青の試験
月光が暗い海面に作りだす、一筋の光の道が誘っていた。
私の抱く女性は妖精の心、嘘の無い国から舞い降りた光。
今も忘れえぬ白い輝き、何度助けられたであろう純粋という神秘に。
「先生・・ごめんね、私バカだから、先生に何もしてあげられないね」と泣いているシオンが言った。
『シオン、今夜、俺疲れ果てていたんだよ・・シオンが心を助けてくれたよ、ありがとう』と素直に言って、シオンの可愛い泣顔を見た。
「本当に、本当に本当?」と少しベソかいて、3回聞いた。
『シオンに嘘つかないって約束したろ、本当だよ』と微笑んだ。
「うん、私で元気出るんだね、私が好きだから」と可愛い笑顔になった。
『うん・・ねえシオンお酒飲んでないよね?』と聞いてみた、この前のローズと雰囲気が全然違っていたので、心配になったのだ。
「飲んでないよ~、これが本当なの・・ローズじゃ無理してるの、嫌いになった?」と最後は真顔になった、可愛くて少し引き寄せて。
『本当のシオンの方が好きだよ、可愛いよ』と微笑んだ。
「やった~・・・おバカな子みたいじゃないの?」喜んで落ち込んだ、その喜怒哀楽の激しさが好きになっていた。
『シオンはおバカじゃないよ、心が白いんだよ・・素敵な事なんだよ』と抱き上げて言った。
「白い心・・素敵」と擦り寄ってきて、シオンの鼻が私の頬に触れていた。
シオンを車に乗せて、私も助手席に乗った。
「また、一緒に来てくれる?」とシオンが微笑んだ。
『もちろん、俺が仕事が無い時はいつでも行くよ』と微笑んで返した。
国道に出て、街灯で少し明るくなった道を夜街を目指した。
『シオン、お願い聞いて?』と笑顔で言った。
「待って・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ」と何かを覚悟したように言った。
『ローズでも俺の前では、本当のシオンでいて』と笑顔で言った。
「ふ~・・そんな事か、うん嬉しいよ、そうするね」と可愛く笑った。
『シオン、先生に言いなさい・・何を言われると思ったの?』とニヤで聞いた。
「ホテルに行こうって言うかと・・・」とかなり小さい声で言った。
『それで、どんな覚悟したのかな~』とニヤニヤで聞いた。
「先生好きだから・・いいかな~と思って、でも教えるの無理かな~て思ってた」と前を見て可愛く笑った。
私はその可愛さがたまらなく嬉しくて、笑顔でシオンの横顔を見ていた。
『ねぇシオン、俺はシオンに求めないから・・したくない訳じゃないよ』とシオンが頷くのを見て。
『だから安心して、シオンの全てを出して欲しいよ・・服を脱げって言ってるんじゃないからね』と優しく言った。
「うん、別に脱ぐだけなら良いよ」と明るく笑った、私は驚いてシオンを見ていた。
『シオン、先生が良いって言うまで、先生以外の男の前では脱いだら駄目だよ』と少し強く言った。
「先生の前では、良いって言われなくてもいいの?」と可愛く微笑んだ。
『駄目~、先生はまだその修行は無理なの~』と笑顔で言った。
「修行なんだ~、先生可愛いね」と楽しそうに笑っていた、私は心が解放されていた。
シオンの白が、私を帰した・・蘭の愛の中に。
橘通りで車を降りて、まっすぐ帰れと念押しして、手を振って別れた。
PGに着いたのが11時少し前だった。
TVルームを覗きマダムと松さんに笑顔でOKを貰って、指定席に着いた
『マミごめん、復活したよ、ありがとう』と笑顔で言った。
「もう、心配させて・・怖かったよ」と可愛く微笑んだ、私は嬉しくて笑顔を返した。
『マミ・・ありがとう』と微笑んだ、マミが美しく笑顔で頷いた。
蘭が歩いて来るのが分った、真顔の蘭に少し緊張した。
「今夜は眠いから、終礼無しにしてもらったからね・・帰ってすぐ寝るよ」と満開になった。
『うん、早く帰ろうね・・ゆっくり寝ようね、蘭』と笑顔で返した。
