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もう一人の、弱い自分

晩夏の夕方、その街は活気が出てくる。

夜の街・・その独特の匂いが鼻をくすぐる。

派手目の女性が足早に歩き、ビラを配る人々が笑顔で立っている。


TVルームに戻ると、4人組と蘭とカスミが食事の準備をしていた。

松さんがマキにお茶の場所を教えていた、楽しそうな松さんの顔を見ていた。

「マキちゃん、綺麗ね~」とエミが笑顔で言った。

『そうかな~・・俺は今まで意識して見なかったから、気付かなかったよ』と笑顔で返した。

私が座ると珍しくミサが乗ってきて、笑顔を向けた。

『どうしたミサ?トオル君と進展したのか』とミサの好きだと言った男の子の名前を言った。

「今日、遊んで・・手を繋いで帰った」と笑顔で言った。

『なんだって~・・それでそれで』と笑顔で聞いた。

「トオル君・・ミサが可愛いって言った」と少女の輝き前回で笑った。

『良かったね~・・でもミサ気を付けろよ、言葉を信じるなよ』とニヤで言った、ミサも楽しそうに笑顔で頷いた。


「エミちゃん・・突っ込んで」と蘭が満開ニヤでエミに言った。

「言葉を信じるなってエースが言ったら、エースの何を信じれば良いの?」とエミが不敵を出した。

『エミ・・不敵駄目・・俺の可愛いエミが』とウルで返した。

「とことんエミには弱いな~」とカスミが不敵を出した。

『エミ・・あれが不敵だよ、嫌だろ・・あんな人になりたくないだろ』とニヤで言った。

「カスミちゃんみたいに可愛くなれるなら、一生不敵で良いよ」とエミが笑顔で言った。

「カスミ・・泣くなよ」と蘭が満開ニヤを出した。

「危なかった~・・嬉しくてウルウルした」とカスミがウルで返した。


「しかしシオン何があった、ニコちゃん継続で怖いよ」とカスミが言った。

「今日素敵な人に、最高の言葉を貰いました~」とニコちゃん全開で言った。

「誰かな~・・素敵な人」と蘭が満開で聞いた。

「エースのお母様です~」とニコちゃん全開のまま返した。

静寂が訪れて、全員が私を見た。


『マキの家にマダムと行って店番してたら、来たんだよ』と笑顔で返した。

「それで、それで、なんて言われたの?」と蘭が満開笑顔で促した。

「シオンの事を、蘭姉さんなら良かったのにと言われました~」とシオンが不敵らしいものを出した。

「シオン・・それ不敵?」と蘭が満開で笑って、全員で笑った。

「シオン、それは不敵じゃなくて不思議だよ」とカスミが言って、シオンがニコちゃんに戻って舌を出した。


「しかしやばいな・・よりによってシオンを見るとは・・カスミなら良かったのに」と蘭が最強満開ニヤで言った。

「なぜ、きゃしゅみなら良かったのか・・述べよ」とカスミも最強不敵で返した。

「私が凄く、家庭的な女に見えるからよ~」と蘭が満開で笑った。

4人組は箸を止めて、爆笑していた。


「マキ・・母親攻略法を述べよ」と蘭が満開ニヤで言った。

「蘭姉さん、心配ないですよ・・そのままで会えば」とマキが笑顔で言った。

「エースを許して・・その程度じゃ驚かないわ、あんたとシズカの母親よって言ってました」とシオンがニコちゃんで言った。

「素敵だな~・・中1の息子が23の女と同棲するのが、その程度なのか~」とカスミが笑顔で言った。

「本心で、その程度でしょうね・・シズカも私達でも、その程度ですから」とマキが笑顔で言った。

「もし、マチルダと旅に出ると言ったら?」と蘭が満開で聞いた。

「その程度でしょうね・・絶対に」とマキが可愛くニヤで言った。


「やっぱり・・危険だ足枷が無い」と蘭が私に満開ニヤで言った。

『蘭と言う、手枷・足枷が有るよ』と笑顔で返した。

「よし」と言って満開で笑った。

「マキ・・エースが好きだったのは、幼稚園の先生だけなのか?」とカスミが不敵で言った。

「特別な例外を除けば、そうでしょうね」とマキがニヤで返した。

「マキ・・特別な例外を述べよ」と蘭が満開ニヤで言った。

