✒ 依頼品の採取 1
──*──*──*── 西の森
オレは今、オリバーとミグリと一緒に遺跡の在る森の中に居る。
依頼書に書かれている依頼品の採取をしている最中だ。
回復薬を作るのに必要な薬草を探しだして採取している。
簡単な依頼かと思って受けた依頼だけど、これが意外と難しい。
1枚の依頼書に書かれている薬草の種類は、1種類じゃなくて6種類もある。
依頼書にも一応薬草の絵は描かれているけど、描いた奴は絵が下手なのか──、似ている薬草との違いが良く分からない。
唯一頼りになるのは、今回の為にセロが態々描いてくれた薬草のイラストだ。
薬草の特徴や間違え易い部分や採取のポイントが事細かく書かれていて、丁寧に色も塗られている。
やっぱりセロは凄い。
オレ達の為にセロが描いてくれたイラストを見ながら、似たような薬草の中から必要な薬草を探す地道な作業が続く。
ミグリ
「 ──マオちゃん、これは? 」
マオ
「 う~ん……。
セロの絵と少し違うな。
ほら、葉っぱのギザギザが細か過ぎる。
これは違うよ 」
ミグリ
「 捨てる? 」
マオ
「 捨てないよ。
その薬草は此方の魔法の袋に入れてくれ 」
ミグリ
「 うん。
また探す 」
オリバー・デグンス
「 マオ師匠、これはどうですか? 」
マオ
「 う~ん……球根の形が違うな。
葉っぱの色も違うよ 」
オリバー・デグンス
「 えぇ~~~。
またですかぁ~~。
この薬草、似てるの多過ぎすよ… 」
マオ
「 見付けるのが難しいから冒険者ギルドに依頼書を出したんだろ。
もう少し粘ろう。
この薬草──メルポム草が集まれば、この依頼書は達成出来るんだ。
メルポム草が集まったら、遺跡周辺に生えてるヨムギ草とヒイラム草を採取するぞ! 」
ミグリ
「 頑張る! 」
オリバー・デグンス
「 ≪ 村落 ≫の採取依頼って≪ 町 ≫よりムズいんですね… 」
マオ
「 ≪ 村落 ≫周辺の森で採取出来る薬草を持って帰れば、≪ 町 ≫の冒険者ギルドで高く買い取ってもらえるらしいから、依頼書と違う薬草は持ち帰れば良いんだ 」
オリバー・デグンス
「 それ、マジですか~~?
じゃあ、いっぱい取りましょうよ! 」
マオ
「 あのなぁ…… “ 必要以上に取り過ぎるな ” って、セロも言ってただろ。
何に対してもだけど、取り尽くすのは良くない。
自然と共存共有する気持ちを忘れるな 」
1本あれば、セロが魔法で増やしてくれるんだから、無理して取り過ぎる必要なんか無いんだもんな。
ミグリ
「 一株残したり、根を残したり、株分けして取るようにする 」
マオ
「 そうそう。
セロから教えてもらった薬草採取のコツとルールをちゃんと覚えてるんだな。
偉いぞ! 」
ミグリ
「 うん!(////)」
ミグリを褒めると嬉しそうに笑顔を向けて笑ってくれる。
オリバーとミグリと一緒に必要な本数のメルポム草を採取し終えたら、次の薬草を採取する為に古い遺跡へ向かった。
──*──*──*── 古い遺跡
マオ
「 へぇ~~、此処が森の中の遺跡か。
石造りの遺跡だな。
井戸っぽいのが幾つか有るんだな。
よし、ヨムギ草とヒイラム草を探すぞ!
オリバーはヒイラム草を頼むな。
ミグリはヨムギ草だ 」
ミグリ
「 うん 」
オリバー・デグンス
「 マオ師匠は何するんですか? 」
マオ
「 周辺の監視だな。
この辺は怪物との遭遇率が他の場所より高いらしいんだ。
オレが怪物を倒すから気配を感じたら呼べよ。
テスも居てくれるし、余程の事態にならないと思うけどな 」
ミグリ
「 気を付ける 」
オリバー・デグンス
「 これだけ古い遺跡だと、怪しい雰囲気に誘われて怪物も集まって来そうですよね…。
早く終わらせて次の森に行きましょう! 」
オリバーとミグリに薬草採取を任せて、オレはテスと周辺の監視を怠らない。
マオ
「 異常は無さそうだな。
だけど──、妙に静か過ぎるんだよなぁ…… 」
「 う~~ん…… 」と唸りながら、遺跡の周辺を歩きながら監視をしてるとテスがピョンピョンと飛び跳ねながら近付いて来た。
マオ
「 ──テス?
どうしたんだ? 」
──*──*──*── オリバー視点
オリバー・デグンス
「 はぁ~~……。
セロフィート師匠の絵は綺麗だし分かり易いけど、ヒイラム草に似てる雑草が多くて分からないな~~。
えぇと…… 」
?
『 にゅ~~ 』
オリバー・デグンス
「 テスぅ?
どうしたんだい、テス。
何か……慌ててる?? 」
仮使い魔:テス
『 にゅ~にゅ!
にゅにゅう、にゅ~~! 』
オリバー・デグンス
「 う~~ん…………何か見付けた? 」
仮使い魔:テス
『 にゅにゅ! 』
テスはピョンピョンと飛び跳ねながら、オリバーに何かを必死につたえようとしている。
オリバーは薬草採取を一旦中止する事にして、テスが何を伝えたいのか汲み取る事にする。
テスはピョンピョンと飛び跳ねながら、オリバーを何処かへ案内しようとしている。
オリバー・デグンス
「 テス──、其処で何か見付けたのかい? 」
オリバーはテスの後を追って走った。
オリバーとテスが向かった先には、血塗れの人間が倒れていた。
オリバーは見知らぬ怪我人を発見する事になった。
状態を確認する為に近付いて傷の具合を見たオリバーは、人物が片足を失っている事に気付く。
止血しないと危険な状態かも知れない。
オリバー・デグンス
「 大変だ……。
何とかして助けないと!!
テス──、マオ師匠を呼んで来てくれ!
僕1人じゃあ、手当ては出来ないよ… 」
仮使い魔:テス
『 にゅにゅ!
にゅにゅ~~ 』
オリバーの言葉を理解したテスは、現場にオリバーを残すとマオの元へ向かってピョンピョンと飛び跳ねて進んで行く。
ヨムギ草を採取しているミグリから少し離れた場所にマオは居た。
テスが鳴いても契約していないマオにはテスの鳴き声は聞こえない。
テスの伝えたい事を完全に理解してくれる本来の契約者であるセロフィートは居らず、マオには体当たりをして知らせるしか手段がなかった。
──*──*──*── マオ視点
マオ
「 テス?
──うわっあ!?
何で急に体当たりしてくるんだ?? 」
テスはスピードを上げて、勢い良くジャンプすると容赦なくマオに体当たりをかます。
マオに体当たりを御見舞いして、付いて来るようにジャンプをしてマオを誘導する為に頑張る。
マオ
「 テス……オレを何処かに連れてこうとしてるのか? 」
マオは必死に何かを伝えようとしているテスに付いて行く事にした。
マオ
「 ミグリ、ヨムギ草の採取は一旦中止だ。
テスが何かを見付けたみたいだ。
行くぞ! 」
ミグリ
「 マオちゃん──、うん! 」
ヨムギ草の採取の手を止めたミグリは、マオの後を追って走る。
マオが何処へ向かって走っているのかミグリには分からないが、ミグリな何故だか胸の辺りがザワザワしているように感じる。
ミグリ
「( ──嫌な胸騒ぎがする……。
何で?? )」