「うん、すぐに着替えるから、赤い・・いやらしい服に」とニヤを出して戦場に戻った。
「赤い、いやらしい服って何かな~」とマミがニヤを出した。
『カスミのお祭り衣装、凄いの』とニヤニヤで返した。
「魅宴は結局出さないんだって、大ママ負けず嫌いだから、カスミとホノカが出るなら、出さんって言ってたよ」と可愛い笑顔で言った。
『マミが20歳じゃなくて、良かったよ』と微笑んで返した。
「私なんて・・あっ!」と私の真顔を見てマミが気付いて、舌を出した。
『淡い・・だろ』とニヤで言った。
「復活すると誘導尋問するのね、さっきの方が可愛かったよ」とニッで返された。
私はウルをしながら、ハルカ位置についた。
誰もサインは出さずに、私に微笑んでいた。
《やっぱりばれてるよね、皆ありがとう》と心で囁いて、笑顔で返していた。
マミの時間が来て、フロアーから手を繋いで出かけた。
通りに出て、マミが真顔で言った。
「本当は怖かったよ、エースがいなくなるんじゃないかと思って」と前を見て言った。
『ごめんねマミ、大丈夫だよ・・俺もマミみたいに強い気持ちを持てたから』と微笑んで返した。
「それ以上強くなるの・・怖いよ」と微笑んで返してくれた。
『ねぇマミ、俺は魅宴も覗きに行くからね、マミが頑張ってるのを』と笑顔で優しく囁いた。
「約束だよ、そして私が辛い時は言っていいのね」と美しい真顔で返してきた。
『マミ、誓いを立てよう』と言って、魅宴のビルの裏にある、通り地蔵の所に連れて行った。
『マミが辛い時は連絡して、ここにいる事、そしたら俺は必ずここに来るよ・・必ず来る』とマミを真顔で見た。
「うん、約束する・・私も我慢はしない、あなたには甘える」とマミも真顔で言った。
『よし、じゃあ誓いの儀式をする』とニヤで言った。
「浅くならいいでしょ、初めては・・・私はエースにして欲しい」とマミが真剣に言った。
私はマミを優しく抱いて、マミは瞳を閉じた、私はかなり緊張してた。
でもマミが可愛くて、愛おしくて、唇を合わせた。
短く浅いキスだった、私は体を離した。
「目を閉じて、10数えて」とマミが目を閉じたまま言った。
『閉じたよ』と目を閉じて言った、マミが頬にお返しのキスをしてくれて、走る足音が響いた。
「また明日ね~」とマミが大声で裏ドアの前で手を振った、私も手を振ってマミを見送った。
ニヤニヤしながら歩いていると、後から声がした。
「そんなに楽しい事があったんだ~」とユリカの声が聞こえた。
『うん、素敵な事考えていた』と言ってユリカに微笑んだ。
「やきもち妬かせようと、思ってるの?」とユリカが爽やかニヤできた。
『よし!ユリカ、初めてはずしたね』と笑顔で返して、ユリカを抱き上げた。
「外したの・・うれし~」と爽やかに笑った、私は可愛いユリカを見て階段を登った。
ユリカは目を閉じて充電していた、私は最後を登る時心で呟いた。
《ユリカ、やきもちじゃないよ、ユリカを大好きだって思ってニヤしてたんだよ》
私は、マミとの緊張をユリカが感じたと思い、歩く時ユリカを好きだと言いながらニヤニヤしていた。
ユリカはそれを感じなかった、強い私の緊張に気を取られていた、それが嬉しかった。
「そっか~、逆に取らせたの~楽しい~」とユリカが目を開けて、爽やかに笑った。
最上階でユリカを優しく降ろして、笑顔を見ていた。
『また、明日・・考えてくるよ』とニヤで手を振って、笑顔のユリカと別れた。
エレベーターの中で、もう一度心で囁いた。
《ユリカのやきもち・・可愛いね、おやすみ》と言ってニヤニヤしていた。
指定席に戻ると、終演前の熱が高く、女性達も輝いていた。
私はナギサを見て、ハッとした、昨日より歩くスピードが僅かに遅くなり。
色気を発散して歩いていた、華やかさも増したようだった。
