表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/56

⭕ ギルドマスターからの依頼 1


──*──*──*── ギルド長室


 ギルドマスター、通称ギルマス。

 冒険者ギルドを運営する最高責任者で、“ ギルド長 ” とも呼ばれている。

 ギルドマスターに選ばれるのは、冒険者ランクSの冒険者からだと言われている。


 オレ達の前にはギルドマスターがて、立派な机の後ろにある立派な椅子に腰を下ろして座っている。

 耳が長いからエルフ族かな?

 エルフ族は長身で美丈夫な容姿をしている者が多いけど、≪ オオカザッシュ大陸 ≫でも同じみたいだ。 


 絹糸のように美しい金髪の長い髪は、首の左右から三つ編みされた髪が出ている。

 胸の前で高価そうな髪飾りでめられているけど、邪魔にならないのかな?

 近くで見ても男なのか女なのか性別が分からないぐらい美貌の容姿をしている。

 オレのセロには負けてるけどな!!


ギルドマスター

「 突然の呼び出し、済まないね。

  応えくれて感謝するよ 」


 声からしてギルドマスターは男だ。


セロフィート

「 構いません。

  用事が済んだあとでしたから。

  用件を聞いても? 」


ギルドマスター

「 西の森に古い遺跡があるのは御存じか? 」


セロフィート

「 存じています。

  〈 しっぷうそうらい 〉に関して──でしょうか? 」


ギルドマスター

「 話が早いな。

  流石は噂に名高い〈 サムシンググレート 〉だ 」


セロフィート

「 買い被り過ぎです。

  薬草ハーブ採取をしている最中に発見した怪我人の男性がたま(たま)しっぷうそうらい 〉の1人だっただけです。

  冒険者ギルドへ運んでたのはカレですし 」


ギルドマスター

「 それについても礼を言わせてもらいたい。

  彼の手当て迄して、(冒険者)(ギルド)まで運んでくれた事、心から感謝する。

  がとう 」


マオ

「 ど…どう致しまして……。

  一命を取りめてくれてかったです… 」


 見て見ぬ振りして見捨てなくて正解だったな……。


ギルドマスター

「 彼には5名の仲間がる。

  彼以外の5名の捜索を依頼したい 」


マオ

「 あの──、4名じゃないんですか?

  〈 しっぷうそうらい 〉は5人パーティだって聞いてますけど… 」


ギルドマスター

たしかにカレは5人パーティだったが、遺跡探索の依頼を受けたあとに1人メンバーを加えていたんだ 」


セロフィート

「 西の森にある遺跡周辺に残りの5名がるかも知れないと? 」


ギルドマスター

「 〈 サムシンググレート 〉には遺跡の地下へ入り、〈 しっぷうそうらい 〉の5名を捜索してもらいたい。

  今、この冒険者ギルドに〈 しっぷうそうらい 〉以上の冒険者パーティは〈 サムシンググレート 〉の貴方達しかないんだ 」


セロフィート

「 リスクが高い依頼ですね。

  今は見習い冒険者のオリバさん,ミグリさんを抱えています。

  探索依頼を受けるのは構いませんけど、捜索には時間が掛かります。

  見付けれたとしても既に── 」


ギルドマスター

「 最悪の結果も承知した上で依頼をしたい。

  かれの遺体が無ければ遺品の回収だけでも構わない…… 」


セロフィート

薬草ハーブ採取も途中ですし……困りましたね 」


 セロ……全然 “ 困まってます ” って感じがしてないんだけど!!


セロフィート

「 誰でもないギルドマスターからのじき(じき)の依頼ですし、借りを作らせていただくとしましょうか。

  〈 しっぷうそうらい 〉の捜索依頼を受けましょう 」


ギルドマスター

「 おぉ……引き受けてくれるか!

  がとう、助かるよ 」


セロフィート

「 早速、西の森へ向かいます。

  マオ,オリバさん,ミグリさん、行きましょう 」


マオ

「 お、おぅ 」


セロフィート

「 ギルドマスター、失礼致します 」


 ギルド長室のドアを開けて出ると目の前は冒険者ギルドのそとだった。

 セロめ、時間短縮する為にゲート魔法マジックを使ったな!

 オリバーとミグリが驚いているじゃないか!!