「私と恭子です~」とマキがニヤニヤ返しをした。

「やっぱり・・そうだと思ったよ」と蘭も最強満開ウルで返した。


「エース・・バレンタイン何個位貰うの?」と久美子がニヤで言った。

『5個くらい』とウルで返した。

「それには限界トリオも入ってるのかい?」とカスミが全開不敵で微笑んだ、私はウルウルで頷いた。

「なら2個じゃねーか・・ヨチヨチ」とカスミがウルで言った。

「その2個の相手を述べよ」と蘭が満開で微笑んだ。

『今・・6歳のミユと5歳のマイ』とウルウルで返した。

「ようするに・・0って事ね」と久美子がニヤで言った。

全員がニヤニヤしていた。


「お前虫歯ないだろ」とカスミが最強不敵で笑った。

『いっぱいあるよ、マキが貰ったチョコ食べるから・・100個くらい』とニヤで返した。

「100個!」とハルカが驚いて言った。

「貰うでしょ・・100個くらい・・来年からユリカ姉さんも入るし」と蘭が満開で微笑んだ。

『ミサキもらしいぞ・・ハルカ、ミサキがね・・・・・』ミサキがユリカにニヤを返した話をした。


「やるね~ミサキ・・私でもユリカさんに、ニヤは返せない」とレンが微笑んだ。

「私も・・無理」とハルカが微笑んだ。

『何言ってるの、ハルカ・・レンはまだ仕方ないけど、ユリカにどうして姉さんを付けないの?ユリカは待ってるのに』と真顔でハルカに言った。

暖かく強い波動が来て、私はニヤしていた。


「そう思う?」とハルカも真顔で聞いた。

「私もそう思うよハルカ・・絶対待ってるよ、ユリカ姉さんもリアン姉さんも」と蘭が満開で微笑んだ。

「シオンも、リアンはそう思ってると思うよ・・ハルカちゃん」とシオンがニコちゃんで言った。

「はい・・嬉しいので、頑張ってみます」とハルカが笑顔で言った。

『ハルカ・・頑張る事じゃないよ、自然にね』と私がハルカに笑顔で言った。

「ハルカ・・エースの前で言ったんだぞ、本人に言ってるのと同じだよ」とカスミが不敵を出した。

「あ!・・そうでした」とハルカが照れて笑った。


「でも、ハルカ姉さんやっぱり凄いです、裏方の時に認められてたんですね・・私も17でデビューできるように頑張ります」とマキが笑顔で言った。

『マキ・・駄目だぞ、記録更新を狙う気持ちがないと・・タイ記録は出せん』とニヤで言った。

「はいエース・・私にも抱っこと、お熱添い寝あるんだろうね~」とニヤで返された。

『それは・・照れるかな~・・無理だな~』と照れた笑顔で返した。

「マチルダに電話して、エースが差別したって、リンダに伝えてもらおう」とニヤニヤできた。

『分った・・抱っこも添い寝もします~』とウルで返した。

「これは蘭姉さん、今からが楽しみですね~・・マキの存在」とカスミがハルカとレンに不敵を出した。

「本当にね~・・レンとハルカとマキで、銀河を狙うらしいから~」と満開笑顔で言った。

「有名人の辛いとこだな・・狙われるのわ」とカスミが不敵で4人組を見た。

楽しげな雰囲気に松さんも嬉しそうだった、久美子とマキの存在があるからだろうと思っていた。


女性達が準備に向かい、シオンがマキに指定席でサインを教えていた。

久美子はマキの初日の緊張を和らげるように、楽しげなジャズを弾いていた。

私はエミとミサと食事をしていた、そこにマダムが帰ってきた。

「松よ~・・マキ見て何か感じたか?」とマダムが笑顔で聞いた。

「何か懐かしく感じましたね・・全体的な輝きが」と松さんが答えた。

「さすが松じゃね・・あの子の名前は母親の源氏名・・真の希望で、真希じゃよ」とマダムが笑顔で言った。

「えっ!そうなんですねマダム・・母の源氏名だと聞いたけど、真希だったの」と松さんも驚いてマダムを見た。

「よろしくな松・・鍛えてやってくれよ」とマダムが微笑んだ。

「私に出来る事は全てしますよ・・真希の娘ならば」と松さんも笑顔で返した。


食事が済み、指定席に向かうと、蘭がもうフロアーに出ていた。

蘭がマキを連れて、入ってくる女性を紹介していた。

