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拳の言葉

夏の夜が全てを包む、明るいネオンが灯す頭上にそびえる。

夢の城・・その最上部の要塞に、母と娘の笑顔が溢れていた。

私も楽しくて、その会話を笑顔で聞いていた。


母が楽しげにユリカと話していた、ユリカも嬉しそうな笑顔で話していた。

30分ほど経って、母が笑顔で言った。


「ユリカ、また来ますね・・ありがとう」と言って母が支払った。

ユリカに見送られ、2人でエレベーターに乗った。

通りに出て、母が私にニヤを出した。

「ヨーコの作戦は?」とニヤニヤ顔で私に聞いた。

『とりあえず、なんとか会ってみる・・それから、状況しだい』と笑顔で返した。

「仕方ないな~・・今から行っといで、シズカを貸すから」と母が言った。

『なぜ・・そんなに協力的なのか、怖いよ』とニヤで返した。

「私のマキへのお祝いよ・・最強のライバル」と笑顔で返された。


『シズカで会えるか・・それからだな』とニヤで言った。

「報酬出たら、お寿司が食べたい」と母がニヤで言った。

『俺の寿司で良いの?』と笑顔で返した。

「小僧でない・・カウンターで選びながら食べるやつ」と母が楽しそうに笑った。


TVルームに戻ると、マリアが起きていて、シズカが笑顔で抱いていた。

母が挨拶をして、マダムと松さんの所に座った。

「シズカ・・マキとお寿司の為に一肌脱いで」と母がシズカに言った。

「お寿司ね~・・カウンターだろうね」とシズカが私にニヤを出した、私はウルで頷いた。

シズカとTVルームを出ようとすると、マリアが母に駆け寄って抱かれた。

母は嬉しそうに、マリアを抱いていた。


TVルームを出て、通りを歩きながら説明した。

「ようするに、その魅宴って店に、マキのライバルを投入したいんだね・・で誰?」とシズカが聞いた。

『港のヨーコ』とニヤで返した。

「そう来たか~・・ヨーコ今、スパーのバイトだから・・もう少し時間有るよ・・魅宴が見たい」とシズカが言った。

『仕方ないな~・・大人しく見ろよ』と言って、方向を変えた。


「ねえ・・呼び込みさん達が、珍しいものを見てる感じなんだけど」とシズカがニヤで言った。

『あぁ、俺が女性と腕も組まず、手も繋いでないからだよ』と笑顔で返した。

「あぁ、そうなんだ~」とニヤで言って腕を組んで来た、私は驚いてシズカを見た、ニヤニヤで返された。

魅宴の裏口から入り、事務所に誰もいないので、フロアー裏に行った。

シズカは興味津々で見ていた、大ママは接客中だった。

「なるほど~・・落ち着いた雰囲気で、確かにヨーコが映える感じだね」とシズカが振向いて言った。

「シズカ!」とミサキの声がした。

『マミ先輩』とシズカが言って駆け寄った。

その時私は思い出した、マミが水泳部だった事を。


「マミ先輩、綺麗になった~・・良いな~素敵です」とシズカが言った。

「エースと来たの、シズカ・・まさか限界トリオのシズカ!」とミサキが驚いた。

「残念なことに・・そうです」とシズカが笑顔で返した。

呆気にとられてるミサキを無視して、シズカはミサキのドレスの素材をチェックしていた。

シズカが胸元を覗きこみ、ミサキが慌てて隠した。

「マミ先輩・・ケチ」とシズカがウルで言った。

「何でも興味持たないの」とマミが笑顔で返した、2人で笑顔で話ながら裏に向かった。

私はその後を歩いた。

シズカがミサキと挨拶を交わし、ミサキが控え室に消えた。


「OK行こう・・ここなら強く勧められる」とシズカが笑顔で言った。

私はシズカと腕を組んで、広島通りにあるヨーコのアパートに行った。

シズカがドアをノックすると、声が聞こえた。

「私~・・シズカ」とシズカが声をかけた。

「シズカ~・・久しぶり、どうしたの?」とヨーコが出てきた。

私は久々にヨーコを見て、ニヤニヤしていた。

「小僧!・・何・・そのニヤニヤは」とヨーコが笑顔で言った。

「少し話聞いて、時間ない?」とシズカが笑顔で言った。


「良いよ・・入って」とヨーコが招いてくれた。

私は少女らしい部屋をチェックしていた。

「何チェックしてるの?」とヨーコがニヤで言った。

『男の匂いは無いね、合格』とニヤで返した。

「残念ながらね~・・それで話って」とヨーコが真顔で言った。


『ヨーコ・・俺は今、夜街で仕事してる、先入観無く聞いて欲しい』と真顔で言った。

「分った・・どうぞ」とヨーコも真顔で返した。


『今日から、マキが夜の仕事に挑戦した。

 もちろん、接客はまだまだ先になる、でも16歳から仕事はあるんだよ。

 午後から夜中まで、大変な事も多いけど、報酬も良い。

 なにより女なら夢を持てる仕事だと思う、自分で強く想えば。

 ある宮崎トップのクラブから、今夜依頼があった。

 マキのライバルになりうる、16歳を探してくれと。

 俺はすぐに頭に浮かんだ、清楚で美しい16歳。

 生活の為に高校に行かなかった、輝く少女を。

 絶対にやりがいの有る店だ、損はさせない・・挑んでみないか。

 今スーパーでバイトして、それが悪いなんて思わない。

 でもその先は?・・将来は?・・結婚するのか?

 そんな漠然とした事で生活するのか、そんなのヨーコじゃない。

 確かに夜の女に向けられる、偏見はある。

 でも、今さらだろ、ヨーコ・・誰がヨーコを助けてくれた?

