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時代の色彩

生命の起源である大海原から現れた、艶々と光り輝く表皮。

その瞳の圧倒的優しさに触れて、人は何かを思い出す、遠く懐かしい故郷を。

暗黒の闇も、漆黒の海面も恐れる事はない、必ず見ている月か太陽が。


マチルダを抱きながら、私は最高の状態を感じていた。

そして衝動と闘っていた、マチルダと共に世界を歩きたいとの衝動と。

「心配しないで、いつか必ず迎えに来るから・・私達には必要だから、蘭姉さんとエースが」とマチルダが優しく囁いた。

『うん、俺もそれまでに、やらなければ成らない事が、まだまだ沢山有るからね』と囁いて返した。

「そうだよ、勉強してね・・事実を受入れる為に」と顔を離し、輝く笑顔で私を見た。

『了解、頑張るよ・・いつかリンダとマチルダの助けが出来るように』と笑顔で返した。

「誓いの儀式をして・・月に誓って」そう微笑んで、マチルダは瞳を閉じた。

私はマチルダに唇を重ねて、月に誓った。


《必ず到達します、事実を受入れて、それを心で語れる人間になるよ》と誓った、マチルダの唇から想いが伝わってきた、そして強い波動が来た。

唇を離し、マチルダを見た、最高の輝く笑顔で私を見た、私も笑顔で返した。

マチルダが船首に笑顔で座り、私はシートを丸めて、碇を上げてエンジンをかけた。

「ライセンス必要無いの?」とマチルダが輝きニヤで言った。

『必要だよ・・海を愛してない人には』とニヤで返した。

マチルダの輝くプラチナブロンドが風に靡いて、最高の笑顔でウィンクして頷いた。


陸の人工的な明かりを目指して、波を乗り越えて進んだ。

マチルダの、完全復活の美しい笑顔が、月光に照らされて輝いていた。

桟橋に横付けして、マチルダを降ろし、モーターのスクリューを上げた。

ロープで縛り、シートを抱えて、益田の爺さんに燃料代を支払った。


「おっ、西洋のお嬢さん、良い者に出会ったかの?」とマス爺がマチルダに、シワシワ笑顔で言った。

「最高のイルカちゃんに会いました、珍しいんですか?」とマチルダが輝く笑顔で返した。

「奴らは、感じるんじゃよ・・自分達を必要としてるかどうかを、良かったの~届いたの」とマス爺が笑顔で答えた。

「そうなんですか!・・最高です」とマチルダも最高の笑顔で返した。

『マス爺・・早急にあと2回あるから、よろしく』と私も笑顔で言った。

「おう、いつでもいいぞ・・どんなオナゴか楽しみじゃわい」とシワシワ笑顔で言った。

マス爺にマチルダと礼を言って、カズ君のチャリで夜街を目指した。


「また、連れて行ってくれる?」とマチルダが後から叫んだ。

『もちろん、何度でも行くよ・・次はシオンが連れて行ってくれた、特別な場所にも行こう』と叫んで返した。

「ありがとう、次の約束を沢山してくれて」とマチルダの元気な声がした、その声が嬉しかった。


PGの指定席にマチルダを座らせて、シオンに休憩をさせた、金曜の夜で満員状態だった。

「マチルダちゃん、凄く元気が出ましたね」とシオンがニコちゃんで言った。

「うん、シオンもエースが連れてってくれるよ・・最高の場所だったよ」とマチルダが輝きながら微笑んだ。

『シオン、デビュー前までには、連れて行くからね』と私もシオンに微笑んだ。

「凄~く、楽しみに待ってます」と最高のニコちゃんで言った。

「・・・・・・」マチルダが英語で話しを、シオンに振った。

「・・・・・・」シオンも最高のニコちゃんで返していた。


私はハルカポジションについて、全員を確認した、女性達は集中の中にいた。

ユリさんの歩く姿が、完璧な姿勢で、圧倒的な美を振り撒いていた。

蘭とナギサはすでに、別の世界で生きているようで、その存在感が輝いていた。

四季が笑顔でサインを繋ぎ、ユメ・ウミとのコンビネーションも、スムーズになっていた。

究極の6人チェンジを見せていた、そしてカスミが輝きを放っていた。

内面の輝きが溢れて、温もりのある優しい笑顔も出ていた。

《まずは、ホノカの加入で1段上がるな・・そこからが楽しみだね》と心で囁いた、優しい波動が返って来た。


