表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/454

洞窟の叫び

ダイアモンドの価値って何なんだろう?ただの硬い透明な石なのに。

奴隷みたいな待遇の人に掘らせて、血と汗と涙が染み込んだ石なのに。

どうして価値があるんだろう?価値ってなんなんだろう?

それを身に付けるのが、美しいわけないよね、透明に見える血に染まった石が。

TVも新聞も雑誌も嘘つきだね、シオンは欲しくない・・不幸の石なんて。

【詩音語録】


アーケードが光を遮る通りから、光射す狭い通りに出ていく、可愛い背中を見ていた。

振返り手招きをして笑った顔は、少女の輝きで溢れていた。

母親似の彫の深さが、6歳にして感じられ、未来の美しさを想像させた。


「りょう」とマリアが呼んだ、そこを見るとリョウが、中年男と立って話していた。

リョウがその声に反応して、美しい笑顔を見せた。

ミニスカートのリョウの美しさに、見惚れていた、そのスタイルと美しい立姿に。

炎天下の世界で、そこだけ涼しさを感じさせる、リョウの目が輝いた。

中年男との話を強引に打切った感じで、近づいて来た涼しい瞳で。


「3人の子持ちだったのか~」と私に涼しげな笑顔で言った。

『リョウお願い、マリアを抱いて・・2人はさすがに重いの』と笑顔で返した。

リョウは嬉しそうにマリアに手を伸ばした、マリアも天使全開でリョウに手を伸ばした。

私はリョウを観察してるエミの手を繋いで、リョウと並んでPGに向かった。

『リョウ、不倫はいけないよ~、悪い子です』とニヤでリョウに言った。

「お店のマネージャーだよ、面倒くさくて」と笑顔で返してきた。

『注意されてたね、もっと愛想よくしろって』と微笑んで返した。

「私NO1だよ、愛想良いんだよ・・お店ではね」と涼しげニヤを出した。

『俺には・・愛想悪い、リョウ意地悪2点』とウルで返した、リョウがニヤを継続していた。


『リョウ、時間有るんでしょ、お礼にPGでジュースでもどう?』と笑顔で誘った。

「ラッキー、見たかったんだよね~、PG」と笑顔で返してきた。

TVルームは誰も居ないので、フロアーに入った。

「シオンちゃーん」とエミとミサが駆け寄った、リョウはマリアを抱いてフロアーを見ていた。

「リョウ姉さん、おはようございます」とシオンがニコちゃんでリョウに言った。

リョウの名前にレンとハルカが反応した。

「おはよう、シオン・・やっぱり可愛いな~、シオンは」とリョウも嬉しそうに、シオンに笑顔を返した。

『シオン、3人娘TVルームで遊んであげて』とシオンに微笑んだ。

「了解です、シオン得意ですよ」と可愛く笑って、リョウからマリアを受け取った。


私は受付裏の小さな冷蔵庫から、オレンジジュースを2本出してリョウを誘った。

『こっちがレンで18歳、そしてこっちがハルカで17歳』とリョウに紹介した。

「ピーチのリョウです、よろしくね・・しかしさすがPG、良い子が揃ってるね~」と涼しく微笑んだ。

「リョウさんこそ、噂以上にお綺麗で、驚きました」とハルカが笑顔で返して。

「やばいと思いましたよ、エースがまた凄い人、連れて来たと思って」とレンも笑顔で返した。

楽しそうな3人を見て、リョウを1番奥の5番に誘った。

5番に座り、リョウはフロアーをじっと見ていた。


『ねぇリョウ、どうしてピーチに入ったの?』と隣のリョウに笑顔で聞いてみた。

「どっちに質問する?」と首だけ回して、猟が微笑んだ、洞窟を駆け上がる響きを連れて。

『君にだよ、猟・・狩猟の君に』と微笑んで返した。


「無理だからやめとけよ、私はお前を嫌いじゃないから」と静かな轟音で言った。

雰囲気を察したのか、レンとハルカが久美子を誘って、TVルームに戻った。

『猟、俺も猟が好きだから、教えてよ、そこまでしないと、守れないのは何故なのかを?』と真顔で答えた。

