和解の演出
降り注ぐ夏の日差しで、広い空間も明るくなっていた。
夜になれば戦場になる、その空間に響いた無変換の想い。
心を伝えるのに、変換をしない・・そのままを言葉にする。
その勇気ある女性の背中を見ていた、その将来像に夢を描いて。
「ねぇエース・・白鳥の歌には続きがあるの?」とエミが笑顔で聞いた。
『あるよ、凄く素敵な』と笑顔で返した。
「明日調べよ~」と少女の輝きで微笑んだ。
「エミちゃん・・調べる時は、解説を読まないでね・・解説は事実かもしれないけど、真実とは限らないから」シズカが微笑んだ。
「うん・・ありがとう、シズカちゃん」とエミが笑顔で返した。
「エミちゃん、小1で割算してるんだよ~」とマキが恭子にニヤで言った。
「すご~い・・小僧、来年には抜かれるぞ」と恭子がニヤで言った。
「来年まで持てば良いが」と蘭が満開ニヤで追って来た、全員が笑っていた。
「3人とも、格闘系の習い事をしてるのかしら?」とユリさんが薔薇で微笑んだ。
「マキの少林寺だけです、私は強制的に水泳部で、恭子は帰宅部でした」とシズカが笑顔で返した。
「シズカには私が教えました、恭子は実践で鍛えました」とマキがニヤで言った。
「まぁ素敵・・実践で鍛えるのですね」とユリさんが楽しそうに微笑んだ。
「マキ・・人聞き悪いでしょ、そんなに経験ありません」と恭子が照れて微笑んだ。
「私なんて・・実戦経験って聞くだけで、憧れるよ」とユリカが爽やかに微笑んだ。
「私も~」と蘭が満開で言った。
「蘭、あなたは有るでしょ、あとリアンとカスミは絶対有るわ」とユリカが爽やかニヤで言った。
女性たちがニヤで蘭を見て頷いた、蘭はウルで返していた。
「聞こうかな~・・どうしようかな~」とハルカが言った。
「ハルカ、何その言い回し・・ミサから盗んだね」と蘭が満開で笑った。
「ばれました」とハルカが笑顔で返した。
「なんでしょう?・・ハルカさん」とシズカが笑顔で聞いた。
「気を悪くしないでね・・どうして豊君は、恭子さんを選んだのかと思って?」とハルカが真顔で聞いた。
「それは私も、今でも理解できない事です」とシズカがニヤで言った。
「私の中でも、七不思議の1つです」とマキもニヤで言った。
「もう・・小僧、その豊の心の解釈を述べよ」と恭子がウルで私に振った。
『恭子を恋愛対象として、愛していると気付いたからでしょ。
豊兄さんが中2で、限界トリオが中1の時だよね。
シズカもマキも絶対に覚えてるくせに、茶化すんだから~』
私は3人にニヤで言った。
「それじゃあ、解釈の説明になってない・・述べよ」と蘭が満開で微笑んだ。
「豊兄さんが中2になった春、中3の悪が、水○高校に入学した1年にやられた。
そいつら馬鹿で、滅茶苦茶だったよ・・中学生いじめて。
うちの中学は、水○高校の通学路に有るから狙われたんだよ。
豊兄さんは中2で、自分から争いに入らないから。
中3の問題だと思って、無視していた・・3年以外被害無かったから。
その当時、中2に少し障害のある子ががいたんだ、松葉杖で歩く。
その子は見た目は普通の可愛い子だから、知らない人は骨折してると思うんだ。
そして事件が起こる、その子が帰り道で、ベンチで休憩していた。
休憩しながらじゃないと、帰れないんだよ。
そこにその水○の1年が通りかかり、からかうんだ・・2人の女子が。
松葉杖を取り上げて、遠くに置いてニヤニヤで困った顔を見ていた。
そこに通りかかる・・恭子が・・恭子は松葉杖を取り上げて。
その子に返す・・そしてその2人の女子高生を言うんだ。
障害者いじめて楽しいのかと、2人ににじり寄る。
その時の顔が伝説になる、狂う子と書いた【狂子】だってね。
恭子はやってしまう、二人まとめて・・その怒りを抑えられなかった。
