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愛には愛で

待ちわびた週末の到来で、通りの関係者も笑顔が絶えなかった。

私と腕を組む透明の女神は、沢山の笑顔に挨拶をされていた。

その全てに爽やかな微笑を向けて、美しさを振り撒いていた。


私とユリカが階段を登っていると、後ろから声をかけられた。

「腕の組み方が・・自然すぎる~」と蘭が満開ウルで言った。

「そうでしょ~・・蘭、今から食事?」とユリカが微笑んだ。

「はい・・何かありました?」と蘭がその鋭さで、ユリカの表情で読み取った。

「うん・・ちょうど良かったよ、蘭も同席して欲しかったから」とユリカが真顔で言った、蘭も真顔で頷いた。

ユリカと3人で、TVルームに入った。

マダム・松さん・ユリさん・カスミと裏方4人組に久美子がいた。

ユリカが挨拶をして、ユリさんに言った。


「ユリ姉さん・・少しお話が」と真顔で言った。

「さて・・私達は金曜だから、早目に準備するよ」とカスミが微笑んだ。

カスミと4人組と久美子が笑顔で立った。

「カスミ・・4ヶ月でこれほど成長した女性を、初めて見たよ・・ありがとう」とユリカが微笑んだ。

「ユリカ姉さん・・その言葉、最高です」と微笑んで返して、TVルームを出て行った。


ユリカがユリさんの向かいに座り、私が座り蘭が密着して座った。

「蘭・・食事しながらでも良いよ」とユリカが爽やかに微笑んだ、蘭も満開で頷いた。

ユリさんはユリカの表情で、重大な話だと感じていた。


「ユリ姉さん・・私は今日、確信しました・・悪質な原作者の存在を。

 エースがミホちゃんに会いに行って、ミホちゃんと沙紀ちゃんと触れ合って。

 昨夜の院長と関口医師と婦長の依頼、その意味である難病の少女。

 ヒトミちゃんと同じ難病の5歳の少女・・由美子ちゃんと言います。

 エースは初日で交信しました、私は感動しました。

 エースの凄さを、改めて感じて・・そしてエースは大切な行動に出ました。

 母親との関係の構築・・エースはそれも完璧にやりました。

 そして母親から聞き出しました、母親の6年前の源氏名を。

 その難病と闘う由美子の母親・・その源氏名は・・・・」


ここでユリカが堪えきれずに、涙を流した・・私はユリカの手を強く握った。

マダムも松さんもユリさんも、そして蘭も緊張して待った。


「その源氏名は・・・北斗です」とユリカが俯いて震えながら叫んだ。

完全な静寂が支配した・・ユリさんの動揺する表情を私は初めて見た。

ユリさんが小刻みに震えて、大粒の涙を流した。

蘭も泣いていた、北斗の存在を聞いていたのだと感じた。

マダムも松さんも、俯いて泣いているようだった。


「北斗姉さんとエースの会話で・・確信しました。

 難病の娘を抱えても、強く明るく生きる女性を感じて。

 エースが別れ際、北斗姉さんに聞かれて・・PGでバイトしてると言いました。

 ユリ姉さん・・ごめんなさい、仕事前に。

 私は自分の中に留めておけなかった、PG終了まで・・持ってられなかった。

 北斗姉さんに触れて嬉しくて・・そして悪質なシナリオに触れて。

 本当に・・ごめんなさい」


ユリカは泣きながら、深々と頭を下げた。

「ユリカ・・ありがとう・・私には仕事より大切な事です」とユリさんも泣きながら言った。

その時ドアが開いた、母とシズカが真顔で入ってきた。