「守ってるんじゃないよ、修復してるんだよ」と体ごと私を向いた。

『猟が修復してるの?2つに別れて猟がしてるんだね?』と笑顔で聞いた。

「別れたのか、別の者なのか分らないんだよ・・今じゃどっちがどうかも分らない」と静けさを増した。

地下深くから狭い洞窟を駆け上がる、その反響の響きを感じて、考えていた。

『2人とも、自分が本体だって主張するの?』と真顔で聞いた。

「逆だよ、2人とも譲り合う・・自分じゃないと」と完全な静寂に入った。

《ここだ、この雰囲気で恐怖を感じたんだ、この静けさで来るんだ・・腕》と思って猟の瞳を見ていた。


『猟・・2人ともリョウなんだよ、守るのと修復に2人必要だったんだね』と笑顔で言った。

「一人に戻した方が、良いいと思うのか?」と少し声のトーンが上がった。

瞳が動き出した、少し水分が増え、涼しさも増した。

『猟、抱っこしていい?俺はそうしないと、分らないんだ』と微笑んだ、猟が真顔で頷いた。

私は猟を優しく抱き上げた、素足の太股にも何も感じなかった、集中していた。

間近の猟の瞳は映し始めた、泥沼から中指が出て、少しずつ正体を見せた。

『猟、小さな洞窟は何?腕は関係ないよね、洞窟だよね問題は』と真顔で猟の目を見て言った。


「閉じ込められてた、さっきの真ん中の女の子位の時に。

 母親が再婚した相手の男が、閉じ込めたんだよ・・私が邪魔で。

 その当時の私の家は、宮崎市の外れで家の裏に、防空壕がまだあった。

 私が何か些細な事をしても、そこに連れて行かれたんだよ。

 怖かった、暗くて寒くて・・でも逃げ出せなくて・・泣いてたんだよ。

 小学校4年頃から、その男の暴力がはじまって、毎日殴られた。

 母親もしつけと自分に言い聞かせて、見て見ぬ振りを続けた。

 そして中2の」


そこまで言った時に、私が止めた・・聞かなくても想像できた。

『猟、もういいよ、分ったから・・辛かったね、寂しかったね』と真顔で猟を見ていた。

『でも、なんで?・・猟はもう独立して、家を出てるんだろ?』と真顔のまま聞き返した。

「さっきの男が、その男だよ・・逃げられない、母親を人質に取られてるようなもんだから」と叫んだ、初めて聞いたリョウの本当の声だと思った。

猟の瞳に映る腕が力の限り、外に出ようとしていた、潤み出した瞳が光った。

その潤ませてる純水が、瞳から溢れた、私は5番に座って猟を抱きしめた。

震えていた、何かと闘いながら、私の背中に爪を立てた。


『猟、話してよ、相手の男の事を・・話すだけで良いから』と猟の耳元に優しく囁いた。


「元市役所職員、なんかヘマして辞めた・・でも今でも顔がきくから。

 夜街じゃ誰も手が出せない、なんか言ったら保健衛生とか風紀なんて事で。

 徹底的にやられるのを、皆知ってるから。

 母親は今病気療養中で、私が引きとるには、金が必要なんだよ。

 でも私は水商売しか出来ないし、そうなるとピーチでしか働けないんだよ」


私にしがみつき、震えながら言った。

『猟、ピーチにトンネルみたいな所ある?』と聞いた。

「あるよ、裏からフロアーに回るのに、小さなトンネルみたいな通路があるよ」と囁いた。

震えはかなり収まってきた、私の背中の指の力が抜けていた。

私は猟を少し起こして、意識して笑顔を見せた。

『猟のお母さんはどう思ってるの?今はその男の事を』と微笑んで聞いた。

「別れたいと思ってる、あの男もそう思ってる・・ただ私を離したくないだけさ」と静かに言った。

瞳が落ち着いて、清涼感のある輝きが戻っていた。


『猟も離れたいんだね、本心で今の現状を変えたいんだね?』と優しく問いかけた。

「できるもんなら・・そうしたいとずっと思ってる」と真顔で言った。

『変るなら、どんな店が良いの?』と笑顔で聞いてみた。

「静かな感じの、大人なお店・・今まで騒々しい店だったから」と少し微笑が出た。

『猟、その気持ち強く持ってね、チャンスが来たら強く持ってね』と私も微笑んで返した。