でも馬鹿な高校生は・・その場で男子2人で、女子の仇をうつんだ。
恭子を殴り倒す、そこに大人が止めに入って・・その時は一旦おさまる。
そしてその話しが、当然豊兄さんの耳に入る。
恭子はその時に言うんだ、豊兄さんに・・怒りが制御できなかったって。
豊を見てきたから・・豊が好きだから・・抑えられなかったって。
そう言って泣いたんだよ・・恭子はその時に強く伝えた。
そして豊兄さんは次の日の朝、水○高校の正門に立つ。
そしてその当時の頭だった男に喧嘩を売るんだ、そして圧倒的な強さで勝つ。
お前が駄目だから、1年が好き放題するんだと言って。
今度何か有っても、またお前の所に来るって言って帰るんだよ。
そしてその足で学校に行って、1年の恭子の教室に行って言うんだ。
俺も恭子が好きだから、俺と将来一緒にいたいなら・・もう無茶はするなと。
沢山の生徒の前で、堂々と伝えるんだよ。
その時から・・恭子は公然の豊の婚約者になるんだ。
それでも限界トリオの関係は変らなかった、俺はマキに聞いたんだ。
そうしたらマキが教えてくれた、マキもシズカも豊兄さんの気持ちは知っていたと。
俺は恭子のあの告白が忘れられないよ、本当に強い言葉だった。
その後に豊兄さんが俺に言った、反省したと・・恭子に言わせてしまったって。
それから豊兄さんが、俺の所によく来るようになって。
こんな時はどう言葉にするって聞くようになった、俺は嬉しかったよ。
自分を反省し行動できる強さを再確認できて、今じゃ俺より言葉でも強く伝えるから。
俺は本当に嬉しかった・・恭子の心の叫びが聞けたから。
そんな感じだね・・脚色してないよ』
笑顔で照れる恭子を見ながら言った、全員が笑顔で聞いていた。
「素敵過ぎる・・やっぱり嫉妬する」とハルカが微笑んだ。
「恭子・・今の話で小僧が削除した、小僧の登場場面を述べよ」と蘭が満開で言った。
「はい・・さすが蘭姉さん、大幅に削除してます。
その松葉杖の子がからかわれてた時に、その松葉杖を取り上げたのは小僧です。
小4の小僧です・・そして男子生徒に向かって言った。
勝負してやるよって、そしたら女子が怒って小僧に近付いた。
小僧は女は殴れんと言って、その女子2人に殴られてました。
私は帰宅部でちょうど下校してました、その時に大声で呼ばれた。
今日会われたヨーコが叫びました、小僧が大変だと泣きながら。
ヨーコにとって、小僧は特別の存在だったから・・泣いていました。
私が走ってその場所に着いた時には、小僧が決め台詞を言うところでした。
お前ら・・俺を殺す覚悟が有るんだな、そこの男・・狙ってやるからな、一生。
ボロボロになりながら立ち上がり、笑顔で全ての伝達方法で伝えてました。
私は逆上して、その2人の女子の前に出た、その時の顔が【狂子】です。
小僧に話を聞いて、どうしても制御が利かなかった。
そして小僧の言った通りの展開です。
そして次の日、水○高校の正門に立つ、小4の小僧が。
豊はそれを聞いて、駆け付けるんです・・正門に。
そして小僧の言った完結を迎えます。
その時の小僧は、ヒトミからミホに移行して、ミホに挑戦中で。
マキの解放もしていて、その心のままに生きていました。
強過ぎると思うほどの、伝達能力で日々を過ごしていました。
豊の反省は・・どこかで避け過ぎていた自分を反省しました。
修羅場に招かれる事を嫌い、大切な事からも避けていた自分を感じたのでしょう。
水○高校の正門に立つ、小僧の小さな体を見て・・強く伝達された。
その強い意志が、それから豊は小僧に執着するんです。
自分に持って無い物を、小僧が見せつけたから。
そして兄弟関係は今に至るんです、小僧は削除しますよね~」
恭子は私にニヤを出して、女性達に笑顔を向けた、全員が笑顔で返した。