11時30分に、マチルダを連れて出かけた、通りで大勢の人々の視線を受けて、腕を組んで歩いた。

先に魅宴に2人で寄った、フロアーを後から覗いた、満席だった。

マチルダも興味津々で見ていた、ミサキがミコトに連れられて動いていた。

淡い輝きが増していて、私も笑顔で見ていた、客を見送ったリョウが休憩に戻って来た。


「マチルダ!・・魔法かけてもらったね」とリョウがマチルダに、涼しげニヤで言った。

「はい、強力なやつを・・でもリョウも、綺麗だね~」とマチルダも輝きながら微笑んだ。

『リョウ・・ホノカ、週2のペースでPGに入るよ』と私もリョウに微笑んだ。

「それは素敵な事だね~、ホノカがクラブを、それもPGを経験するのは」と美しく微笑んだ。

「やっぱり素敵な仲間だね、銀河の奇跡」とマチルダも笑顔でリョウに言った。

「マチルダ、私とカスミの中じゃ、マチルダも銀河の奇跡の一員だよ、ホノカも会えばそう思うよ」と涼しく微笑んで、控え室に戻った。

マチルダはその背中を、最高の笑顔で見送っていた、嬉しそうな笑顔だった。


「どうしてあんな、素敵な表現が出来るんだろう、最高だよ・・嬉しい」とマチルダが私に微笑んだ。

『自分を認めてるから、だから他人を否定しないんだね』と笑顔で返した、マチルダも笑顔で頷いた。

ハルカが来て、3人で魅宴を出た。

通りで右からマチルダ、左からハルカが腕を組んだ。

私はニコちゃんで、ユリカの店に行った、ユリカが奥のBOXを示した。

マチルダが奥にハルカがその隣に座って、私が向かいに座った、店の静寂が暫く戻らなかった。


「私、営業中は初めて来たよ、やっぱり凄いな~、ユリカさん」とハルカが微笑んだ。

「ハルカも凄いよ、私でもハルカみたいな17歳には、初めて会ったよ」とマチルダが微笑んだ。

「マチルダさんに言われると、最高に嬉しいです」とハルカも最高の笑顔で返した。


「マチルダ・・完全復活なのね、良かった~」とユリカが爽やかに微笑んだ。

「私も驚きました、どんな魔法をかけたんですかね~」とハルカが私にニヤをした。

「ハルカ、順番ね・・次は私か蘭だから、夜の海のイルカちゃん」とユリカが爽やかニヤで言った。

「素敵~、どんどんやってね・・後が詰まってるから」とハルカが美しく私に微笑んだ。

『了解、でも会えるかどうかは、分らないよ』とニヤで返した。

「会えるまで、何度でも行くに決まってるでしょ」とハルカがニヤで返してきた、ユリカとマチルダが笑顔が見ていた。

ユリカとマチルダにお休みをして、店を出た、ハルカがご機嫌で腕を組んで来た。


「明日・・抱っこ伝説よ」とハルカが私に微笑んだ、美しかった迷いの無い笑顔が。

『覚えてるよ、明日は最高の状況だよ、月末の土曜日』と笑顔で返した。

PGに2人で戻った時に、終演をを迎えた、終礼の10番席に全員が笑顔で揃った。

「今日は・・かなり楽しそうだね~、マチルダ魔法」と蘭が満開で微笑んだ。

『報告します、昼間、豊兄さんに会いに行って、日曜の招待を受けてもらいました』と笑顔で言った。

9人衆が笑顔で拍手をした。


『それから、ゴールドラッシュのセリカに会って、ローズで抱っこして、誓いの浅いキスをしました』と反省した顔で言った。

「セリカは、きちんと誓ったんだね?」と蘭が真顔で聞いた。

『はい、誓ってくれました』と真顔で返した、蘭の満開の笑顔があった。


『それから、ミサキのデビューで薔薇の花を17本贈って、魅宴のフロアーで、おめでとうのキスをしました』と笑顔で言った。

「大ママの前でか!」とナギサが驚いて言った、私はニヤで頷いた。

「よし、いよいよマチルダ魔法」と蘭が満開で微笑んだ。


『マチルダとの思い出に、今日思いついて、夜の海に2人で小船で出ました。

 添い寝して、満天の星と月を見て、誓いのキスを1度しました』


蘭を見ながら微笑んだ、蘭は最高の満開笑顔で返してくれた。

「特殊事項は?」と満開継続で聞いた。

『イルカが3頭遊びに来て、最高のジャンプで歓迎してくれました、マチルダはそれで完全復活しました』と笑顔で答えた。