私は指定席に座って、マキの笑顔を見ていた。

マキの存在を感じてか、女性の入りが早かった。

蘭とカスミの漫才に、マキが突っ込んでるようで、9人衆を驚かせていた。

久美子が早目の時間で止まった、そしてマキを一瞬見て集中した。

激しいリズムの曲が流れた、久美子は最初から最後まで腰を浮かせて叩いた。

強い音が響き渡り・・魂の音色が、マキの入店を祝福した。

弾き終わり久美子が全員の拍手の中、頭を下げてマキに微笑んだ、マキも微笑んで返した。


「久美子ちゃんまた1段上がったね、マキが来て嬉しいんだね」と後からユリカが言った。

『ユリカ・・さすが夜の掟』と笑顔で振向いた。

「変な称号言わないの・・恥ずかしいでしょ」とユリカが爽やか笑顔で言った。

その時ハルカが来て、ユリカに笑顔を向けた。

「ハルカ・・さぁ言ってごらん」とユリカが爽やか笑顔で言った。

「おはようございます・・ユリカ姉さん」とハルカが言って、少し照れていた。

「嬉しいよ、ハルカ・・待ってたんだよ」と笑顔で言った、ハルカも嬉しそうに微笑んだ。

その時ユリさんが入場した、珍しく真赤なドレスを纏っていた。


マダムと徳野さんとボーイも揃い、ミーティングが始まった。

私は女性達の後ろに立った、ユリカは指定席で待っていた。


「今夜集まってもらったのは、裏方に16歳の子を入れるから紹介をする・・マキ」とマダムが呼んだ。

マキがアダムの横に立った。

「名前はマキじゃ・・当面はハルカの時と同じ感じでいく、当然フロアーを目指している・・質問は?」とマダムが聞いた。

カズ君が手を上げて、マダムが指名した。

「16歳という事ですが、身元保証人は誰ですか?」とカズ君が真剣に聞いた。

「私です」と言ってユリカが出てきた、女性とボーイの驚く表情が見えた。


「マキ・・彼女の全ての責任は。

 全て私・・ユリカが負いますので、皆さん鍛えて下さい。

 よろしくお願い致します」


ユリカは美しい姿勢で、全員に向かい深々と頭を下げた。

マキはユリカを見ていた、そして深々と頭を下げた。


「了承してもらえるかの?」と固まってるカズ君にマダムが言った。

「も、もちろんです・・全く異存はありません」とカズ君が慌てて答えた。

「それではマキ、皆に挨拶を」とマダムが促した。


「マキと申します・・若輩者ですが、挑戦を強く心に誓いました。

 自分の可能性を信じて、今から頑張りたいと思います。

 至らぬ点が多いと思いますので、皆様のご指導お願い致します。

 なにとぞよろしくお願い致します」


マキは堂々と言って、深々と頭を下げた、全員が返礼して拍手をした。

マキは嬉しそうに笑顔で答えた。


「ユリ・・何かあるか?」とマダムが言った、ユリさんが頷いた。


「また16歳の子を迎えます・・ハルカとは違った意味で期待します。

 自分で職業として憧れて来たと、マキは言いました。

 その想い、見せてもらいましょう・・その行動で。

 シオンのデビューも近いと感じます、マキがサインを覚えたら。

 シオンをサービスに入れます、明日からホノカも週2で入ります。

 エースの共同体の提案の話を、明日詰めて決めます。 

 いよいよ来ます、群雄割拠の戦国PGが。

 闘わない者は去るべきです、自分と闘わない者は必要としません。

 マキが呼ばれていた、3人組の称号・・エースが名づけた、限界トリオ。

 その真意は、限界を自分で作るなとの想いだそうです。

 私も言いましょう、自らに挑戦しない者は、必要ありません。

 状況に甘える者は、満足したと判断します。

 戦国の世なら、それは死を意味するから。

 闘いましょう・・私にもいます・・もう一人の弱い自分が。

 その弱い自分にだけは負けたくない、そう思ってここまで来ました。

 PGの女だと誇りがあるなら、闘いましょう、弱き自分と。

 他のお店に行った時に、見せて下さい・・闘う姿を。

 私はそれだけを期待します、闘えますね?」


ユリさんの熱く強い言葉が響いた。

