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波動の言葉

夏の朝陽を受けながら、緑道の道を歩いていた。

少女の夏の思い出を聞きながら、爽やかな海風を感じていた。

厳しい現実に翻弄されない強い心が、私の背中を押していた。


「おっ!・・召使が押してますね~」とバルタンが後ろから笑顔で言った。

『美由紀が昨日、学校さぼったから・・迎えに行ったんだ』と笑顔で返した。

「違うでしょ・・昨日は1日だから、病院日でしょ」と美由紀が笑顔で睨んだ。

「元気だね~、美由紀」とバルタンが横に並び、優しく微笑んだ。

「ミチ先輩、なんか大人っぽくなりましたね~」と美由紀が笑顔で返した。

「分かる~・・一夏の経験はしてないよ」とバルタンが私を睨んだ、私は二ヤで返した。

「怪しいですね~・・」と美由紀が二ヤで言った。

「怪しくないよ・・だいたい彼氏もいないし」とウルで返した。


「それより昨日、マキ先輩が来てね、すっっっごく綺麗になってたよ」とバルタンが微笑んだ。

「うっそ~・・会いたかったな~」と美由紀が笑顔で返した。

「シズカ先輩は元気?」とバルタンが私に笑顔で聞いた。

『元気過ぎるよ』とウルで返した。

「このニューマシン、シズカスペシャルも入ってるんですよ」と美由紀が微笑んだ。

「え~良いな~・・どこに?」とバルタンが笑顔で聞いた。

「逆走防止がワンタッチで出来ます」と美由紀が少し威張った。

「凄いな~・・シズカ先輩」とバルタンが微笑んで、校門を入って別れた。


美由紀には全ての生徒が挨拶するので、忙しそうに笑顔で返していた。

私は中庭から緩やかなスロープを押して、教室に入った。

登校している全員が、美由紀に歩み寄り笑顔で再会を喜んでいた。


「美由紀・・小僧が送迎するの?」と女子Aが笑顔で聞いて。

「私の事が忘れられないって泣くから、送迎だけ許可した」と美由紀が笑顔で返した。

「チャッピー・・案外引きずるタイプなんだね」と女子Bに笑顔で言われた。

『だって美由紀が、俺の抱っこじゃないと嫌だって泣くから』と二ヤで返した。

「それは仕方ない・・私の体を上手にお姫様抱っこ出来るのは、おとんと小僧だけだから」と美由紀が微笑んだ。

『俺は美由紀の体を、知り尽くしてるからな~』といやらし二ヤで返した。

「もう皆の前じゃ内緒って言ったでしょ・・一夏の事は」と美由紀が二ヤで返した。


「美由紀さん・・一夏の何でしょう?」と清次郎が教壇からシワシワ二ヤで言った。

「自由研究で~す」と美由紀が笑顔で返して、全員が笑顔で席に着いた。

「やっと全員が揃いました・・いよいよ・・」清次郎の催眠術のような話で、私はトロンになりそうだった。

「小僧・・居眠りしたら、今の君にはどんな罰が下るか想像したかね?」と清次郎が笑顔で言った。

『滅相も無い・・居眠り、ありえない・・そんな馬鹿な』と慌てて返した。

「そうだよね~・・まさかね~・・でも想像だけはするように」と清次郎が真顔で言った。

『はい、先生』と真顔で返した、強い波動でユリカに怒られた。

退屈な授業と、馬鹿話の休み時間をクリアーして、笑顔の給食がやってきた。


午後は体育でプールに入り、ご機嫌笑顔でプカプカしていた。

「小僧~!・・お前水泳強化選手だったろ、1回も夏休みの練習来なかったな」と体育の鬼瓦が睨んでいた。