「昨夜私は小僧とヨーコの家に行って、嬉しかった。
小僧の伝達能力が、私の知らない世界に入っていて。
小僧はヨーコにずっと憧れを抱いてました、ヨーコが施設の子だったからです。
小僧はヨーコは凄いと、幼い時から言っていました。
それはヨーコが一度も陰りを見せなかったから、その可愛さも・・優しさも。
小僧は会う度に、ヨーコに直接言っていました・・可愛い可愛いと連呼してました。
悪質な原作者に、幼少期を翻弄されたヨーコ。
でも常に前向きで、施設の下の世代を引っ張った。
その失われない清楚な美しさが、下の世代に夢を見せています。
昨夜小僧が説得する時に、暗に言った・・自分の幸せを追えと。
ヨーコの心に直接伝えた、言葉と瞳で・・もうそうして良いんだと。
強く伝えました・・トップを狙えと、夢を持って生きろと。
私も凄く楽しみです、ヨーコの将来が・・マキと同じ位。
皆さんヨーコの事も、よろしくお願いします」
シズカが真顔で言って頭を下げた、マキも恭子も頭を下げた。
「もちろん、今日共同体を結成しました、ヨーコも仲間になりましたよ」とユリさんが薔薇で微笑んだ。
限界トリオの3人が、笑顔になって頷いた。
「ヨーコちゃんも、律子さんの事を母さんって呼ぶんだね」とユリカが爽やか笑顔で言った。
「豊君や私・・そして施設の子供の多くは、そう呼びます。
私やヨーコは母の記憶があるけど、豊君は記憶すらないんです。
私達は勝也さんを父さん、律子さんを母さんと呼びます。
私達は2人のおかげで、味わいませんでした。
親のいない寂しさは味わったけど、辛さは味わう事がなかった。
私は女にとって大切な事は、全て母さんが教えてくれました。
料理も裁縫も全て・・シズカに教える時は、必ず私を呼んで。
自然に接してくれました、可愛そうだからなどの感情じゃなく。
大切に接してくれました、一人の人間として。
豊君が言いました、今は何も返せないから・・せめてそう呼ぼうと。
心を込めて、愛情と感謝を込めて・・父さん・母さんと呼んでいます」
マキの強い言葉が、響いていた・・レンと久美子に涙があった。
このマキの言葉が砕いた・・シオンの心の最後の壁を。
シオンはこの言葉が入ってきて、自分の悩みの小ささが恥ずかしかったと言った。
両親に愛情を持って育てられたのに、それに甘えていたと感じたと。
シオンはマキに愛情を持って接するようになる、自分も自然に接したいと思って。
その行為がシオンを覚醒させる、人と人との関係の構築の仕方を作り出す。
シオンの方法を・・それは驚くほどの方法だった、歌の言葉がメロディーに乗る。
全てを好きだと言って、その笑顔で・・癒しを発散するのだ。
頼ってくる年下が、心に問いかけ続けて・・シオンは心に新しい部屋を作る。
私はその部屋の広さに驚く、どんなに多くの人が尋ねて来ても余裕のある広さに。
『ところでなぜ、3人揃ってるのかな?』と私が空気を変えるために二ヤで聞いた。
「小僧・・鈍くなったな、豊が今日は小僧の所に行こうと言ったよ。
だから私は会いたかった、ユリカ姉さんの店にシズカと行ってたの。
鋭い時の小僧なら、豊を見ただけで感じたはず。
今から何かが起こると、お前らしくない・・ミホに会って動揺するなんて。
小僧・・何かを持つのは早いよ、お前は愛する人だけ持ってれば良い。
まだ他のものを持つな、守るべき物を持つなよ」
恭子が真顔で言った、確かにそうだと思っていた。
「そういう事よ・・そろそろ行くかね、戦場に」とシズカがニヤで言った。
『行くかな・・早く終わりたい』とウルで返した。
「勝也父さん・・ニヤニヤしながら来るね~、楽しそう」とマキが微笑んだ。
「覚悟を決めな・・親父は何に1番怒ってるか分るか?
