・問答もそうだよね。

 指定に縛られない、外したら出来るよ・・指定された語句は入ってる。

 心配ないよ・・先に言葉に出してみる、失敗でも良いじゃない。

 言葉を出したら止まらなくなった、伝えたい想いが溢れ出した。

 それで負けても、俺は楽しいよ・・考えても出来ないよ。

 沙織が作った1句流し・・その世界は言葉じゃないだろ。

 想いを並べるゲームだよ・・今までのを思い出してみろよ。


 そう言われて、私は震えながら家に帰って、惨敗ノートを開いて見た。

 小僧と2人でやった、575下流し、2語指定575返しを。

 小僧の句は確かに想いに溢れてた、そして完勝ノートを開いて震えた。

 小僧の敗北の句は・・指定された1語が入ってなかった。

 でも・・私に対する想いが入ってたんです・・嬉しかった。

 勝つなんてどうでも良い事、私に伝える事に比べれば・・そう感じて。

 小僧は負けた時に、勝っていたんです・・自分には。

 私はその時・・それまで勝ったと喜んでただけの、自分が恥ずかしくて。

 だから作り上げたんです・・小僧に双子として一生関わる為に。

 MAXレベル、1句流し、575下取り、57577詠みを。

 自分もその世界に辿り着きたいから、作り出しました。

 私が小僧の世界に辿り着くには、限界カルテットに挑むしかない。

 このMAXをシズカ先輩が、凄いよ沙織・・そう言ってくれて。

 私は嬉しくて、シズカ先輩と別れて泣きました・・認められた気がして。

 私も美由紀も秀美も、初めての経験でした・・本当に嬉しかった~。

 カルテット4人揃い、MAXレベルの挑戦でしたから。

 4人のレベルは私の想像よりも、遥かに高い位置に君臨していました。

 そして小僧が詠んでくれた、全員に想いを込めて・・自分の恋を。


 我が恋は、重き時にて、足もとの、息吹の中に、段階を知る。


 恋愛に未熟な人間が、同じ未熟な7人に贈ったメッセージです。

 10歳上の高みにいる女性を愛する、未熟な自分を曝け出した。

 その中に後悔など存在しないと言う、強いメッーセージだと思いました。

 私の感想はそれです・・本当に嬉しかったよ、お兄ちゃん」


沙織は私に笑顔で言った、私も嬉しくて笑顔で返した。


「沙織・・産まれた時から、一緒に生きてきたんだね・・解釈は自分の心で決めるんだね」と久美子が笑顔で言った。

「はい・・それが双子のルールですから」と沙織も笑顔で返した、久美子は嬉しそうに頷いた。


「ねぇ・・沙織、小僧の詩はそれぞれの解釈として。

 6人の句に対する、沙織の感想だけで良いんだ。

 それを教えてくれないか?・・どうしても聞きたいんだ。

 もちろん・・自分の感じた事を大切にする、その違いが知りたい。

 そして感じる事が出来なかった、自分の未熟さも知りたいんだ」


カスミが真剣な表情で言って、沙織は困った笑顔を出した、女性達は期待の笑顔で対抗した。


「私からもお願いしたい、沙織・・女性達に大切なヒントを出してくれよ」と大ママが微笑んだ、それで沙織も笑顔になった。


「はい・・私の感想ですよ、今13歳の未熟な私の感想です。

 まず私は小僧が詠み人だから、【知る】で流すのは決めてました。

 今の小僧が何を経験して・・何を知ったのかが、知りたかったからです。

 だから【寒さを知る】で設定しました、そして秀美ですね。


 秀美は凄いんです・・秀美はこの遊びを覚えて、まだ3ヶ月です。

 それでこのレベルまで到達してる、秀美は常に振ってくるんです。

 先ほどの1行遊びを、会話の中に入れてくる・・私も美由紀も油断出来ない。

 1行遊びには、始まりの合図なんて無いんです・・気を抜く暇は無い。

 たまに本当の独り言の呟きにも、被せられたりして・・焦ります。

 秀美は【知る】というテーマを感じて、自分の知りたい事を浮かべた。

 そして指定は【息】・・実は2番目は、かなり難しい位置なんです。

 テーマも決まってませんから、同時に2つを処理しないといけません。

 秀美は【息】に縛られなかった、自分の知りたい事・・【恋】を想い描いた。

 13歳の私達の知る恋など・・プロの皆さんとは、比べ物になりません。

 秀美は【恋】に対して、自分がそれだと感じた・・恋だと知った場面を描いた。

 それは鼓動で感じたんでしょう、それを呼吸で感じたと思った。

 そして流れるように、自分を表現した。


 吐く息に・・鼓動を感じ・・恋を知る。


 素敵な想いに溢れてますよね~、美由紀も嬉しそうなウルでした。

 美由紀は想定外の【恋】を指定されても、ウルが出せる余裕があるんです。

 達人に近いレベルを持つ美由紀、多分・・美由紀も外してる。

 鼓動の【鼓】と【動】は作ってたと言ったけど、それでも瞬時に対応できる。

 それは作っていた句を、外して・・別の場所に置いてたからです。

 美由紀はウルを出しながら、実は喜んでたんです・・そんな笑顔ウルでした。

 秀美の【恋】振りは作為じゃない、美由紀の【恋】に対する想いを聞かせて。

 その秀美の想いを、美由紀は瞬時に理解したんでしょうね、

 そして瞬間的に強い想いを乗せた・・まさに美由紀プロと呼ばれる極意。

 親友の秀美に聞いて欲しいと思って、流れるように自分の【恋】を表現した。


 知る恋に・・上がれぬ段に・・時を知る。


 未熟な13歳の恋を、赤裸々に表現した・・自分の葛藤まで込めて。

 ハンデを背負った美由紀は、同じくハンデを背負った秀美に強く伝えた。

 絶対に・・どんなに時間がかかっても・・恋を諦めないと強く伝えた。

 私はこの段階で泣きそうでした、嬉しくて嬉しくて。

 素晴らしい2人の親友に巡り会えた喜びで、心が熱くなりました。

 

