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揺り篭に抱かれて

70年代も後半に入ってきていた、夜空の星は無数に瞬いていた。

熱い80年代の幕開けを前に、熱は上昇を続けていた、夜街に繰出す人々も確実に増加していた。

南九州は、特に酒を飲む文化が発展していた、今では珍しくなくなった芋焼酎の文化が。

私は魅宴を出て、通りで夜空を見上げて、蘭を想っていた・・逢いたくて。

歩きながら前方の小さな人影で、ニコちゃんになって、走り出した。


『ユリカ、またさぼってるね』とユリカに近づいて、笑顔で言った。

「寂しん坊の甘えん坊が、よく喋るから・・仕事が手に付かないわよ」と爽やかニヤを出した。

『そんなに緊張するなよ、可愛いね・・ユリカ』と笑顔で返した。

「リョウの事、マリアに任せたくせに、まぁ実質的な事はしたけどね」と笑顔で腕を組んで来た。

『ユリカ、俺の2人のリョウを個性と言ったの、どう思う?そこだけ自信ないんだよ』と真顔でユリカを見た。

「私にも何とも言えない、世間では病気と見られるけど、リョウを見るとそうじゃないと思うよね」とユリかも真顔で返して来た。

『うん、リョウが上手くコントロール出来れば、大丈夫な気がするよ』と微笑んでユリカを見た。

「あなたが見てるんでしょ、状況で判断するしかないわね」と爽やかに微笑んだ。

私はユリカを抱き上げて、階段を登った、ユリカは瞳を閉じて、静かに抱かれたいた。

最上階に着いて、夜景を見ていた、満天の星空と。


「PG終わったら、すぐに来るんでしょ?」とユリカが目を開けて微笑んだ。

『うん、走って来るよ、ダッシュで』とニヤで返した。

「明日の朝、お粥と味噌汁と卵焼き」と爽やかニヤで言った。

『了解、泣くなよ、ユリカ』とニヤで返した。

「そんなに、修行したいの~」と爽やかに微笑んだ、私はウルで首を横に振った。

ユリカを優しく降ろして、笑顔のユリカと別れた。


PGに歩きながら、風俗店を見ていた、ピーチより悪い状況があるんだろうと思っていた。

フロアーに戻ると、シオンが休憩中で、美冬と英語で話していた。

『アメリカかぶれが、2人で自慢話してる』とウルで言った。

「シオンちゃん、英会話完璧だよ」と美冬が嬉しそうに微笑んだ。

「美冬姉さんも、凄いです」とシオンも振向いて、ニコちゃんで言った。

『ど~せ俺は、ど~んとかば~んしか言えないよ』とウルウルで返した。

「先生、それは素敵な事です、それでもリンダちゃんを、感動させたんだから」とシオンが可愛い笑顔で言った。

「出来ないよ、あの愛情表現は・・本当に暖かかったよ」と美冬が微笑んだ、私は嬉しくて笑顔で返した。

美冬が扉に消えて、シオンの隣に座った。


「先生は、どんな風に覚えるのが、得意ですかね~」とニコちゃんでシオンが言った。

『先生がシオンに、沢山お話するから、それを一行ごとに英語で言って、それが良い』と笑顔で返した。

「はい、楽しそう、お話が聞けて」とニコニコちゃんになった。


シオンがハルカポジションに戻り、終演前のフロアーを見ていた、熱は冷める気配が無かった。

「さっきのが、ホノカさん?」とハルカが来て微笑んだ。

『そうだよ、銀河の奇跡でしょ』とニヤで言った。

「世界は広いね~、リンダさんに会った時と、同じ衝撃だったよ」と笑顔で言って、扉に消えた。

客が3組になり、シオンを連れてローズに向かった。

豊兄さんとの出会いの話をしていた、シオンが英訳して返すのを聞きながら。

エレベーターで最後の場面になり、シオンがポロポロ泣きながら、英訳してくれた。

シオンが可愛くて、最上階に着いて、抱き上げて少し充電をさせた。


シオンを優しく降ろして、ローズに入った、BOXに一組カウンターに2人組がいた。

レンはBOXで接客していた、可愛い笑顔が出ていて、安心した。