「何?考えてる・・無理だよやめとけ、PGに迷惑がかかるよ」と真顔で返してきた。

『大丈夫、心配するなよ』と笑顔で言って抱きしめた。

その時素足の太股を感じて、焦っていた、かなりスカートが上がっていて、下着が見えそうだった。

「今頃、気付いて動揺したね・・サービスだよ」と言って、ゆっくりと右足を上げた。

光沢のある紫の、小さなパンティーが見えた。

『ありがとう、魔性の猟』と言って、スカートに手をかけて下げた。

リョウを通りまで送って、笑顔で手を振って別れた。

《さてと、やりますか・・頑張ってくるね、ユリカ》と囁いた、暖かい波動が来て嬉しかった。


TVルームに戻ると、マダムも来ていた、挨拶をしてロッカーに向かおうとすると。

「おい、返す必要はないぞ、ピーチとやりあうんだろ」とマダムが言った。

『なんでそんなに、鋭いのかな~』とマダムを見た。

「ピーチの武藤は見るだけで虫唾が走る、やってみい・・市役所の○○部長や武藤の子分は」とニヤで言った。

『失敗したら、PGに迷惑がかかるよ』と真顔で返した。

「策略じゃ無敗なんだろ、PGはそんな事じゃ揺らがんよ」とマダムが微笑んだ。

『じゃあちょっと、行ってきま~す』と笑顔で言って、TVルームを出た。

通りに出て公衆電話で電話をして、居所を確認した。


連絡がとれて、30分後に市役所で待ち合わせた。

時間があるので、歩いていた、前を歩く可愛い背中が見えた。

『昨日、呼び出し電話が無くて寂しかった・・ミサキ意地悪1点』とウルで声をかけた。

「もう、ビックリするじゃない・・そんなに簡単になりません」と笑顔で返してきた。

『ミサキって名前・・どうかな?』と笑顔で聞いた。

「凄く嬉しかったよ、本当に嬉しかった」と微笑んだ、私も嬉しくて笑顔を返した。

『ねぇ、ミサキ、魅宴は今、女性募集してる?』と笑顔で聞いた。

「常に募集してるよ、でも大ママの面接厳しいよ」とニヤで言った。

『それは大丈夫、実力は大ママも知ってるから』と笑顔で返した。

「そんな仕事もはじめたの、スカウトマン・エ~ス」とニヤニヤで返された。

『うん、ミサキが必死になる爆弾を持っていくよ、ミサキの未来の為にも』と言って魅宴のビルの下で、ミサキと別れた。


市役所に着くと、市会議員がもう来ていた、私は笑顔で歩み寄った。

『こんにちわ』と議員に微笑んだ、真顔で私に近づき耳打ちした。

「人目があるから、難しい事か?」と小さく囁いた。

『○○部長って呼び出せる?』と私も小さく囁いた、議員は頷いた。

『議員先生は一緒に居るだけでいいよ、それで貸し1つチャラ、6発殴ったから、後5つ』と囁いた。

議員は渋々頷いて、大きな応接室に通してくれた。

連絡を秘書にさせ、私の横の上座席に座った。

「なぁ、何したんか、○○は?」と興味津々で言った。

『公務員のくせに、ひいきしたの』と少年ぽく言って返した、議員はニヤを出して頷いた。

その時ノックが響いた、痩せた50代の神経質そうな男が入って来た。


「まぁ、かけなさい・・この子は私の大切な知り合いだから、話を聞いてくれ」と議員が言った、部長は頷いた。

『ピーチの武藤・・知ってるよね?』と私は真顔で部長に言った、目を逸らし反応が無かった。

『OK、分った、机の荷物まとめなよ・・そんな対応じゃ懲戒免職だね』とはったりを言った。

部長は私を見て、真っ青になった。

「武藤さんは私の上司でした、知っています」と部長が青い顔のまま答えた。

《この青さは、相当の事をしてるな》と思って見ていた。

『OK、今から2人で行こうよ、武藤の所に・・あんたを助けてやるよ、それともここで追求されたい?』と微笑んだ。

「分りました、車を正面に回します」と言って立ち上がり、議員に深々と頭を下げて出て行った。

「なんだよ、奴に1つ付けるのか」と議員が残念そうに私に微笑んだ。

『また楽しい事、持ってきますよ、ありがとうございました』と頭を下げて、部屋を出た。