「ごめんねユリ・・立ち聞きしました」と母が真顔で言って。

「蘭・・今夜、ユリがいなくてもやってくれますね・・私の娘だから」と母が微笑んだ。

「もちろん・・絶対にユリさんを失望させません」と蘭が微笑んで返した。


「ユリ・・行きましょう、私と小僧が同行します」と母が微笑んだ。

「姉さん・・・ありがとう」と言って、ユリさんが俯いて号泣した。

母がユリさんに歩み寄り、抱きしめた。

「ユリ・・あなたは北斗の妹なのね、だったらもう泣いたら駄目よ・・北斗の妹でしょ」と母が優しく言った。

「小僧・・何ぼさっとしてる、面会時間過ぎたら、いなくなるよ」とシズカが微笑んで4人娘の場所に座った。


『ユリさん、行きましょう・・北斗も待ってますよ』と笑顔で言った、薔薇が戻って頷いた。

ユリさんが準備をして、通りで3人でタクシーに乗った。

「ユリ姉さん・・大ママとリアンには、仕事が終わるまで内緒にしときます」とユリカが微笑んだ。

「ありがとう、ユリカ・・会ってきますね」とユリさんも薔薇で微笑んだ。

タクシーが走り出し、私は振り向いてユリカを見ていた・・深海の瞳で見ていた。


タクシーは5分で病院に着いた、私が案内して4階に登った。

「小僧・・私はミホに会います、ユリをよろしく・・後で北斗に会わせてね」と母が微笑んだ。

私は先にミホの病室に案内して、沙紀と沙紀の母親を紹介して、ミホに会わせた。

母がミホの前に笑顔で座ったので、ユリさんと由美子の病室に向かった。

婦長が出てきて、ユリさんを見て・・微笑んで頷いた。

ユリさんも薔薇で微笑んで、頭を下げた。


『ユリさん・・ここで待ってて、呼んでくるから』と病室の前で笑顔で言った。

「エース・・ありがとう」と薔薇で微笑んだ、私も笑顔で頷いて入った。

奥に進むと、北斗が由美子を見ていた、優しい瞳だった。


「小僧ちゃん・・そんなに私が好きになったの?」と北斗が微笑んだ。

『うん・・北斗、俺・・由美子に大切な事をしたいから、3分で良いから出ててくれない?』と笑顔で言った。

「もちろん良いよ・・小僧、ありがとう」と言った北斗を扉まで送った。

『北斗・・俺が由美子と一緒にいるから、ゆっくりしてきてね』と笑顔で扉を開けた。


ユリさんを見て、北斗は固まった・・ユリさんも涙を流し動けなかった。

私は北斗の背中を優しく押した、抱き合う2人を見て扉を閉めた。

由美子の隣に座り、何も考えずに左手を握っていた。

ユリカの暖かい波動だけが、何度も何度も押し寄せて来た。


その時私に伝わって来た、恥ずかしがりやの・・由美子が来た。

《あれは嬉しいの?悲しいの?》と由美子が聞いた。

『嬉しいんだよ・・由美子』と優しく返した。

《ママも・・嬉しいの?》と強く聞かれた。

『うん・・そうだよ、ママもとっても嬉しいんだよ、お友達に会えたんだよ』と笑顔で返した。

《空気の波も・・喜んでるの?》と由美子が言った、私は雷に撃たれたような衝撃を受けた。

『そうだよ、由美子・・空気の波も喜んでるんだよ』と優しく返した。

強烈で熱い波動が来て、私と由美子を包んだ。

《本当だね、喜んでるね・・私も友達欲しいな~》と由美子が言った。

『由美子~・・俺は・・俺は何なの?・・友達じゃないの?』とウルで返した。

《それは悲しみだから、仕方ないから・・しょうがないから、友達になってあげる》と由美子が笑った。

『ありがとう、由美子・・嬉しいよ』と優しく囁いた。