9人衆も今夜は私に笑顔だけを振り撒いて、優しかった。
終演を迎えた時にカスミが来て、美しく笑った。
「脅かすなよ、心臓止まりそうだったぞ」と言って銀の扉に消えた、私は嬉しくて見送った。
TVルームに帰ると、マダムに金の袋を渡された。
蘭が来たので、ナギサを呼んでと頼んだ、満開で頷き呼びに行った。
私は小窓の所で待っていた、ナギサが一人で来た。
『ナギサ・・ナギサの失った時間は金には変えられんけど、これしか方法がなかった。
これで、明るい部屋と、好きな洋服と、美味しいものでも食べて。
ごめんね・・ナギサ、辛い思い出を早く忘れて。
もう2度とマキはナギサの前には現れないから・・安心してね。
俺は無力だったよ、でもナギサをこれから見てるから。
お願いだから、体が辛い時は遠慮しないで早く言ってね』
そう言って、200万の袋を渡した。
私は辛かった・・金で解決をする事が、何より辛かった。
ナギサは金を受け取り、私を見ていた美しい立ち姿で。
「ごめんね、辛かったね・・そんなに優しい男に初めて会ったから・・分らなかったよ」と言って抱きしめてくれた。
私はナギサの背中に腕を回し、必死に涙を我慢していた、悔しさが溢れてきた。
「ありがとう、大切に使うよ・・2部屋の所を借りるから、私も勿論あなたに転がり込む権利を授与するよ・・永遠に」と言ってもう一度抱きしめてくれた。
ナギサの震えが止まって、2人でTVルームに帰ろうとすると、蘭がTVルームの前から駆け寄った。
「ごめん、家までもたない」と言って、私の腕を掴んで小窓まで引っ張った。
小窓で私に抱き付いて、蘭が震えていた。
「何が有ったのか言わないで、本当に怖かった・・1つだけ言わせて」と私を見た、私はたまらず蘭を抱き上げて、頷いた。
「私は、あなたがいないともう駄目なのよ、絶対に遠くに行かないで」と強く言って泣いていた。
「そして、あなたが今関わってる女性全員が、あたたを心で頼りにしてるからね」と優しく言った。
『蘭、ごめんね・・もう大丈夫、絶対に蘭の側を離れないよ』と言って引き寄せた、蘭がしがみつき泣いていた。
『蘭、俺はもう一度はっきり言う、俺は蘭を愛してる、そして蘭との明るい未来を必ず探し出すよ』と泣いてる蘭に優しく言って。
そのまま、エレベーターに乗って家路についた。
通りでも蘭を降ろさずに、通りにいたレンがタクシーを止めてくれ。
レンと久美子にお休みをして、タクシーに乗って蘭を抱いていた。
アパートに着いて、蘭が抱かれたまま鍵を開けて、ドアを開けた。
蘭は抱かれたまま靴を脱いで、暗い部屋まで入って蘭を抱いていた。
『蘭、ありがとう、愛してくれて』そう言って蘭の額にキスをして、洗面所の前で降ろした。
「あ~、よく寝てた、もうお家に着いたの」と満開で微笑んだ、私も微笑んで頷いた。
蘭が化粧を落として、パジャマを着て部屋に入り満開で笑った。
「約束の背中合わせ、私は3秒で寝るから」と満開で言って、ベッドに入って。
「1・2・3」と素早く数えた、私は嬉しくて電気を消して。
蘭を私の方に向かせて、腕枕をして引き寄せた。
蘭は少し震えていたが、涙は無かった、私は何も言わずに蘭を支えていた。
蘭が静かになって、眠りに落ちた、私もそれを確認して蘭の香りに包まれて眠った。
翌朝快晴の気分で目が覚めた、蘭の足が私の上に乗っていた。
《過酷な試練を与え続けるな、蘭》と可愛い寝顔を見ながら思っていた。
ゆっくりと蘭を枕に移し、足を持って綺麗に寝かせて洗面所に向かった。
歯を磨きながら顔を見ると、ミチルのキスマークが綺麗に残っていた。
マミは薄化粧なので痕跡は無かった、少し寂しかった。
《最近は9人衆も蘭もキスマークじゃ騒がなくなったな》と思いながら顔を洗った。
朝食は、トーストとハムエッグにレタスとトマトを添えた。
「おはよう、意地悪少年」と蘭が満開で微笑んだ。
