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由美子の願い

今がベストじゃないと常に思う、与えられた物に何かを足す。

その心は理想を追い求める、他人からどう見られようとも。

主張し納得させ取り組む、押し付けなど何も無いのだ、自己完結する女。


私は宿題に取り組んでいた、エミが歯磨きをしてベッドに入った。

私の横にシズカが二ヤで座り、その横に久美子がウルで数学の宿題を持ってきた。

シズカは久美子には優しく教え、私には《ブ~~》という音だけで間違いを告げた。

久美子は早々に終わり、マダムに断ってシズカと2人でフロアーを見に行った。


「エース・・ありがとな、そして頼むぞ・・由美子を」とマダムが言った。

「私からも、頼むな」と松さんが言った。

『うん・・ベストを尽くすよ・・だから頼みがあるんだけど』と真顔で返した。

「似合わん遠慮なんかするな・・言ってみろ」とマダムが笑顔で言った。


『難病や障害を抱えた子供を持つ母親は、勘違いしがちなんだよ。

 子供の為だけを考えて、それだけで生きてしまう。

 でも子供の方は、それは嫌なんだよ・・でも伝える手段が無いから。

 由美子もそうなんだよ、それだけは今日確信したんだ。

 俺は北斗の今の状況を知らないけど、もしそれが可能な状況なら。

 提案したい・・夜街に復活して、輝く女に戻って欲しい。

 その姿が由美子にとって、何よりの喜びだし・・生きる希望になるんだ。

 俺は北斗なら・・今はまだ無いけど、ジンの派遣会社の最初の登録者にしたい。

 そして6店に見せてあげたい、全盛期のアスカに本気で挑んで。

 ユリさんに夜の女を教えた・・その北斗という、圧倒的存在を。

 もし北斗がその状況で・・由美子だけを考えている時は。

 提案する・・だからマダムと松さんに援護射撃をしてほしい。

 そして復活した後の、フォローをして欲しいんだ』


私は真剣に、考えていた事を話した。

強烈で熱い波動が来て、同意を示していて、私は嬉しかった。


「松よ・・ワシらも久々に、熱くならんといかんようじゃな」とマダムが微笑み。

「嬉しいですね~・・目標がある生活は、ありがとうエース」と松さんが微笑んだ。

私は2人に笑顔で返して、プリントを片付けていた。

その時、母とユリさんと北斗が笑顔で帰ってきた。


マダムと松さんを含めた、5人で話していた。

「北斗・・今は気のおけぬ人ばかりやから聞くが、経済的に辛くないのか?」とマダムが真剣に聞いた。


「ありがとうございます、マダム・・それは大丈夫です。

 由美子は難病指定されていて、医療費はほとんど免除です。

 それにあの病院の院長先生が、難しい名前の特別なのに認定してくれて。

 最新医療を受ける事も出来ます、今回の帰省は・・私が経験ある医師を調べて。

 関口先生を探しあてました、宮崎だから実家の両親のサポートも受けられるし。

 関口先生と話した時に、実は聞いていました・・その少年の事を。

 私は嬉しかった・・由美子にも意志があると思えて。

 それで決めました・・関口先生にお任せしようと。

 旦那と別れた訳じゃありません、少し精神的負担を軽くしてやりたかった。

 旦那は・・由美子を愛してくれています、でも仕事と由美子でまいってしまって。

 私ともギクシャクして、だから考える時間も欲しくて。

 旦那は十分な生活費を、送ってくれています。

 だから大丈夫です・・私は今、由美子に集中できています」


北斗はそう言った、マダムが私を呼ぼうとした時。

「小僧・・教えてやって、由美子の気持ちを」と母が真顔で私に言った。

私は真顔で立って、北斗に向き合って座った。


『北斗・・何か大きく勘違いしてないかな?

