第24話 鑑定スキル
今回も、読んでくださってありがとうございます。
鑑定スキルをゲットした僕には、やることが満載だ。一体何から手を付けていいのか分からない。とにかく、まず最初に着手したのは、自分のステータスから。
名前 アレクシ・アペール
種族 ヒューマン
称号 アペール商会令息
レベル 12
HP 500
MP 400
POW 50
INT 40
AGI 10
DEX 20
属性 土
スキル
-石礫Lv4
Lv1 石礫
Lv2 散弾銃
Lv3 ストーンライフル
Lv4 ストーンブラスト
-槍術Lv1
Lv1 強撃
(ランドスケイプ)
(ロックウォール)
(身体強化)
E 短槍
E 胸鎧
E 革の帽子
E 革のブーツ+1
E マント
ステータスポイント 残り 0
スキルポイント 残り 10
スキルの横の「+」をタップすると、これまで取得したスキルの内容が展開される。そして一つ一つタップすると、詳細説明が見られるようになった。
-石礫Lv4
→ MPと引き換えに鉱物質を生成し、射出するスキル
取得条件・土属性
Lv1 石礫
→複数の礫を射出する。生成個数および攻撃力は、INT/10。MP10
Lv2 散弾銃
→複数の礫を射出する。生成個数はINT/2、攻撃力はINT/10。MP20
Lv3 ストーンライフル
→単独の礫を射出する。攻撃力はINT/1。MP30
Lv4 ストーンブラスト
→複数の礫を敵全体に射出する。生成個数はINT/1、攻撃力はINT/10。MP40
-槍術Lv1
→ 槍を装備時に使用可能な武芸スキル
取得条件・POW10
Lv1 強撃
→ MPを消費してPOWに変換、POW/2を攻撃力に上乗せ。MP10
おお。実に分かりやすい。そして平民の生徒のほとんどが槍術を取得できない理由も分かった。みんな冒険者レベル1だと、POW、INT、AGI、DEXの4つにステータスポイント10が割り振られている。従って、レベル1では槍術は取得しようがないわけだ。剣術も同じ。僕が何年も剣術の授業を取って、まるで成果がなかったのはそういうことだ。
そしてスキルだけじゃなくて、装備も。
E 短槍
→ 攻撃力5、重量2
E 胸鎧
→ 防御力5、重量10
E 革の帽子
→ 防御力1、重量10
E 革のブーツ+1
→ 防御力3、重量1
E マント
→防御力2、重量2
この重量っていうのがPOWを参照していて、POWの数値を上回るとAGIにペナルティが付き、5倍を上回ると装備不可能らしい。僕はLv1時点でPOWは2だったから、胸鎧は本当にギリギリ装備可能だったみたいだ。プロの目利きは確かだな。そして鑑定を通して見ると、革のブーツには「+1」の表示が付いている。今ループでは、同じ革のブーツの中でもちょっとお高めの、丈夫なヤツにしたからか。
鑑定で遊びだしたらキリがない。実家にいる間は、敢えて商品を見ないようにした。年末せっかく必死になって整理した在庫たちだが、僕が木片に書いて整理した内容よりも鑑定結果の方が断然詳しく、早くも作り直したい衝動に駆られている。帳簿も何もかも一切合切だ。そんなことしてたら学校に行けない。何より、これまで何度も繰り返していて一番避けたかった商人ルートにまっさかさまだ。
疼く右手を左手で押さえながら、冬休みが明けて学校へ。そして学校でも、鑑定したいものがいっぱいあって本当に困る。まずは人物から。
「新年おめでとう、アレクシ君。楽しい休暇だったかい?」
いつも笑顔のカバネル先生。
名前 クレマン・カバネル
種族 ヒューマン
称号 マロール領立学園教諭
レベル 10
HP 100
MP 500
POW 10
INT 50
AGI 10
DEX 30
属性 土
スキル
+ランドスケイプLv3
+石礫Lv2
E 白衣
E 革靴
ステータスポイント 残り 0
スキルポイント 残り 10
うわ、ものっすごい後衛特化のステータス。レベル10にしてやっと武術スキルに手が届くとか、INT極振りってヤツだな。他の先生については大体みんなレベル5で、ステータスは似たり寄ったり。
唯一見どころがあったのは、いつも偉そうなラクール先生。
名前 リュシアン・ラクール
種族 ヒューマン
称号 マロール領立学園筆頭教諭
レベル 23
HP 460
MP 920
POW 46
INT 92
AGI 46
DEX 46
属性 火
スキル
+火球Lv4
+爆炎Lv4
E スリーピーススーツ
E 革靴
ステータスポイント 残り 0
スキルポイント 残り 30
偉そうなだけあって、なかなかのステータスだ。元は軍属で、それなりに活躍したらしい。軍属と言っても、最近この辺りで戦争は起こっていないから、森林や山岳地帯の大規模な魔獣討伐に駆り出されたといったところか。僕がもしこの世界でパーティーを組むなら、是非こういった人材を後衛に迎えたい。
そして一番気になっていたこと。僕はいつもの如く、カバネル先生の研究室に足を踏み入れる。そして手に取った、ゴーレム作成術の魔導書。
ゴーレム作成
→ MPと引き換えにゴーレムを生成し、使役するスキル
取得条件・土属性、レベル50、INT300
「は?」
僕は思わず奇声を上げてしまった。レベル50はともかく、INT300。そんなの相当極振りしないと取れないじゃないか。僕はステータスを任意に割り振れるから良いとして、一般人はカバネル先生みたいな生まれつき極振り体質じゃないと無理だ。そして彼のような極振りでも、取得に最低レベル60は必要。そりゃ、最後の習得者が百年前のはずだよ。
それにしても、鑑定が取れて良かった。鑑定がなきゃ、こんなこと分かりっこないもんね。あと、日本語で『ステータスオープン』。前世の記憶がないとステータスも見られないとか、結構な無理ゲーだ。
こうして鑑定とステータスを見られる僕は、割とチートなのだろうか。しかし、延々と同じ3年間をループさせられているって気付いてるのは、幸せなんだろうか、不幸なんだろうか。たまに「どうせ3年経ったらリセットなんだろ」って気が狂いそうになる時もあるけど、自分ではどうしようもないんだから仕方ない。とにかく、今は全力で流されそうになっている学者ルートを回避して、ゴーレム目指して頑張ろう。
———ん?何か忘れている気がするような。
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