『意地悪したかな~?』と笑顔で返した。
「昨日のあの顔は、私ら全員に対する意地悪だったよ、仕返しが怖いね~」とニヤしながら洗面所に消えた、私はウルで見送った。
蘭が満開で笑って、朝食を食べはじめた。
「マミちゃんから、話を聞いたよ・・嬉しかった~、よく言ったね・・女の代弁をしてくれたよ」と満開で微笑んだ。
『蘭は分ってるだろ、俺は変換をしただけ、心がそう語ったんだよ』と微笑んで返した。
「うん、ユリさんが涙ぐんでたよ・・嬉しかったよ私も」と真顔で言って。
「そしてナギサに言ったことで、分ったよあなたが何を感じたのか、誰がそこまで復活させたの?」と満開で聞いた。
『ジンが10%ホノカが10%ミチルが65%シオンが15%、かな』と微笑んで返した。
「内容を述べよ、ジンから順番に」とニヤで言った。
『蘭、ジン知ってるんだね』と笑顔で返した、蘭は満開で頷いた。
『ジンが俺を引き止めた、そして友達になってくれて、道を示してくれた。
ホノカが俺の顔を見ただけで、ミチルに会えと言ってくれた、抱っこして元気をくれた。
ミチルが教えてくれた、俺の覚悟の勘違いを、自分も辛いのに話してくれた。
俺はミチルの話の内容も響いたけど、ミチルが泣きながら話してくれた事で。
完全に引き戻された、その自分を投げ打つ愛情で強引に引き戻してくれた。
そして、ユリカに言われて、シオンに会いに行った。
シオンが回復してくれた、その真っ白な心が救ってくれた俺の心を。
でも、俺には分ってる・・俺を本当に救ってくれたのは・・・。
マリアの天使の笑顔だった・・俺は蘭以外に愛する人ができたよ。
マリアという存在は、絶対に切り離せない、愛すべき天使だと思った。』
最後は蘭に微笑んだ、蘭も満開に微笑んで。
「よし、マリアの事が理解できてるなら、もう何も聞かない。
ジンは靴屋のお客、素敵な男だよね。
ジンは夜街の女にこう呼ばれてる、【悲しみの貴公子】とね。
そして称号は、愛を込めて【最後の道標】とつけられてる。
称号の命名は・・だ~れだ?」
満開ニヤできた、私は考えた。
『どんなに素敵な男でも、ホストに称号はユリカはつけないよな~。
リアンも称号贈るタイプじゃないし、大ママもナギサの件があるから付けないし。
えっ、もしかして・・・ユリさん!』
自信は無かったが蘭に聞いた、蘭は満開で笑って。
「ピンポ~ン」と嬉しそうに叫んだ、『うそ!』と思わず私は言ってしまった。
「昨日の罰で、命名理由は本人から聞くこと、教えてくれるかな~」と蘭がニヤで言った。
私はウルウルで返した。
「ウルウルしても無駄・・今は聞くなよ、悲しい物語は今はやめときな」と最後は深く優しく言った。
『分った、でもさすがユリさん、素敵な称号だね』と笑顔で返した。
「理由を聞いたら、あんたなら・・泣くよ、その深さに」と満開で微笑んだ、私も嬉しくて笑顔で頷いた。
蘭を見送り、朝の仕事をして、日記を書いていた。
ジンとの出会いの最後に書いてみた。
【最後の道標】字で書いてみて、私の心は震えていた。
ユリさんに、あの若さでこれだけ重い称号を贈られる、ジンという男の遠さを感じていた。
《誇らしき友、最後の挑戦者と呼ばれし者》ジンの言葉が蘇り、嬉しくて日記を閉じた。
私は10時少し前に出掛けた、若草通りでカスミに手を振り。
靴屋で蘭に手を振って、ユリカの店のドアの前で固まった。
張り紙がしてあった、【今日は防虫剤を散布するから、ダメ~罰だよ ユリカ】と書いてあった。
私は振返り、外の景色を見ながらウルしていた。
仕方なく通りに出て、慌てて駆け出した。
通りの先に金髪の外国人の女性が、しゃがみこんでいたのだ。
『大丈夫?えっと~・・ユー・OK』と微笑んで見た。
その子が顔を上げて、真顔で私を見た。