 由美子は感じてるんだよ、北斗が何も言わなくても。

 全て感じているんだよ・・北斗が由美子を想うように。

 由美子も愛する母を想ってる、それは健常者の子供の何百倍もだよ。

 伝えられないから・・それが辛いんだよ。

 今日ユリさんと北斗が、泣きながら抱き合った時に。

 由美子が聞いた・・あれは嬉しいの?悲しいの?・・そう聞かれた。

 分かるよね北斗・・由美子は北斗を常に愛してる。

 伝達なんて全く必要ない、北斗が側にいるだけで。

 由美子はその全てを感じる、心の揺れもだよ。

 絶対に誤魔化す事は出来ない、由美子の北斗に対する愛情は絶対だから。

 北斗・・由美子を愛するのなら、由美子に見せないといけない。

 生きるとは・・どんなに素敵な事かを、その北斗の輝きで見せるんだよ。

 由美子は日本で32例目だよね、それがどうした・・今までの事だろ。

 由美子は今生きているんだろ、強く生きているんだろ。

 俺はヒトミの時に調べた・・あの病気、アメリカで19歳まで生きた少女がいる。

 それがどうした・・過去の話だ・・由美子は記録更新なんか望んでない。

 生きる意味が知りたいんだ、それを教えられるのは・・母親だけなんだ。

 俺は嫉妬する・・ヒトミの母親と北斗に、嫉妬している。

 本当に大切な事を伝えられる、その権利を持っている母親に。

 北斗・・輝きを取り戻そう・・あの病院は保護者でも。

 面会時間は10時から20時までだね、だから20から夜中まで北斗に戻れ。

 そして挑め・・今の女性達に・・そして輝きを取り戻せ。

 充実して生きる時にしか出ない・・輝きを取り戻せ。

 由美子にはそれがないと、生きる素晴らしさは絶対に伝わらない。

 俺が考える・・夜の女性の人材派遣、その1号の登録にしたい・・北斗を。

 時間に余裕を持たせる・・そして北斗・・俺にはあの病院に、面会時間は無い。

 由美子のフォローは俺がする、必ず北斗に全て伝える・・隠さない。

 復活しろ北斗・・魅宴とPGとリアンとユリカとミチルの店。

 そしてゴールド・ラッシュという、最新型のクラブ。

 全てに出てもらう・・切り札として、全盛期の飛鳥に挑んだ誇り高き女性として。

 ユリさんに、その背中と行動で、夜の女の本質を伝えた女性として。

 俺が送り出す・・今を悩みながら必死で生きる、若い挑戦者達に。

 その経験と強い意志を見せたい、北斗という・・永遠の伝説を復活させたい。

 そして北斗に輝いて欲しい・・その姿だけが伝える事ができる。

 由美子に生きる意味を・・生きる希望を・・俺はそう思ってる。

 やらないか・・もう1度・・北斗。

 疲れ果てたら・・俺が側にいるから、北斗と由美子の・・側にいるから』


私はヒトミを思い出し、俯いて泣いていた、強烈な波動が守ってくれた。

私は北斗に強く抱かれた、私も強く北斗を抱いて伝えた。


「分かったよ・・エース・・私が間違ってたよ。

 ごめんね・・ヒトミちゃんとの辛い思い出まで、思い出したね。

 響いたよ・・一番底まで響いたよ、お願いするよ。

 私を登録第一号にしてくれよ・・必ず見せてやるから。

 エースの想像を超えてる事を・・PGの最初のNO1として。

 今の女性達に伝えるよ・・私の考える夜の女の理想を。

 だから・・約束だよ、私も抱っこと添い寝をしてね。

 そして疲れ果てたら・・由美子と3人でいてね」


北斗の優しい響きが私を回復してくれた、私は北斗を笑顔で見て頷いた。


『マダム・・そういう事でお願いしたいんですけど。