「はい」と全員が返事で返した、マキは立ち尽くして見ていた。

その自分の目指す世界を見て、喜びを感じているようだった。


女性が円を描き始め、ユリカがマキとシオンと私の所に来た。

「それでは今夜も開宴しましょう」とユリさんが言って「はい」のブザーを鳴らした。

マキはシオンと指定席に行き、私はユリカを送ろうとしていた。

「ユリカ姉さん、本当にありがとうございます」とマキが頭を下げた。

「マキ・・そう思うなら、全力を見せてね」と爽やかに微笑んだ。

「必ずお見せします・・全力で生きる姿を」とマキも笑顔で返した。

シオンはマキを見ていた、シオンの真剣な瞳があった。


ユリカと腕を組み裏口に歩いていて凍結した、シズカが満面の笑みでユリカに駆け寄った。

「ユリカ姉さん見てました、本当にありがとうございます」と言って笑顔で頭を下げた。

「本当に良い友達なんだね、嬉しくなるよ」と言ってユリカがシズカを抱きしめた。

そしてマダムに案内されて、母が笑顔で歩いて来た。

「ユリカ姉さん、母の律子です」とシズカが紹介した。

「ユリカさん・・本当にありがとう、マキは幸せです」と母が笑顔で頭を下げた。

「ユリカです、よろしくお願いします・・身元保証人は私自身が選んだ事です、マキの将来性を信じて」とユリカも笑顔で頭を下げた。


「お時間は大丈夫ですか?」と母が微笑んだ。

「全然、大丈夫です」とユリカが笑顔で返した。

ユリカは母と並んで笑顔で話しながら、マダムの後を歩いた。

マダムがシオンにサインを振らせ、ユリさんと蘭を呼んだ。

マキが立って、母に笑顔で頭を下げた。

「マキ頑張って・・16歳での採用ですから、母としてケジメを付けに来たから」と笑顔で言った。

「ありがとう、母さん」とマキも嬉しそうに微笑んだ。

マダムはその光景を見ながら、目を潤ませていた。


そしてユリさんが来た、薔薇の笑顔で母に近付いた。

「ユリ、本当にありがとう・・あなただから任せます、年齢を忘れて厳しくやって、マキは応えると信じています」と笑顔で言って頭を下げた。

「分りました・・私もこれだけの素材ですから、全てを見せます」と薔薇で微笑んで頭を下げた。

「しかし想像を遥かに超えるわね、あのたのその姿・・妖怪みたい」と母が楽しそうに笑った。

「お姉さん、妖怪はあんまりです・・別人かとと言うものですわ」と薔薇ニヤを出した。


「感動してるのよ・・そこまで辿り着けた女性を、私はもう一人しか知らない。

 千花という店にいたNO1だけです、あなたはその女性に肩を並べています。

 その子が今生きてたら、本当に喜んでると思います。

 ユリ、闘って・・絶対に負けないで、必要なら馬鹿息子の全てを使ってかまいません。

 私の息子は絶対に諦めない、それだけが取り柄ですから。

 たまに見に来るから・・ユリが美しく生きる、この世界を」


母は笑顔でそう言った、ユリさんも薔薇の笑顔で頷いた。

そしてユリさんの後に蘭が立った、私は驚いた満開の笑顔の後に、青い炎が見えるようだった。

「それでは姉さん・・紹介します・・蘭です」とユリさんが言った。

「蘭と申します」まで蘭が言ったときに、母が強く蘭を抱いた。


「固い挨拶はいらないよ・・娘でしょ、私は今幸せよ。

 小僧は探し出したのね、そしてあなたは現時点では受入れてる。

 それだけで良いよ、焦って答えを求めないで。

 私はあなたを娘と思いたい、私の次女と思いたいの。

 将来どんな結果になっても、その事実は消えないほどの母娘に。

 蘭・・ありがとう、小僧の成長が嬉しかった。

 そしてあなたに出会って、本当に嬉しいよ。

 さぁ言ってごらん・・あなたの言い方で呼んで」


母は体を逸らし笑顔で蘭を見た、蘭は満開で笑った。

「母さん・・ありがとう」と言って蘭が照れて抱きついた。

「80点・・照れがあるのね」と笑顔で言って抱いていた。


「ごめんね蘭、仕事前に集中を乱して、私達には時間が有るから、今度ゆっくり話しましょう」と母が笑顔で体を離した。