 あの時に誰がヨーコに手を差し伸べた?・・社会じゃないよね。

 ヨーコ・・その魅力と才能で挑め、学歴も家柄も関係ない世界で。

 ヨーコなら絶対トップを目指せる、俺はその姿が見たい。

 考えてみないか、ヨーコ・・俺は嘘無く思ってる。

 ヨーコならトップを狙えると』


ヨーコの瞳を見ながら、強く伝えた。

ヨーコの真直ぐな前髪が、綺麗な直線で眉を隠していた。

その下の目は、切れ長で美しい稜線を描き、深い二重目蓋の線が真剣さを物語り。

睫毛が長く、綺麗に上にカーブして、シャープな輪郭にマッチしている。

素顔でも充分美しく、家庭環境を逆手に取るような、清楚さが溢れていた。


「1つだけ教えて、私の何を1番重要視したの?」とヨーコが真顔で聞いた。

『清楚な雰囲気、そして優しさと穏やかな会話』と笑顔で返した。

「面接受ける前に、1度見たいんだけど」とヨーコが微笑んだ、私はこれでいけると思った。

『ヨーコ、着替えろよ・・今から見に行こう』と笑顔で誘った。

暖かい波動が来た、ヨーコは笑顔で頷いた。


ヨーコがシズカと隣の部屋に入り、笑いながら着替えていた。

私はヨーコの雰囲気に触れ、絶対にいけると確信していた。

ヨーコが可愛いワンピースで出てきて、薄いピンクの口紅だけを塗った。

私はシズカに耳打ちした、母にヨーコの身元保証人になってもらうように。

シズカは笑顔で頷いた、アパートを出てタクシーに乗って出掛けた。

PGの下でタクシーを降りて、シズカと別れてヨーコと魅宴に行った。


私は初めて魅宴の正面から、自分の意志で入った。

顔馴染のボーイ頭が笑顔で歩み寄った。

『こんにちわ、酒は飲まないから・・2人駄目ですか?』と笑顔で聞いた。

「駄目なわけないですよ、どうぞご案内します」と言ったボーイ頭に付いて、店に入った。

ヨーコは緊張しながら付いてきた、私はキングの席である奥のBOXに通された。

「ご指名は?」と笑顔で聞かれた。

『10分後に、ミコトとミサキをお願いします』と笑顔で返した。


ヨーコは真剣な瞳でフロアーを見ていた、その瞳が強くなっていた。

私は何も言わずに、ヨーコの自由にさせていた。

フロアー奥に大ママの視線を感じた、私と目が合うと最高の笑顔になって頷いた。


「私にできると思う?本当にできると思う?」とヨーコが真剣に聞いた。

「絶対にできるよ、あなたなら」とヨーコの後から、ミコトが言った。

ヨーコはミコトを見て、その美しさに固まっていた。

ミコトが深々と頭を下げて、ヨーコの隣に笑顔で座った。


「私がNO1のミコトです、踏出して欲しい・・あなたのその才能を信じて」と強く言った。

「踏出したい・・今のままじゃ嫌・・もう少し勇気が」と言ってヨーコが俯いて涙を見せた。

『ミコト・・ヨーコです』と笑顔で言った、ミコトが笑顔で頷いた。

「ヨーコ・・頑張れ、私が待ってる・・本当に楽しみに待ってる」とミコトが言って、ヨーコの手を握った。

ヨーコも強く手を握って、俯いて弱い自分と闘っていた、美しい横顔だった。

その時にミサキが来た、私はミサキをミコトの反対側の隣に座らせた。


「やりたい・・今ここを見て、ここで挑戦したい・・自分に負けたくない」とヨーコが俯いたまま言った。

「大丈夫・・私も16で挑んだよ、あなたなら出来る・・私が全て教えるから」とミサキが優しく言った。

それでヨーコが顔を上げて、立ち上がり2人を見た。

清楚な雰囲気を振り撒いて、美しく微笑んだ。

「頑張ります・・必ず面接に合格して、この場所に来ます」と言って深々と頭を下げた。

ミコトもミサキも笑顔でヨーコを見ていた、ミサキの瞳は潤んでいた。


「よし・・約束だからね、必ず合格しろよ」とミコトが微笑み。

「本当に楽しみだよ、待ってるね・・頑張ろうね」とミサキが微笑んだ。

「はい、よろしくお願いします」とヨーコが笑顔で返した。

それからミコトが夜の仕事の面白話をして、3人で笑っていた。

私はヨーコの笑顔を見て、これで良かったと思っていた。


