✒ トーゴフ村を観光 3
マオ
「 セロはセロだな。
安心したよ 」
セロフィート
「 はい?
何故マオが安心します? 」
マオ
「 それは……別に良いだろ!(////)」
オリバー・デグンス
「 あの……、セロフィート師匠って吟遊詩人なんですよね?
魔法も使えるし、銀杏の毒素を抜ける水も作れるって……。
唯の吟遊詩人じゃないんですか? 」
マオ
「 セロは “ なんちゃって吟遊詩人 ” だって言ってなかったか?
吟遊詩人の格好をして、吟遊詩人のフリをしてるだけだよ。
吟遊詩人って非戦闘要員で1番弱いから、旅をするのに好都合なんだ 」
オリバー・デグンス
「 それじゃあ、セロフィート師匠の本当の職業は何なんですか? 」
セロフィート
「 羊飼いです 」
オリバー・デグンス
「 はい?
羊飼い??
羊飼いもガッツリ非戦闘要員じゃないですかぁ!! 」
セロフィート
「 ワタシは元々故郷を出る迄は羊飼いをしてました。
吟遊大詩人の他には、奇術師,手品師,魔法使い,冒険者を名乗ります 」
オリバー・デグンス
「 奇術師,手品師もガッツリ非戦闘要員ですよね… 」
マオ
「 イカサマ師と詐欺師も入れろよ~ 」
セロフィート
「 マオ、酷いです。
詐欺なんてしませんし、イカサマもしません 」
マオ
「 どうだかな~~ 」
オリバー・デグンス
「 あのっ──、僕も商会を作りたいんですけど……、良いですか? 」
マオ
「 どうしたんだよ。
冒険者として頑張るんだろ? 」
オリバー・デグンス
「 勿論、冒険者としても頑張りますけど──、僕も保険が欲しい……です 」
マオ
「 欲に目が眩んだな~ 」
セロフィート
「 賢明な判断です。
商会の名前は決めました? 」
オリバー・デグンス
「 〈 デグンス商会 〉にします! 」
マオ
「 〈 オリバー商会 〉にしないんだ? 」
オリバー・デグンス
「 マオ師匠、“ オリバー・デグンス ” は本名じゃないですよ。
だから、“ デグンス ” で良いんです 」
マオ
「 偽名かよ。
オレも偽名だけど…。
それなら尚更〈 オリバー商会 〉でも良いんじゃないか? 」
オリバー・デグンス
「 いやぁ……知り合いに知られたら恥ずかしいじゃないですか~~(////)」
マオ
「 それだと〈 デグンス商会 〉だって同じじゃないのか? 」
セロフィート
「 〈 デグンス商会 〉にします? 」
オリバー・デグンス
「 お願いします! 」
セロフィート
「 〈 デグンス商会 〉には銀杏水の売り上げ──1割を振り分けましょう 」
マオ
「 うわぁ~~、1割も振り分けるのか。
太っ腹だなぁ~~ 」
セロフィート
「 そうでしょう?
奮発しました♪ 」
マオ
「 嫌味だよ!
9:1は駄目だろ~~ 」
セロフィート
「 はいはい。
8:2にすれば良いです?
〈 デグンス商会 〉と〈 ミグリ商会 〉に1割ずつ振り分けるとします 」
マオ
「 それなら銀杏のバラの売り上げも1割、振り分けてやれよ 」
セロフィート
「 はいはい。
村長には6:4で交渉するとしましょう 」
マオ
「 良かったな、オリバ!
1割でも十分にガポカポ出来ると思うぞ!
多分な。
──でもさ、10.000Gも誰に卸すんだよ?
村長か? 」
セロフィート
「 銀杏を使う飲食店と酒場です。
個人には販売しません。
先ずは飲食店と酒場の売り上げを伸ばしましょう。
毒素を抜いた銀杏料理を≪ 村落 ≫の名物料理にすれば、観光客も増えます。
幸いな事に銀杏の樹は此処等辺でしか育たないようですし、これも活用しましょう。
≪ 村落 ≫を銀杏と銀杏の名産地にします。
≪ 村落 ≫の中に “ 銀杏の並木道 ” を作り、“ 幸せの黄色い絨毯 ” を売りにして、黄色い絨毯の上を歩く散歩コースを作ります。
穏やかに過ごせる和やかな銀杏公園も作りましょう。
屋台も出して銀杏公園の中で銀杏料理を楽しめるようにします。
毒素を抜いた銀杏で何種類か酒を作り、銀杏酒も名物にしましょう 」
マオ
「 とことん銀杏と銀杏をプッシュする気だな 」
セロフィート
「 温泉も良いですね。
月夜に照らされる銀杏を見ながら銀杏の入浴剤入りの温泉に入り、楽しんでもらいましょう。
観光客が増える事を見越して銀杏宿も作りましょう 」
マオ
「 どうせなら、足湯に浸かりながらスイーツを食べれる店も作ろう 」
セロフィート
「 良いですね 」
オリバー・デグンス
「 あ、あのぅ……本当に思い付きばかりですけど、それって村長が承諾すればの話ですよね? 」
セロフィート
「 村長が駄目でも≪ 村落 ≫を買い取って起業します 」
オリバー・デグンス
「 か…買い取るって……本気ですか?? 」
セロフィート
「 徹底的にガッポリするなら私有地にしてしまうのが簡単です。
好き放題出来ますからね 」
オリバー・デグンス
「 私有地……。
じゃ、じゃあ……≪ 村落 ≫の村人達はどうなるんですか?
出て行くんですか? 」
セロフィート
「 そのままですよ。
≪ 村落 ≫の代表者が村長からワタシに変わるだけですし。
そのまま住んでもらいます。
出て行きたい村人が入れば、好きにしてくれて構いませんし 」
オリバー・デグンス
「 は、はぁ……そうなんですか…… 」
セロフィート
「 ミグリさん、次は何処へ行きたいです? 」
ミグリ
「 冒険者ギルド!
4人で依頼…受けたい 」
セロフィート
「 買い物は飽きました? 」
ミグリ
「 沢山買って貰えて満足…です(////)」
マオ
「 店が少ないから回り尽くしちゃったもんな~。
そう言えば、未だ冒険者ギルドへ寄ってなかったよな? 」
オリバー・デグンス
「 あっ、ですよね!
スタンプを押して貰う為に冒険者ギルドへ向かう途中でしたよ!
見事な銀杏の樹に気を取られて忘れてましたね! 」
セロフィート
「 随分と寄り道してしまいましたね。
当初通り冒険者ギルドへ向かいましょう 」
マオ
「 ははは…。
セロ、気付いてたなら黙ってないで言えよ 」
セロフィート
「 後でも先でも構わないでしょう? 」
買い物を終えたオレ達は、ミグリが「 行きたい 」と言った冒険者ギルドへ向かう事にした。
≪ 村落 ≫へ到着して依頼を達成した証のスタンプを押して貰う為にだ。
支部って言うからには冒険者ギルドはデカいのかな?