「母さん大丈夫です・・私はプロです、妹にその背中を見せます」と満開笑顔で返して頭を下げて、戦場に戻った。

「姉さん、嬉しそうですね、・・蘭が次女ですか?」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

「そう今からどうしても長女になって欲しくて・・ユリカちゃんに」と母が笑顔で言ってユリカを見た。

ユリカは一瞬驚いて、そして笑顔になった。

「ありがとう・・ママ」とユリカが爽やかに微笑んだ。

「ユリカがママって言うと・・飛鳥のような気分になるね」と母がウルで返した。

ユリカも私も母からアスカの名前が出て、驚いていた。


「じゃあ・・おっかさん」とユリカが爽やかニヤで返して、抱きついた。

「シズカ・マキ・・良かったね、変な姉さんが出来て」とユリカを抱きしめて微笑んだ。

「変ですか?・・この程度で、あなたの娘ですよ」とユリカが潤む瞳でニヤをした。

「ユリカ・・私の事も読んでね、あなたに伝えたい事が沢山あるから」と母が笑顔で返した。

「そうします、ありがとう・・母さん」とユリカが微笑んで、一筋の涙を見せた。

母はその涙を指で拭いて、笑顔でユリカを見ていた。


「律子さん!・・ご無沙汰しています」と徳野さんが慌てて駆け寄った。

母はユリカと体を離して、徳野さんを見て笑顔になった。

「徳ちゃん・・生きてたの~、良かった」と母が笑顔で言った。

「勘弁してください・・あれから2年で足を洗いました」と笑顔で返した。

「明日、勝也が来ます・・今の徳ちゃん見て、喜ぶよ」と母が笑顔で言った。

「本当ですか・・勝也兄さんに会えるんですか」と徳野さんは嬉しそうだった。


「徳・・マキをよろしくお願いします、勝也と私の娘と同じ存在です。

 だから厳しく指導してね、あなたのその経験で。

 遠慮したら、勝也が怒りますよ・・徳ちゃんが側にいると知ったら。

 勝也は本当に喜ぶでしょう、勝也が仲間と思った男だからね。

 あの焼け野原に、資材を運んだ徳を見て・・その夜に勝也は泣きました。

 徳は男だと言って・・だから足を洗うのにこだわったのよ。

 仲間だと、友だと認めていたからよ。

 勝也は明日以降、ちょくちょく顔を出すでしょう。

 だからマキに厳しく教えて・・若さで道を間違えぬように」


母は笑顔の徳野さんに、笑顔で伝えた、あえて私の事は伏せていた。

「分りました・・引き受けます、ここの全ての女性と同じ扱いで」と徳野さんは笑顔で言って頭を下げた。

「ありがとう、ユリも徳ちゃんも仕事に戻って」と母が笑顔で言って、2人を見送った。

「マダムとお話しするから、ユリカ少し時間ある?」と母がユリカに微笑んだ。

「もちろん、ご一緒します」とユリカが爽やか笑顔で、横に並んだ。

「私、邪魔しないので、少しここで見てて良いですか?」とシズカがマダムに聞いた。

「もちろん良いよ・・小僧の席に案内しな」とマダムが私に微笑んだ。

「じゃあ小僧・・シズカをよろしく、私はユリカに聞きます・・あなたの波乱万丈を」とニヤで言って母がTVルームに歩いて行った。


「ほら・・何ぼさっとしてるの」とシズカが手を引いた、私はウルで案内した。

シズカを指定席に座らせた、客は7割入っていた。

シズカは興味津々でフロアーを笑顔で見ていた。

マキはシオンの隣に座り、サインを繋ぐシオンを見ていた。

女性たちも、マキの為に簡単なサインを頻繁に飛ばした。

蘭が満開笑顔を振り撒いて、青いオーラを背負い歩いていた。


「凄いね~・・皆輝いてる、マキは最高の場所に来たね」とシズカが私に微笑んだ。

『あんまり興味津々にするなよ・・狙われてるぞシズカと恭子』とニヤで返した。

「それは嬉しい事だね~」とニヤで返された。


その時にカスミが来た、シズカはカスミを見て固まっていた。

「エース・・若葉あるか?」とカスミが聞いた。

『有るよ・・カズ君に回しとく』と笑顔で返した、カスミも笑顔で頷いてシズカを見た。