『ヨーコ、明日何時なら面接大丈夫?』と笑顔で聞いた。

「午前中・・11時位がいいな」とヨーコ言った。

『OK11時に、一番街の○○カ靴屋の前に来て』と笑顔で言った、ヨーコも笑顔で頷いた。

『ミサキ、大ママに伝言よろしく』と笑顔で言った。

「報酬凄いわよ~・・ヨーコちゃんなら」とニヤで返された。

ミコトとミサキに見送られ、魅宴を出た・・料金を取らなかった。

笑顔のヨーコと手を繋いで、PGの戻った。

TVルームに行くと、母とシズカが待っていた。


『マダム、松さん・・魅宴の面接受けるヨーコです、16歳です』と笑顔で紹介した。

「ヨーコです、よろしくお願いします」とヨーコが笑顔で頭を下げた。

「よろしくね・・しかしどれだけのパイプを持ってるのか、こんな可愛い子を」と松さんが笑顔で言った。

「もう大ママに答えを出したのか・・それもこんな素敵な子で」とマダムが笑顔で言った。

ヨーコは嬉しそうな笑顔で、少し照れていた。


「小僧は私達から下の世代に対しては、交友関係なら絶対、宮崎NO1ですよ」とシズカが微笑んだ。

「まぁ楽しんで下さい、その生き方の面白さじゃ・・誰にも引けをとりません」と母が笑って立ち上がった。

母とシズカがマダムと松さんに、お礼を言って、ヨーコとTVルームを出た。

マダムと通りまで送って、母に保証人の話を聞いた。

「もちろんOKよ・・飛鳥にそう言って」と母が笑顔で言って、3人でタクシーに乗った。

私はマダムとタクシーを見送った。


「大ママ喜んだじゃろう」とマダムが笑顔で言った。

『今夜は出し惜しみした、遠くから見せたよ』とニヤで返した。

「お前が怖いよ」とマダムが笑って、2人でPGに戻った。

私は指定席に戻った、シオンとマキが休憩していた。

シオンの楽しそうな表情が、少し変化していた、マキとの会話を楽しんでいた。


私が指定席に座ると、蘭が満開でやって来た。

『ご機嫌だね・・蘭』と笑顔で言った。

「最高の気分よ・・素敵な母さんが出来たんだから」と満開で微笑んだ。

『だから蘭は、好きになるって言ったろ』と笑顔で返した、蘭も満開笑顔で頷いた。

「長女は何て言ったの?」と蘭が真顔で聞いた。

『おっかさんって呼んだよ・・さすがだろ』とニヤで言った。

「最高~・・4姉妹」と最強満開で微笑んで、戦場に戻った。


「今夜の出だしの騒ぎは、何だった?」とカスミが不敵で来た。

『マキの採用挨拶で、母親が来たんだよ』と笑顔で返した。

「なぜ蘭姉さんが抱かれる・・・まさか!お前のか!」と驚いて言った。

『内緒にしてね』とウルウルで返した。

「あ~もう、私も話してみたかったのに」とカスミがすねた。

『また来るよ、俺は嫌だけど』とウルで返した、カスミは最大不敵を出して銀の扉に消えた。


私はその時寂しさと戦っていた、指定席に座るとマチルダを思い出した。

輝くプラチナブロンドをフロアーに探した、どんなに探しても見つけられなかった。

《ユリカ・・俺はまだまだだね、寂しいよ・・マチルダを探してしまうよ》と目を閉じて心に囁いた。

暖かい波動が包んでくれた。


「エース・・立ちなさい」とマキの静かな声がした、目を開けてマキを見た。

美しい立姿で胸の前で、右手の拳を開いた左の手の平に当てていた。

真剣なマキの瞳を久々に見て、その視野と感性の広さを再確認していた。

私はお客から気付かれない場所に立った、沢山の女性達の視線を感じた。


「お前一人が寂しいんじゃない・・全員寂しさを抱えている。

 そして1番寂しいのは・・マチルダだろ、一人で旅するマチルダだろ。

 その精神の曲がりを補正する、構えて」


マキは小さな声で強く言った、シオンが真剣な目で見ていた。

私は腹筋に力を入れて、少し腰を落とした。

「甘えるな、自分に甘える事は・・私が許さん」とマキが真顔で言った。

そして美しい構えで、強い正拳を私の腹筋に入れた。

マキはそのまま動かない、私はマキの想いが伝わってきて嬉しかった。

『ごめんねマキ・・反省したよ』と真顔で返した、マキは笑顔を返しシオンの方に歩いた。

