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✒ 依頼品の採取 2


マオ

「 ──オリバ!?

  オリバ、どうしたぁ!!

  しっかりしろぉ~~~~!! 」


 テス(無属性スライム)の案内で到着した場所で、口から泡を吹いて両目をグルグルと回しているオリバーが地面に倒れていた。

 テス(無属性スライム)も地面に倒れているオリバーの姿を見て吃驚したのか、オリバーの元へジャンプした。

 テス(無属性スライム)は目を回して倒れているオリバーに回復魔法を使おうとしている。


マオ

「 テス、めろ!

  誰かる!

  ミグリ、ポーチから回復薬を出して、オリバに使うんだ! 」


ミグリ

「 はい! 」


マオ

「 黄色い回復薬でいからな! 」


 オリバーの近くに人の気配を感じたオレは、オリバーの近くを注意深く見回して見る。

 テス(無属性スライム)がジャンプしてなにかを伝えている。


マオ

「 テス? 」


 テス(無属性スライム)の鳴き声が聞けたら、どんなに便利になる事か…。

 テス(無属性スライム)が飛び跳ねてる場所へ歩み寄ると、見知らぬ誰かが倒れている。

 怪我をしているみたいだ。

 傷の手当てをしてやらないとだ。


 オリバーの事はミグリに任せるとして、オレはポーチの中から回復薬を取り出した。

 回復薬は試験管の中に入っていて、紫色をしている。

 セロが趣味で作った回復薬なんだけど、効果は抜群なんだよな。

 オレは試験管の蓋を開けると、怪我人の口の中へ回復薬を流し込んだ。


 オレはポーチの中からミニジョを出して、ポーチの中から大瓶を1本取り出した。

 大瓶の中には紫色の回復薬がと入っている。

 ミニジョの中へ回復薬をドバドバと入れたら、男の装備品をはずす。

 傷口が見えるようにしたら、身体からだ全体に回復薬が掛かるようにミニジョを傾けた。


 花に水やりをする要領で、ミニジョの注ぎ口から回復薬が出てる。

 小さな穴が沢山いているはすぐちを取り付けているから、シャワー状に出てるんだ。

 これで満遍なく身体からだに回復薬を掛ける事が出来る。

 フフン、凄いだろぉ!!


 こんなふうに貴重で最高級品の回復薬を大胆に使えるのだって、セロが回復薬を〈 (原質)(みなもと) 〉で大量に構成してくれるからなんだ!

 身体からだっていた傷口は回復薬の効果で綺麗に消えたみたいだ。

 人間に備わっているもと(もと)の自己回復のうりょくを極限まで高めて傷口を塞ぐ事の出来る回復薬。

 古傷を消す事は流石に出来ないけど、回復薬を掛ける前よりも色が薄まっている。


マオ

「 意識は──戻らないみたいだな。

  気を失っているのかな?

  頭の打ちどころが悪くて死んでる──って事は無さそうだな。

  胸は動いてるから息は出来てるみたいだし。

 …………片足が無いな。

  傷口は新しいから怪物モンスターにでもわれたかな? 」


 傷口の出血は回復薬の効果でまっている。

 こんな時にこそ、セロがてくれたら──って思う。

 だけど、にセロはない。

 頼れるセロがない今は、オレがリーダー代理なんだから、しっかりしないとだ。


 オレは気を失っている男の両足首を掴んだら、ミグリのる場所へ向かって歩く。

 仰向けの状態で気を失っている男を引き摺る形になるけど仕方無い。

 地面を引き摺って出来た背中の傷口に関しては、あとで回復薬を掛けようと思う。






マオ

「 ミグリ、オリバの様子はどうだ? 」


ミグリ

「 起きてる。

  虫に驚いて……足を滑らせて…転んだみたい 」


マオ

「 なんだ……。

  虫に驚いて泡を吹いてただけか。

  怪物モンスターに襲われた訳じゃなくてかった… 」


オリバー・デグンス

「 マオ師匠……。

  1人で対処が出来なくて済みませんでした…。

  まさか草むらから虫が出てるなんて思わなくて…(////)」


マオ

「 足を滑らせて転んだんだろ?