お前が本気じゃなかった事だよ・・殴りかかった時に、手加減しただろ」と恭子がニヤで言った。
「したね~・・小僧とは思えなかった」とシズカがニヤで言った。
「お前は世の中で唯一、その伝達方法を使わないよな、父さんには・・人として向き合いたいからなんだろ?」とマキが真顔で言った。
『そうだよ・・今日も言葉だけで勝負する』と笑顔で言った。
全員に見送られ、ユリカとシズカと3人で出掛けた。
通りを歩いていると、後から声がした。
「背が少し伸びたか?」と懐かしい親父の声がした、私は一瞬凍結して振向いた。
『卑怯だぞ親父・・不意打ちは』と必死で笑顔を作った。
「そんな事、どうでもいいから・・その素敵な女性を紹介せんか」と余裕の笑顔で返された。
『ユリカ、これが噂の親父・・親父、お世話になってる、ユリカさん』と互いを紹介した。
「あなたがユリカさん、和尚に聞いてます・・本当に小僧の事ありがとう」と親父が笑顔で言った。
「ユリカです、よろしくお願いします・・イメージが全然違うので驚きました」とユリカが爽やかに微笑んだ。
「馬鹿息子が、悪いイメージで洗脳しようとしましたね」とユリカの横に並び楽しそうな笑顔で言った。
「まぁ、そんなとこです、頑固で石のように硬い、堅物みたいな感じです」とユリカも爽やか笑顔で返した。
「そうでしょうね~・・父親に酷い仕打ちをするもんです」とご機嫌親父と、4人でエレベターに乗った。
「ユリカさん、10分で話は終わりますから、その後魅宴に案内してもらえませんか?」と親父が言った。
「もちろん、かまいませんよ・・大ママ、アスカママに会いたいんですね」とユリカが笑顔で返した。
「それもありますが、ヨーコの筋を通しに行きたいので」と親父が真顔で言った、ユリカは笑顔で頷いた。
ユリカの店の奥のBOXで、親父と向き合って座った。
親父の横にシズカが座り、ユリカが飲み物を出してくれた。
「ユリカさんも座って下さい・・小僧の誓いの証人として」と親父が笑顔で言った。
ユリカは少し驚いて、笑顔で頷いて私の隣に座った。
「それじゃあ・・完結に言え、それでいい」と親父が言った。
『親父・・殴りかかったのは、本当に悪かったと思ってる。
今、俺は好きな女性がいる、23歳だけど歳なんか関係ないと思ってる。
その人の事は省くよ、後で親父も会うから。
学校にはもちろん行く、成績も上げてみせる。
だから俺はその人と暮らしたい、覚悟はできてる』
真剣に親父を見て言った、親父も真剣に私を見ていた。
「条件は3つだ。
1つは・・月末には一度家に帰り、生活費を受け取り、蘭さんに渡す。
もう1つは、マキとヨーコを常に気にかけておく。
最後は・・ミホを絶対に諦めない・・・出来るか?」
親父は静かに言った、私は嬉しかった、その条件が。
『分った、誓うよ』と真顔で返した。
「よし・・おしまい、小僧と話してもつまらん」と親父が笑顔で言った。
私はあまりのあっけなさに、気が抜けていた。
「な~んだつまんない、リターンマッチが見れると期待してたのに」とシズカが笑顔で言った。
「ときにシズカ・・なぜお前が付いてきてる?」と親父が笑顔で言った。
「焼肉・・焼肉が食べたい・・お父様」とシズカがウルで言った。
「太るぞ・・お前はすぐに身に付く」と親父がニヤで返した。
ユリカは楽しそな笑顔で、この親子漫才を聞いていた。
「ユリカさんは、焼肉はお好きですか?」と親父が笑顔で聞いた。
「はい、大好物です・・お父様」とユリカが爽やかニヤで言った。
「じゃあ3人で行きますか・・小僧は仕事でしょうから、魅宴でお別れしましょう」と親父もニヤで言った。
「忙しいですから・・エースって呼ばれてますからね~」とユリカが爽やかニヤを私に出した。
私はウルウルで返していた。
4人で魅宴に歩いていた、親父がユリカと並んで楽しそうな笑顔で話していた。
私はシズカが面白がって腕を組んできて、ユリカにニヤで見られていた。