私は太陽光を浴びた事がないであろう、瞳を開かない真白な少女を見ていた。

その別世界に棲む、可愛い少女を。


その時PGで女性の円が出来ていた、私はカスミから聞いた。


「ユリさんが大切な用事で今夜は来れない・・今夜見せよう。

 ユリさんに感謝している事を、その行動で示そう。

 私は今、喜びの中にいる・・ユリさんが私達全員を信じている事に。

 いつものPGで走りきる・・できるね?」


蘭が真剣に強く言った、女性全員が1つになった。

「はい」と言う返事で意志を示した。

「よし、今夜も開演しよう」の蘭の言葉に、「はい」のブザーを鳴らした。

その日は金曜日でもあり、開店30分で満席を迎えた。

ユリさんの指名客を、アイさんとサクラさんと蘭とナギサでフォローした。

全員が集中の中にいたのだろう、マキが最高の時間だったと言っていた。


『由美子・・今夜はお休み、明日からお話しようね』と笑顔で伝えた。

《おやすみ・・ママに私は大丈夫、お友達と遊んでねって伝えて》と由美子が言った。

『由美子・・ママに伝えるね・・優しい子だね、由美子』私は嬉しくて優しく伝えた。

その時北斗とユリさんが入って来た、2人とも笑顔だった。


「由美子・・何か言った?」と北斗が微笑んだ。

『北斗の娘とは思えぬ、本当に素敵で良い子だね・・ママに自分は大丈夫だから、お友達と遊んでって言ったよ』と笑顔で返した。

「ありがとう、小僧・・私は信じるよ、あんたを・・思えぬの件は明日追求する」と北斗が微笑んだ。

「由美子ちゃんは、眠ったのかしら?」とユリさんが微笑んだ。

『はい・・今、眠りに入りました』と言って、立ってユリさんを座らせた。

ユリさんは、由美子の手を握って、笑顔で由美子を見ていた。

北斗はその光景を、瞳を潤ませて見ていた。


私は病室を出て、ミホの病室に行った。

ミホが眠っていて、母が沙紀の母親と話していた、母の手にはメモの絵画が握られていた。

沙紀が私を見て起き上がり、スケッチブックを差し出した。

私は沙紀の隣に座り、笑顔で受け取って、スケッチブックを開いた。


私は感動していた、想像など遥かに超えた幻想的な世界が広がった。

青で描かれた稜線は、水平線で・・地球が丸いと示すカーブが描かれ。

海の深さを青の濃淡で表現し、真ん中に半分沈んだ星っが描いてあり。

その星が地球の様に青く白い雲が包んでいて、その雲が表情を描き出し。

笑顔のイメージが強かった、水平線から星が昇ってきていて。

その星には輝きが強くの太陽と違う温かみがあり、異次元の温もりを感じた。

空には無数の星が瞬き、星が昇るのに応じたのであろう。

朝焼けが紅の濃淡で表現されていた、濃い部分から薄い部分にかけて波のように広がっていた。

白い部分も白で塗られていて、色鉛筆で描いたなどとは、想像も出来なかった。


私は沙紀の手を握り、笑顔で沙紀を見た。

『沙紀・・俺は嬉しいよ・・沙紀の世界が大好きになったよ、また見せてね』と優しく伝えた。

沙紀の温度は嬉しそうに揺れ、そして三度私を感動させた。

《ユリカちゃんにお返し・・ありがとうって言って渡して》と完璧に伝わって来た。

『沙紀・・嬉しいよ、絶対に喜ぶよ』と必死でもう一人の自分を出して、ユリカに悟られないように言った。

『沙紀・・1つだけ書き足して・・沙紀のサインが欲しいから、俺が教えてあげるよ』と優しく伝えて、自分に戻った。

私は母親からメモ用紙を受け取り、沙紀にサインを教えた。