『骨折してて』とウルウルで返した。

「どこを骨折した?」と鬼瓦が二ヤで言った。

『心が・・ポッキリと・・複雑なやつで』とウル全開で返した。

「小僧はリハビリとして、1コースで1000m・・美由紀チェックよろしく」とプールサイドでストップウォッチを握る美由紀に言った。

『しぇん・・しぇんメートル』と美由紀にウルをした。

「たった20往復だよ、頑張れ」と美由紀に二ヤで言われて、ウルで頷いた。

私は退屈な1000mを、犬カキや古式泳法を真似て、美由紀の笑顔を見ながら泳いだ。


私は1000m泳ぎ、美由紀の拍手にVサインで返した。

「終わったか」と鬼瓦が美由紀に聞いた、美由紀は笑顔で頷いた。

『先生・・今17歳の青中の自由形のマミちゃんって子知ってる?』と笑顔で聞いた。

「もちろん・・100m自由形の中学記録保持者だったからな」と振り向いて言った。

『記録はどの位?』と笑顔で聞いた。

「確か・・○○秒位だったぞ」と鬼瓦二ヤで返した。


『OK・・美由紀タイムよろしく』と笑顔で言った。

「了解・・頑張れ~・・まさか、まさかと思うけど女子には負けないよね」と美由紀が二ヤで言った。

「小僧・・シズカはその約1秒遅れだぞ」とニヤニヤの鬼瓦が言った。

『ちょろいな』と笑顔で返して、スタート位置についた。

「よーーい・・どん」と言った美由紀の声で、スタートした。

3度目のターンした時にやばい気がして、必死になってゴールした。


私は美由紀を見た、ニヤニヤ顔で私を見ていた。

「小僧の方が・・1秒・・・・・・・・速い」と笑顔で言った。

『ふ~~1秒か~・・凄いな~ミサキ』と青空に囁いた。

「小僧・・大会のプールは50mだぞ」と鬼瓦が笑顔で言った。

『そっか~・・実力の違いを見せ付けたよ』と二ヤで美由紀に言った。

「小僧・・一流になればなるほど、ターン多い方が早いんだぞ」と鬼瓦が二ヤで言った。

『まぁ俺はリハビリ中だから・・仕方ないよな~』とウルで空に言った、ユリカの楽しそうな波動が続いていた。


6時限目に襲ってきた、強烈な睡魔と格闘して、ミセス祥子の英語の授業をクリアーした。

美由紀が興味津々光線で来る、私の夏の事情聴取をかわしながら、美由紀を家まで送り。

美由紀の母親を美しいと褒め称え、カスピスをご馳走になって、アパートに帰った。


蘭は遅番で帰れないと言ってたので、シャワーを浴びてバスで出かけた。

靴屋を覗き満開蘭に手を振って、誰もいないTVルームで沙紀のプレゼントを取った。

カズ君の貸してくれたチャリで、病院に向かった。

4階のナースステーション前で、名前を書いていたら、若い看護婦に声をかけられた。


「それじゃあ分かり難いから、小僧って書いて」と微笑んだ。

『了解・・楽でいいや~』と笑顔で返した。

「沙紀ちゃんの絵、感動したよ・・ありがとう」と可愛く微笑んだ。

『俺に惚れるなよ・・火傷するぜ』といつもの台詞で笑いを取って、病室に歩いた。

沙紀は一人で眠っていた、ミホはTVを見ていた。


『ミホ~・・またそんなドラマ見て~・・いけない子だ~』と笑顔で言った。

ミホは私の顔を見て、無表情でTVを消した。

私にはその行為だけでも嬉しかった、ミホが私を見てした事だったから。

私はミホの手を握り、今日の学校での出来事を面白く話した。