 ご存知の通り・・ジンの会社はまだなくて、ご老体に申し訳ないんですが。

 マダムと松さんで、北斗のマネージャーを頼みます、調整はハルカとマキでしますから。

 お願いします・・マダム・松さん』


笑顔で言って頭を下げた、北斗も慌てて頭を下げた。

「ご老体だけ気にいらんが・・良いよ、ワシと松も退屈しちょったかい」とマダムが微笑んだ。

「エース・・ご老体は、マダムにだけ言ったんだろうね」と松さんが二ヤで言った。

「こりゃ、松・・そんな追い込みすると、頷くじゃろうが」とマダムが笑顔で返した。

全員に笑顔が戻り、北斗も嬉しそうに笑っていた。


『じゃあもちろん、北斗のリハビリは・・現PGのNo1にお願いします』とユリさんに二ヤで言った。

「分かりました・・厳しいですよ、北斗姉さん」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

「よろしくね・・しかし下ネタ言われて、トイレで泣いていた19歳が、ここまで来るのかね~」と北斗が二ヤで返した。

「あっ!・・北斗姉さん、エースの前で言ったら・・ほら~ニヤニヤしてる~」とユリさんが私の全開二ヤを見て、薔薇ウルを出していた。


「よし・・上手くまとまったね、少し成長したね・・小僧。

 さっきの話・・全員が乗ってたよ、あの言葉に。

 ヒトミもミホも沙紀も、亡くなった子供らも・・そして由美子も。

 その全ての意志が乗って強かったよ、完全復活おめでとう。

 復活の証として、由美子と沙紀とミホを頼むよ。

 お前は元々常識外の存在だろ、考える前に感じるんだよ。

 何の為に産まれたかじゃない、何の為に生きるかだよってお前が言った。

 ヒトミの母親に言ったね・・和尚の言葉の伝達、それが出来てたよ。

 由美子が喜ぶね・・待ちに待った・・母の本当の姿が見れるね」


母が笑顔で言った、私は嬉しくて笑顔で頷いた、北斗は又泣いていた。

「律子ありがとう・・頼むから、暇な時は来てくれよ・・シズカを連れて」とマダムが微笑んだ。

「もちろん・・こんなに楽しそうな状況、見ないと損ですから」と母が笑顔で返した。

その時、久美子とシズカが帰って来た、シズカが状況で感じた。


「北斗さん・・小僧にスカウトされましたね~」とシズカが二ヤで言った。

「その二ヤは、やばいの?」と北斗が二ヤで返した。

「いえ、嬉しくて・・見たかったんです・・北斗さんの愛の表現方法が、きっと素敵だろうと思っていたから」とシズカが微笑んだ。

「ありがとう、背中を押してくれて・・2人ともよく見ててね、16歳の感性で」と北斗が嬉しそうに微笑んだ。

シズカと久美子も、嬉しそうな笑顔で頷いた。


「律子姉さん・・シズカが欲しい」とユリさんが母に薔薇ウルで言った。

「私にウルで言わないで・・シズカはとうに、私の手は離れてるから」と母が二ヤで返した。

「聞かなかった事にします・・もう少しで、導火線に火が点きそうだったから」とシズカが笑顔で言った。

「エース、業務命令です・・点火しなさい」と薔薇二ヤで言った。

『それだけはご勘弁を~・・探してきますから、シズカ以外なら誰でも・・シズカ爆弾は、俺には致命傷ですから~』とウルウルで返した。

「今の・・逆に火を点けるよ」とシズカが二ヤで言った、私はウルウルで返した。

全員の笑い声の中で、ユリさんの楽しそうな笑顔を見ていた。


母とシズカが笑顔で挨拶をして、帰って行った。

北斗はこっそり由美子を見てくると言って、出て行った。

私は久美子にバンドの話を聞いていた、久美子は楽しそうに話してくれた。