シオンとカウンターの隅に座った、シオンはニコちゃん継続中だった。

BOXが帰り、レンと挨拶をして、PGに向かった。

「凄い勉強になるよ、リアンさん凄いな~」と腕を組んだレンが微笑んだ。

『凄いんだよ、リアンもユリかも』と微笑んで返した。

「明日は魔女でトライか~、頑張ってみるよ」と笑顔でレンが言った。

『頑張ってね、レン・・何か見つかると良いね』と笑顔で返して、裏階段を登った。

PGは終了していて、フロアーには誰も居なかった。

レンと久美子をタクシーまで見送り、ユリカの店に走ってみた。


エレベーターのドアが開くと、ユリカが笑顔で出てきた。

『早いねユリカ、待ってたの?』と笑顔で聞いた。

「待ってたよ、今日は早じまい」と爽やかに微笑んだ。

ユリカとタクシーに乗り、ユリカのマンションに着いた。

大淀川沿いの、瀟洒な新しいマンションだった。

『さすが、ユリカ・・お洒落だな~』とユリカに微笑んだ。

「そう、あまりこだわらないけど、川が見えるからね」と言って、2人でエレベーターに乗った。

玄関に入り、中扉を開けると、大淀川が一望できた。

リビングまで腕を組んで歩き、夜景を見た、対岸のホテルの明かりが、川面に映り幻想的だった。


『素敵な所だね、ユリカらしい部屋だし』と笑顔で言った。

「らしいのイメージを、述べよ」と冷蔵庫を開けながら、ユリカが微笑んだ。

『清潔でシンプル、でも少しある遊び心』と言って、ヌンチャクを手に取って、ニヤをした。

「あら~、それを忘れてた」と爽やかに笑って、舌を出した。

『こんなに意外な物はないな、驚きも頂点だ』とニヤしていると、ユリカがビールを出してくれた。

「それでも飲んどいて、シャワー浴びてくるから・・一緒に浴びる?」とニヤを出した。

『修行はしません』とウルで返した、笑顔のユリカは浴室に消えた。

私はチビチビビールを飲みながら、ドリーム・キャッチャーを作っていた。


「何でも器用に作るわね」と頭にタオルを巻いて、ビールを持ってユリカが隣に座った。

シルクのような光沢の、白いパジャマを着て、良い香りがしてきた。

『好きなんだよ、何でも作るの』と笑顔で返して、少し緊張していた。

「そっか~、蘭は夜の仕事帰りはシャワーしないから、緊張するのか~」と爽やかニヤを出した。

『それもあるし、良い香りがしたから』と笑顔で返した。

「ソファー、寝るには小さいね」と爽やかニヤ継続で言った。

『うん、小さい』と笑顔で頷いた、ユリカのロボットになっていた。

ユリカの瞳が深海にの深さになって、立ち上がり私の首に腕を回した、私はユリカを抱き上げた。

「そこ・・それとここ」と楽しそうにユリカが指示をして、照明を消して。


「OK、その奥の扉」と爽やかニヤで言った、私が扉の前に立つとユリカが開けた。

大きなダブルベッドがあって、窓からは大淀川が一望できた。

私はそのベッドルームに圧倒されて、窓際までユリカを抱いたまま歩いた。

『この、展開と、このベッドルームだけでも、意地悪だね・・ユリカ』と微笑んだ。

「私と添い寝すると、辛いかもよ・・羊水で酔うかも」と真顔で言った。

『ユリカ、羊水は酔わないよ・・でも無理しないで良いよ』と優しく囁いた。

「添い寝してほしい、カスミちゃんの時に感じた、添い寝を私にもして」とユリカが微笑んだ。

『辛い時は言うと、約束するなら』と微笑んで返した、ユリカは笑顔で頷いた。


私はユリカを窓際に寝かせて、横に座りユリカを見ていた。

優しく深い目を見て大丈夫と思い、ベッドに入りユリカの首の下から、優しく腕を通した。

そのまま優しく私の方に向けた、ユリカは私の胸に顔を付けて静かにしていた。

震えてないユリカを確認して、少し引き寄せた、甘い香りが漂った。


「眠れそう?・・大丈夫?」とユリカが囁いた、恥ずかしいのか、顔を隠したままで。