正面玄関で、部長は公用車の横で待っていた。

私は後部座席に乗った、車は静かに出発した。

『ねぇ、この話・・俺の中で収めるから貸しだよ』と静かに言った、部長は頭を下げた。

『武藤を追い込むから、和解案を出してね』と笑顔で言った、部長は青い顔で頷いた。

ピーチに付き、部長の後を入って行った。

大きなフローアーもピンクで、客席も明るく危険な雰囲気がした。

客席で待ってると、武藤が来た、部長が立って頭を下げた。

「おっ、PGのエース同伴とは、嬉しいね~」と武藤が笑顔で言った。

『引き抜きに来た、リョウを解放してもらう』と真顔で返した。

「なに言ってるんだ、ちょっと名前が売れると、のぼせ上がって」と私の前に座りながら睨んだ。

《迫力無いな~、所詮元公務員か、つまんね~》と思いながら、武藤の目を静かに見ていた。


『部長さん、このバカ分らんみたいやから、やっちゃってよ、このバカに頼まれてした事、バカに対して』と静かに言った。

武藤はそれで理解した、部長が付いて来てる意味を。

「仕方ないですね、今からやります」と部長が静かに言った、武藤は部長を睨んでいた。

『2人で相談してきたら、武藤、言っとくけど変な策練ったら、梶谷か望月のカード使うぞ』と武藤を睨んで笑った。

それで武藤は青ざめた、《つまんね~》と思って、武藤の背中に声をかけた。

『武藤、客を一人で待たせるなよ、指名・・リョウ』と微笑んだ、武藤が頷いた。

さっきと同じ服で、リョウが走ってきた。


「何したの?」と真顔で言って、隣に座った。

『紫パンツのお礼~』とニヤニヤで返した、リョウが笑顔になった、本当に美しかった。

『リョウ、2人を無理に1人にしないで良いと思うよ、個性だと思ってればね』と微笑んだ。

「個性か~、そうだね・・そうしとくね」と涼しい瞳が輝いた。

武藤と、部長が戻ってきて、向かいに座った。

「エース分った、条件を言ってくれ」と武藤が真顔で言った、リョウの美しい笑顔が輝いた。


『リョウに2度と近づかない、そして母親と話して別れたい時は、無条件で離婚する。

 リョウに慰謝料として、3年は親子2人が余裕で生活できる額を支払う。

 もちろん、新しい住まいも、母親の治療費も考慮してね、少ない時は梶谷さんに回すから。

 そして、2度と夜街にバカな手を使わない、そして大きな貸しを俺に1つ』


真顔で武藤の目を見て言った。

「分った、そうする・・それでこの話は、ここだけになるんやな?」と武藤が私を見た。

『もちろん、無かった話にするよ、現金である程度は出せるんだね?』と笑顔で返した。

「あぁ」と俯いて答えた、安心した感じだった。

『まぁ、今夜からホテルにでも泊まっててよ、引越しが済むまで』と静かに言った、武藤は頷いた。

『リョウ、荷物まとめな・・面接行くぞ』とリョウを笑顔で見た。

「分った、待ってて・・ここで絶対待っててね」と言って、背を向けて走って行った。

『部長さんありがとう、お仕事戻って、武藤さんもお仕事戻っていいよ』と笑顔で言った。

2人は頭を下げて立ち去った、私はトンネルを探した。

それは、奥の暗い場所にあった、這わなければ進めない程、小さい物だった。

《潰しとけばよかった、こんな店》と思っていた。

その暗く小さい洞窟を、必死に通る女性達の叫びが聞こえそうで、切なかった。

《女性達の理由があって選んだ道を、狭め閉じ込める洞窟が、何本この街にあるのか》そう感じていた。


「エース、終わったよ~」とリョウの明るい声がした、その声の変化が気分を変えてくれた。

『可愛い声なんだね・・カタカナのリョウ』と笑顔で言って、荷物を持った。

「うん、自分でもビックリだよ」と腕を組んできた、清涼感に包まれて輝いていた。

《大ママに、また大きな貸しが出来そう》そう思ってニヤニヤしながらピーチを後にした。

通りに出ると、光が降り注いだ、眩しさに負けない輝きで、リョウが隣で笑っていた。