ユリさんはマジックミラー越に、フロアーを笑顔で見ていた。

その横顔が充実感を漂わせ、美しく輝いていた。


「エース・・ありがとう、本当に響きました・・嬉しかったわ」と薔薇で微笑んだ。

『良かったんだろうかと思うけど・・由美子の気持ちはそうなんだと、自信があります』と笑顔で返した。

「私もそう思いますよ・・北斗復活、大ママまた泣きますね」と薔薇で微笑んだ。

『飽きさせませんよ・・大ママが夜街の意志で居てもらわないと、困るから』と笑顔で返した、ユリさんも薔薇で頷いた。

「まったく・・トップを押さえてるかい、怖いわ」とマダムが笑顔で言った。


「マダムも松さんも、演技お上手でしたよ」とユリさんが微笑んだ。

「松の演技が下手じゃかい、ばれてるの~」とマダムが笑った。

「嫌ですよマダム・・台詞回しが、わざとらしかったですよ」と松さんが笑顔で返した。

「ブッ」と久美子が笑って、全員が笑った。

私は蘭を見ていた、充実感を浮かばせる満開の笑顔を。


私は指定席に戻り、満席状態のフロアーを見ていた。

終演前のフロアーは、熱が冷めやらず、女性が全員集中していた。

蘭が満開笑顔でやってきた、私も笑顔で迎えた。

「その顔は、上手くいったんだね」と満開継続で微笑んだ。

『蘭・・聞いてるんだね、PG最初のNo1』と二ヤで返した。

「うん・・リアン姉さんが、酔うといつも話してくれるから」と笑顔で言った。

『蘭・・見せてやるよ、フロアーで・・伝説の北斗を』と笑顔で言った。

「うっそ~・・嬉しい~・・さすがだね」と満開で微笑んだ、私も笑顔で返した。


「最後の一組になると思う3番の2人、ジャズの大ファンで・・一人が明日誕生日なの、久美子にお祝いの曲を頼みたい」と満開で微笑んだ。

『了解・・準備するよ』と笑顔で返して、TVルームに走った。


私は久美子にその事を話し、ユリさんを見た。

「久美子ちゃん、お願いね・・さすが蘭です、私は本当に幸せを感じてます」と薔薇で微笑んだ。

私と久美子は笑顔で頷き、TVルームを出た。

ラスト2組になっていた、私はカズ君を呼び、その事を話した。

「了解・・照明演出なら、任せなさい」とカズ君が、走って位置についた。

『シオン・・ラスト1組になったら・・9人衆に、6番に集合とサイン送って』と笑顔で言った。

「了解です」とニコちゃんで返した。


3番は蘭とサクラさんが入っていて、笑顔が溢れていた。

『久美子・・最後はハッピーバースーデイにしよう』と笑顔で言った。

「了解、任せて」と微笑んだ時に、5番の3人組が立った、私はマキに耳打ちした。

エレベーターが閉まるのを見て、久美子が席について合図をくれた。

6番の9人衆には、マキが裏から回りその事を伝えた、全員が笑顔で【OK】を出した。

私がそれを見て、カズ君にサインを出した。


フロアーが暗くなり、3番とピアノの位置だけスポットが当たった。

そして久美子が優しく奏で始めた、明るいジャズが流れてはじめた。

3番のお客は嬉しそうに、久美子を見ていた。

久美子は段々強く叩き、強いリズムが喜びを表現した。

そして腰を浮かせて、歓喜を表現した・・輝く16歳が笑っていた。

久美子は弾き終わり、一度立って3番に深々と頭を下げた。

3番の2人のお客も、蘭もサクラさんも立って拍手で応えた。


久美子は笑顔で座りなおした、そして照明が明るくなり、9人衆がフロアーに並んで立った。

久美子が弾き始め、9人で声を合わせて歌った。

3番のお客は嬉しそうに、少し照れてそれを見ていた。

歌い終わり9人と久美子が笑顔で拍手をした、誕生日の人が笑顔で立って。