強く熱い波動が来た、ユリカの正拳のような波動が。


「マキちゃん素敵です・・シオン、感動しました」とシオンが真顔で言った。

「ありがとう、シオン姉さん・・私エースにはあれしか出来ないの」と笑顔で返した。

「マキちゃん違います・・あれが出来るのが素敵です」とニコちゃんで言った、マキも笑顔で頷いた。

私が席に座ると、ユリさんの薔薇と蘭の満開が、マキを見ていた。

私はマキの私に対する、唯一の愛情表現が好きだった。

全力で殴る、その時に気持ちが全て拳に乗ってくる。

だから体の奥まで響いてくる、その直接伝える行為が好きだったのだ。


終演前のフロアーの空気が少し変化した、マキの正拳は他の何かも砕いた。

シオンの隣で、サインを覚えるマキは・・その無変換の伝達を身に付けていた。

私は気合を入れなおし、大学ノートを出した。

明日の共同体の話し合いの、自分の頭を整理して書いていた。

色々と思いつき、ニヤニヤで取組んでいた。

マキの正拳の言葉が、寂しさを砕いていた。

そして感じていた・・寂しいのはマチルダなのだと。


その時に終演を迎え、マキも含めたメンバーが10番に揃った。

私はウルで歩み寄った、マキはワクワク顔で見ていた。

「日曜からの報告を述べよ」と蘭が満開で微笑んだ。


『日曜準備の時に、ユメとウミを抱っこして体調のチェックをして。

 ユリカを抱っこ・・が日曜日。

 今日は、マチルダを西橘で抱っこして、お別れのキス。

 空港で抱っこして、さよならのキスして泣きました。

 そして・・I Love Matildaと叫びました。

 後はユリカ抱っこだけです』


「お別れと、さよならは違うんだね?」と蘭が満開ニヤで言った。

『違います・・お別れは心にして、さよならは全てに対してです』と真顔で答えた。

「上手く逃げるよね~・・少し納得させて」と満開ニヤ継続で言った。


「よし・・特殊事項」と蘭が促した。

『マチルダが思い出に、ベルトに縛っていてくれました』と笑顔で言って、ポケットのプラチナブロンドを見せた。

「日記に張るんだね」とカスミが不敵を出した、私は笑顔で頷いた。


「リーダー、どうぞ」と蘭が満開で微笑んだ。


「さっきマキの愛情表現を見て思った、どうしても【豊の道】が読みたい。

 【豊の道】とは、マキの中学卒業祝いに、エースが書き下ろした本です。

 面白そうで、私にも書き下ろしてと言ったけど。

 エースの忙しさなら、いつになるか分らんから。

 マキ・・人には見せられないかな?」


カスミがマキに微笑んだ。

「私は良いですけど・・原作者は?」とマキが私に微笑んだ。

『感想を言わないなら、OKです』とウルで答えた。

「楽しみ~」と美冬が微笑んだ、全員が笑顔で話していた。


「1つだけ、提案があります。

 今から群雄割拠に入って、何かあったり、疲れたりしたら。

 エースに言って、夜の海に行ってみて。

 素敵な世界です・・必ず元気になって帰れます。

 私が全員にその権利を与えます、キスは駄目よ。

 だから無理は絶対にしないように、全員で楽しみたいから」


蘭が満開で微笑んで、全員の笑顔が溢れていた。

「イルカちゃんに会ったのか?」とカスミが立ち上がり不敵で言った。

『10匹の群れ・・一緒に泳いで、背ビレに触りました~』と最強満開ニヤで言った。

「素敵~・・良いな~」とハルカが言った。

「私、精神的に限界かも」とナギサが華やかニヤで言った。

私も~笑顔で言い合いながら、女性達が控え室に消えた。

私はマキとTVルームに向かった。


TVルームに入るとマキが久美子の横に座って、笑顔で話しだした。

私はサクラさんが来て、エミを抱いてタクシーに送った。

戻るとマリアが起きたので、マリアを抱いてマキの横に座った。


「シズカ、噂通りだったよ・・話してて楽しかった」と久美子が笑顔で言った。

「面白いでしょ~・・なんせ小僧の姉だからね」とマキがニヤで返した。