「当然、私から順番で、連れて行ってくれるんだろうね~」と蘭が満開ニヤで言った。

『もちろんです、最高の海に連れて行きます』と笑顔で返した。

「なんか・・聞くだけで素敵すぎる~」と魅冬が微笑み。

「順番待ち遠しいから、早目にバンバンやるように」とカスミが不敵笑顔を出した。

「よし、リーダー連絡事項は?」と蘭がカスミに満開で微笑んだ。


「日曜日は、9人衆全員とシオンと久美子で、午前中から準備します、片付けは全員でお願いします」とカスミが言った。

「もちろん、私もナギサも手伝うよ」と蘭が微笑み、ナギサも笑顔で頷いた。

「私が知り合いの写真屋さんを呼ぶから、記念写真を撮りましょう」とナギサが華やかに微笑んだ。

全員が最高の笑顔で拍手をして、解散になった。

私はTVルームでエミを抱いて、サクラさんをタクシーに乗せ、見送った。

TVルームに戻ると、全員が揃っていた、私がマリアを抱き上げた。


「驚きましたよ、ミサキちゃんも負けず嫌いですね」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

『ハルカとリョウに対する、挑戦状でしたね』と私もユリさんに笑顔で返した。

「ミサキは芯が強いからね~、ハルカと一緒で」と蘭も満開で微笑んだ。

「それで、セリカはどんな感じなのかな?」とカスミが不敵を私に出した。

『もし外す事が出来れば・・シオンとセリカ凄い事になりそうだね、セリカって夜の匂いがするよ』とニヤで返した。

「可愛い系でも、ホノカとは違うって事か~」とカスミが輝きながら微笑んだ。

『ホノカ、楽しみだな~・・あの心の芯は、絶対に曲がらないだろうな~』とニヤニヤで言った。

「本当にカスミちゃんは、特別ですね・・完成を目指させないから」とユリさんが薔薇で微笑んだ。

「カスミの可能性が、楽しくてしょうがないのよね~」と蘭が満開で微笑んだ。

「うし、見せ続けてやるよ・・ニューカスミを」と不敵全開で笑った、美しかった。

ユリさんにマリアを渡して、見送って、一番街でカスミに手を振って別れた。


蘭とタクシーに乗ると、満開で肩に乗ってきた。

「私はいつ連れてってくれるの?本当に楽しみなんだけど」と蘭が囁いた。

『蘭、日曜の夜に行こうよ、多分潮も最高の状態だし・・日曜ならゆっくり出来るし』と囁いた。

「うん、そうしよう・・嬉しいよ」と言って瞳を閉じた。

蘭の香りに包まれて、私は完全なリラックス状態に入っていた。

深夜の夜空に無数の星が瞬いて、海を思っていた、蘭とは海に入ろうと思っていた。


アパートに着いて、タクシーを降りて、蘭を抱き上げた。

満開の笑顔を見ながら、階段をゆっくりと上がった、少し気温が下がってきたと感じた。

部屋に入り、蘭が化粧を落とし、パジャマで戻ってきた。

「罰を与える・・私よりマチルダを先に連れて行った、罰を」と満開で微笑んで、電気を消した。

私は蘭を抱き寄せて、瞳を閉じた蘭の唇にキスをした、最高の気分を楽しんだ。

『蘭、少し疲れてるね・・今夜は5秒で寝るんだよ、寝かしつけてやるから』と微笑んで、蘭を抱き上げた。

「ありがとう、私は疲れたいのよ・・こうしていたいから」と満開で微笑んで、瞳を閉じた。


蘭の鼓動が落ち着いてきて、呼吸が安定した、温度は一定の幅で安定していた。

蘭が深い眠りに入って、優しくベッドに寝かせて、腕枕で引き寄せた。

蘭の一番安心する体制を作り、額にキスをして、私も眠りに落ちた。


翌朝、自然に目が覚めて、気温が少し下がってきたのを確認した。

季節としての夏は、残暑の時期に入ってきたと、体が感じていた。

私は蘭の可愛い寝顔を、暫くニヤで見てから、ゆっくりと腕を抜いた。

洗面所に向かい、歯を磨き顔を洗って、キッチンに戻った。


トーストとハムエッグに、珍しくセロリが有ったので、セロリとキュウリのステックを添えた。

「ん~、完全復活したよ~・・幸せだから」と蘭が満開で言って、洗面所に消えた。

蘭が戻ってきて、満開で座り、朝食を2人で笑顔で食べた。


「セロリも食べれるの、食べれない物あるの?」と蘭が満開で微笑んだ。

『今までは無いよ、案外高級な物は駄目だったりして』とニヤで返した。