「ありがとう・・今までで最高の誕生日です」と大声で言った。

女性達も笑顔で返して、全員で一礼して銀の扉に消えた。


「ユリ・・凄い店を作ったんだね、感動したよ」と北斗の声がした。

「実は私が1番感動してます・・託せる存在を感じて」とユリさんが薔薇で微笑んでいた。

3番席の4人は楽しそうに笑顔で会話していた、蘭は久々のユリさんのいない状況を乗り切った。

最後に自分の個性も主張した、蘭は恐れない、失敗を恐れたりしないのだ。

常に楽しいことを考える、弟に語りかけながら、自分の心に従うのだ。


3番が席を立ち、女性達が全員出てきて、10番に揃った。

見送りに出ていた、蘭とサクラさんが座って、私がユリさんを促した。


「私は今夜を忘れない・・想像を超えてくれた仲間の笑顔を。

 託せる仲間に出会えた喜びを、本当によくやってくれました。

 PGはあなた達の店です・・ここにいる全員の店です。

 変化を受け入れましょう、次の大波を・・今夜エースが起こしました。

 近い内にフロアーで出会う事になるでしょう・・伝説のPG最初のNo1に。

 蘭・・ありがとう、最後の演出心に響きました。

 あのお客様は、絶対にPGも貴女方の事も忘れませんよ。

 私も変化をしたいと思っています、まだまだ上があると感じたから。

 今夜は本当にありがとう・・お疲れ様でした」


ユリさんは嬉しそうに薔薇の笑顔で言った、女性が全員笑顔で立った。

「お疲れ様でした」と声を揃えて、頭を下げた。

そこで解散になった、笑顔で控え室に向かう女性を見送った。

私の指定席の前に北斗が立っていて、笑顔で頭を下げる女性達に笑顔で返していた。

「北斗姉さん!」とサクラさんが叫んで、北斗に飛びついた。

「サクラ・・相変わらず綺麗だね~、そして素晴らしい娘を2人も産んで」と北斗が抱きしめて微笑んだ。

「本当に復活してくれるんですか?」とサクラさんが潤む瞳で聞いた。

「サクラも、リハビリ手伝ってくれよ」と北斗が微笑んだ。

「任せて下さい・・楽しみです」と体を離してサクラさんが微笑んで、笑顔で頭を下げて控え室に消えた。


私はシオンとマキを北斗に紹介して、ユリさんと5人でTVルームに戻った。

「エース、私は明日から出るよ・・当面はPGで良いんだね?」と北斗が微笑んだ。

『もちろん、でも焦るなよ・・歳なんだから』と二ヤで返した。

「熟れてるって言うんだろ、今が一番・・脂が乗ってるよ~」と二ヤで返された。

『やめて・・心が揺れるから、人妻って響きだけでも怖いから』とウルで返した。


「隊長まずいですぜ・・奴はブロンドと人妻に弱いですぜ」と二ヤしながらカスミが入ってきた。

「ブロンドの人妻が出てきたらどうしよう」と満開ウルで蘭が入ってきて、北斗の前に立った。

「リアン姉さんから、よくお話は伺っています・・蘭と申します、これはカスミです、北斗さんよろしくお願いします」と満開で微笑んでカスミと深々と頭を下げた。


「よろしくね・・あなたの新しいエース争奪ライバルの北斗です」と二ヤで返した。

「それは無駄です・・エースは私にぞっっっっこんですから」と満開二ヤで返した。

「ちなみに私にも、ぞっっっっっっっこんですから」とカスミも輝き二ヤで返した。

「かしゅみ・・小さい【つ】が私よりも多かったよ、負けず嫌い出すとこ間違えたね」と満開二ヤでいった。

「愛の大きさの違いですよ」と全開不敵で返した。

「楽しくなりそう~・・よろしくね」と北斗が微笑み、蘭とカスミが微笑んだ。


『蘭、リアンの泣き顔そろそろ見たいだろ?』と二ヤで言った。