  怪我は大丈夫なのか?

  身体からだかを痛めたりしてないか? 」


オリバー・デグンス

「 ミグリが飲ませてくれた回復薬のお蔭で大丈夫です!(////)」


マオ

「 そっか。

  動いて大丈夫なんだな? 」


オリバー・デグンス

「 問題ないですよ! 」


マオ

「 よし!

  オリバ、男を運ぶのを交代してくれ。

  オレは≪ 村落トーゴフ ≫に到着する迄、遭遇した怪物モンスターを退治する。

  ミグリは援護してくれ 」


ミグリ

「 うん、任せて! 」


オリバー・デグンス

「 マオ師匠、薬草ハーブ採取は…… 」


マオ

「 中断するしかないよ。

  怪我人を放ったらかしには出来ないだろ。

  装備品から見て冒険者だからな~~。

  オレはセロじゃないから、知らん顔は出来ないよ…。

  単独でたのか仲間とたのか分からないけど、先ずはコイツを冒険者ギルドへ連れて行くぞ! 」


ミグリ

「 ググはマオちゃんに従う! 」


オリバー・デグンス

「 僕だってマオ師匠を手伝いますよ! 」


マオ

「 ミグリ……オリバ…。

  がとな! 」


 薬草ハーブ採取を中断したオレは、気を失っている男をオリバーに任せると、援護をミグリに頼んで西の森から出る事にした。






──*──*──*── トーゴフの村


 ≪ 村落トーゴフ ≫に到着すると、≪ 村落トーゴフ ≫に入る前に気を失っている男の背中に回復薬を傷口を治した。

 男の運び方を変える為に、男の左側にオリバー,右側にオレが移動した。

 ダラン……としている男の腕を肩に回して、オリバーと一緒に支えながら冒険者ギルドを目指して歩いた。


──*──*──*── 冒険者ギルド


 冒険者ギルドの医療室へ運び終えたあと、男が身に付けていた装備品とマイバイ証を受付嬢へ預けた。

 ケチらずに使った回復薬のお蔭で男は一命を取りめる事が出来たみたいだ。

 冒険者1人のいのちを救えて、オリバーとミグリもホッと胸を撫で下ろして安堵している。

 オレも男を見捨てなくてかったと思っている。


 受付嬢から教えてもらったんだけど、どうやら男には仲間が4名て、5名でパーティを組んで依頼を受けていたらしい。

 その依頼内容が、西の森にある遺跡の中で新たに発見された地下の探索依頼だったようだ。

 あの古い遺跡に地下へ続く階段があったなんてなぁ……。


 薬草ハーブ採取で最初に西の森を選ばなかったら、あの男は助かる事なく、遺跡の近くで息絶えていたかも知れない。

 テス(無属性スライム)に見付けてもらえたお蔭で命拾いしたわけだから、運がい男だと思う。


オリバー・デグンス

「 えぇ~~?!

  あの人、5人パーティの1人って事ですか?

  ほかにも4名が……。

  じゃあ、だ…あの遺跡の地下にるとか?? 」


マオ

迄は知らないな。

  助けた男はLV43で、冒険者ランクC,冒険者レベルは6だと。

  かなりの実力者だし、ベテランと言ってもい冒険者だ。

  パーティの名前は〈 しっぷうそうらい 〉って言うらしい 」


オリバー・デグンス

「 はぁぁぁあ!?

  あの人が〈 しっぷうそうらい 〉の1人なんですかぁ?! 」


マオ

「 あ…あぁ……。

  ≪ 村落トーゴフ ≫では結構強いパーティみたいだな。

  仲間のLVも高いと思うけど──、まんしんそうで出血多量のふかった状態で片足を失う程の事態に遭ったんだろ。

  依頼中に仲間割れをして “ 裏切られた ” とか “ 囮に使われた ” とか……そんな感じには見えなかったんだよな…… 」


オリバー・デグンス

「 マオ師匠、もしも仮にとしたら、大事件ですよぉ!!