 美由紀の指定は【段】でしたね、確かに句に入れるには難解な言葉です。

 でも・・先程の意見には誤解があります、ヨーコ先輩の動揺に関してです。

 確かにヨーコ先輩は、動揺しました・・それは2人の想いが強すぎたから。

 秀美と美由紀の心を感じて、感動して・・そこまでやるのかと動揺した。

 ヨーコ先輩にとって、【段】など軽く行けるでしょう。

 でも想いを強めたい・・正直に行こう、そう美由紀の句で感じた。

 それは後の3人の想いが知りたかった、だから正直な句が欲しかった。

 【段】で綺麗に纏めたり、ぼかして作ったりなら・・動揺なんてしません。

 ヨーコ先輩なら瞬時に作ります・・でも問いかけたかった。

 ヨーコ先輩は同じ仕事に挑むマキ先輩に、強く問いかけたいと思った。

 マキ先輩に問いかけたい【重】まで設定した、何に重きを置くのかと問うた。


 石段の・・重きを感じ・・汗を知る。


 見事としか言えません、問いかけたい【重】を入れて完成させました。

 マキ先輩はヨーコ先輩の強い問いかけと感じて、一瞬瞳を閉じた。

 何に重きを置くのかと、ライバルであり親友である人の問いかけ。

 絶対に自分の心で返さないといけない、だから一瞬間があった。

 その時のマキ先輩を見る、恭子先輩とシズカ先輩の瞳は恐ろしい程強かった。

 そして導き出したマキ先輩の想い・・それが灼熱の大地から吹いてきた。


 身重なら・・足元を見て・・道を知る。


 私には何も言えません・・響きました、灼熱の言葉が。

 私達でも響き渡った・・母親である人には、どれだけ響くのでしょうね。

 マキ先輩は・・生命に重きを置くと叫んだ、それだけは感想として言えます。

 あとは言えません・・大切に自分の中に入れておきたいから。

 そしてマキ先輩の指定は【足】・・恭子先輩に問うたのは、【足】でした。

 【道】でなく【足】を選んだのを聞いて、私はまた震えました。

 この指定には、深い意味が込められてます・・マキ先輩は言っていました。

 急ぎ過ぎてないかと、恭子先輩に・・豊君との事を、急ぎ過ぎていないかと。

 だからこそ、問うた・・【道】でなく【足】を・・恭子先輩はニヤを出した。

 そして私達に教えてくれた、今の恭子先輩の心を。


 足早に・・過ぎ行く時で・・今を知る。


 嬉しかった~・・人生を16歳で賭けた、憧れの先輩の言葉が。

 そこには何の後悔もない、そう強く表現してくれたから。

 そして私達6人の、全ての想いを乗せて指定したのが・・【時】。

 シズカ先輩に唯一問いかけたい言葉・・それが【時】なんです。

 凄かった・・どこにも淀みも迷いも存在しなかった。

 シズカ先輩の根源的な部分から響いてきた、【時】に対する想いが。


 刻まれる・・時に刻んで・・我を知る。


 圧倒的でした・・その強い想いは、小僧も含めた7人に向けられた。

 自分で刻むんだと、強く言われた・・自分を知る為の道。

 それは経験を自分で刻むんだと・・それでしか届かないと。

 そう言われたと、私は感じました・・嬉しかった~。

 そしてこの7人の想いを全て感じて、最後に達人が応えた。

 それこそが今の小僧の強い想い・・それを伝えてくれた。


 我が恋は・重き時にて・足もとの・息吹の中に・段階を知る。


 完敗です・・この詩には完敗しました。

 7人に対し、別々の想いを込めた・・瞬時に心を表現した。