私はシズカに感謝していた、親父との和解の作戦を練ってくれた事を。
ユリカを感じて、ユリカの存在で話をまとめた。
蘭にいきなり会ったら、親父も難しい気持ちになっただろうと思っていた。
ユリさんの通した筋に、ユリカという絶対的存在を見せて、蘭に会わせる。
シズカの最も優れている、組み合わせて強度を上げる、その才能の片鱗を見ていた。
魅宴の裏口から、ユリカの後をフロアーに向かった。
大ママがフロアーで、ミコトとリョウとミサキとヨーコで話していた。
「大ママ・・今、泣けますか?」とユリカが爽やか笑顔で言った。
大ママが驚いて、振向いた。
「飛鳥・・よくやった、見事だ」と親父が大ママの方に笑顔で歩み寄った。
大ママは親父を見て、泣いていた・・嬉しそうに泣いていた。
親父は大ママを優しく抱きしめて、笑顔で見ていた。
「あの不良娘が・・ここまで来たか、お前はこの街に夢を見せてるな・・真希も喜んでるぞ」と親父が言った。
「勝也兄さん・・ありがとう、本当に嬉しい」と言うのがやっとだった。
「飛鳥、戦場であまり泣くなよ・・素敵な女性達が、まだ成し遂げてないのに・・戦場で泣くようになるぞ」と笑顔継続で親父が言った。
「それはさせません・・私が目の黒いうちは」と大ママが笑顔で言った。
親父は体を離して、大ママの瞳を見ながら言った。
「飛鳥・・ヨーコを頼む、律子が身元保証人であるのなら。
俺も身元保証人だと思ってくれ、だから厳しく教えてくれよ。
ヨーコは大丈夫、今までも荒波を越えてきた。
しかし一度も自分を見失うことはなかった、どんなに厳しくても乗り越える。
優しさと美しさを維持しながら、俺はそう信じてるから。
よろしく頼むな、飛鳥・・お前の魅宴だから安心だよ」
親父が笑顔で言った、大ママも笑顔で聞いていた。
「わかりました、引き受けます・・必死にさせて、全力を引き出してお見せしますね」と大ママも笑顔で答えた、親父も笑顔で頷いた。
「ヨーコ・・綺麗になったな、頑張れよ・・たまに見に来るから、早くデビューしろよ」と親父がヨーコに微笑んだ。
「父さん・・ありがとう・・ごめんなさい、ご無沙汰してました。
日々の生活に追われて、余裕がなかった・・でも小僧が教えてくれました。
私も夢を追って良いんだと・・全力でやってみます。
父さんが言ってくれた、生きる目的を見せろと・・それをお見せします。
沢山の弟や妹が見てますから、必ずそれを探し出して・・あの子達に見せますね。
本当にありがとう・・父さんと母さんが保証人である事が、今の私の支えです」
ヨーコは目を潤ませて言った、しかし涙を見せなかった。
親父はヨーコの頭に大きな右手を乗せて、笑顔でヨーコを見て。
「楽しませてもらう・・ヨーコとマキの生き方を」と優しく言った、ヨーコも清楚な笑顔で頷いた。
「皆さんも・・鍛えてやって下さい、お願いします」と親父が頭を下げた。
「絶対に途中棄権はさせません・・楽しんで頂きます」とミコトが笑顔で頭を下げて、リョウとミサキも頭を下げた。
「さすが飛鳥だな・・素晴らしい女性に囲まれている」と親父が大ママに笑顔で言った。
「ユリの店でも、そう思われますよ」と大ママも笑顔で返した。
「楽しみだよ・・飛鳥また来るよ、お邪魔した」と親父が笑顔で言って、背中を向けた。
「エースは残って」と大ママに言われて、大ママが3人を見送りに出た。
私はフロアーに残って、ヨーコの清楚な笑顔を見ていた。
「エース・・私達3人からも礼を言う、ヨーコをありがとう・・最高の贈り物だったよ」とミコトが微笑んだ。
『それは、ヨーコがデビューしてから言って・・俺が最初にスカウトした女性だから』と笑顔で返した。
「当然・・源氏名は命名してくれるんだね」と大ママが後から言った。
『もちろん、望まれれば』と笑顔で返した、大ママも笑顔で頷いた。
「ありがとう・・エース」とヨーコが可愛い笑顔で言った。
「マキを見に行かないと・・ヨーコと両極なんだろ?」とリョウがニヤで言った。
