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挑戦

その男は、絶対に自分を正当化しない。

そもそもの判断基準が、【正しいか・間違いか】などではない。

その魂が動くかという事である、障害や不遇を抱えた弱者には、圧倒的に優しい。

憧れに値する存在なのである、追い求め続ける存在・・・。


雑居ビルの密林を歩く、家路を急ぐ豊兄さんを、バルコニーから見ていた。

「寂しい?」振向かないでも分かった、薔薇の言葉は。

『大丈夫です、マリアがいるから』そう言って振向いた、ユリさんの薔薇の笑顔があった。

「私の前に立った後姿、素敵だった」と微笑んだ。

『強力な教師達が、教えてくれてますから』と私も笑顔で返した。

「帰りましょう、あなたが今いるべき場所に」そう微笑んで手を出した。

『はい』と手を繋ぎ店に戻った。


定位置に行くと、皆の視線を感じた、笑顔で優しい視線を。

蘭が俯き歩いた来た、花道から飛び降り、客から見えない位置まで来て、静かに私に抱きついた。

『終わったよ』と耳元に囁き、背中に手を回した。

「ばか、心配させて」と微笑んだ。

『ごめんね』と私も笑顔で返した。

「ありがとう、ぜーんぶありがとう」と満開で微笑んで。

「こうしてたいけど、泣くと困るから行って来るね」と言って戦場に戻った。


「おい!」そう呼ばれて振向くと、カズ君に抱きしめられた。

「お前はたいした奴だよ」と笑顔で胸を優しく叩いた。

『何もしてませんよ』と私も照れた。

「伝説には残ったぞ」と笑顔で言って、持場に戻った。


「はい」とケイが言って、銀のバッジを返してくれた。

「もう、2度と預からないからね」と微笑んで。

抱きしめてくれた、ケイのこの行為は、本当に嬉しかった。


「よしっ、今夜も稼ぐよ~」とマダムが言い。

「今夜も終了後、緊急ミーティング」とリンさんに指示し。

「了解です」とリンさんも笑顔で返した。

「ケイ、今夜も回転かけるが、早めに蘭を下げろ」とケイに言った。

「はい」とケイも微笑んだ。

「最後の一組は、四季とカスミに任せろ・・よく見とけよ」とマダムも笑った。

「はい」ケイにもその力が戻ってきた。


私が定位置でタバコをばらしていると。

「4番、怖い人が下に来いって言う」と後ろから声がした。

『やめとけって伝えて、私には全てを投げ出す、専属がいるからって』と言って振向いた。

蘭の満開の笑顔があった。

「言ってくる~」と微笑んで戦場に戻った。


数分後。

「6番、怖い人が、私に胸見せろって言う」と言った、また始まったかと思いながら。

『やめとけって伝えて、これはお礼でしか、見せられないからって』と言って振向いた。

カスミが輝きながら笑っていた。

「言ってくる~」と微笑んで戦場に戻った。

四季を探すと、全員ニヤニヤしていた、当然のようにこの後4篇させられた。


「そろそろいいですね?」とケイがリンさんに聞いた。

「OKでしょう」とリンさんが返事した。

「ユリさんにサインお願い」と私をケイが見た。

『了解』と言ってユリさんを見た、ユリさんはサインに頷いた。


「ケイ」2人の若いバイトの女性が来た。

「なんですか?」とケイが聞いた。

「お願いだから、私達2人、できるだけ引っ張って」と真剣に頼んだ。

「最後2組が勝負です、お願いします」とケイがフロアーを見て言った。

「必ずやって見せるよ」と2人は戦場に戻った。


ユメとウミ2人の本気の挑戦の幕開けだった、そのまた違う感性が、花開こうとしていた。

『ケイ姉さん楽しそうですね』と言うと。

「なんか楽しいの、もうなにも怖くないから」と微笑んだ顔を見て思っていた。

その顔は、原野に強く咲く一輪の花のように、強い意思を示していた。


突然私は後ろから抱かれた、アイさんだった。

「ありがとう」と囁いた、『大丈夫ですか?』と私も囁いた。

「もう平気よ」と体を離し、癒しを発散させて微笑んだ。

ユリさんとアイさんが見守る、幻想のフロアーは残り3組になった。