「もちろん・・見に行くに決まってるでしょ」と満開で返してきた。

「その前に・・これが沙紀の処女作だよ、汚すなよユリカの宝だからな」とマダムが言って、女性達が絵に吸い込まれた。


「待って・・これ・・羊水なの?」と蘭が私を驚いて見た。

『うん・・そして乳児が2人手を繋いでるんだよ、もちろん沙紀はユリカに会ってさえいない』と真顔で返した。

「常識とかで考えたらいけないんだな・・そんな狭い世界で」とカスミが泣きながら言った。

「これは宝物だね・・ユリカ姉さんにとって、この愛は」と蘭も涙を流して見ていた。

強く暖かい波動が包んでいた、大切な宝物を。


『よし・・リアンの涙を見に行こう』と私が意識して元気に言った。

ユリさんと北斗と蘭が前を歩き、私はシオンと腕を組んで、ウルウルで我慢してるカスミに手を振った。

ローズの前で、3人全員が二ヤで振り向いた。

「盛り上げる、前振りしておいで」と蘭が満開二ヤで言った。

『3人さんも、悪よの~』と二ヤで返して、ニコちゃんシオンと店に入った。

BOXに2組だけで、奥のBOXが空いていた。


『リアン・・奥良いかな~?・・あと3人』と歩み寄ってきたリアンに笑顔で言った。

「もちろん・・良いに決まってるだろ」とリアンが言った。

私はリアンを引っ張って、BOXに座らせた。

『リアン・・目を閉じてて、そして約束して・・泣かないって』と私は真顔で言った。

「私はリアンだよ、たとえ死んだ婆ちゃんが来ても・・営業中に泣くもんか」と獄炎ニカで言って、瞳を閉じた。

私はシオンに笑顔でサインを送った、シオンがニコちゃんで頷いて迎えに行った。


北斗をリアンの正面に座らせた、ユリさんも蘭も二ヤで見ていた。

『リアン・・声で当てて・・死んだお婆ちゃんでも泣かないリアン』と私が優しく言って、北斗を見た。

「リアン・・想像以上に綺麗になったね」と北斗が優しく囁いた。

リアンはブルっと震えて、両手で耳を押さえた。

「そんなはずない・・そんな期待したら、目を開けた時に落ち込むだけ」と目を強く閉じたままリアンが言った。

「目を開けて・・炎を見せて・・可愛い妹・・リアン」と北斗は涙を流して言った。

リアンはゆっくりと目を開けた、そのまま停止して大粒の涙を流した。

北斗はリアンの横に座りリアンを抱きしめた。


「リアン・・頑張ったね、よく頑張ったね」と北斗が優しくリアンに言った。

「うん・・・・うん」とただ泣いてリアンは抱かれていた。

私は隣で震えるシオンを抱きしめて、ユリさんと蘭の涙を見ていた。

リアンは北斗に抱かれ、幼子が姉に甘えるように、ただ泣いていた。

6年の時間を埋めるように、その時間の思い出を埋めるように。


『リアン・・ごめんね、学校あるから帰るね・・1つだけ教えとくね、北斗は初の6店派遣社員になったからね』と可愛いリアンに笑顔で言った。

「待って・・意味が理解できない、リアン今13しゃいだから~」と二ヤで返された。

『ようするに・・北斗がローズにも立つって事さ』と二ヤで返して立ち上がった。

「エース・・ずっと蘭の側にいてね、私もいるから」とリアンがまた大粒の涙を流した。

『リアン・・忘れてないよね、俺が全力で挑んで・・それで木っ端微塵の吹き飛んだら?』と真顔で言った。

「私が全裸で抱いてやるよ」とリアンも炎をもどして、獄炎で微笑んだ。

『ありがとうリアン・・それが心の支えだよ』と笑顔で言って、蘭と腕を組んだ。

ユリさんと北斗に挨拶をして、ローズを出た。


「心の支えが沢山あるんだね~」とエレベーターで蘭が満開二ヤで言った。