『俺の勝手な考えで言うと・・イメージは火と水、リアンとユリカ』とニヤで返した。
「確かに・・銀河とも私とハルカとも違う、その関係に近いよね~」とミサキが微笑んだ。
「そこまで凄いの・・ヨーコだけでも驚いたのに」とミコトが楽しそうに笑った。
「ミコト姉さん・・私はマキと比べられる事が、光栄だと思うくらいですよ」とヨーコも笑顔で返した。
「大変だね~・・リョウもミサキも、エースはこれからも爆弾投下し続けるしね~」とミコトが余裕ニヤで言った。
私は4人の楽しそうな笑顔を見て、魅宴を後にした。
PGの裏階段を登っていくと、蘭が踊り場で待っていた。
私を見て、満開で微笑んだ、私は蘭を抱き上げて階段を登った。
『蘭・・許可取ったよ、よろしくお願いね』と笑顔で言った。
「仕方ないな~・・居候させてやる」と言って私にしがみついた。
『あまりにあっけなくて、拍子抜けしたよ・・シズカが緻密な作戦練り上げてた』と耳元に囁いた。
「姉孝行な良い妹だよ・・ユリカ姉さんもありがとう」と蘭が囁いた、暖かい波動に包まれていた。
「さっきのマキの話・・凄く響いたよ、本当にマキは心に問いかける・・ユリさんも感動してたよ」と蘭が満開で微笑んだ。
『俺もあのマキの言葉で間違えに気付いた、マキが最も影響を与えるのは・・エミだね』と笑顔で返した。
「そうよ・・あなたの最も大切な伝承者、エミだと思うよ」と蘭も満開笑顔で言った。
『蘭・・何も考えなくていい、飾る必要も緊張もいらない・・ありのままで会って』と真顔で言った。
「分ってる・・私にはそれしか出来ないから」と満開で微笑んだ。
ご機嫌蘭と手を繋ぎ、TVルームに入った。
『ユリさん、ありがとうございました・・和解できました』と笑顔で言って頭を下げた。
「良かった~・・これで私も本気になれます、東京PGをリアルに視界に入れますよ」と薔薇で微笑んだ、私も笑顔で頷いた。
「おめでとう・・そしてありがとう、この本はバイブルだよ・・嫉妬した、マキを」とカスミが微笑んだ。
『ありがとう、カスミ・・感想は言わない約束だよ』と笑顔で返した。
「蘭姉さん・・ご機嫌が顔に出すぎてますよ」とハルカが微笑んだ。
「ごめんね、抑えられない」と蘭が満開ニヤで返した。
「最近思うんだけど・・蘭姉さん段々若くなるよな~」とカスミが不敵を出した。
「それがエースの望みですからね~」とユリさんが薔薇で微笑んだ。
「エース・・その望みを述べよ」とカスミが最強不敵で言った。
『望みか~・・俺は原作者に宣戦布告した。
だから蘭で見せる、人はやり直せる・・後悔を背負っても。
肉体的な年齢は些細な事だと、原作者に提示したい。
原作者の最強の武器、時間に挑む・・その答えが蘭なんだよ。
今回の蘭の本気は、自らが選択し目指した・・その時が来たら分る。
それは19~22歳までの、蘭を背負っていると思ってる。
必死で生きることで、自分を誤魔化していた、その当時の蘭に今の蘭が見せる。
蘭がユリさんに言った、自分との和解・・俺はそれがずっと心に残ってる。
俺の望みは・・それ1つだけだよ、蘭に会わせてやりたい。
その頃の蘭に、だから俺はそれを望んだ・・自らが選び辿り着いた場所に居る。
必ずいると思ってる、誰にでもいる・・後悔をする自分が。
俺は出会えると思ってる、その分身に・・それはユリカを見てきたから。
あの精神世界に入る扉の鍵は、その分身が持っている。
蘭なら辿り着ける・・俺はそう確信的に思ってる。
俺はもちろん今の蘭を愛してる・・このままで良いと思ってる。
でも、蘭に心残りだけは持たせない・・蘭は心に従順だから。
13歳の俺の望みは・・蘭の望みを叶える事だけなんだよ』
私は想いのままを言葉にした、親父との和解でスピードが増した事に自分で気付いていた。
「そう言う事よ・・そうだったのね」と蘭が私に抱きついた、私も蘭を優しく抱いていた。
全員が優しい瞳で見ていた、ユリさんの薔薇が嬉しかった。