「まさか・・挑戦者かな?」と輝く笑顔で聞いた。

「かかってこいって言わないで下さいね、導火線に火が点きますから・・シズカと言います」と言って立って頭を下げた。

「そうなの!・・会いたかったよ、カスミですよろしく」とカスミが微笑んだ。

「豊君の言った通りだ・・自分の出会った女性の中で1番美しいって、言ってました」とシズカが笑顔で言った。

「仕事中に泣かすなよ・・また遊びに来いよ」と微笑んで背中を向けて。

「シズカ・・もし、もし挑戦したくなったら・・かかってこい、全力で」と振向かずにそう言って戦場に戻った。

シズカはカスミの背中を見ながら、嬉しそうに笑っていた。


「お邪魔したらいけないから・・次はマリアちゃん」とシズカが立ち上がり、私の手を引いた。

私はウルウルで手を引かれ、TVルームに向かった。

TVルームには松さんと久美子と3人娘しかいなっかた。

私はシズカを松さんと久美子に紹介した、久美子が驚いて笑顔を向けた。

そしてエミとミサを紹介して、マリアの寝顔を見せた。

シズカはマリアの寝顔を笑顔で見て、久美子の隣に座り話始めた。


『松さん・・マダムは?』と真顔で聞いた。

「3人で、魅宴に今行ったよ」と松さんがニヤで言った。

「行ってきて良いよ、私ここで待ってるから」とシズカがニヤで言った、私は真顔で頷いてTVルームを出た。

通りを走って、魅宴のビルの下で、裏口から入る3人を見た。

裏階段を駆け上がって、魅宴のフロアー裏で追いついた。

私はこの時にはまだ理解してなかった、母と大ママが知り合いだとは思ってもいなかった。


大ママは裏から、フロアーを見ていた。

その後姿に、母が声をかけた。

「よくそこまで辿り着いたね、飛鳥」と優しく声をかけた。

大ママが振向いて、大粒の涙を見せて母に抱きついた。

「真希が喜んでるよ、今の飛鳥を見て・・飛鳥こそが託せる存在だと、言っていたからね」と母が大ママを抱きしめて、優しく伝えた。


「あの時に・・真希姉さんが拾ってくれなかったら。

 そして律子姉さんが、本気で怒ってくれなかったら。

 私はどうなってたのか・・本当にありがとう、姉さん。

 今の言葉で・・私は救われた、これまでの全ての事が」


大ママは母に抱かれて、号泣していた、それをマダムとユリカが優しい瞳で見ていた。

そのまま小さな事務所に入り、母が大ママを正面から見た。


「飛鳥・・知ってると思うけど、真希の忘れ形見が挑戦する。

 見守って欲しい・・飛鳥に。

 今この街で、唯一真希の本質を知る・・飛鳥に。

 私は真希の最後にいた、病院から手紙を貰った。

 その手紙にはこう書いてあったよ。

 マキが将来どんな道を選ぼうとも、背中を押してほしいと。

 そして、一人で歩ける人間になって欲しいと。

 挫折も後悔も受入れて、前に進める人間になってほしいと。

 私が唯一年下で憧れた、飛鳥のようにと書いてあったよ。

 あなたは辿り着いてる、真希があなたに見た将来像を越えている。

 私は今再会して、そう確信したよ」


母は最後に笑顔で大ママに伝えた、大ママは嬉しそうに泣きながら微笑んだ。

「見守っていきます・・私にはそれが今からの、1番の楽しみです」と大ママが微笑んだ。

「ありがとう・・でも相変わらず涙もろいね~」と母が笑顔で言った。

「最近、どっかの小僧のせいで・・拍車がかかってます」と大ママがニヤで言った。

「飛鳥気を付けて、小僧はトップを常に狙う奴だから」と母がニヤで私を見た。

「そういう所がありますよね~・・難しい方に行く感じが」とユリカが爽やかニヤで言った。


「律子姉さん・・シズカちゃん挑戦しませんかね~」と大ママが微笑んだ。

「さぁ・・本人じゃないとね、多分タイプとしてしないと思うよ」と母が笑顔で返した。

「エース・・明日の集まりで依頼しようと思ってるけど、探してくれ・・魅宴にも最強の16歳を」と大ママが微笑んだ。

『了解・・良いよ』と笑顔で返した。

「まさか!・・あてが有るのかい?」と大ママが笑顔で言った。