『リアンの言葉は絶対だよ、知り合って間もない時に言ってくれたから・・熱い言葉だった』と真顔で返した。

「熱いよね~、あんたも・・由美子、素敵な子なんだね」と嬉しそうに満開で微笑んだ。

『素敵な子だよ~・・由美子も沙紀も、そしてミホも』と笑顔で返して、通りに出た。


「腕の組み方が・・自然だ~」とユリカが爽やか二ヤで言った。

「えっへん・・お疲れ様です、ユリカ姉さん」と蘭が満開で微笑んだ。

「蘭・・私、あの絵を貰って・・心が止まらないから、明日会いに行ってくるね」とユリカが爽やかに微笑んだ。

「はい・・私も日曜日に行こうと思ってます」と満開に微笑んで返した。

『ユリカにも蘭も分かってると思うけど、嬉しい涙は禁止だからね』と二ヤで言った。

「そこなんだよね~・・頑張らないと」とユリカが笑顔で言って。

「私も・・気を付けないと、最近涙もろいから」と蘭がウルで言って、ユリカにお休みをしてタクシーに乗った。


タクシーに乗ると、蘭が肩に乗ってきた。

『さすがに疲れたね』と蘭に囁いた。

「うん・・充実感のある、疲労感だよ」と言って瞳を閉じた。

タクシーがアパートに着いて、蘭を抱き上げた、満開で微笑んでいた。

「また上がってる・・完璧な海だよ」と優しく言った。

『そうなの・・イルカちゃん思い出すかな』と笑顔で返した。

「うん・・また行きたくなってきた~」と蘭が満開で微笑んだ。

『いつでもどうぞ・・カスミが怒るけど』と二ヤで言って部屋に入った。


私は部屋の中まで抱いて入り、暫く蘭を抱いていた、蘭は瞳を閉じていた。

『蘭・・駄目だよ、お化粧』と優しく囁いた。

「もう・・面倒だね~女って」とウルで言って、洗面所に消えた。

パジャマで戻ってきた蘭に、両手を広げた、蘭が満開で私の首に腕を回した。

私は何も考えずに、蘭を抱いていた、深い眠りに入った時にベッドに寝かせた。

部屋を暗くして・・窓を開けて、蘭の首に腕を回し引き寄せた。

寝顔を暫く楽しんで、額にキスして眠りに落ちた。

日付は9月3日になっていた、土曜の朝も迫ってきていた。

幼い姉弟のように眠る、私たちの部屋の窓辺にも・・。


北斗が見せる姿は、やはり別世界だった。


6年のブランクも、難病の娘の存在も・・全て自分の中に入れているようだった。


私はその姿に目を奪われていく、前を向いて生きる。


その本質を見せてくれる北斗、若い世代は気づく・・生き方の選択肢は無限だと。


ユリさんとは違う個性、北斗・・憧れに値するその生き方。


そしてその言葉が織り成す愛の世界、圧倒的経験量が作りだす温もり。


北斗の輝きが戻っていく過程を、由美子は喜んで応援した。


その別世界に棲む天使は、私に大切な沢山の事を教えてくれた。


ミホに笑顔が戻った時に、私は由美子のベッドに走り。


由美子の横で泣かせてもらった、由美子は強く手を握ってくれた。


「それは嬉しいだから・・私も嬉しいだからね・・嬉しいだから」と伝えてきた。


そして開いた事の無い閉じた瞳から、一筋の涙が流れた。


『由美子・・俺の嬉しいが、また増えたよ』と由美子に伝えた。


私は由美子のその後はだけは書かない、読まれる人の想像にお任せしたい。


しかし想像を超える者も、存在する・・そう感じて欲しい。


由美子は何度も奇跡を見せた、私には絶対の存在・・ヒトミと由美子。


その2人が教えてくれた、生きる事の意味。


ありがとう・・由美子・・一緒に泣いてくれて。





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