「フランスの時は、全部美味しかったのかな~?」と満開ニヤで、返された。

『うん、素材が何か分らない物も有ったけど・・エスカルゴも美味かった』と笑顔で返した。

「よし、楽で良いね~、好き嫌いが多いと大変だからね」と満開ニヤで答えた。

土曜日で蘭がバタバタと用意して、玄関でキスをして見送った、蘭はバスで出かけた。


朝の仕事をして、腹筋と腕立て伏せをして、シャワーを浴びた。

日記を2日分書いて、バスで出かけた、若草通りを歩いてカスミに手を振って。

靴屋を覗いて、蘭に手を振って、ユリカの店に入った。

『あれ、ユリカ1人なの?』とBOXに1人で座る、ユリカに微笑んだ。

「1人じゃいけないの、マチルダがいないと、そんなに寂しいの?」とユリカが爽やかニヤをした。

『久々に、ゆっくり抱っこ出来るから、嬉しいよ』と笑顔で言って、ユリカを抱き上げた。


ユリカは爽やかな笑顔で抱かれていた、私もユリカを笑顔で見ていた。

「マチルダ、午前中は旅の準備をするって、だからゆっくり寝かせてあげたのよ」と爽やかに微笑んだ。

『そっか~、俺も寂しいけど・・ユリカが1番寂しいね』と真顔で返した。

「私は大丈夫よ、あなたが想っていれは、マチルダの存在は感じるから」と深海の瞳を深めて言った。

『じゃあ、ユリカは、リンダの存在は感じるの?』と真顔で聞いた。

「そうよ、存在だけは感じるよ、どこにいるかとかは、分らないけどね」と微笑んだ。

『嬉しいな~、ユリカが感じてるのが』と笑顔で返した、ユリカも爽やかに微笑んで瞳を閉じた。

私はユリカの、重みと温度と鼓動を確かめて、何も考えずに、ユリカの吐息と香りを楽しんでいた。


ユリカが深い眠りに落ちて、BOXに座ってユリカを抱いていた。

ユリカは1時間ほどぐっすりと眠って、爽やかに目を覚ました。

2人で店の掃除と、グラスを洗って、シュークリームで休憩をした。

「蘭の次は、絶対に私を連れて行ってね」と真横のユリカが微笑んだ。

『もちろん、問題はユリカが、いつ店を抜けれるかだよ』と笑顔で返した。

「週初めなら大丈夫よ、私の店は女性がしっかりしてるから、だから私自由行動出来るのよ」と爽やかに微笑んだ。

『OK、日取りを決めてね、俺はいつでもいいから・・ユリカ、小船だよ怖くない?』と聞いた。


「怖くないよ・・マチルダの、あんな感動を感じた場所に行けるなら」と美しい笑顔を見せた。

『俺は、蘭とユリカは、絶対にイルカの出迎えを受けると思ってるよ』と微笑んで返した。

「本当に楽しみなのよ、絶対に何か大切な物を、感じるって思えるから」と深海の瞳で微笑んだ。

ユリカと店を出て、赤玉までユリカを送って、手を振って別れた。

弁当屋に行こうと振向くと、真赤なジープから手を振る姿が見えた、私も笑顔で近づいた。


『千鶴ママ、カッケーねジープ』と笑顔で言った。

「開放感が好きなのよ、冬は寒いから乗りたくないけど」と車を降りて美しく微笑んだ。

『良いな~、俺、サーフィンするから憧れるよ』とジープを見ながら、千鶴に微笑んだ。

「お昼、今からでしょ・・お店でご馳走するから、一緒に行く?」と明るい笑顔で言った。

『もちろん、お言葉に甘えるのは、得意です』と言って、笑顔で手を出した。

「こうでしょ、私も夜街で、少し有名になるかも」と楽しそうに、腕を組んで来た。

私は笑顔の千鶴と腕を組んで、ゴールド・ラッシュに向かった。


「ミコト、元気にやってる?」と千鶴が真顔で聞いた。

『元気だよ、魅宴のNO1だし・・リョウが入って楽しそうだよ』と意識して笑顔で返した。

「そっか~、ミコトには確かに、良い刺激よね~」と言った顔が、少し寂しげだった。

エレベーターに乗り、私は階数ボタンを押さずに、千鶴の正面に立った。

『千鶴・・どうしてミコトと会わなくなったの?・・俺はミコトも寂しがってると思うよ』と真顔で聞いた。

「エース・・私がピーチを抜けたくて、スポンサーを見つけて、ゴールドを出したから・・私の方からミコトに疎遠になったの」と千鶴が真顔で答えた。

『そっか~、千鶴・・千鶴に伝説の、ユリカスペシャルをしたいんだけど』と笑顔で言った。