沙紀は黒の色鉛筆で、左下にSAKIと書いた、私は笑顔で拍手した。


私は沙紀を寝かせて、温度でお休みをした。

『沙紀がお返しにって、言ったんだけど』ともう一人の自分で言った。

「もちろん、どうぞ・・主人も見ましたから」と母親が笑顔で言った。

『ありがとう・・喜びます、ユリカと言う女性が』と立って頭を下げた。

慎重にスケッチブックから絵を外し、厚紙が有ったのでそれで挟んで紐で縛った。

「じゃあ・・私もまた沙紀ちゃんに会いに来ますね」と母が母親に微笑んだ。

「本当にありがとうございます・・勇気が出ました」と母親が微笑んで、2人で頭を下げて病室を出た。


「凄いね~・・今までの中で一番の才能じゃない?」と母が廊下で微笑んだ。

『間違いないね・・この絵は感動したよ』と返して、由美子の病室に案内した。

奥で北斗とユリさんが、笑顔で話していた。

「北斗・・相変わらず綺麗だね~」と母が微笑んだ。

「律子姉さん!」と言って北斗が立ち上がった。

母は動けない北斗を抱きしめた、北斗も泣きながら強く抱きしめた。


「北斗・・頑張ってるね、本当に誇らしい妹だよ」と母が囁いた。

「姉さん・・今日はなんて日なんだろう、最高の日です」と北斗が強く言った。

「何言ってるの・・今から昔馴染み巡りだよ、ユリはそのつもりでPG休んだんだよ」と母が体を離して微笑んだ。

「嬉しい~・・まだ帰省して間が無くて、バタバタしてて誰にも会ってないから」と北斗が微笑んだ。

母も笑顔で頷いて、由美子に歩み寄り、横に座って手を握り瞳を閉じた。

「小僧・・由美子は大丈夫だね、体は強い子だよね」と母が振り向いて私に言った。

『うん、体も心も強い子だよ・・北斗の娘だからね』と笑顔で返した。

その時北斗に強く抱かれた、私も優しく抱きしめた。


『北斗・・やっぱり熟れた女は良いな~』と二ヤで北斗の美しい顔を見た。

「まったく、親の顔が見たいよ」と北斗が二ヤで返してきた。

「ほれ・・北斗・・ほれ」と母が二ヤで顔を突き出した。

「えっ!・・冗談でしょ」と北斗が探りを入れた。

「本当ですよ、北斗姉さん」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

「どおりで、素敵なお坊ちゃんだと思ってました~」と北斗が二ヤで返した、3人が声を殺して笑っていた。

北斗が準備してる時に、由美子の温度をチェックした、平穏に眠っていた。


「その大きな荷物は何かしら?」ユリさんが薔薇で微笑んだ、私はサインで【秘密】を出してユリさんに渡した。

ユリさんは察したらしく、薔薇二ヤで受け取った。

厚紙に挟まれた絵を見た、大きく目が見開いて、吸い込まれていた。

後ろから北斗が見て驚いていた、そして魅せられていた。

「ユリ・・まさかさっきの話の?」と北斗が聞いた、ユリさんが薔薇で頷いた。


「超越してますね、素敵ですね~・・私も今度ゆっくり会いましょう」と言って絵を返してくれた。

北斗の準備が終わり、北斗が由美子の手を握って、額にキスをして病室を出た。

面会時間終了の静かなアナウンスが流れていた。

私は3人と病院を出て、タクシーに乗ってPGを目指した。

《ユリカ・・会いにおいでよ~》と心に囁いた、強い波動が喜びを示した。


PGに着き裏階段から、TVルームに入った、北斗はマダムに駆け寄って抱きついた。

そして松さんに抱きついた、マダムも松さんも嬉しそうに泣いていた。

少し落ち着いて、私が北斗に全員を紹介した、北斗は笑顔で挨拶していた。