 指定語句を全て使い、別々の想いを込めて・・知るで作り上げた。

 私には【知る】とは聞こえなかった、【知れ】と響きました。

 これが私の言葉に出来る・・私の心の感想です」


沙織は一気に語り、最後に嬉しそうな笑顔を出した。

完全な静寂の中・・美由紀と秀美が泣いていた。

 

「8人全員、お見事です・・そしてありがとう、沙織・・大切なヒントを伝えてくれて」とユリさんが美しい薔薇の笑顔で強く言った。

限界カルテットと中1トリオが、嬉しそうな笑顔で返した。


「やるしかない・・1行流しで、特訓するしか」とホノカが笑顔で言って。

「始まりの合図はいらない・・ならば、いつでも振れるね」とカスミが笑顔で言って。

「楽しい世界の幕開けだね~」とナギサが華やかニヤで言って。

「1番成績悪いのは・・あなただよ、ナギサ」と蘭が満開ニヤで言った。

女性達が笑顔になって、大きな円を描いて座った。


「さて・・教えて貰いましょう、1行流し」とミコトが笑顔で言って。

「お願いします」とシノブが頭を下げて、幻海の4人が頭を下げた。

全員が場所を考えながら笑顔で座り、それに気付いて久美子が慌てた。


「ここはまずい!・・初心者の座る場所じゃない」と久美子がウルでヨーコとマキの間を立った。

『久美子・・ここにおいで、俺はミホと沙紀を見てくるから・・言葉を覚えたばかりの、マリの横だから安全だよ』と必死に平静を装って言った。

「ありがとう・・さすが敏腕マネージャー」と久美子が嬉しそうな笑顔で歩いて来た。


女性達は必死にニヤを出すのを我慢していた、私は立って久美子を座らせた。


「よろしくお願いします、久美子姉さん・・私の拙い言葉を、何とか繋いで下さい」とマリがウルで言った。

「任せて、マリ・・私が繋いであげるから、何でも言って良いよ」と久美子は笑顔で返した。


背中を震わせ笑いをこらえる女性が、何人も見えた。

私はニヤニヤを出して、久美子の後で立って見ていた。


「未経験者の人でも、聞いていれば分かりますが。

 要は関連性のある言葉で流します、前の人が言った言葉に関連する言葉。

 ダジャレ的、天然返しもOKです・・同じ言葉を違う意味で変換する感じ。

 まぁやってみましょう・・別に難しくないです、要はイメージです。

 言葉が流れてくるイメージだけ感じる、自分で何の設定もしない。

 それがこのゲームの鍵になります、あとは自分の方法を感じて下さい」


沙織は笑顔で言った、全員が笑顔で頷いた。


「沙織・・その前に、1行流しの1段上を7人でやってくれない?」とユリカが笑顔で言った。

「それは今後の展開の為にも、聞いておきましょう」とミコトがニヤで言った。


「それでは・・無制限問いかけ・・タブー無し、ノーガードでいきます」と言って沙織がニヤを出した、それで秀美が緊張しながら。

「かかっておいで~」と6人が笑顔で頭を下げた。


沙織・・・な~んだそんな物、まだ欲しがってるの?

秀美・・・欲しいなら右腕もやるよ、欲しいの?。

美由紀・・いらないよ、たかだか足だろ・・一人が淋しいの?

ヨーコ・・施設で暮らせて、楽しかった~・・妬んでるね?

マキ・・・婆さんとの生活が楽しくてね~・・ママに甘えたかったの?

恭子・・・新しいママが素敵なの~・・感覚なんて持ちたいの?

シズカ・・持ってるよ、速読術を・・困難な2人に押されてるね~?