セロフィート

魔法マジックを使いました。

  ひとの無い路地へ入りますよ。

  遺跡へ転移します 」


マオ

「 ミグリは転移魔法は初めてだったな。

  セロが転移魔法を使える事は内密にな? 」


ミグリ

「 うん……言わない 」


 ひとの無い路地へ移動すると、セロが転移魔法を発動させる。

 魔法マジカルサークルあしもとに出現して光った矢先──、光が消えるとオレ達は遺跡の前に転移していた。


──*──*──*── 西の森


──*──*──*── 古い遺跡


ミグリ

「 …………凄い… 」


オリバー・デグンス

「 一瞬でしたね…。

  セロフィート師匠、日が暮れるのに遺跡に入るんですか? 」


セロフィート

「 遺跡の地下に入ってしまえば、朝も夜も関係無いです。

  安全地帯の結界を発動させます。

  魔法マジカルサークルから出ないよう注意してください 」


 セロは再び古代エンシェント魔法マジックを発動させるとあしもとに黄色と緑色が混ざった光を発する魔法マジカルサークルが出現した。


セロフィート

「 オリバさん、魔法マジックの鞄(バック)からテスさんを出してください 」


オリバー・デグンス

「 分かりました 」


 オリバーが魔法マジックの鞄(バック)からテス(無属性スライム)を出すと、セロはテス(無属性スライム)へ照明魔法を使うように指示を出す。

 テス(無属性スライム)と体を揺らすと、セロの言うとおりに照明魔法を発動させた。


セロフィート

「 今から遺跡の地下へ入ります。

  テスさんを先頭にマオ,オリバさん,ミグリさんの順で進んでください。

  ワタシは最後尾を歩きます 」


マオ

「 とかなんとか言ってぇ──、ちゃっかり遺跡のそとで待ってたりしないよな? 」


セロフィート

「 マオ、なにを言いますか。

  マオ “ だけ ” なら兎も角、オリバさんとミグリさんがるのにしません 」


マオ

「 『 だけ 』を強調して言うな!

  オレだけだったら、遺跡には入らないつもりかよ! 」


セロフィート

「 ちゃんと入ります。

  ──ミグリさん、ワタシと手を繋いで歩きましょう。

  安全地帯の中にる限り、怪物モンスターには襲われません。

  安心して歩いてください 」


ミグリ

「 はい… 」


オリバー・デグンス

怪物モンスターに襲われないんですね~~。

  かったぁ~~ 」


マオ

「 さっさと入って〈 しっぷうそうらい 〉の5名を探そう! 」


オリバー・デグンス

「 はい! 」


ミグリ

「 うん! 」


 照明魔法を使用してくれているテス(無属性スライム)を先頭にして、オレ,オリバー,ミグリとセロの順番に遺跡の地下へ入った。


──*──*──*── 地下1階


 テス(無属性スライム)の照明魔法とセロの安全地帯の結界魔法のお蔭で遺跡の地下は明るく照らされて歩き易い。

 階段を降りると遺跡の地下はダンジョン化していた。


 今迄はなにかの遺跡だった筈で、階段らしい物なんて見付からなかった筈なのに、から現れたのか、地下へ続く階段が現れるなんて妙な話じゃないかな?

 遺跡の地下がダンジョン化してるなんて誰が思うだろう。

 ダンジョンは怪物モンスターの巣窟だし、をしたら魔物マタムトと遭遇する事も有るかも知れない。


 魔物マタムトに関しては、あまり倒したくはない。

 ロード(ポスティルグロード)さんを慕う人間に危害を加えない魔物マタムトさん達の存在を知っているからだ。

 ≪ オオカザッシュ大陸 ≫にも人間に危害を加えない魔物マタムトるだろう。

 セロは人間よりも、人間から理不尽にしいたげられる最弱な魔物マタムトの味方をするからな…。

 どうか魔物マタムトと遭遇しませんように!!











マオ

「 ──だいぶん奥までたけど、誰も見掛けないよな。

  遺品になりそうな装備品も見当たらないし…… 」


セロフィート

「 このへん夕食ディナーにしましょう 」


マオ

「 あっ、そうだった!

  セロから渡されたお弁当、だ食べてなかったよ!