「ここの窓から見てたよ・・あの愛情表現、素敵だね」と久美子が笑顔で返した。

「久美子のピアノで奏でる、あの愛情表現が、私には響いたよ」とマキも笑顔で言った。

マダムも松さんも、2人を笑顔で見ていた。


「楽しそうですね~・・マキ、明日10時少し前に来れますか」とユリさんが入ってきて、薔薇で微笑んだ。

「もちろん、大丈夫です」とマキも笑顔で返した。

「明日、五天女というメンバーが集まります・・マキを紹介しますね」とユリさんがマキに言った。

「はい、よろしくお願いします」とマキが笑顔で頭を下げた。


ユリさんが座ると、蘭とカスミとハルカが来た。

「ユリ・・ワシらは少し設定を変えんといかんぞ、エースは大ママの依頼の答えをもう出した」とマダムが言って。

「それも、凄く素敵な子でね~」と松さんが微笑んだ。

「まぁ・・すでに魅宴の16歳を提案したのですね」とユリさんが驚いて薔薇で微笑んだ。


『お袋が、俺が決めてた子の名前言ったら。

 マキの入店祝いに最強のライバルをって言って、シズカを貸してくれて。

 会いに行って、強く伝えました。

 魅宴が見たいと言ったので、BOXから見せたら・・弱い自分と闘って。

 最後の背中を、ミコトの言葉とミサキの強い意志が押して。

 覚悟ができたみたいです・・俺は提案しただけです。

 将来に夢を持って生きてみないかと・・16でも出来るんだと。

 そう伝えただけですよ』


私は薔薇を見ながら、少し照れて言った。

「誰なの?」とマキが真顔で聞いた。

『魅宴のヨーコ・横浜・横須賀』とニヤで言った。

「最高だよ・・私に対する提案でもあるんだね」とマキが笑顔になって言った。

『マキ・・明日リアンという女性を感じろ、ユリカの親友でライバルだよ』と笑顔で言った。

「今、確信した・・マキに対する特別は、半端じゃないね」とカスミが不敵で言った。

『同じさ、仕事の事なら・・誰に対しても、蘭を除けば』と笑顔で言った。


「ごめんね、きゃしゅみ・・私、例外の女」と蘭が満開で微笑んだ。

「見たいな~」とハルカが微笑んだ。

『蘭・・明日の11時、靴屋の前で待ち合わせしたから、見て正直な感想を教えてね』と笑顔で言った、蘭が満開笑顔で頷いた。

「面接の前に、蘭の面接があるんですね」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

『はい、その後・・五天女が見る事になるでしょうから、私の大ママに対する1つの答えです』と笑顔で言った、ユリさんが薔薇で頷いた。

「楽しみだ~・・早く来ないかな、11時」と蘭が満開で言ったときに、レンが入ってきた。

全員で店を出て、タクシーに乗ったユリさんに、マリアを渡して見送った。

マダムと松さんとハルカとマキの乗ったタクシーを見送り、カスミと手を振って別れた。


私は満開笑顔の蘭と、腕を組んで歩いていた。

夏がその力を誇示している、深夜の一番街を・・・。


ヨーコを登場させたのは、もし東京物語を書く時には、絶対に必要な存在だからです。


ヨーコは不思議な女性でした、子供の頃に悪質なシナリオに翻弄された。


しかしヨーコは一度も陰らなかった、その清楚な美しさを持ち続けた。


その褒美が来たかのように、この後、美しさも運も身に付ける。


そしてその感性で私に教えてくれる、東京PGが成功する大切なヒントを。


マキの登場による変化は、この時点で訪れていた。


その無変換で伝達する心が、何かを砕いてしまう。


マキが久美子に問うた言葉、あれこそがマキの本質である。


どうして音楽をやっているの?・・人に認められたいからなの?


マキの問いかけは、女性たちに響く・・直接伝えてくるから。


そしてマキのその言葉は、常に自分に問いかけているから。


魂の伝達者・・マキ・・その言葉は心に問いかける。


踏出した時の心に帰す・・覚悟を決めた・・その時に。






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