「うそ!本当に・・最高に嬉しいよ」と美しい笑顔を見せた。

私はエレベーターの【開】のボタンを押して、千鶴の手を引いて階段まで歩いた。


千鶴を優しく抱き上げた、千鶴はバッグをお腹の上に乗せ、私の首に腕を回した。

千鶴を見ると、美しい笑顔で私を見ていた、私も笑顔で返した。

『千鶴、目を閉じて、怖くないから・・何も考えなくていいよ』と優しく囁いた。

「ありがとう、本当に気持ち良いよ」と笑顔で言って、瞳を閉じた。


私はゆっくりと階段を登った、千鶴の早かった鼓動も安定してきた。

私は慎重に優しく千鶴を抱いていた、千鶴の少し高い温度を感じていた。

《千鶴・・少し後悔してるんだね、そしてミコトに会いたいんだね》と心に囁いた、千鶴に響くように、ユリカに伝わるように。

優しい波動が返って来た、その瞬間、千鶴の温度が揺れた。


最上階で、景色を見ていた、爽やかな風が吹いてきた。

私は静かになった千鶴を抱いたまま、階段に座って引き寄せた。

千鶴の前髪を風が揺らしていた、女としての最高の季節を迎えている、美しい寝顔を見ていた。

千鶴がどうしても、抜け出したかった意味を、私は理解していた。

あのピーチなら仕方ない、あの洞窟の存在だけは許せない、そう思っていた。


正午のサイレンが鳴って、千鶴が目を覚まして、最高の笑顔を見せた。

「ごめんね、気持ち良くて・・本気で寝てたよ」と微笑んだ。

『その方が嬉しいんだよ、千鶴』と微笑んで返した。

「私も会いたいの・・ミコトに、夜街で唯一の友達だから」と真顔で言った、美しかった。

『了解、その時はきちんと気持ちを伝えてね、ミコトは絶対に聞いてくれるよ』よ笑顔で返した。

「ありがとう、そうするね・・待ってるから」と微笑んだ、私も笑顔で頷いた。

抱いたまま立ち上がって、エレベーターに乗った、千鶴が抱かれたまま3階を押した。

私は千鶴の笑顔を見ていた、本当に美しい笑顔だった。

リアンとユリカの次の世代、蘭とナギサの1つ前の世代、ミコトと千鶴と感じていた。


千鶴が私を強力に援護してくれる、私がミホと自由に会うために。

千鶴とミコトは、女性としての最高の季節に咲く、真の意味での美しさを持っていた。

ミコトはその経験からくる余裕を纏い、千鶴は常に明るさを持っていた。

20歳の銀河の奇跡では、到底その時期には届かない、圧倒的な美しさを持っていた。


ユリさんとミチル・リアンとユリカ・ミコトと千鶴・蘭とナギサ・銀河の奇跡。

そしてシオンとセリカ・ハルカとミサキ、世代の継承は続いていく。

その街には、時代を彩る、美しい女性達が常に存在する・・今現在でも。

新しい挑戦者達を、心待ちにしながら、最新型の誕生を待ちわびながら。


その後、私の心の深い部分に棲み付く、そのミコトという存在。


不思議な女性だった、美しく近寄り難そうに見える、第一印象。


しかし、本質は清々しいほどの、真直ぐな女性だった。


どんな状況でも絶対に崩れない心と、その余裕の中に、確かな優しさが有った。


魅宴という、最高ランクのクラブの、NO1に君臨していた。


ユリカが魅宴を去った時点の、ミコトが24歳からリョウに抜かれる29歳まで。


その5年間1度たりとも、NO1を譲らずに、魅宴を引っ張った。


30歳で結婚引退する時に、私に余裕の笑顔で言った。


「ありがとう、3度も泣かせてくれて、最高に楽しい水商売だったよ」と美しく微笑んだ。


17歳の私は、大きな喪失感と、寂しさを感じていた。


常に強く余裕で立っている、ミコトの姿を想っていた。


その姿に、励まされていた・・その優しい余裕の笑顔に。


ミコト・・ミコトこそが夜街NO1だったよ・・その優しさが。


俺は、堂々と酒が飲めるようになった時に・・追い求めたよ。


ミコトの余裕の笑顔と・・ユリカの深海の瞳を。


ありがとう、ミコト・・常に余裕で微笑んでくれて。


俺には、心の芯の部分の支えだったよ・・ミコトのあの・・余裕の優しさが・・。





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