『ユリカ、俺の事は何も気にしないで、俺は眠るのが惜しいから・・眠らないかも』と優しく囁いた。

「カスミちゃんの気持ちが分ったよ、本当に安心できるね」と囁いて。

「私は完璧な添い寝初体験だからね、1つ足しといてね」と少し上を向いて微笑んだ。

『了解、カスミは1回かもしれないけど、ユリカは違うだろうからね』と優しく囁いた。

「私は本当に良い後輩を持った、本当に優しい・・蘭は」と爽やかに微笑んだ。

『ユリカが好きなんだよ、蘭は』と微笑んで返した、ユリカは笑顔で頷いた。

少女のようなユリカが、愛おしかった、川面の反射の微かな光に照らされていた、少女の面影が。


「押さえようと思ってるけど、揺り篭出るかも」と真顔で言った。

『ユリカ、押さえなくていいよ、リラックスして、俺はその方が良いから』と笑顔で囁いた。

『ねぇユリカ、それも嫌だったの・・揺り篭に乗せる事が』と優しく聞いてみた。


「そう、結局・・羊水の揺り篭って、あなたが教えてくれる前も、感じる人は感じていて。

 好きになった人に言われるのよ、でも誰もあなたのような、探求をしなかった。

 途中で気持ち悪がったり、興味本位の方向に、走り出したり。

 私はそれが分かるから、好きな人の感情が読めるから、辛くなった。

 感情が読めるのを教えたのは、男性ではあなたが初めてよ。

 普通はそこまでは行かない、それを知ると覚めるのよ、仕方のない事なの。

 誰でも秘密はあるし、愛情で隠すこともあるわ。

 疲れるのよ、隠せない相手って・・だから私は教えなかった。

 あなたが最近してくれた、色々な事、特にお味噌汁の贈り物。

 本当に嬉しかった、あなたが見せてくれたから。

 隠せるって・・相手を想えば隠せるって、見せてくれたから。

 ありがとう、エース・・寝てるみたいだから話せたよ」


そう囁いた、完璧な揺り篭に乗せられて、私は嬉しくて目を閉じた。

ユリカが少し体をずらし、私の顔まで上がってきて、唇を重ねた。

私は我を忘れていた、羊水の揺り篭に乗り、キスをされてユリカの感情が入って来た。

目を閉じた私は、完全な透明の世界にいた、そしてユリカの声だけが聞こえた。

その声は、【私を忘れないでね】と響いてきた。

私は《忘れたりしないよ》と心で囁いて、唇からも伝えた。

かなり長い時間ユリカは唇を重ねていた、私は透明の世界に包まれていた。

ユリカが唇を離し、元の位置まで移動して、私は目を開けた。


「忘れたりしないよ?・・どこから聞こえた事に返事したの?」と爽やかに微笑んだ。

『透明の世界、ユリカの世界で・・水の外から聞こえてきた、忘れないでねって』と微笑んで返した。

ユリカは笑顔で私を見ていた、私も笑顔でユリカを見ていた。

「映像がおかしいの?今夜何か感じてたんでしょ?」と真顔で聞いた。

『今夜突然、蘭との出会いのシーンが流れた、それも蘭の視点で流れたんだよ』と微笑んで返した。


「映像が見れるようになったのは、リンダの影響だから。

 あなたがリンダを忘れない限り、残るんだと思うわ。

 でも、蘭の視点で見えたって、それを蘭がイメージしたんでしょうね。

 それを感じるのかな~、距離もあるのに」


ユリカが深海の瞳で囁いた、私はただユリカを見ていた。

『例えば、ユリカなら俺の想いは、どの辺まで感じるの?』と微笑んで囁いた。

「距離的な事は分らないけど、PGもブルーの湖の時も同じだったわよ」と爽やかに微笑んだ。

『ユリカは蘭の精神状態は読めないよね、どうしてかな?』と素直に疑問に感じた事を言った。


「あなたが私より、蘭を愛していつから、それが消えたら、私はあなたに会わないよ。

 蘭のあなたに対する感情だけ読めないの、リンダの写真とかの感情は読めるのよ。

 私に対する物も、だから私は蘭に甘えてるの、今夜もこうして」

 