3組目を蘭が笑顔で締め私の所に来て、満開で腕を組んだ。

『甘えん坊』と言うと。

「我慢してたんだから、許してね」と満開で微笑んだ。

「ユメちゃんとウミちゃん、やる気になったわ」とユリさんがアイさんに言った。

「元々良い物を、持ってますから」とアイさんも嬉しそうに、フロアーを見ていた。

「蘭がいないこの状況が、本当の勝負よ・・彼女達の」とユリさんは前を見て言った、ケイに聞こえるように。


ケイは集中している、サインを繋ぎながら。

千春・千夏、ユメ・ウミの2コンビ4人で、1組を先に笑顔で締めた。

「うん、うん」とユリさんが微笑んだ。

最後の席は、カスミと千秋と美冬の3人が、3人の年配客を囲んでいる。

「元ラガーマンをどう締めるかな、カスミちゃん」と私と腕を組みながら、蘭が言った。


カスミが立って、テーブルの上に右手を出した。

その上にお客と千秋・美冬が交互に手を重ね。

「おう!」と言って皆で手を上げて、笑顔で会計に向かった。

「やるね~」と言った蘭も、ユリさんもアイさんも嬉しそうだった。


「早くかけてよ、カスミにかけた魔法」と蘭が私に微笑んだ。

「私もお願いするわ」とユリさんが薔薇で微笑み。

「当然、私も」とアイさんも微笑んで私を見た。

『なにもしていませんよ』と私も笑顔で返した。


カスミたちが帰ってくると。

カスミと四季と、ユメ・ウミ7人で【イェ~イ】と言いながら、タッチし合っていた、楽しそうに。

ケイはそれを見ていた、【もうすぐ行きます】とその横顔は言っていた。

PG伝説の夏が幕開けをした、その感覚で競い合う楽しい夏が。


昨夜と同じ位置で全員が揃った、ただ一人で病院に行った、徳野さんがいなかった。

「解決した、色々心配かけた・・・」マダムは事の経緯を話した、豊兄さんとの約束も。

話しが終わると、静寂の中拍手が沸き起こった、カーテンコールのように。


「チャッピー、お前にもなんかお礼をせんといかん、なんかあるか?」とマダムが私を見た、又静寂が戻った。

『1ついいですか?』と言うと、「なんだ?」とマダムが言った。

『来週の週末、3人娘を、花火大会に連れて行きたいんですけど』と言うと、マダムはニッと笑い。

「最高の場所をワシが用意する、ケイも一緒にな」と笑った。


「ユリなんかあるか?」とマダムが聞いた。

「はい」とユリさんが言って、ケイを見た。

「ケイの源氏名を命名したいと思います」と言った、ケイは驚いてユリさんを見た。

「ケイの会話練習ロボットに、お願いしようと思います」と言って私を全員が見た。

『えっ!』と私は固まった。

ケイが私のお腹のスイッチを押して微笑んだ、その笑顔で決めていた。


『遥かなる高原に咲く強く優しい一輪の花』私はケイを見て。

『ケイは、ハルカだね』と笑顔で言うと。

「ありがとう、素敵」と可愛く微笑んだ。

ユリさんが薔薇で微笑み拍手をして、皆が拍手をした。

待ちわびた挑戦者を歓迎するように。

「今からが、勝負の季節だかい、体調に気をつけて頑張ってくり、解散」とマダムが締めた。


TVルームに帰っていると。

「ありがとう、エミちゃんから聞いてたわ、ミサちゃんのために」とユリさんに声をかけられた。

『違いますよ、自分が見たいだけです』と笑顔で振向いた。

「豊ならこうする、豊ならこう言う。あなたの基本はそれね」と蘭が言い、「素敵な先生ね」と満開で微笑んだ、ユリさんも薔薇で微笑んでいた。


TVルームは松さんがいて、マリアは寝ていた。

「ありがとう、今夜の事もケイの名前も」と私の手を取り言った。

『どうですかね?』と聞いてみた。

「最高だよハルカ、ケイにぴったりや」と笑った。

私は嬉しくて笑顔で返した。


静かに眠るマリアの、可愛い癖毛を優しく触りながら、その天使の寝顔を見ていた。


《マリア守ってくれて、ありがとう》と心で話した。


《あい》と天使の返事が確かに聞こえた、私の内側に・・・。






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