ミホはずっと私を見ていた、そして眠そうな目をした。

私はミホの額に手を当てて、温度を確認していると、ミホが深い眠りに入っていた。

私はミホに明日来ると伝えて、沙紀のベッドに行って沙紀の手を握った。


その時に沙紀が目を覚まし、温度が変化して、私も笑顔で返した。

『沙紀・・約束のプレゼント、ユリカって素敵な女性が・・沙紀の絵が見たいって、買ってくれたよ』と笑顔で伝えて、沙紀を優しく起こした。

私は包装を取り、沙紀にスケッチブックと色鉛筆を見せた。

沙紀は大きな方のスケッチブックを広げ、その白い用紙を見ていた。

私は色鉛筆のケースを開いて見せた、沙紀はその色彩を見ていた。

そして私を見た、私は笑顔で頷いた。


沙紀は下書きも何も無く、淡いブルーを手にとって描き始めた。

私は小さなスケッチブックを棚に置いて、包装紙をたたんで小さなテーブルに置いた。

沙紀は夢中で描いていた、青い稜線が描かれて・・それが何かはまだ分からなかった。

その時に母親が笑顔で入ってきた、私も笑顔で挨拶をして、クリアファイルを返した。


「主人が本当に喜んでました、あなたに会いたいと言ってましたよ」と母親が笑顔で言った。

『その絵なら、喜んだでしょうね』と笑顔で返した。

「それに・・こんなにプレゼント頂いて」と母親が言った。

『これは、沙紀の絵に感動した女性からの、贈り物です』と笑顔で返した。

「ありがとうと伝えてね」と母親が笑顔で言った、私も笑顔で頷いた。

沙紀が母親に色鉛筆を見せていた、楽しそうな顔だった。


『ねえ沙紀・・沙紀がもっと上手に絵を描きたいなら、何か1つ挑戦しようよ』と手を握り笑顔で言った。

『簡単な事でで良いんだよ・・自分で何が出来そうかな~?』と聞いてみた。

沙紀が強い温度の揺れで伝えて来た、私はトイレだけ感じた。

『トイレ?・・沙紀、もしかしてトイレに一人で行くの?』と驚きを隠し、笑顔を作って言った。

温度の揺れが、YESを示した、少し自慢げだった。

「うっそ・・沙紀ちゃん凄いじゃない」と私の後ろから、さっきの若い看護婦が微笑んだ。

『出来るよね、沙紀・・そんなに驚くなって言ってあげなさい』と笑顔で言った。


その時に私も衝撃を受ける、沙紀の温度が降ろしてと言った。

私は沙紀の定まらぬ視線を見て、笑顔で頷いて、色鉛筆を片付けて抱き上げた。

沈黙が流れていた、そして優しく沙紀を降ろして、可愛いスリッパを履かせた。

『沙紀・・行っといで、寄り道するなよ』と笑顔で優しく背中を押した。

沙紀はゆっくりと、迷い無く出て行った。


「今なら泣いて良い?」と母親が言った。

『1分で回復するなら』と笑顔で返した、母親は頷いて泣いていた。

私はドアの影から沙紀を見た、迷い無くトイレに入って行った。

《頑張れ沙紀・・絶対出来るよ》と心で応援した。

強烈な波動が何度も来た、ユリカの頑張れが聞こえるようだった。


「長くない?」と後ろの看護婦が目を潤ませて聞いた。

『まだ・・初めてなら、もう少し』と私は廊下を見ながら返した。

その時にトイレの扉が開き、沙紀が濡れた手を振りながら出てきた。

私は病室に引っ込み、母親を見た・・涙を拭いて笑顔を見せた。

そこに沙紀が帰って来て、私に手を出した。

『早かったね、沙紀・・お~手も洗えたんだ・・俺でもよく忘れるのに~、凄いな沙紀は』と笑顔で言いながら、タオルで手を拭いて、抱き上げた。