「それで、面接はどこの店?」と腕を強く組んだリョウが笑顔で言った。

『ここだよ』と魅宴の裏階段を登りはじめた。

「ちょっと待って・・本気なの、本気で私が務まると思ってるの?」と立ち止まって、リョウが真顔で聞いた。

『リョウ、自信を持てよ・・銀河の奇跡だろ、リョウとホノカとカスミは』と真顔で返した。

「銀河の奇跡・・私達3人の称号なの?」と目を輝かせた。

『今つけた、俺が・・いいだろ~』とニヤで手を出した。

「よし、やってみる・・エースに紹介されたんだから」と笑って手を握った。


魅宴の裏扉の踊場にリョウを残し、魅宴に入った。

大ママはマミとフロアーにいた、私は笑顔で大ママに頭を下げた。

『大ママ、おはようございます』と笑顔で言った。

「エース、爆弾連れて来たのかい?」と笑顔で返された。

『絶対に魅宴にも、ミサキにも、プラスになる爆弾です・・前の店とは綺麗にケリをつけました』と真顔で返した。

「よし、早く連れておいでよ、もったいぶらないで」と大ママが微笑んだ、私も笑顔で頷いた。

リョウを連れて、フロアーに戻った、大ママもミサキもハッとして、笑顔になった。


「ピーチにいました、リョウと申します、頑張りますのでよろしくお願いします」と綺麗な姿勢で、深々と頭を下げた。

「頑張るって、NO1を狙うんだね、その素質で?」と大ママが笑顔で聞いた。

「はい、必ず取ってみせます」とリョウも美しく大ママに微笑んだ。

「いつから、来れるんだい?」と大ママは嬉しそうにリョウを見て聞いた。

「出来るなら、今夜からでお願いします」とリョウが頭を下げた。

「よろしくね、リョウ」と大ママが微笑んだ。

「よろしくお願いします」と言ってリョウは頭を下げて泣いていた、清涼感を振り撒いて。


リョウをミサキが案内して、奥に消えた。

『大ママありがとう、助かったよ』と笑顔で言った。

「なに言ってるんだい、こっちが大感謝だよ」と笑顔で私を抱きしめた。

『銀河の奇跡、そう称号をつけた・・カスミ・ホノカ・リョウの3人組』と笑顔で言った。

「私とユリとミチルも、競わせようという事だね」と体を離して大ママが笑った。

『正解、期待してます』と笑顔で返した。

「任せなさい、あれだけの素材、滅多にいないからね~」と笑っていた。

私は大ママにもう一度礼を言って、裏口から魅宴を出た。

階段を降りて、通りに出た所で呼ばれた。


「エース、ありがとう・・必ず見せるよNO1リョウを」と手を振っていた。

その輝きを見ていた、美しい20歳の輝きが嬉しくて、笑顔で手を振って別れた。

心酔のリョウの本番が幕を開ける、その圧倒的容姿と気さくな会話で、有言実行を成す。

23歳で魅宴のNO1になる、そして結婚で引退する26歳までNO1に君臨する。

心酔のリョウ・・魔性の女と言われるのを、楽しんでいた。

その瞳の涼しさが、いつまでも消える事は無かった。


【銀河の奇跡】・・今でも語られるそのトリオ、奇跡が同じ年に産み落とした者。


3人が違う個性を持ち、違う美しさで輝いた。


愛情表現も三者三様で、言葉使いにも個性があった。


夜の遊び人達は、自分は【誰】とタイプを話すのに、引き合いに出した。


深夜のディスコに、3人に誘われて行った時。


VIPルームに通される時の、満員状態の静寂を思い出す。


3人が並んでダンスフロアーを横切った、若者達が道を空け。


喧騒が静寂に変り、音楽だけが流れた。


同世代の若者達の、溜息が聞こえた。


リョウが涼しい瞳で微笑み、ホノカが華麗に微笑み。


カスミが不適に微笑んで座った、圧倒的迫力に全員が押された。


【私が欲しけりゃ、死ぬ気でおいで】・・カスミの名台詞が聞こえてきた。


銀河の奇跡・・まさに奇跡の3人だった・・。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