ユリカは真顔で答えて、そして爽やかな笑顔になった。

『そうなんだね、ありがとう、ユリカ』と笑顔で返した。

ユリカは私の胸に顔を付けて、静かになっていた、私は軽い揺り篭状態が続いていた。

その気持ち良さと、窓の外の景色が幻想的で、最高の気分で何も考えずにいた。

ユリカの甘い香りと、寝息が聞こえていた、寝息で微かに揺り篭が揺れていた。

私はユリカの額にキスをして、眠りに落ちていった。


翌朝、陽の光で目覚めた、ユリカは私の腕の中にいた、可愛い寝顔を暫く見ていた。

ゆっくりと腕を抜き、カーテンを閉めて部屋を暗くした。

洗面所に行き、歯を磨き顔を洗った。

ユリカの歯ブラシやコップが、意外に少女趣味なのを見てニヤニヤしていた。

大きなキッチンで、冷蔵庫を開けた、食材がびっしり入ったいた。

私はご飯を確認し、2人分は有った、小さな土鍋がコンロの上に置いてあった。

《準備万端ですね~》と思ってお粥を作り、豆腐と大根とワカメ入りの味噌汁を作り。

卵焼きを焼いて、カニさんタコさんウインナーとレタスにトマトを添えた。


リビングでドリーム・キャッチャーを編んでいると、ユリカが起きてきた。

「おはよう、確かに幸せな気分になるね~」と微笑んで、洗面所に消えた。

朝食をリビングのテーブルに運んだ、ユリカが戻ってきて、最高の笑顔になった。

「確かに涙が出そうになるね、嬉しいな~」と爽やかに微笑み、箸と茶碗を出してきた。

「はい、お礼、私の家にあなたの茶碗と箸を、置いてあげます」と微笑んだ。

『ありがとう、凄く嬉しいよ・・ユリカ』と笑顔で返した。

2人で朝食を笑顔で食べていた、窓から入る川風が気持ち良かった。

「今夜から、少し寂しいかな」とユリカが微笑んだ。

『それを言うなよ、ユリカ・・俺も寂しくなるから』と真顔で返した、ユリカは微笑んでいた。

「うん、私、お熱用に、蘭も泊まれるようにしてるよ」と嬉しそうに微笑んだ。

『それは素敵だ、教えると泊まりに来るよ、蘭は』と微笑んで返した。

「よし、今度パーティーしよう、あなたのお父さん説得祝いでね」と爽やかニヤを出した。

『覚悟が出てますかね~』とウルで聞いてみた。

「無いのよね~、気配すら無いよね」と爽やかニヤを出した。

朝食を食べ終わり、二人で食器を洗って、私はシャワーを浴びた。


ユリかも化粧をして着替えていた、私はビニール袋を抱えて、ユリカと店に向かった。

ユリカの車は可愛い赤の、フォルクス・ワーゲンで、内装も可愛く仕上げてあった。

『ユリカ、運転するイメージないな~』と隣で運転に集中する、ユリカを見ていた。

「私もイメージないの・・話かけないで」と前を見て真顔で言った、その表情が可愛くてユリカを見ていた。

赤玉駐車場に停めて、ユリカのビルのエレベーターを待っていた。

「私から離れないでね・・強い何者かが上にいる」とユリカが手を強く握った。

『大丈夫だよ、ずっと付いてるから』と意識して笑顔で返して、緊張した。

最上階の扉が開き、私が先にユリカの店の方を見て、凍結した。

ユリカの店の前に、金髪の少女が体育座りして、顔を膝に付けていた。

ピンクのリュックが目に飛び込んで、最高の喜びを感じた。

『リンダ!』と私はユリカの手を引っ張って、駆け寄った。


「リンダ?」と言って、顔を上げて私達を見た、思考が戻ったのか笑顔になった。

私は人生最大の凍結を経験していた、その笑顔になる時に震えた。

リンダより少し銀の強い、プラチナブロンドの髪が煌き、瞳のグリーンに完全に確保された。

視点を合わせる時の、緑の深さの変化に息を飲んだ、淡緑が深緑に変化していった。

強い意志が大きな瞳と、その上の眉により示され、同時に優しさを湛えていた。

日本人にはありえない高さの鼻が、完璧な一本の細い筋で、頂上まで伸びていた。

肌の色はリンダよりも透明感があり、顎から首筋が美しくセクシーで。

唇は若さのためか、少し厚くそれが可愛さを引き立てていた。

理想、まさに理想のイメージだ、理想で描いていくと、こうなるんだと思っていた。


「エース」と満面の笑みで私に抱きついた、私は本当に失神しそうだった。

『ユー・わ・誰・ネーム・ファット』と全く理解不能の言葉を発し、後のユリカに笑われた。

「私は、マチルダ・・リンダの友達よ」と完璧な日本語を話して、微笑んだ。