『北斗・・そしてこれがマリア・・ユリさんの娘です』とマリアを抱いて笑顔で言った。

北斗はマリアを見て泣いた、マリアが北斗に両手を伸ばし抱かれたがった。

北斗はマリアを抱いた、マリアは天使全開で両手を北斗の両頬に当てた。


『マリア、北斗だよ』と私がマリアに囁いた。

「ほくと!」とマリアが強く言って、天使MAXで微笑んだ、北斗は笑顔になってマリアを見ていた。

マリアは安心したように、瞳を閉じた・・私は北斗からマリアを受け取った。

マリアをベッドに寝かせて、温度のチェックををした、喜びが出ていて嬉しかった。


「なるほど~・・失うものが怖いから、言葉を引き出さないか~・・かなり上がったな」とシズカが二ヤで言った。

「昨日から、病院通いで上がって・・少し怖い」と久美子がシズカに二ヤで言った。

「久美子~・・この程度でそれなら、ミホ最終段階になったら・・死ぬよ」とシズカが二ヤで返した、久美子はウルウルで返していた。


北斗を囲む4人は、昔話を笑顔で話していた、母も楽しそうだった。

その時ユリカが入って来た、北斗を見て立ち尽くし涙を見せた。

「ユリカ!・・ユリカなの、やっぱり素敵になったね・・嬉しい~」と北斗が駆け寄りユリカを抱きしめた。

「北斗姉さん・・私も嬉しい」と囁いてユリカが泣いていた。

北斗が4人の場所にユリカを連れて行き、笑顔になったユリカと話していた。


『ユリカ・・泣き止んだ?・・ついでに泣いといて』と二ヤで言って近づき。

『沙紀が画材のお礼にって・・最初の作品をユリカにって、ありがとうって伝えてって預かった』と厚紙で挟んだ絵を差し出した。

ユリカは大きな目を見開いて、私を見た・・その喜びに溢れた深海の瞳が嬉しかった。

ユリカは静かに厚紙を外した、そして絵に魅入られていた。


「ほ~~・・素晴らしいな、凄い感性じゃな~」とマダムが言って。

「これが沙紀ちゃんの絵・・凄いな~」とシズカが笑顔で言った。

私は震えていた、ユリカが見つめる沙紀の絵を反対側から見て。

「どうした・・小僧?」とシズカが言った。


『俺は馬鹿だ・・方向なんて小さい世界を見ていた、こっちから見たら別世界だよ。

 海のイメージじゃないんだ・・羊水だったんだ。

 沙紀は感じたんだ、ユリカを・・由美子と同じだったんだ。

 俺は感じるだけで良いんだ・・由美子も沙紀も』


私は言葉だけが出た、感動が強すぎて、整理できなかった。

反対から見た絵は、水平線と思ったカーブが妊婦の曲線に感じ。

そこに半分埋まる地球の雲が、乳児の笑顔のように描かれ。

朝焼けの紅の色の波が響きを表し、私が感じた羊水の揺り篭に重なっていた。


ユリカがゆっくりと回し、反対から見た、そして離して俯いて号泣した。


「小僧・・ありがとう、私も本当嬉しい。

 沙紀ちゃん、素敵だね・・由美子に少し可能性を感じたよ、この絵で」


北斗が潤む瞳で私を見た、嬉しそうな笑顔だった。

『冗談言わないで、北斗・・明日から教えるよ、由美子の可能性は・・無限だよ』と笑顔で返した。

北斗は強く頷いて、笑顔になった・・美しかった、その成熟した輝きが。


「沙紀ちゃん、素敵~・・2人で笑ってるんだね」とエミが絵を反対から見て言った。

「エミちゃん・・2人って?」とユリカが顔を上げて、エミを見た。

「こっちから見てここに1人・それで反対から見て寄り添うように・・ほらもう1人」とエミが笑顔で言った。