沙紀の自慢げな温度が、本当に嬉しかった、ユリカの暖かい波動も喜びに溢れていた。


『沙紀・・今日の絵を明日楽しみにしてるからね。

 トイレ無理して一人で行かなくていいよ、段々慣れるんだからね。

 さぁ、お絵かきしてね・・ママが楽しみにしてるよ。

 また明日来るからね・・沙紀に会うのが本当に楽しみだよ』


優しく沙紀の耳元に囁いて、優しくベッドに座らせた。

沙紀はまた、夢中で絵を描きだした、私は母親に笑顔で頭を下げて病室を出た。

廊下で看護婦が後ろから追いついた、私の横に並び微笑んだ。


「私も・・あなたに賭けるよ、ちょっと火傷した」と笑顔で言った。

「沙紀が一人でトイレに行くと思うから、ナースフォローよろしく」と笑顔で返した。

「了解・・頑張ります」と言って、私の腕を掴んで引っ張った。

廊下を奥まで歩き、特別室の前で止まった。

「関口先生呼んで来るから」と笑顔で言って、病室に消えた。

私は分かっていた、病室からあの音が聞こえたから・・ピコ~ン・ピコ~ンと。


私は非常階段の扉の窓から、外の景色を見ていた、気持ちは落ち着いていた。

沙紀が私に、勇気と自信をプレゼントしてくれてた。

「小僧・・お待たせ、今日少し体調悪くてね」と関口医師が真顔で言った。

『そうですか・・見るだけなら?』と真顔で返した、関口医師が真顔で頷き病室に入った。

私はその後ろを入った、一人部屋の広い室内に、沢山の機器が置いてあった。

奥のベッドに、管を沢山付けられた少女が眠っていた、酸素吸入器まで付けてあった。

私は母親であろう人に頭を下げて、側に寄った、ベッドの反対側に婦長がいた。


私は少女の顔を見た、真白な肌の少女は眠るように静かだった。

『お名前は?』と優しく母親に聞いた。

「由美子です・・5歳になります」と母親が言った、美しい女性だった。

『由美子ちゃんか~・・可愛いね』と少女に言った、私は強く感じていた。

どこにじゃなく、全体的な感じで・・ヒトミの強い存在を漠然と感じた。

『ヒトミ・・アドバイスしてくれよ』と声に出して言った。

強い波動が来た、その時に波動に乗ってきた、温度の微かな揺れが。

ヒトミが使ったと思った、ユリカの波動を・・その温度の言葉は。

温度は共通言語と言った、私はそれで覚悟が出来た。


由美子の隣の椅子に座り、左手を握った。


『由美子・・俺の名前は小僧ちゃん、可愛いだろ~・・由美子の言葉が分かるんだよ。

 さぁ困ったね、我がまま由美子・・ママに心配かけて。

 由美子の体は、まだまだ強いじゃないか~・・さぁここに遊びにおいで。

 由美子の左手で待ってるから、お話しようよ・・楽しいお話してあげる。

 どんなお話が好きかな~・・何でもあるよ、お姫様とか冒険とか。

 面白い話でも・・なんなら人を好きになった話でも』


ここで来た、微かな温度の揺れが・・本当に微かな、恥ずかしがりやの温度が。

『な~んだ、由美子・・恋愛話が好きなのか~・・おませだな~』と笑顔で言った。

温度の揺れが少し強まった、私は優しく始めた。


『これは4歳の女の子のお話です・・その子はミサと言います。

 とっても可愛いおませさんです、ミサはトオル君が好きだけど。

 おませだから、好きだと言えません・・なぜかって?