  昼食ランチを抜いてたの忘れてたな… 」


 オレ達は遅い昼食ランチ夕食ディナーにする事にした。

 安全地帯の中でセロがレジャーシートや座布団を出してくれる。

 みんなでブーツを脱いでレジャーシートの上に上がったら、座布団の上に腰を下ろして座る。

 ミニテーブルを囲むようにして座ったら、セロが作ってくれたお弁当をミニテーブルの上に置いて広げた。

 セロが魔法の(マジカル)ティーポットで紅茶を注いでくれる。


 ダンジョンの中でピクニックをする事に慣れてないのか、オリバーとミグリはビクビクしている。

 まぁ、いくら安全地帯の中にるからと言って、安心してピクニックなんて出来る程、オリバーもミグリも神経が図太くないんだろうな。

 ようは慣れだよ、慣れ!


──*──*──*── 2時間後


 しっかり腹拵えを終えて、しっかりと休憩も終えたら、更に奥へ進む為に歩き始めた。

 食事と休憩に2時間も使うぐらいだから、セロは分かっているのかも知れない。

 〈 しっぷうそうらい 〉の5名は既に生きてないって事を────。


マオ

「 あっ──、階段がある!

  だ地下があるんだ? 」


オリバー・デグンス

「 えぇ~~。

  りるんですか…。

  そろそろ行きまりになってほしいんですけど…… 」 


マオ

「 ダンジョンってのは階層フロアに依って広さも違うし、環境も変わったりするんだよ。

  地下がなんびゃくかいも続いたりしてな 」


オリバー・デグンス

「 ダンジョンって最悪じゃないですかぁ! 」


セロフィート

「 このダンジョンは出来たばかりですし、そんなに深くないと思いますよ 」


 オレ達は地下へ続く階段をりると更に先へと進んだ。


──*──*──*──地下2階


 地下には広場があって、奥には台座があった。

 なんの台座かは分からないけど、“ なにか ” が穴の中に突き刺さっていたんじゃないかな?


マオ

「 この穴ってなんの為にいてるんだろうな? 」


セロフィート

「 剣でも刺さっていたのでしょう。

  随分と古い台座です。

  に突き刺さっていた物を〈 (原質)(みなもと) 〉で構成しましょう 」


 セロの両手の中に〈 (原質)(みなもと) 〉が集まる。

 〈 (原質)(みなもと) 〉でなにかが構築されていく。

 〈 (原質)(みなもと) 〉で構成されたのは、やっぱりと言うか──、定番の剣だった。


マオ

「 わぁ……結構、立派な剣じゃんか。

  大剣ってヤツだよな?

  重たそうな大剣だな~~ 」


セロフィート

「 試しに穴へ突き刺してみましょうか 」


 そう言うとセロは穴の中へ大剣の先を入れ始めた。

 大剣は真ん中まで入ると、カチッ──と音を鳴らしてまった。


オリバー・デグンス

「 …………今、 “ カチッ ” って音がしましたよね?

  なんの音だったんでしょう? 」


セロフィート

怪物モンスターの気配が消えました。

  誰かが大剣を抜いた事で怪物モンスターが出現したのでしょう。

  大剣が抜けないよう、大剣にさわれないよう、この広間に入れないようにしましょう 」


 セロは大剣が突き刺さっている台座へ古代エンシェント魔法マジックを重ね掛けした。

 安全地帯の結界も解除したみたいだ。


マオ

「 セロ、ほん怪物モンスターは出ないのか? 」


セロフィート

「 大丈夫です。

  広間から出たら入室禁止の結界魔法を掛けます 」


 セロに言われてそう(そう)に広間から出る。

 広間から出ると通路は綺麗になっていた。

 暗かったのに明るくなっていて、オドロオドロしさも不気味さも微塵も感じない。

 一体なにんだろうな?


ミグリ

「 綺麗になってる。

  明るい… 」


 セロが広間に結界魔法を掛けると、広間の出入り口に壁が出来た。

 誰もこの奥が広場になっているなんて分からないようになった。


セロフィート

「 先へ進みましょう。

  ダンジョン化も解除されたみたいです。

  歩いていればかで〈 しっぷうそうらい 〉の5名に会えるでしょう 」


オリバー・デグンス

ほんとうに〈 しっぷうそうらい 〉は遺跡の地下にるんでしょうか? 」


マオ

なければないでいよ。

  森の中にるかも知れないしな~~ 」


 広場だった場所から離れて、更に先へと進んで行く。

 通路が明るくなった事で、テス(無属性スライム)は照明魔法を解除している。

 怪物モンスターが出現しなくなった事で、オリバーとミグリの緊張もほぐれているみたいだな。

 ミグリはテス(無属性スライム)を抱っこして歩いている。

 テス(無属性スライム)もミグリに抱っこされるのが好きみたいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