ユリカは何度目だろう、感動が次から次に来て、震えている壊れそうなユリカを見ていた。

「うん、そうだよね~・・それでここで手を繋いでるよね」とシズカが微笑んだ。

「うん・・そっくりだから姉妹だね、双子かな~」とエミが返した。

ユリカが泣きながら震える肩を、母が抱いた・・ユリさんは泣いていた。


「エース・・いつ会わせてくれるの・・沙紀ちゃんとミホちゃんと・・由美子ちゃんに」とユリカが言った。

『明日・・セリカ終了後、会いに行こう』と微笑んだ。

「私から蘭に言っとくね、お先に失礼って」と涙の爽やか二ヤできた、私も二ヤで返した。


「さて、気分転換に・・小僧、飛鳥再会の作戦は?」と母が二ヤで聞いた。

『俺が北斗を同伴して、魅宴に入る・・大ママ来てから、ユリさんと2人で入って』と二ヤで微笑んだ。

「お主も悪よの~」と母が二ヤで言った。

「アスカ姉さん・・現役なんだね?」と北斗がユリさんに笑顔で聞いた。

「もちろん・・今トップの女帝ですよ」と薔薇で微笑んだ。

「さすが、アスカ姉さん」と北斗が微笑んで、私を見た。


『仕方ないな~・・同伴だから、腕を組んでね』と二ヤで言った。

「もしかして、本当に熟れた女が好きなの?」とニヤニヤで返された。

「そうですよ・・北斗さんなら、ど真ん中のストライクです」とシズカが二ヤで言った。

「由美子良かったね~・・ママが綺麗だから、通訳できたよ~」と笑顔で立って腕を組んできた。

母とユリさんとユリカが笑顔で立った。


「マダム・・この絵は明日取りに来ます、女性達に見せて下さい」とユリカが爽やかに微笑んだ。

「ユリカ、ありがとうな・・皆喜ぶよ、大切にしておくな」とマダムが笑顔で返した、ユリカも笑顔で頷いた。

通りに出てユリカのビルで、ユリカと北斗が向き合った。

「ユリカ・・ありがとう、今度お店に遊びに行くよ」と北斗が笑顔で言った。

「はい・・今夜の最後は、小僧がそのビルの最上階に案内しますよ・・リアンの店に」と爽やかに微笑んだ。

「本当に嬉しい・・最高の夜だよ~」とユリカに微笑んで、私に強く密着した。

ユリカに手を振って別れて、魅宴の正面に4人で向かった。


「北斗!」とボーイ頭が駆け寄った。

「ハシやん・・良かった~元気そうで」と北斗が笑顔で返した。

「うん、頑張ってるよ・・小僧、ドッキリか?」と二ヤで言った。

『はい、毎度お馴染みの・・今日は最強の』と二ヤで返した。

「アスカを殺さないでくれよ~・・ご案内します」と言ったボーイに連れられて、奥のBOXに通された。

母とユリさんは、受付裏でニヤニヤで見ていた。


『北斗・・俯いて』と囁いた、北斗は二ヤで俯いた。

「嬉しいねーエース、やっと本当の女の魅力に目覚めたかい」と大ママが微笑んだ。

『どっちが綺麗かと思って、並んで欲しかったんだよ』と二ヤで返した。

大ママは俯いてる北斗を見た、そして北斗が大ママを見た、その時には北斗は泣いていた。

「北斗!・・北斗~」と営業中の店での声とは思えぬ、大ママは大きな声で叫んで北斗に抱きついた。

大ママの嬉しそうな涙を見ていた、北斗も嬉しそうだった。

ミコトの視線が強かった、大ママを優しく見ていた。


「アスカは・・泣き虫だね~」と母が笑顔で入ってきて。

「私は感動しました・・羨ましかったです、フロアーで泣ける世界にいる、大ママが」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