 相手に言わせたいのです、ミサが好きだって。

 だから作戦を考えました・・それは毎日聞くんです。

 トオル君、私の名前は?・・そう聞くんです。

 トオル君がミサだろって言うまで、しつこく聞きました。

 そしてある日、トオル君の顔を見ました、そして聞きました。

 トオル君・・の好きな子はって、トオル君は答えました。

 ミサだろって・・ミサは嬉しくて走って逃げました。

 ミサはそれだけで良かったんです、ミサだろって言われるだけで』


私は少し強まった温度を感じながら、必死で伝えた。

そして由美子の返事が返ってきた、《それで良いのかな~》と。

『由美子は5歳だから大人だね・・それで良いんだよ、最初はね』と笑顔で言った。

この言葉で私を信じてくれたようだった、温度の揺れが強まった。

《ヒトミ・・共通言語じゃないよ・・まさか方言かな》と心で囁いた。

そして私は怒られる・・由美子の温度に。

方言って田舎の子って事・・意地悪言ったの?と強く言われた。


『違うよ~・・由美子は洗練された、都会の可愛い子だよ。

 でも最初からあんまりお話すると、由美子が疲れるからね。

 毎日お話しに来るから、だから由美子・・1つだけ教えて。

 どこか痛いの?・・それと由美子の誕生日?』


私は必死だった、由美子を疲れさせないように。

『そうなんだね・・分かったよ、誕生日プレゼントするね・・もうお休み由美子』と優しく伝えた。

温度の揺れがおやすみと言って、静かになった。

『お休み・・由美子』と手を離して、言葉だけで言った。


「由美子の誕生日を教えて?」と母親が美しい真顔で言った。

『10月12日・・午前5時26分』と笑顔で返した、母親は驚いて私を見ていた。

「小僧・・由美子の体調は?」と関口医師が聞いた。

『鼻の奥が苦しいみたい、だから呼吸を休んでたって・・お願いします』と言って席を立った。

私は少し疲労を感じていた、由美子に対して集中していたのだと感じた。


「信じて良いの?」と母親が私に歩み寄った。

『俺を信じなくて良いですよ・・でも由美子を信じて下さい、明日から受けませんか・・温度の会話の初級講座』と間近な母親に笑顔で言った。


「は~・・なんでこんな事に、これじゃあ分からんよ~」と関口医師が笑顔で婦長に言った。

「良かった~・・酸素外しましね」と婦長も笑顔で言った。


「誰にでも出来るの?」とそれを見ていた母親が言った。

『母親なら・・娘を信じる人なら』と二ヤで返した。

「その挑戦的なとこ・・嫌いじゃないよ」と二ヤで返された。

『良いですね~・・私も好きですよ、気の強い熟れた女性は』と笑顔で言った。

「面白いね~・・楽しくなってきたよ、5年ぶりに」と微笑んだ、美しさが強まった。

『俺も楽しみですよ・・人妻は初めてだから』と二ヤで返した。

「人妻以外は?」と二ヤで返された。

『0です』とウルウルで言った。

「頑張れ~・・僕ちゃん」と美しく笑った、私も頭をかきながら笑っていた。

関口医師も婦長も笑っていた、ユリカの波動も笑った。


「私の名前は・・美千代・・古風でしょ」とウルで言った。

『素敵じゃないですか~・・未知の世界』と二ヤで返した。

「字が違う~・・どこの世界に未知世なんて名前付けるの」と笑顔で睨んだ。

『あぁ・・本名ね、雰囲気的に源氏名を名乗ったのかと』と二ヤ継続で言った。

「源氏名もあったよ・・6年前まで」と二ヤで言った。

『聞きたいな~・・その美しさなら、NO1でしたね』と笑顔で言った。

「ま~ね~・・源氏名は北斗・・変わってるでしょ」と二ヤで言った。

その時に強烈な波動が来た、ユリカの驚きを感じた。


『素敵じゃないですか~・・夜空みたいで』と微笑んだ。

「ありがとう、久々に嬉しかったし、楽しかった・・明日から楽しみにしてるよ」と笑顔で言った。

『俺も楽しみだよ・・また明日、浮気するなよ北斗』と二ヤで言って、ドアに向かった。

「あんた・・夜街にいるの?・・その歳でその会話?」と北斗が聞いた。

『バイトしてます・・パラダイス・ガーデンで』と二ヤで言って、部屋を出た。