  〈 しっぷうそうらい 〉が仲間割れをした事が事実なら、冒険者達に激震が走りますよ!! 」


マオ

「 そうなのか?

  冒険者パーティなんて、仲間割れとか追放とかでパーティ編成するなんて日常茶飯事だし、珍しくないじゃんか。

  〈 しっぷうそうらい 〉だって、当時とはパーティメンバーが変わってるんだろ? 」


オリバー・デグンス

「 ま、まぁ…たしかに〈 しっぷうそうらい 〉の当時から残ってる人はませんけど、パーティ内で “ 仲違いした ” とか “ 追放された ” とか話は聞きませんよ 」


マオ

「 そんなのがいに知られないように隠してるだけかも知れないだろ?

  まぁ、別にいんだけどさ。

  多分だけど、ギルドマスターから〈 しっぷうそうらい 〉の4名を捜索する依頼が出されると思う。

  捜索範囲は西の森,遺跡周辺,遺跡の地下だ 」


オリバー・デグンス

「 マオ師匠は受けるんですか? 」


マオ

「 依頼を受けるか決めるのはセロだ。

  〈 サムシンググレート 〉の決定権はリーダーのセロが持ってるから、セロ次第だな。

  まぁ……セロの事だから〈 しっぷうそうらい 〉の捜索うん(ぬん)よりも遺跡の地下には興味が有るかも知れないな。

  今夜、相談してみよう 」


オリバー・デグンス

「 遺跡の地下がダンジョンになってるって事はないんですか? 」


マオ

「 どうだろうな。

  だけど、捜索依頼が出された頃には、生死不明の4名は死んでるかもな~~。

  捜索って時間との戦いだからな。

  ≪ 村落トーゴフ ≫に戻らず遺跡の地下に降りてれば、もしかしたらだ生きてた4名に会えたかも知れないよ 」


ミグリ

「 …………遺跡に地下があるなんて知らなかった。

  遺跡から離れたのは仕方無いし、マオちゃんにはない 」


マオ

「 ミグリ……がとな。

  セロがてくれたら……、≪ 村落トーゴフ ≫に戻る前に遺跡の地下に気付けたかも知れないよ… 」


オリバー・デグンス

「 マオ師匠……。

  セロフィート師匠がたら、あの人を見捨てて薬草ハーブ採取を優先させていたかも知れないじゃないですか!

  自分の選択を責めないでくださいよ 」


ミグリ

「 オリちゃん…それは言い過ぎ…… 」


オリバー・デグンス

「 言い過ぎなもんか!

  セロフィート師匠は意外と薄情な── 」


「 ワタシがなんです? 」


オリバー・デグンス

「 ヒィエっ──Σ( ノД` )ノ!!! 」


セロフィート

「 誰が “ 薄情 ” なのでしょうね? 」


ミグリ

「 セロちゃん…… 」


セロフィート

「 はい♪

  みんなのセロちゃんです♪

  随分と早く薬草ハーブ採取が終わった──訳ではなさそうですね 」


マオ

「 セロぉ~~!! 」


 オレはオリバーとミグリがそばるのも忘れて、冒険者ギルドに現れたセロに抱き付いた。


セロフィート

「 マオ──、どうしました? 」


マオ

「 イレギュラーな事態が起きたんだ! 」


セロフィート

「 おや?

  ギルドマスターから呼び出しの連絡が入った事と関係が有りそうですね 」


マオ

「 ギルドマスターから連絡? 」


セロフィート

「 ギルド長室へ呼ばれてます。

  みんなで行きましょう 」


マオ

「 あ、あぁ……。

  分かったよ 」


 セロに頭を撫でられて、少しだけ気持ちが落ち着いた。

 もは頭を撫でられると「 子供扱いするなぁ!! 」って反発するんだけど、今は安堵している。

 やっと会えたセロから離れたくないっ!!


セロフィート

「 マオ、離れてください。

  それでは歩けません 」


マオ

「 ………………そだな… 」


 セロから「 離れろ 」って言われたら、素直に離れるしかない。

 オリバーとミグリがなかったら、このままセロに歩かせたのにぃ!!

 …………オレのセロ依存症は末期みたいだ。

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