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『べらぼう』どうなる?

大河ドラマ『べらぼう』の第一回を見た。歴代視聴率の最低記録を塗り替えたらしいが、僕はなかなか面白いと思った。が、理由は判らないでもない。まず吉原を舞台にする、という事の難しさ。が、あると思う。


どんなに綺麗でも遊女なので、そこを舞台にしてるだけで頭の堅い人は見れないかも。もう死語かもしれんけど、「ふしだらな!」世界なので。と同時に、そこにる遊女の立場の、救いのなさが辛い。それがきちんと描かれたが故に。売れっ子はともかく端の方の娘は喰うにも困る惨状。それを雇ってる側が改善するかと思ったら、「死んで入れ替わった方が、客がつく」と言い放つ。


正直、これだけの描写をしただけでもエラい! と僕は思ったんだな。なんか吉原ものというと、辛い目には合うけど結局、一流の花魁になる、みたいなサクセス・ストーリーに還元されることが多くて、「遊女の多くが、梅毒で若いうちに死んだ」という事を描こうとした『仁』以外では、吉原の悲惨な実相を描こうとした作品ってのはあまり見当たらないように思っていたのだ。


しかし考えてみると、『鬼滅の刃』で吉原を舞台にしたのは、やっぱり大分変ってると思うし、作者が女性じゃなければありえなかったな、と思うのだ。あそこで作者が描きたかったのは、つまるところ社会の中で一番蔑まれて貶められて、痛い目に合わされる立場の人間のことじゃないかなと思う。


今、吉原を取り上げるというのは、結局、今現在でも女性の社会的立場には、まだ弱いところ、理不尽なところがあり、それを表現したいと女性作家たちは思ってる、という事なのだ。『セクシー田中さん』だって、『転生ギャル勇者と囚われの姫』だって、そういう事を描いていた。そして蔦屋重三郎は、声を直接あげる事ができない女たちの代弁者になっていた。うまいな、と思った。


小芝風花が花ノ井という遊女の役をやってるのだけど、実はこれ実在の人物なのだそうだ。花ノ井はいずれ瀬川という花魁の五代目を襲名するのだが、襲名制度があるほど、この瀬川という花魁はステイタスのある存在だったらしい。


とすると、蔦屋重三郎はもちろん主役なのだけど、花ノ井の人生がサイドストーリーとしてのもう一つの軸じゃないかと思う。『青天を衝く』の時に、徳川慶喜がもう一人の主役だったようなものだ。今年の大河、さてどうなるか?


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