本当に失神しそうな微笑だった。

『待って、微笑まれると、失神しそう・・なんか変な光線出してるね』と必死に微笑んで返した。

「失神ビ~ム」とビームだけ英語で言って、再び笑顔で抱きついた、私は意を決して抱き上げた。

「まぁ、どうぞ入ってくつろいでね」とユリカが笑顔でドアを開けた。

私はマチルダの至近距離の顔が、怖くて見れなかった、それほど可愛かった。

突然顎をマチルダに掴まれて、下を向かされた、可愛い顔がふてくされていた。

「ルック・ミー」とニヤをした、《なんて可愛いニヤなんだろう》と思いながら、微笑んで見ていた。


BOXに座らせて、リュックを取りに行った、戻るとユリカと英語で話していた。

『マチルダ、出会って3分で、意地悪1点』とウルで2人を見た。

「トップは何点?」とマチルダが笑顔で聞いた、飛び込みたくなるような笑顔だった。

『38点』と笑顔で返した、ユリカは楽しそうに私達の絡みを見ていた。

「明日には抜けるね、日本人は優しいのね」と不敵を出した。

《なんて可愛い不敵なんだろう》私はこの感想だけの世界に入っていた。

私がユリカの横に座ろうとすると、腕を掴まれた、私はマチルダを見た。

「私の事が嫌い?」とウルウルをしていた、私はど~んで撃たれてウルウルで返して。

『バカだな~、マチルダを嫌いなわけないだろう』と少し大人っぽく言って、マチルダの隣に座った。

ユリカが珍しく、声を出して笑っていた。


「それで、リンダちゃんの依頼で来たんですね」とユリカが爽やかに微笑んだ。


「はい、エースの周りの人々に、会ってきてほしいと言っていました。

 リンダは時間が足りなかったのを、非情に残念だったようで。

 今は忙しくて、手が離せないので、代わりに私が来ました」


マチルダが、ユリカに微笑んだ、私は緑の瞳を凝視していた、その変化が美しくて。

『マチルダ、日本語上手だね~』と笑顔で聞いた。

「私、日本産まれなの、13歳まで東京に住んでたんだよ」と少し威張った、胸の大きさに驚いていた。

『そっか~、どおりで上手い訳だね』と笑顔で返した、マチルダはリュックから小さなメモ帳を出した。

「んと~、エース・・ウルウルに弱くて、胸に過剰反応」と言いながら書いていた。

『マチルダ、可愛いね、リセットしよう今からにしよう、ねっ・・ねっ』とウルで言った。

「駄目~、今から日曜まで頑張って、ご機嫌取りなさいね」と私の頭をヨチヨチしながら微笑んだ。

『がんばりま~す』と笑顔で返した、ユリカが楽しそうに笑っていた。


「マチルダ、泊まる所は決めたの?」とご機嫌のユリカが聞いた。

「今から、場所見て探そうかと思ってます」と可愛く微笑んだ。

「私、今夜から寂しいの、泊まってくれないかな~」と爽やかに微笑んだ。

「本当に良いんですか、嬉しいです」と笑顔が輝いた、本当に輝いていた。

「夜はここだから、それでも大丈夫?」と爽やか継続で微笑んだ。

「もちろん、私はエースが、色々案内してくれますから~」と笑顔で返した、私はウルしていた。

「嫌なの?」とペンを持って、不敵を出した。

『光栄です、マチルダ姫、何なりとお申し付け下さい』と笑顔で頭を下げた。

「うむ、良い心がけだね・・エース」と言って笑った、少女の匂いが残る笑顔だった。

ユリカの笑い声を聞きながら、楽しい事の始まりを感じていた。


私は全く気付いてなかった、マチルダにリンダが託した本当の意味に。

ユリカから話を聞いていたリンダが、興味を持っていた、天使のマリアに。


ユリカの店の前に、マチルダが体育座りをしている姿は、今でも鮮明に覚えている。


その時の自分の喜びに、自らが驚いていた、リンダと思った時の喜びに。


その心に棲む大きな存在を、再認識させられて驚愕していた。


そして驚きは続く、リンダの使者、マチルダの感性に触れる度に。


マチルダは大きな影響を、皆に与える。


理想が創りだした美、微笑むだけで停止する背景。


辛い時必ず思い出す笑顔、絶対に逃げない瞳。


時と距離を無視する妖精・・緑が輝く時、笑顔が溢れる。


笑顔の配達人・・そこに誘って、笑顔にさせて・・マチルダ。













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