『一人だけ・・ただ挑戦を覚悟させれるかは、自信なし』と笑顔で返した。

「誰だい?」と母がニヤで聞いた。

『港のヨーコ・横浜・横須賀』と流行歌を出して笑顔で言った。

「なるほどね~・・店毎のイメージ作りは出来てるんだね、良いと思うよ」と母が微笑んだ。

「ちょっと・・エース頼むよ、もちろん正式な依頼だから・・報酬出すよ」と大ママが笑顔で言った。

『やってみるよ・・一週間時間下さい』と笑顔で返した。

「なんか凄いの連れて来そうだね~」とユリカが爽やかに微笑んだ。

「ユリカ・・もし小僧が口説き落としたら、素質はマキ並だよ」と母がニヤで言った、ユリカが大袈裟に手を広げて驚いた。


『お袋・・もうやめろよ、大ママの期待の瞳が怖い』とウルで言った。

「このぐらいの重圧があった方が、お前の成功率は上がるんだよ」とニヤで返された。

「エース、ミサキの為だよ・・よろしく」と大ママが笑顔で言った、私は笑顔で頷いた。


大ママと別れて、魅宴をを出た。

母がユリカの店が見たいと言って、マダムと別れて3人でユリカの店に入った。

奥のBOXに通されて、母と向き合って座った。

ユリカが準備して、私の横に座った。

母とユリカがビール、私がコーラでウルで乾杯した。

「母さんの前で、ビールは飲ませられません」とユリカが爽やかニヤを出した。

「本当に極道息子は、10年早いよ・・親の前で飲むのは」と母もニヤで言った。

私はウルウルでユリカを見ていた。


「ユリカ・・ありがとう、和尚に聞きました。

 あなたが小僧に伝えた事は、あなたにしか出来ない事だよ。

 だから小僧はあなたを愛してるのね、今日見て嬉しかった。

 マキの母親の真希にも、そういう関係の男が存在したの。

 その男は最後まで貫いて見せた、だから私も小僧に期待します。

 最後まで貫いて見せてくれると、本当にありがとう・・ユリカ」


母は笑顔で優しく言った、ユリカも嬉しそうに笑った。

「私も最近楽しいです、やっと自分の感性を受入れる事が出来ました・・小僧の存在で」と爽やかに微笑んだ。

「私も本当に嬉しい、素敵な娘が2人も増えたから」と母が微笑んで返した。

「はい・・おっかさん」とユリカが爽やかニヤで言った。

「割と好きよ・・その表現」と母もニヤで返した。

天空の要塞に響く笑い声が、新しい出会いを祝っていた。

私は母の生き方を、再確認して嬉しかった。

その自由な心が好きだった、何も他人に押し付けない生き方が。


ユリカが親父の称号の話をした後、母の事を話してくれた。


蘭はもちろん、ユリカもこの後、私の母と触れ合っていた。


ユリカが爽やか笑顔で言った、あなたも普通だと思ったよ。


あなたは気付かなかった、実の母親だから。


母さんの心は、白い心よ。


あなたは普通の男と同じ、母の幻影を追い求めてる。


その白い心に憧れる事は、母に憧れてるのよ。


私は本当に嬉しかった、心から母さんと呼べる人に出会えて。


明日、旅立つと母さんに言ったら・・抱きしめてくれたよ。


そして言ってくれた、ユリカ・・負けて良いのよ。


敗北を選択しても良いのよ、何も恥ずべき事じゃない。


堂々と帰って来てね・・そう言ってくれたよ。


ユリカが俯いて震えていた、私はユリカを抱きしめて切なかった。


ユリカの、温度の揺れの激しさに、鼓動の揺れの激しさに・・私は泣いていた。


私は母の生き方に確かに憧れていた、そのどこか自由な生き方に。


父の棺に母がそっと入れた、ユリカと蘭とシズカとマキの映る写真。


そしてもう一枚、色褪せたモノクロ写真。


そこに写る女性の美しさに目を奪われた、その華やかさに。


「これが・・真希よ、最初の女帝」と母が言った。


「ユリカ・・親父は最後まで、ユリカの事を想っていたよ」と母が私に言った。


強烈な波動が棺を包んでいた、貫き通した男を見送るために。

 

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