「嘘だね・・絶対、嘘だね」と北斗が笑顔で舌を出した、私は二ヤでドアを閉めた。


廊下を歩きながら、《さてと・・お腹空いたな~・・どうしようかな~》と囁いた。

強い波動が来た、早く来いと言っていた。

《ご馳走になりま~す、ユリカ・・ダッシュで行くね》と囁いて階段を駆け下りた。

ユリカの急かす波動が何度も来て、準備が終わった夜街をチャリを漕いでいた。

ユリカがビルの下で、爽やか笑顔で待っていた。


『お待たせユリカ・・ありがとう、ユリア』と笑顔で言った。

「私の可愛い妹が、何をしたのかな?」とユリカが爽やかに微笑んだ。

『ヒトミの通訳・・嬉しかったよ、波動に温度が乗って揺れた』と笑顔で返した。

「ねぇ・・その底無しの体力と精神力、怖いよ」と爽やか二ヤで言った。

『だって・・北斗話、聞きたかったんだもん』と笑顔で返して、腕を組んだユリカと歩いた。

「あなたがPGを出すから・・教えないといけなくなったよ」と微笑んで、メルヘン居酒屋に入った。


ユリカが食べ物を沢山注文して、ユリカがビール、私がウーロンにした。

笑顔で乾杯して、唐揚げを食べていた、ユリカも笑顔で食べていた。

「私・・今日のレベルが毎日だったら、笑い死ぬかも」とユリカが爽やかに微笑んだ。

『大丈夫・・今日は序の口』と二ヤで返した。

「マキに美由紀ちゃん話聞かないと・・楽しみだよ」と爽やか二ヤで返された。

『美由紀話は・・泣けるよ、俺も大好きだから・・美由紀をね』と笑顔で言った。

「美由紀といる時の、あなたの精神の安定に驚いたよ・・素敵な子だね」とユリカが微笑んだ。

『心の柔軟度なら、絶対にNO1だよ・・美由紀は』と微笑んで返した、ユリカも笑顔で頷いた。


「北斗姉さん・・綺麗だったでしょ~」とユリカが爽やか二ヤで言った。

『2人目だね・・ユリカが姉さんって呼ぶ人』と二ヤで返した。

「そうね~・・最近はミチル姉さんは、ママで呼ぶからね」と笑顔で返してきた。

『北斗・・歳はユリさん位かな?』と笑顔で聞いた。

「ユリ姉さんが・・心から姉さんを付ける、唯一の人よ・・2歳上だよ」と真顔で返してきた。

『初めて会った・・ユリさんが姉さん付ける人は』と真顔で返した。


「詳しい話は、あなたにならユリ姉さんが話すでしょう。

 蘭と一緒の時に、私があなたに教えてあげるのは。

 原作者の作為を感じて欲しいから、その事実だけを今話すね。

 北斗姉さんは、夜街デビューは千花なの・・多分16か17歳でね。

 伝説の真希さんが引退を発表した時だと思う、衝撃的に突然現れた。

 大ママがそう言ってたわ、でも真希さんがすぐに引退してしまった。

 それで北斗姉さんは、大ママに正面から挑んだそうよ。

 その時は大ママは23歳・・今の蘭と同じ歳だね。

 そして全力で挑戦した北斗姉さんは、納得して一度夜街を去るの。

 完全燃焼したと大ママに告げて、お昼の仕事に移るのよ。

 それを聞いて、マダムは必死で探したらしい、託せる女性だったから。

 でも探し出せなかった、上京してたの・・北斗姉さん。

 大ママは本気で挑んできた、大切な存在が消えて・・喪失感に襲われた。

 だから一大決心をして・・独立するのよ・・魅宴を作るの。

 何かを成し遂げたかったのね、真希さんと北斗姉さんを失った寂しさを感じて。

 それを払拭するために、自分に背負わせた・・借金と夢を。

 そして魅宴が起動に乗った頃に出会う・・マダムが紹介する。

 18歳のユリ姉さん・・大ママは今でもはっきりと覚えていると言ってるわ。

 その衝撃を忘れられないと・・18歳の女性に感じた、本物の匂いを。

 そしてマダムがPGを作る・・女性を必死で集めるの。

 そして探してる時に声をかけられる、橘通りで・・北斗姉さんに。

 マダムは北斗姉さんにユリさんを合わせる、そして北斗姉さんがPGに入るの。

 PGのオープニングメンバーになるのよ、そしてPGの歴史の第一幕を引っ張る。

 PGはその歴史で、NO1を勝ち取ったのは・・3人しかいない。

 ユリ姉さんと、蘭と・・北斗姉さんだけよ。

