『科学×冒険サバイバル』を見た
『科学×冒険サバイバル』が、「AIサバイバル」という三回シリーズで年末に放送していたのを見た。この『科学×冒険サバイバル』と言うのは見た事なかったんだけど、どうも劇場版とかあるらしい。一作目は人体、二作目は深海が舞台だったようだ。
まあ、その昔よく見たような「紹介もの」だとは思うんだけど、それがAIを題材にするのは結構冒険じゃないだろうか。で、主人公たちがAIの『マキナ』が管理するスマートシティにやってくるところから物語は始まる。「マキナ」ってのも、いいネーミングだ。「機械仕掛けの神」であるデウス・エクス・マキナだね。まさにピッタリ。
で、スマートシティは凄く快適な街なんだけど、主人公のジオくんは、住宅地にそびえるタワーから、モールス信号でSOSが発信されてるのに気づく。彼はサバイバルの達人なのだそうだ。その他にも集まったのは、ドローンの達人の少女、プログラミングの達人少年、そして野生で育ったらしい少女だ。
街に忍び込むと、SOSを発信していたのが、天才少年としてニュースにも出ていた科学少年だと判る。天才少年は街の住人が、街に入るときに「予防接種」と称して受けさせられる注射でAIチップを埋め込まれ、マキナの操り人形になっている事実を主人公たち告白するのだ。
でまあ、AIに支配されてる街を取り返すという話になるんだけど、なんか久しぶりにSFらしいSFを子供向けアニメで見て、ちょっと良かった。オーソドックスなネタなんだけど、子供たちには是非見てもらいたいと思ったのだ。
興味深かったのは、そこでのAIの立ち位置だ。例えば『アイ、ロボット』という2004年の映画だと、主人公は狂ったAIから街を開放する。AIは悪者だ。けど、このマキナはある意味いい奴で、マキナに命令を与えていた社長の方が根本的なワルだった。AIのマキナは修復後、仲直りしている。
『アイ、ロボット』はアシモフ原作とうたっていたので見たけど、アシモフ先生は優秀な市長が実はロボットだった、という話を書いてるんだよね。欲得で動く人間より、よっぽどいい政治ができるかも。僕も若い頃は判らなかったけど、今じゃAIなら裏金つくったりしないだろ、とか思うのだ。