「圧倒的だね、エース・・完全に戻ったね、ヒトミと向き合ってた頃に」とマキが微笑んだ。
『マキありがとう、白鳥の歌・・忘れてたよ、大切な事を思い出した』と真顔で返した。
「白鳥の歌のあなたの解釈・・マチルダに教えたかった、次回話してあげよう」と蘭が満開で微笑んだ。
「私も思いました・・歌の本質はそうなんだって、感じるままで良いんだって」と久美子が微笑んだ。
「リンダとマチルダは、きっと感じますね。
あの2人が目指してる、1つの形のような気がする。
空の青・海の青にも染まず漂う・・牧水は放浪の歌人ですよね。
でも定説が本当なのでしょうか、自分の異質性に悩んでいたと言う・・その説が。
もっと高みにあると感じます、その心は超越してると感じるんです。
私はエースの言葉を聞いて、文献を読んでみたけど・・しっくりこなかった。
今日のシズカがエミに言った言葉で感じた、解説を見ないでと言った言葉で。
解説は事実かも知れないけど、真実とは限らない・・素敵な解答でした。
深く考える必要はないんだと、感じたままで良いんだと。
それが高みにある人の言葉だと、そう思いました」
マキが流れる想いを言葉に乗せた、私はマキの速さに驚いていた。
「圧倒的だよ、マキ・・私は本当に嬉しいよ」とカスミが微笑んだ、マキも嬉しそうな笑顔で返した。
「マキちゃんありがとう、シオン分ったよ・・主張をする事の意味が。
マキちゃんの言葉が、心に刺さったよ・・シオンやれると思ったよ。
シオン見せるよ・・次に来るマキに、そのシオンの目指す世界を。
先に行って待っとくから・・シオンも伝えたい、次の人達に。
リンダちゃんとマチルダちゃんと、旅をしたいから。
そのためには・・大切な経験と伝える言葉が必要だから。
マキが感じてくれるから・・そして伝えてくれるから」
シオンの歌の言葉が、アップテンポで流れた。
私は嬉しくてシオンを見ていた、レンとハルカの表情が変った。
「シオン姉さん、楽しみに待ってます・・さぁエース、私とハルカの次の提示を」とレンが言った。
『もうすぐ来るでしょう・・ホノカを感じて欲しい。
あのほんわか可愛いホノカ・・その本質、強き心。
絶対に揺れない心の芯、それを包み隠す・・あの圧倒的容姿。
カスミもリョウもマチルダでさえ、一瞬で認めた・・あの強靭な精神。
俺が夜街の若い女性で、潜りたくない唯一の存在である・・ホノカ。
ずっと憧れていたいから・・そのブレない心に』
私はレンとハルカを見て、笑顔で伝えた。
「了解・・やっぱり、ホノカ姉さんだね」とハルカが微笑んだ。
「あの可愛さの裏づけを見たい、そこに答えがありそうな気がする」とレンが真顔で言った。
私は2人に笑顔で返した。
「エース・・義務教育期間中は、PGと共同体専属ですよ」とユリさんが薔薇ニヤを出した。
『ユリ・・結局、俺が1番大切なんだね』とニヤで返した。
「あら、恥ずかしい・・ばれました」と両手で顔を隠した。
全員が笑っていた、私は蘭の満開を見ていた・・散る事のない満開を。
親父と私との和解をシズカが演出した、その想いに私は感謝していた。
親父ですらシズカの事は、その当時の16歳にして認める存在だった。
その開放的な心が、人の心を掴む・・夜街に挑戦しなかった幻。
私は常にシズカをイメージしていた、PGのシズカを。
その後のシズカに最も影響を与えるのは、リンダである。
シズカの開放的心は、リンダの強い意志に憧れる。
アメリカ留学を終えて帰国した、シズカに会った時に感じた。
その開放的な心が目指す場所・・それは平穏なんだと。
シズカは探し続けた、リンダとマチルダとユリカの心の幻影を。
その開放的な心のままに、そして経験の組み合わせを駆使して作った。
その強靭な心を・・シズカは今でも、私との姉弟関係を解消している。
甘えが出ないように・・私が自分自身に甘えないように。
私はDNAが最も近いであろう、このシズカに憧れ続けるのかもしれない。
そのどこか自由で、開放的な心と・・その生き方に。