 北斗姉さんは開店から、約1年・・NO1に君臨するの。

 ユリ姉さんが・・20歳でその席を奪うまで、PGを牽引したのよ。

 ユリ姉さんは今でも感謝してるよ、その背中と行動が夜の女を教えたから。

 北斗姉さんは、それからもPGとユリ姉さんを支え続けた。

 リアンが入るまで・・リアンが慣れた頃、ユリ姉さんに伝えた。

 ユリ・・私がいなくても、もう大丈夫だね、私は東京に愛する人を残してる。

 今でも忘れられないの・・だから上京するね。

 そう言ってPGを去る・・ユリ姉さんは寂しさを抱いていたでしょう。

 そしてリアンは号泣したよ・・心から北斗姉さんを慕っていたから。

 本当に素敵な人だった、私は18で出会ったけど・・忘れられない。

 その強い生き方が作り出す・・優しさの世界。

 どんな状況も笑顔で乗り切る、その精神力・・今でも憧れてるわ。

 今日あなたに・・北斗と言った時の私の驚きは、あなたなら感じたよね。

 嬉しかった・・そして思った、悪質な原作者の存在。

 北斗姉さんの愛娘・・由美子ちゃんの難病・・そして必然のように出会わせた。

 最後の挑戦者に・・はっきりと1つだけ言うね。

 もうユリさんは、あなた無しでは・・夢を追えない。

 あなたは探し出したの・・ユリさんの最後の心残り・・北斗姉さんの今を。

 あなたの答えを、切望するよ・・北斗姉さんも・・ユリ姉さんも。

 あなたが由美子ちゃんの想いを伝える事を・・そこからだよ。

 夜街の未来図を描けるのは・・今のあなたには、最高の女子が側にいる。

 沙紀が心の描写で伝える、美由紀がその柔軟な心で見ている。

 そしてミホが側で待っている・・そしてあなたには寄り添っている。

 ヒトミが・・私はさっき泣きそうだった、妹・・ユリアの話で。

 ユリアの波動にヒトミが乗ったなら・・ユリアとヒトミは友達になったんだね。

 常識なんて超越して・・由美子を見せて・・あなたが夜街に感謝してるなら。

 蘭を愛しているのなら・・ユリさんの生き方を追い求めるなら。

 1つの答えが必ずある・・由美子の中に絶対にあるよ」


ユリカの涙の言葉が、強く響いた・・揺り篭でない強い言葉だった。

『ユリカ・・ありがとう、俺は決めてたよ・・由美子に挑むと、可愛い由美子に』と笑顔で言った。

「うん、まだ時間早いから・・PGに行こう・・私がユリ姉さんに話す」と爽やかに微笑んだ。

『うん、お願い・・明日には北斗に事情聴取されるだろうから』と二ヤで返した、爽やか笑顔のユリカと腕を組んでPGを目指した。


金曜の夕方・・夜街は活気に溢れていた、私はPGのビルを見た。

どんな歴史があるのだろう・・どれだけの女性の涙で出来ているのだろうと思っていた。

悲しみの涙を、私の出来る最大の力で・・少しでも減らしたいと思っていた。

ユリカの温かい温度を感じながら・・蘭の温もりを感じながら。


夏物語の全員が登場した・・最後のピース、北斗と由美子。


私がこの物語を書く決心をさせたのは・・エミとマリアとミホである。


私は由美子を書かないつもりだった、しかし書く決心をさせた。


被災地で孤児になった少女に問われたから、真暗な町を眺めながら。


夜空に問われたから・・その心の叫びが、私には消すことが出来ないから。


その1つの答えを・・あの時、由美子が教えてくれたから。


「悲しみを・・どうして人は覚えたの?」とあの少女の声が、夜空から聞こえてくる。


完結したら、教えると誓ったから・・あの時・・言葉では無理だった。


私の考える・・悲しみの意味を、夏物語の完結に付け足そう。


美由紀と沙紀と由美子の想いを込めよう、悲しみはいつか癒えると信じているから。


忘れる必要はない・・心の大切な部屋に、いつまでも持っていて欲しい。


悲しみにこそ大切な意味がある・・そう強く伝えてくれたから。


あの夜空の問いかけに・・強い波動に乗って、ヒトミが伝えてくれたから。









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