私は完全に凍結した、生まれて初めて金髪の少女を見たのも有ったが、その可愛さに全てが停止した。
間近で見るブロンドの髪が、直射日光を弾き返し、直視が危険と思わせるほど輝いて。
肌の色は新雪のように白く、小さな顔の中の大きな瞳が南の島の海のように青かった。
「イングリッシュ・OK?」と少女が無理やりな感じで微笑んだ。
《楽園の輝き》と思って微笑んで。
『ごめんね、NOだけど、目的地までは必ず連れて行くよ』と笑顔で言って手を出した。
「NO・・・OK!」と笑って私の手を握って立ち上がった、その立ち姿に又も固まった。
日本人ではありえないスタイルの、その迫力が。
細身の体に信じられない大きさの胸が、強く何かを主張した。
スニーカーを履く彼女は、私より3cm位背が高かった。
しかし彼女のスリムなジーンズの腰は、私の腰の遥か上にあった。
《カスミ~、世界は広いぞ~》と心で叫んだ、彼女を笑顔で見て手を繋いで歩き始めた。
水槽の喫茶店で涼みながら話を聞こうと、笑顔の彼女を笑顔で誘った。
『えっと~、どれがいいかな?』と言ってメニューを見せた。
「カフィー」と微笑んだ、楽園のブルーが強引に誘った、パラダイスに行こうと、私は気持ち足を踏ん張って微笑んで頷いた。
店員の女性を笑顔で呼んで、手招きした。
『この子、カフィーが良いって言ってるんだけど、有るの?カフィー?』と囁いた。
若いバイトらしい女性が私に笑顔で頷いて、彼女を見た。
「アイスorホット?」と微笑んで聞いた、「アイス、プリーズ」と彼女が楽園笑顔で言った。
私は安心して、私のコーラを頼んだ。
『ん~とね、マイ・ネーム・エース』と笑顔で言ってみた、エースが1番説明がいらないと思っていた。
「オ~、エース・ビューティフル・ネーム・・・」と少し安心したのか、楽園が強くなった。
「リンダ」と訳の分からない、早口の英語の最後にそう言って微笑んだ、引き寄せられそうで怖いほどの笑顔だった。
『オ~、リンダ・ビューティフル・ネーム』と大袈裟に手を広げて、笑顔で言った。
リンダを見ると、大粒の涙を流して、笑っていた。
私は慌ててリンダに歩みよって、間近でリンダの顔を見た。
『リンダ、寂しいの・・泣かないで』と優しく言って、隣に座ってリンダの泣き顔を見た。
リンダが私を見ていた、楽園のブルーの瞳から、スコールのような涙が溢れていて。
美しいブロンドがキラキラと輝いて、私は切なくてリンダを引き寄せて抱いた。
リンダも私に手を回して、強く抱かれていた。
『リンダ、泣かないで・・必ず連れて行くから、リンダの目指す場所まで、一緒に行くから』と分らないであろう日本語で優しく囁いた。
私の抜打ち試験のベルが鳴った、問題の提出者達は私をニヤで見ていた。
私はブロンドの輝く髪を優しく撫でながら、強く思っていた。
《言葉なんて必要ない、必ずリンダの本当の楽園の笑顔を見る》と強く思っていた。
そしてブロンドの女神が教えてくれる、世界は広いのだと楽園は存在するのだと。
文化の違いを受入れろと、それがストレートに出来るのかと教師達が笑っていた。
お前の最大の武器、【言葉】が使えない美しい問題に取組めと、真顔で見ていた。
そして私は何も知らずに必死に取組む、そして1つの答えを導き出す。
愛は通じるんだと、解答用紙に強く書く、愛は共通言語だと・・。
思惑があった出会いにせよ、私には本当に大切な経験であるリンダ。
青き瞳が輝く時、希望が溢れ出す。
自分の悩みや欲求が、小さい事だと思い知らされる。
世界を見ろと誘う、手を繋いで行こうと誘惑する。
その楽園のブルーの瞳が、憧れと希望と夢を反映して輝く。
リンダ・・楽園の輝き・・ブルーの誘い。
そして人種など、無意味な区別だと教えるブルー。
肌の色や文化や宗教で人は区別できないと、強く主張するブルー。
遠い国から来たブールーの瞳、冒険の女神・・リンダ。