沙織・・・引っ張ってやるから、必死で付いてきなよ・・困難な設定なの?

秀美・・・困難じゃないよ、少し不便なだけ・・不便なの?

美由紀・・便利だよ、歩かなくて良いから・・おねだりしたかったんだ~?

ヨーコ・・欲しい物は全て手に入れたわ・・女っぽくなりたいんだ~?

マキ・・・最高峰の女になる、準備よ・・愛されてるのか不安なの?

恭子・・・愛してるから良いのよ~・・アメリカ行くの淋しいんだ~?

シズカ・・私は楽しみにしてるのよ~・・ジャズ女は淋しいの?

久美子・・楽しみで遠足の前みたい・・妹がいなくて不安なの?

レン・・・やっと肩の荷が降りる~・・若いって言い訳するの?

ハルカ・・全ての記録を塗り替えるチャンスがある~・・男が怖いの?

カスミ・・男が私の美しさが怖いのよ・・拘束されるのが怖いの?

リリー・・男は私を独り占めしたいのよ・・それは虚勢の表れなの?

ネネ・・・男は不良性に弱いのよ・・海なのに、まだ過去に縛られてるの?

ウミ・・・手を繋いだよ、いつまでも一緒だよ・・夢なのに、夢を見ないの?

ユメ・・・夢は叶えるものよ・・春だから、卒業が淋しいの?

千春・・・早く卒業したいな~・・夏だから、命に関わるのが不安なんだ~?

千夏・・・命に関わる最高の仕事よ・・秋だから、教育委員会が怖いの?

千秋・・・現場には関係無い事よ・・冬だから、知られるのが怖いの?

美冬・・・堂々と腕を組めるわよ・・10歳差がプレッシャーなんだね?

私・・・・20歳上まではOKだよ・・難病の、娘の未来が不安なのか?

北斗・・・大人に成った姿が楽しみ~・・東京進出が不安なの?

ユリ・・・全国展開まで考えてますよ・・10歳下だから不安なの?

蘭・・・・私の方が下みたいで、可愛いでしょ・・京都が恋しいの?

ナギサ・・宮崎が故郷だよ・・悪意の砂時計が怖いのか?

私・・・・楽しみでワクワクだよ・・まだ良い子になりたいの?

エミ・・・私は良い事ばかりする、小学生じゃないよ。

私・・・・良し、ストップ・・人数多すぎて、きりがないよ。 


私はエミの問いかけを遮って、笑顔で止めた。


「ふ~・・緊張感ある~、シズカに意地悪1点」と久美子がウルで言って、シズカが二ヤで返した。


「沙織ちゃん、これはもしかして・・女性同士用ですか?」とユリさんが真顔で聞いた。

「そっか!・・それなら凄すぎるよ」と蘭が満開笑顔で沙織を見た。


「はい・・本当は5人位でやるのが1番良いんです。

 一言問答ですから、3人以上がベストですね・・2人じゃ辛いです。

 女同士って、どんなに仲が良くても、聞き難い事ってありますよね。

 これは・・信頼関係を問われます、お互いに正直でないと成立しない。

 女同士の関係には、良い潤滑剤になりますよ。

 女同士って難しいですよね、本音を隠しがちですし。

 このやり方を作ったのは、小僧です・・限界カルテットの為に。

 限界カルテットの強固な信頼関係にも、一役かっているでしょう。

 私達トリオには、大切な遊びです・・気持ちを戻せるから」


沙織は笑顔で言った、女性達は真剣な顔で頷いた。


「解決策は有る、無いならば作り出す・・それが小僧の、人間関係構築の基盤です」とマキが二ヤで言って。


「私は今の1回の流しの中でも、本当に嬉しい言葉が沢山ありました・・さすがエースですね」とユリさんが薔薇で微笑んだ、私は照れた笑顔で返した。


「なんだろう・・大切な授業を受けてるね」とリアンが笑顔で言って。

「本当にね・・今まで探し続けていた物を、探し当てた気分ね」とユリカが笑顔で言って、女性達が笑顔で頷いた。


「それでは・・全員で1行流し行きますか・・限定解除、下ネタ封印・・天然あり、1行流し」と沙織が照れたのか笑顔で言った。


ワクワク笑顔の女性達を見ながら、私も嬉しかった。


ウミの言葉が響いていた、【手を繋いだよ、いつまでも一緒だよ】と言った言葉が。


私はウミの笑顔を見ながら、自分の設定を変更していた・・。




 


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