「最高のメンバーが揃って・・またエースの策略だね、いつも私を泣かせるんだよ」と北斗に言った。

「私も今日会って・・もう3度泣かされました」と北斗が微笑んだ。


「じゃあ4姉妹揃ったんだから、楽しいひと時を・・俺はシズカがいるうちに、宿題してきま~す」とウルで言った。

「小僧・・じゃなくて、エース・・リアンの店は行ってくれるんだね?」と北斗が微笑んだ。

『もちろん・・大好きだから、炎の女の泣き顔』と二ヤで返して、4人の二ヤに見送られ魅宴を出た。


PGに戻り指定席に入った、フロアーは満席状態だった。

蘭が私を見て満開で微笑んだ、私も笑顔で返した。

女性達の少し心配げな視線が降り注いだ、私はシオンの後ろに立って全員にサインを出した。

【ユリ】【No】【1】【OK?】と、女性達が笑顔で【OK】と返してくれた。

私は蘭にウルで宿題ポーズをして、蘭と女性達の二ヤに見送られTVルームを目指した。


TVルームのテーブルでシズカが、久美子とエミに何かを書いて説明していた。

マダムも松さんも興味津々で見ていた、私は寝ている3人娘をチェックした。

私は宿題プリントを持って、向かい側に座った。


「えっ!シズカちゃん、ちょっと待って」と言ってエミが瞳を閉じた、久美子も瞳を閉じていた。

「えっ!・・凄い・・凄いよ、忘れないんじゃなくて写ってる」とエミが目を開けてシズカに飛びついた。

「練習すれば、スムーズになるよ・・ただ暗記をするのに使えるでしょ」とシズカが嬉しそうに微笑んだ。

「段階があるんでしょ?」とエミが笑顔で言った。

「もちろん、その時が来たら教えてあげるよ」とシズカも微笑んで返した。

「出来ない・・てかイメージが掴めない」と久美子がウルで言った。

「久美子は無理だよ~・・おたまじゃくしの覚えすぎだから」とシズカが微笑んだ。

「許容量なのね・・音楽に賭けるしかなにのね」とウルウルで言った。


「夢破れたら・・フロアーの夢が待ってるぞ」とマダムが二ヤで言った。

「はい・その時は頑張ります」と久美子が二ヤで返した。

「マダム・・私も良いですか~・・夢破れたら、もう1つの夢」とシズカがウルで言った。

「もちろん・・じゃが2人とも・・ユリには言うなよ、もう1つの説得に行くから」とマダムが笑った、松さんも笑っていた。

シズカも久美子も嬉しそうに笑っていた。


『美しいシズカお姉さま・・連立方程式のヒントを』とウルで言った。


「XとYを捨てろ・・あれで迷うんだ、数学だぞ・・初めに答えがあるんだ。

 問題作る奴は、簡単に作ってる・・ようするに難しい数式は使ってない。

 XとYがその幻想を作り出す・・お前らしくない。

 見える物に惑わされるな・・答えがある物など・・分かれば簡単だろ。

 代入法とか加減法とか、難しい言葉が好きな学者が作り出したんだ。

 お前の嫌いな、法律用語や医学用語と同じだよ。

 XもYも同じだ、ただの難しく伝える文字だよ・・小学校のように○と△でいいんだ。

 簡単じゃないか・・導き出すのが存在する答えなら。

 人の心を導き出すより・・これがヒント・・以上」


シズカが二ヤで締めた、私は笑顔で聞いていた。

『サンキュー、シズカ・・なるほどね~、想像力の無い奴らめ~』とプリントを見て二ヤしていた。

「エミ・・良かったの~、新しい先生は凄いな~」と松さんが微笑んだ。

「うん・・凄いよ~」とエミが笑顔で返した。

「エミに言われると、嬉い~」とシズカがエミを抱きしめていた、エミが嬉しそうに笑っていた。


私はシズカの言葉の意味が分かっていた、シズカは作り出す。

今までがベストだと思っていない、だから発想が人と異なる。

エミがシズカに学んだ事・・人と違う発想は、素敵な事なんだと。

勉強をするのでなく・・学ぶ事が大切なのだと、学ばないと今以上の物は作れないと。

エミの発想力を押し上げる・・シズカの屈託ない笑顔を見ていた。


ユリカはこの沙紀の絵を、本当に宝物のように大切にしていた。


立派な額縁で守って、家のリビングの一番目立つ場所に飾っていた。


ユリカは沙紀に、この後も何枚か、その作品を贈られた。


その全てに魅入られ、大切に飾っていた。


でもこの最初の作品が、ユリカの中では1番だったのだろう。


出会う前に描いた物だったから、沙紀も多分ユリカの波動を感じていた。


私は沙紀本人には聞かなかった、沙紀が混乱するのを恐れたのだ。


沙紀は波動で感じ、2人の乳児を描いてみせた、そしてその双子は手を繋いでいるのだ。


母の子守唄の響きの中で、2人は笑顔だった。


沙紀は・・どこまで見ていたのだろう・・何を見ていたのだろう。


下書きもなく、迷い無く描いた・・ユリカへの感謝を込めて。


ユリカをイメージして・・愛に対し愛で応えたのだ。


ニューヨークのリンダの家を、2度目に訪れた時・・私は嬉しかった。


ユリカの部屋に飾られている、この絵が無くなっていたから。


ユリカが安定して生活出来る、環境が出来たのだと感じて。


リンダの家の、マチルダの父のメッセージの上にある・・一枚の絵。


淡いピンクの花びらが舞い散る中に、ユリカが爽やかに微笑んでいる。


私はどんな写真よりも、その絵のユリカが、一番実像に近いと思っている。


愛には全て愛で応えた・・沙紀の大きな愛が込められているから。







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